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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:87分
監 督:ポール・ハフ
出 演:ポール・マッカーシー=ボーイントン、エディ・マッギー、トリスタ・ロビンソン、T・アーサー・コッタム、ドミツィアーノ・アルカンジェリ 他
街にいたはずなのに、突然見たこともない場所に立っている80人の人々。老人、子供、妊婦、障碍者、様々な人種の人々で、同じ街にいたであろうということ以外に共通点はない。呆然としていると、突然声が響く。それは耳から聞こえているのではなく、直接頭に届いている模様。声は淡々と何かのルールを読み上げる。「勝者はただ一人」「学校、家、刑務所は安全地帯」「矢印から外れたら命はない」「2周遅れたら命はない」「草に触れたら命はない」「レースを拒めば命はない」そして、スタートの号令。何のことかわからずにいる中、一人が草むらに足を踏み入れると頭部が爆発。指示に従わなければ同じ目にあうことを察した人々は、矢印の方向に一斉に走り出す。このレースの意味がわからないまま、ルールから逸脱した人はどんどん死んでいき…というストーリー。
明らかに『CUBE』や『ソウ』などのライン(というか注目のされ方)を狙った作品。低予算、アイデア勝負で映画界に爪痕を残すぜ!っていう貪欲さが見て取れる(悪いことじゃない)。
ある意味、一発ネタで押し切った作品なので、細かいストーリーは言わないでおこう。
確かに目的も誰の仕業かもわからない中、人間の醜さが次々に表出する地獄絵図が展開される。子供は殺さないというハリウッドの不文律も破棄。何の落ち度もない老人も妊婦もどんどん殺す。聾唖者であることをいまいち生かし切れていない部分はあったが、障碍者だって健常者と同じ人間で、健常者の中にクソ人間がいるように、障碍者の中にもクソ人間はいるし、障碍者の性欲だって健常者と同じという、よく考えればあたりまえのことだけど、障碍者を聖人扱いしがちな世間に一石を投じている部分は、個人的に評価したい。
あれ、この聾唖者2人って、いつのまに2周追い抜いた?とか、肝心の2周追い抜きルールがわからなくなってしまうところがある。もうちょっと工夫できなかったかな…と、そこは残念。
最後の大風呂敷の広げ方は、もうマトモなオチが思いつかずにやっちゃったでしょ!って感じ。次はSFにならざるを得ない。続編も視野に入れているなら、なかなか難しい方向性を選択しちゃったと思う。
宇宙人さんには宇宙人なりの苦痛を与えているみたいだけど、別ルールで勝ち上がってきた両者をどういう今日つルールで戦わせようとしているのか…までは、考えてないだろうな(笑)。
悪くなかった。軽くお薦めしたい。
デジタルビデオ画質というか、CG処理の稚拙さのせいなのか、画質の安っぽさはどうにかしたほうがよかったと思う。ポストプロダクションでデジタル映像をマットな感じに加工してるのだろうけど、人間の目は意外と違和感を察知する。なんなら編集後に、いったんフィルムに焼き直すとか、したほうが楽に雰囲気をつくれたかも。
評価が低いのは、案外これあ原因かも。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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