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image1003.png公開年:2006年
公開国:韓国
時 間:116分
監 督:カン・ソッポム
出 演:キム・レウォン、キム・ヘスク、ホ・イジェ、キム・ビョンオク、キム・ジョンテ、チ・デンス 他





かつて若くして街の裏社会を牛耳っていた男テシク。酒を飲めば狂犬のように手が付けられなくなる彼は、殺人の罪を犯し服役。10年経って仮出所して街に戻ってきた。彼はひまわり食堂の女主人ドクチャを訪ねる。彼女はテシクを養子として迎え入れ、実娘ヒジュとの3人の穏やかな生活を送ろうとしていた。しかし、ひまわり食堂は、チョ・パンスというヤクザが進める再開発計画のために立ち退きを迫られており…というストーリー。

なにやら訳ありそうな男が、戒めをノートに書いているのかと思いきや、やりたいことを書いていたり。なにやらチクハグだけど、ミステリアス。さて、この男の過去には何があったのか…というのを追っていく展開か…と思ったが、そこは、過去に罪を犯したヤクザであることがあっさり明かされる。
じゃあ、あとは、なんでこの食堂のおばさんがテシクという男を息子として迎え入れたのか…、そして、とてもかつて“狂犬”のようだったとは思えない、やさしい青年になってしまったテシクは、なんで暴力を振るわないと堅く誓っているのか…という二点に、話の焦点は絞られていく。
その答えはここでは書かないが、オリジナリティが高いとは言わないけれど、それなりに整合性は取れていて、悪くない内容だった。

とはいえ、過去に大きな罪を犯した男が町に戻ってくる…。改悛した彼はヤクザのゴタゴタには巻き込まれるのを嫌い、静かに生きて生きたい…。でも、ヤクザたちの悪行は彼の大事な人を巻き込み、やがて彼を修羅の道に戻していく……って、実にありがちなストーリー。ありがちすぎて何のパクりとかいえないくらいオーソドックスなプロットだ。

ポピュラーだから悪いということはないので、後はお約束どおり、ヤクザたちの悪行で観客の正義の心を刺激したり、ストレスを膨らませていき、その大きく膨らんだ風船を爆発さればカタルシスを得られること請け合い。しかし、残念ながら、大きく膨らませた風船に開けた穴がを大きすぎて、フガガガ~~と勢いの無い空気がダダ漏れしたようなラストで幕を閉じる。
悪役に対して感じたストレスがいまいち発散できず、モヤモヤした感覚が残るのは残念。悪役の描き方は悪くなかったので、愛する者を壊された怒りを爆発させるだけで、十分に魅せることができたと思う。しかし、無駄にバイオレンスで無慈悲な展開を差し込まないと、話を転がせないという、韓国の血というか狂気というか…。どうも、そのあたりのセンスがしっくりこないのは、韓国映画に共通することかもしれない。

中盤までは、狂言まわしのように、ちょこちょこ出てきていた警官は、シナリオ上ではまったくの無意味。あれなら、ヤクザに買収されてる悪徳警官にしたほうが、よっぽど意味があっただろう。自動車工場への襲撃の様子を観ているときに、警官二人以外に二人いたがこれもまったくの無意味。もしかすると、当初は他の展開がある予定だったのに止めたのかもしれない。同様のいきあたりばったりなシーンは多い。
高校の数学女教師とテソクの関係がどういうものだったか、明かされていないとかね。

人情モノなら人情モノ、バイオレンスならバイオレンスと、メリハリをきちんと付けられていないのも不満ポイント。でも、駄作とまではいわないけどね。

#銭湯のロッカーのセンサー付きの鍵ってなんやねん。韓国、意味がわからん。

 

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