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image1755.png公開年:2010年 
公開国:日本
時 間:129分  
監 督:篠崎誠
出 演:木村多江、窪塚洋介、福士誠治、柄本佑、木村了、染谷将太、山口龍人、南好洋、結城貴史、清水優、阿部亮平、テイ龍進、趙民和、石田佳央、吉田友一、塩見大貴、中村無何有、松川貴弘、保科光志、藤川俊生、サヘル・ローズ、古藤ロレナ、鶴見辰吾 他
コピー:あなたなら、どうする。



夫婦で参加したクルーズ旅行で嵐に遭い遭難した主婦清子とその夫・隆は、無人島に漂着。救助が一向に訪れない中、たくましく生きる清子に対して、隆は心身ともに衰えるばかりでまったく役立たず。そんなところに、新たに16人の若い男達が漂着してくる。彼らは与那国島でバイト生活を送っていたが、あまりの厳しさのために船で逃げ出したのだが、その途中で遭難したのだった。清子夫婦と16人は共同生活をはじめ、いつしか島は“東京島”と呼ばれるようになる。そんなある日、隆が崖から転落死してしまう。自殺なのか他殺なのかは不明だったが、清子はあっさりと若い男達の中のリーダー格“カスカベ”の妻となり、女王のように大事される境遇に喜びを感じるのだったが…というストーリー。

これってアンビリーバボー的なTV番組で紹介されることも多い、“アナタハン島事件”が元ネタなんだよね。それこそ、一人の女という宝物をめぐってバトルロワイヤル状態になるんだけど、その実際の怪異性とは、まったく無縁のポンコツ作品だったわ。

普通こういう作品って、旅行にいって漂流して…っていうプロローグを描くものなんだけど、後から無人島16人の男達がやってくるところまで、すべて主人公の語りだけで済ませちゃうっていう、驚きの演出。予測のつく展開をダラダラやられるのもウンザリだけど、ここまで割り切られるのも逆に閉口しちゃった。説明なしに無人島の生活の様子からスタートして、なんでこの状態になったのかを、彼らの会話や回想でおいおい説明してくっていう、演出が妥当だったと思うけどね。判りきった展開を極力避けて、観せたいところだけど観せる!っていう覚悟の上の演出なのかと思ったけれど、結局、一人の女性の争奪戦か共有財産制を選択するかという見え見えの展開になるのが、トホホ状態。“女性”のしたたかさとか、原始の姿みたいなものを描ければ成功だったのかもしれないけど、全然表現できていないし。何が観せたかったのよ? と監督を問い詰めたい気分。

途中から、ババァ呼ばわりされる木村多江だけど、男達とそれほど年齢が違うわけでもないし。都会ではブス扱いなのに、島ではうっひょー状態だ、みたいなコントラストはないし。
薄幸が似合う木村多江だけど、本当に不幸な状況におかれると、魅力は薄れ感じだし。木村多江に非はないけど、結果的にキャストミスかもしれん。その他の男連中のキャラもいまいち立っていないし。

小説の段階ではなんとなく成立していたかもしれないけど(読んでないから知らんけど)、映像にすると変な部分も盛りだくさん。
ドラム缶でつくった鏡をプレゼントされて喜ぶ清子→自分の顔を見てびっくり…という流れ。鏡なんかなくても、自然に水面に写る自分の顔を見る機会なんか山ほどあるから。
不法投棄の船がやってきてワタナベだけ救ってもらった(と思われる)シーン。“サイナラ”とドラム缶を並べる時間も体力もないだろうし、不法投棄したやつがそんなことに協力するわけもない。
いくら南の島とはいえ、寒いときは寒いし燃料も真水も豊富なわけではないだろうから、火の番だ水の確保だと苦労してしかるべきだし、それをめぐって問題がおきて当然だと思うが、それがまったく無い(程度の問題だけど、そこを完全に無視するのはねぇ)。
中国人のリーダーとおぼしき人の髪の色。のびても金髪(白い)。でも完全にしろじゃなく根元が黒っぽくみえたから色を抜いているのかと思ったが、伸びても白い。どういう状態?

で、ラストは10年後の様子なんだけど、これが、びっくりするほどつまらない。小っちゃいモーターボートで脱出できるくらいの距離なのに、そして自分の子が一人おいていかれてるのに、救出要請も出さないなんて考えられん。そこで何があったかを隠さなければいけない感じでもないし。子供は絶対手放しちゃだめよといっていたキムですら、放置を選択するという意味不明な展開。
#眼鏡だけで10年を表現しようという、映像センスにも閉口する。
娘がワタナベの唄を口ずさんでいるということは、清子が教えたに違いない。ということは、あの無人島での生活を懐かしんでいる(のか、都会の生活に疲れている)ってことなんだろうけど、思わせぶりに娘に話したいことがある…なんて感じでスパっと終わるけど、島に舞い戻ろうとしてるのか?って匂わせたいのだろうか。それはそれで、魅力的な展開じゃないよな。

こりゃ失敗作。腹の据わってない数々の演出をみるに、ストレスがかかるとチョケて逃げる人なんだ思う。人間修行しないと、この監督はきちんとした映画は作れるようにはならんだろう…、なんて、したくもない人格否定をせざるを得ないくらいの失敗作。映画への造詣があるのと、現場で力が発揮できるのは、別の能力だから。

 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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