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公開国:アメリカ
時 間:105分
監 督:ミカエル・ハフストローム
出 演:ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、フランカ・ポテンテ、ジェフリー・ディーン・モーガン、菊地凛子、ベネディクト・ウォン、ヒュー・ボネヴィル、デヴィッド・モース、渡辺謙 他
コピー:そこは、愛が命取りになる街。
1941年の上海。イギリス、アメリカ、フランスが租界(外国人居留地)を設定していたが、日中戦争勃発以降は日本軍の統制下に置かれるようになっている。アメリカ諜報員のポール・ソームズは、同僚で親友だったコナーに会うため上海へとやってきたが、コナーが殺されたことを知る。コナーが上海裏社会の大物ランティンについて調査していたことを知ったポールは、彼を殺した者、そして彼が何を探っていたのかを明らかにするため、ランティンに近づく。そこで出会ったのが、ランティンの妻アンナ、日本軍情報部のトップ・タナカ大佐、コナーの愛人で姿を消した女スミコ。そして、アンナの秘密を知ってしまったポールは、その裏の顔を知りつつも彼女に強く惹かれてしまい…というストーリー。
正直言って、つまらんかったので、いきなりで申し訳ないけど、以下、ネタバレ注意。
ヘビーな拷問からスタートするけど、執拗に一人の女性の居所を訊くという掴みから始まる。これで「お!?」って興味を惹かれる人はいるか?逆に、ショボい話なんだろうな…と大抵の人は感じるだろう。せっかく、第二次世界大戦というダイナミックな舞台なのにもったいないと思う。
ジョン・キューザックとコン・リーとのラブロマンスに軸を置くならば、そこにもっと焦点を当てればいいのに。友人の死を探っていたら、出会ったアンナを愛してしまったポール。しかしアンナは有力者の人妻。しかし彼女が地下活動に身を投じていることをスパイであるポールは知ってしまう。彼女の破滅を回避するために正体を隠すことに尽力してしまうポール…その部分だけにね。
中途半端に真珠湾攻撃の予兆を掴んで云々…みたいな、スケールのデカい話を無理やり絡めようとするから、話の軸がブレる。
結局は旦那との関係が崩れるわけでもなければ、バレるバレないに話が集約されていくわけでもないから、愛憎劇とはとても言えないし。
挙句の果てに、友人の死の謎は、大きな謎にせまったからでもなんでもなくて、スミコを巡ってのトラブルだったとか…。もうねぇ。殺したのが誰かわかったけど、復讐する気もおこらない?どうでもよくなった?それどころじゃない?このストーリーって、それを追う話だったんだけど、そんなふわっと終わって許されると思ってるのかな。親友は空気かよ。そんなことなら親友が殺されたことへの憤りなんか不要じゃないか。
ポールは、ランティンと少なからず心を通わせ、敵である田中大佐とも、スミコの処置で小さな友情のようなものを芽生えさせる。スパイだからイソップ物語のこうもりみたいなポジションになるのはわかるけど、うまいことすり抜けて流されて…と、わかったようなわかんないようなオチ。これでいいのか?
本当にシナリオがつまらない。プロットレベルでつまらない。とっちらかってるんだわシナリオが。
この脚本家(ホセイン・アミニ)って、今公開してる『スノーホワイト』の脚本もやってるんだけど、こんなんで続けて仕事貰えるんだなぁ。
アメリカが日本に対する石油の輸出を止めたこと(ABCD包囲網)に触れられていることや、南京事件のことが“何か事件があったらしい…”の程度の反応で表現されていることは、なかなか好感が持てる。3年くらい前に30万人も殺されたのに、ずいぶんのんきだよね(笑)。
そのくせ、アンナは上海を脱出したにも関わらず、自らの意思で上海に戻り抗日活動をしましたとさ…とか、まるで中国が一枚岩の中国と描かれているところに、現在の中国の哀れさがにじみ出ている。八路軍かよ、国民党側かよ、それとも単なるゲリラかよ。
中国で公開するためには、こういう表現をせざるを得ないのは、俺たちは日本に攻め込まれた被害者ですみたいな顔を永遠にし続けるしかない、現在の中共の惨めさと顕しているってことだ。
#今、中国公開を前提に製作するって、足枷以外のなにものでもないわ。
久々に注意報発令レベルのつまらなさ。
#別に菊地凛子でなくてもよかった…というか菊地凛子だと気付かないで終わる人もいるんじゃないのかね。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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