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公開年:2000年
公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:ダーレン・アロノフスキー
出 演:エレン・バースティン、ジャレッド・レトー、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンズ、クリストファー・マクドナルド、ルイーズ・ラサー、キース・デヴィッド、ショーン・ガレット、ディラン・ベイカー、ピーター・マローニー 他
ニューヨーク・ブルックリンのコニー・アイランドにある団地に住む老女サラ。定職につかない一人息子ハリーと一緒に暮らしているが、ドラッグ常用者の彼は、しばしば彼女の唯一の楽しみであるテレビを質屋に入れては、ドラッグを買っていた。その度に質屋からテレビを買い戻す彼女。そんなある日、彼女が大好きな視聴者参加型クイズ番組から出演依頼の電話が入る。息子の高校卒業式に着た思い出の赤いワンピースを着て出場しようと考えたが、まったく入らない。そこでダイエットを決意。ダイエット本に従ってグレープフルーツダイエットを開始するが、一向に体重は減らないし、空腹で眠ることすらできない。追い詰められた彼女は、アパートの住人から、食欲を減退させる薬を処方してくれるという医者を紹介してもらう。一方ハリーは、友人のタイロンとともにヘロインの密売を始める。仕入れたヘロインに混ぜ物をして売り捌くという稚拙な手口だったが、意外にも売れ行きは好調で、ハリーはデザイナー志望の恋人マリオンと一緒に、ファッション関係の店を開くことを夢見るようになるのだが…というストーリー。
昨日の『リアリティー』と同じく、テレビ番組の出演を夢見て暴走する人が登場する。ただし、本作は、なんで暴走しちゃうのか…という部分が“喪失感の埋め合わせのため”という形でしっかり描かれている。夫を亡くし、唯一の希望だった息子が、定職もなくドラッグに溺れているという現実から目を背けたい彼女に舞い込んだテレビ出演の電話(といっても、選ばれる可能性があるという電話なんだけど)。思い出のドレスを着て出ようと考えたわけだが、その赤いドレスを着た思い出の中の自分はまだまだ美しく、夫も存命でそこそこ裕福。そして、息子には輝かしい前途があった。ああ、あの時に戻れれば…、その思いがすべて番組出演するということに向いていく。
もちろん、テレビに出たからといって、元に戻るなんてことはないのだが、そこにすがりたくなるほど、彼女は孤独で希望を失っているのだ。そして、“薬”の使用すら躊躇わなくなる。
一方の息子は、ヘロインで一発当てようと考える。そこそこ軌道に乗ってしまうのがタチの悪いところだが、もっとタチが悪いのは、品質の確認と称して自分もヘロイン中毒になってしまうこと。結局は母子共々、重度の薬物中毒になっていく。久々に家に帰った息子は、そんな母の状況を見て、その薬はドラッグと一緒だから止めろと忠告する。薬物には詳しいからわかるんだよ!と。
その会話の中で、息子の仕事がうまくいっていること、結婚も考えている恋人がいることを知ったサラ。ああ、本当に幸せなあの頃が戻りつつあるのだ!となってしまい、ますます高揚し、止めることができなくなるという皮肉。
その後は、破滅へのジェットコースタームービーだ。母子だけじゃなく、恋人マリオンも沈み続ける。ジェニファー・コネリーの体当たり演技。この作品の頃はすでに30歳だと思うが、欧米人らしからぬ若々しさと廃人なり汚れきった姿の振幅がものすごい。翌年『ビューティフル・マインド』でオスカーを獲るわけだが、その布石として十分すぎる仕事。
友人タイロンの描写が、他のキャラクターと比較すると薄いかな…なんて思ったけど、サラとマリオンでお腹一杯だからその程度でいいや…って思うくらい。
アッパー系かダウナー系かと聞かれれば、間違いなくダウナー系な作品。薬に限らず、“依存すること”の怖さを描ききった作品だと思う。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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