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公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:134分
監 督:スパイク・リー
出 演:デンゼル・ワシントン、レイ・アレン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ロザリオ・ドーソン、ゼルダ・ハリス、ビル・ナン、ジョン・タートゥーロ、ロネット・マッキー、ネッド・ビーティ、ジム・ブラウン、レナード・ロバーツ、ヒル・ハーパー、ジョセフ・ライル・テイラー、ミシェル・シェイ 他
ノミネート:【1999年/第8回MTVムービー・アワード】ブレイクスルー演技賞[男優](レイ・アレン)


リンカーン高校に通うジーザス・シャトルズワースは、バスケットボールの天才プレイヤー。卒業を迎える今、大学に進むのかNBAに入るのか、彼の進路は注目の的。その決断まであと一週間と迫っていた。一方、ジーザスの父親ジェイクは、6年前に妻(ジーザスの母)を殺した罪で服役中していたが、刑務所の所長からある取引を持ちかけられていた。実は、州知事がバスケットで有名な地元ビッグ・ステート大学のOBで、どうしてもジーザスを母校のチームに入れたいと考えていた。そこで、ジーザスからビッグ・ステート大の奨学生になる確約と取り付ければ、15年の刑期を大幅に短縮してやるという裏取引だった。ジェイクは労働釈放の名目で一週間だけ出所する。目の前に突然現れた父を強く拒否するジーザス。母親を誤って殺してからというもの、父と息子の間には深い溝ができており、ジーザスは徹底的に父を無視するのだった。監視する刑事から、早く契約を獲るように脅される中、ジェイクは、仮住まいのアパートの隣室に住む売春婦ダコタと心を通わせるようになり…というストーリー。

導入部が、全然ジャケット画像のイメージと違ってちょっと面食らったものの、すぐに引き込まれた。

高校バスケットのヒーローで、本当は明るい未来に喜び溢れる日々のはずなのに、ものすごくつらいという状況。もちろん経験したことはない状況だが、高校生には厳しい。
そんな彼には、相談できる両親はおらず、それどころか守らねばならない妹がいる。せめて、現在の保護者がまともであればいいのでが、世話になっている叔父は、ジーザスが将来手にするであろう大金を当てに彼を追い詰める。チームのコーチも、彼に恩を着せ、さらに金を貸そうと迫ってくる。そういうあからさまな態度ならば、ジーザスも警戒のしようがあるのだが、実は、信じていた人もすべてクソ人間だということが見えてきて、一週間の間に彼を絶望させる。

一人、チンピラの親玉みたいな真っ赤なベンツに乗ってる男が出てくる。古い知り合いらしいが、あきらかにそっちの世界の人間で、ジーザスの周囲の人間の中では、一番ヤバそうな人。だけど、不思議と彼の忠告が一番マトモだったりする。ドラッグ、女、そういう誘惑にお前は勝てるのか? 周りはおまえを応援しているように見えるが本当にそうなのか? お前が裕福になった途端、足を引っ張ろうとしているぞ…と。町の中で唯一そいつがマトモだっていう状況。

一方のデンゼル・ワシントン演じる父親自は、自分が望んでいたように息子がバスケの道で花開かせようとしていることを誇らしいと思っているし、息子の人生の大事なポイントであることはわかっているのだが、何もしてあげることができない。そんな時に、思いもよらず、裏取引を持ちかけられる。

ジェイクは決して悪い人間ではないのだが、良い人間ともいい難い。所詮、バスケのことしか息子に教えなかった、それも、ちょっとマトモとはいい難いヒステリックな指導方法しかしてこなかった父親である。さらに6年も疎遠。ちょっとクズぎみの男に共感なんかできないと思う人もいるだろう。それでよいと思う。彼がそれほどマトモな人間ではない…というのが重要な味付けになっているから。

この作品の微妙なところは、ジェイクが、本気で刑期を短くしてもらおうと考えていたのか、息子にアドバイスができればそれでよいと思っていたのか?という点。まだ幼い妹のことを考えれば、前科者とはいえ、そばにいてあげられるメリットは小さくない。はじめは前者だったけど、だんだん後者だけでもいいかな…と考えがシフトしていったという感じかな。最後は騙された形になるわけだが、息子の大事な時にアドバイスができたことで満足できたと信じたい。嫁の墓参りもできたしね。

ベンツに乗っていた男もビッグ・ステート大が最良と思っていた模様。どう考えても不正な取引を持ちかけた知事の要望が、最良という構図が、なかなか微妙な味わいを生んでいると思う。

本作のプロット自体は薄いと思う。だけど、すごく濃く感じる。息子と父親の周りの時間が止まってるっていうか、空気の粘度が高いって感じ。そんなにストーリーに重要に関わっているわけじゃないけど、ミラ・ジョヴォの演技は、その粘度を高める役割に十分貢献していると思う。
なかなかの良作だと思う。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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