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image1841.png公開年:2009年
公開国:タイ
時 間:114分
監 督:ラーチェン・リムタラクーン
出 演:“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン、カズ・パトリック・タン、パトリック・タン、マーク・ホアン 他





ロックバンドのドラマーのドゥは、彼氏の浮気現場を目撃し自暴自棄になり、街を彷徨っていたところ、ギャングに誘拐されそうになる。その時、サニムとその仲間たちが現れ彼女を救出する。彼らは泥酔拳という武術の達人たちで、興味をもったドゥは、その拳法を学びはじめるのだった。しかし、サニム達は、ギャングたちに、恋人や妻・妹を誘拐されてしまった過去を持つ男達で…というストーリー。

『チョコレート・ファイター』の主役の人が、本作でも主役。『チョコレート・ファイター』の原題は『Chocolate』だったけど、本作はChocolateとは無関係。もちろん続編でもなんでもなく、監督も違う。本作は大阪アジアン映画祭で公開された程度で商業的には未公開。『チョコレート・ファイター』は阿部寛が出演していて話題になったけど、本作では拉致された被害者の中に日本人がちょろっと紛れているだけ。一応、日本公開を意識した営業的演出の一環だと思うけど、効果は無かったようだ。
まあ、普通に考えれば、つまらないんだろうな…と思うよね。

もともとタダのバンドマンの女性なわけで、そんなちょろっとの特訓でなんで達人レベルになるのか。いや、なんで達人になろうと思ったのか。訓練内容とか、何の意味があるんだかわかんない部分が満載で、それを逆手に取って笑いにできそうなものなんだけど、マジメ路線なのかバカっぽさを追求しているのか。笑いのセンスの違いがちょっとイタいところかもしれない。
で、結局、なんで酔拳なのか…っていうストーリー上の理由も見えないし、泥酔拳とやらを教える男たちのバックボーンが、強引すぎてピンとこない。この映画の演出上酔拳でなくてはならない必然性や効果もいまいちわからない。
挙句の果てに、敵のアジトに突入しての最後の戦闘では、彼らはまったく酔ってないという…これって欠陥シナリオのレベルでしょ(苦笑)。

そういう悪の組織が存在するっていう前提で話は進むが、その敵のディテールが一向に見えてこない。敵がぼんやりしているストーリーがおもしろくなるわけはない。とある悪の集団に対する復讐というプロットは悪くないのだから、もう少しストーリーテリングを考えたほうがいいだろう。展開のタメみたいなものが無くて、スルスルと進めすぎているので、単調に感じられる。緩急の付け方や、人物描写メリハリを工夫すればいい。
#四年も囚われの身っていうのもリアリティないよな。

確かに彼女のアクションはスゴイだけど、カットが多いというか編集点が多いので、スゴさが半減。ワンカメの引き回しで連続アクションを見せないとダメなんじゃないかな。タイがどういう映画の撮り方をしてるのかよくわからないが、香港映画のようにシナリオを現場でほいほう書き直すのでなければ、一度外国人が書いたシナリオをタイのスタッフで撮るってのはどうだろう。

頭のネジがはずれた演出ばかりの韓国映画にもそろそろ飽きてきたし、経済は開放されてきているのに何故か映画のほうは閉塞感が溢れている今の中国映画にも食指は動かないし、かといってインドまでいっちゃうと娯楽の基本線から違うような気もするし。
お薦めするのははばかられるところだが、異国の若い衆が一生懸命つくったのであろう“好感”だけは感じられる。今後の、タイ映画の未来に期待したくなる作品。




負けるな日本

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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