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公開年:1973年
公開国:イギリス
時 間:86分
監 督:ロビン・ハーディ
出 演:エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、ダイアン・シレント、ブリット・エクランド、イングリッド・ピット、リンゼイ・ケンプ、ラッセル・ウォーターズ、オーブリー・モリス、アイリーン・サンタース
サマーアイル島でローワン・モリソンという少女が行方不明になったので捜索してほしいという匿名の手紙を受け取り、スコットランド本土から島へ単身でやってきた警官ニール。島民のだれに聞いてもローワンのことは知らないというが、何かを隠しているような雰囲気もあり、不審に感じたニールは島での捜査を継続する。やがて、この島では、キリスト教ではなく、独特の太陽信仰に基づく、独特の風習や性的な儀式が繰り広げられていることを知り…というストーリー。
リメイクしたくなる気持ちは理解できたが、同時に2006年のニコラス・ケイジ主演のリメイク版も失敗作であると、確信する結果となった。
リメイク版は、島に赴くまでの過程を厚く描いているが、オリジナルである本作は、特に前フリもなく主人公である警官が島を訪れるところか始まる。リメイク版は、巧みに仕組まれた罠だっていうことを色濃く表現したかったのだろう。しかし、結果として話が動き始める前にダラダラと説明することになってしまい、観客に余計な想像をさせ、「あれ?もしかして罠なんじゃね?」と気付かせる余地を与えている。
まあ、オリジナル版のほうは、匿名の手紙くらいでそこまで動くか?という疑問が生じるので、改善したくなった気持ちもわからないではない。現代アメリカで、童貞の男が生贄の条件という設定をニコラス・ケイジに演じさせるのは無理があるわけで、その辺の設定もこねくり回さねばならなかった。
イギリスだからこそ、そういう古い因習に縛られた島があったとしても、アリかなあと思うのだが、アメリカを舞台にしてしまうと、なかなかそんな風には描けない。リメイク版は文明と隔絶した自給自足生活をしているキリスト教原理主義者の集団のように描いている。まあ、実際、アメリカにはそういう集団がけっこういるから、そっちのほうがリアリティがあるのはわかる。ただ、それに引っ張られて、クリスチャンVS.反クリスチャンという構図も消失している。
結果としてこれらの追加・変更が、リメイク版を判りにくくピリっとしない作品にする原因となっている。オリジナル版のシンプルさに軍配が上がる。
冒頭に流れる、実際にどこかの島で取材した宗教儀式を参考にしている云々という謝辞は、本当なのか演出なのかよくわからない。また、独特のフォークミュージックと安っぽい画質も、意図したのかどうかはわかないが、これらは、不思議な雰囲気をつくる一助となっている。
妙なユルさに飽きそうになるのに、何故か目が離せない。不必要にも思えるお色気シーンの連発に「下品だな…」と思いかけて、ドルイド教の因習にブッ飛びすぎて気にならなくなる。
はっきりいって、おもしろいとか良くできた作品とはとてもいえないのだが、とにかく“ユニーク”の一言に尽きる。始めは警官のニールと一緒に捜査しているような視点で観ているのだが、日本にも各地に奇祭はたくさんあって馴れているのかもしれないが、島民の奇行もなんとなく許容できてしまうし、ガチガチのクリスチャンでもないので、主人公のクリスチャン魂爆発の激昂にも共感できない。終盤に近づくにつれておのずと客観的な視点になっていく。
救いのないオチにもかかわらず、急転直下の展開なので、主人公には何の非もないのだが、「もう、こりゃ仕方ないわ…」と、観ている側も島民の勢いにねじ伏せられてしまうという、稀有なノリの映画だと思う。そういう意味で軽くお薦め。
#重ね重ね、リメイク版がこういう面白い部分をすべて失っており、無駄な作品だったと確信させられる。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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