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公開年:1995年
公開国:アメリカ
時 間:122分
監 督:ブライアン・シンガー
出 演:スティーヴン・ボールドウィン、ガブリエル・バーン、チャズ・パルミンテリ、ケヴィン・ポラック、ピート・ポスルスウェイト、ケヴィン・スペイシー、スージー・エイミス、ジャンカルロ・エスポジート、ベニチオ・デル・トロ、ダン・ヘダヤ、ピーター・グリーン、クリスティーン・エスタブルック、ジャック・シアラー 他
受 賞:【1995年/第68回アカデミー賞】助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)、脚本賞(クリストファー・マッカリー)
【1995年/第62回NY批評家協会賞】助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)
【1995年/第49回英国アカデミー賞】作品賞、オリジナル脚本賞(クリストファー・マッカリー)、編集賞
【1995年/第11回インディペンデント・スピリット賞】助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、脚本賞(クリストファー・マッカリー)
コピー:見破りますか? だまされますか?
カリフォルニアの港で、アルゼンチン・マフィアが所有する船が炎上する事件が発生。現場からは多くの死体が発見され、麻薬に絡んだ抗争と思われた。そこで生き残ったヴァーバルを尋問していた捜査官クインランは、6週間前からはじまる話を聞かされる。銃器強奪事件の関係者として、5人の前科者キートン、マクナマス、フェンスター、ホックニー、ヴァーバルが集められたが、拘置所で話をするうちに宝石強奪を一緒にすることになる。それに成功すると、宝石をさばくために5人揃ってロスのコネクションに接触。そこで新たな宝石強奪の仕事を請け負うことに。しかし、いざ強奪してみると、獲物は宝石ではなく麻薬で、おまけに相手を殺害してしまう。予想外のトラブルに巻き込まれ慌てる5人の前に、伝説のギャング“カイザー・ソゼ”の右腕と名乗る弁護士コバヤシが現れ…というストーリー。
最近、未見で観たくなるような作品が少なくなったきた。ので、再鑑賞モノで。
ケヴィン・スペイシー出演のサスペンスは、どんでん返しモノとかラストで「そういうことか~」ってなる作品が多いいと思う。『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』もそうだし『セブン』だってそう。『アメリカン・ビューティー』だってそんな感じだ(サスペンスじゃないけど)。ケヴィン・スペイシーはそういう作品と縁があるのか?いや、多分そうじゃない。彼がそういう作品にしてるんだと私は思っている。
謎解き映画を観ているとき、いろんな可能性を頭に浮かべている。そして、話が進むにつれて、その選択肢が減っていく。ポンコツ作品だと、選択肢がある程度減ったところで、もうこの展開しかねーじゃん…ってことも多々あるわけだ。こういうのはダメシナリオだよね。
でもね、手品師はネタは潜んでいるところから目を逸らす為に、違うところで手を動かしたり目線を持っていったりするでしょ。同じように、観ている側が選択肢を頭に浮かばせる作業を阻害すれば、シナリオがイマイチだったとしても、展開やオチを先読みさせる可能性を減らせる。で、その手品師が目をそらす為の視線のテクニックに相当するのが、ケヴィン・スペイシーの演技だな…って思うんだ。
で、本作ではその効果が非常に顕著だと。
(以下完全にネタバレ)
本作は、ケヴィン・スペイシー演じる片手足が不自由な詐欺師ヴァーバルの語りで始まる。こういう事情だったんだよって。で、そういう語りで始まるって部分自体が、自分が犯人じゃないってミスリードの役割だったりする。続いて、これまでの事件の経過が回想されて、“カイザー・ソゼ”という存在がクローズアップされていく。最後にだれがソゼか?ってのが判るわけだけど。あれ?彼がソゼだと、辻褄合わなくね?って思うシーンが満載なわけさ。だって、彼はソゼとしての行動を取れる位置にいないし、コバヤシだって死んでたじゃん。
でもね、エンドロールではっと気付くわけだ。冷静になってはじめっから思い返してみると、彼は“おしゃべり”ヴァーバルなのよ。刑事にこういう顛末でした…って、脅されつつ、少しずつ語ってるけど、はじめから最後まで彼のおしゃべりの中の話で、客観的な事実なんて一つもなかったわけ。ヴァーバルの語りは、ガブリエル・バーン演じるキートンにミスリードしてるけど、シナリオ全体はヴァーバルではないって方向に、二重にミスリードしている。
確かに、デキのいいシナリオであることは認める。でもね、完璧といえるほどすばらしいかっていうと、そうでもない。プロットだけを書き出したら、ヴァーバルがソゼであることって、結構な高確率で頭に浮かぶと思う。でも、端々でみせるケヴィン・スペイシーの演技と語りのおかげで、ヘタレのヴァーバルが黒幕なわけがない、それどころか彼の語りが実際のできごとであることを、だれもが疑わなくなっちゃうんだもん。
まあ、私のかいかぶりなのかもしれないけど、疑う人は、本作を観てくだされ。なんてことないクライムサスペンスのはずなのに、脳がトランスする瞬間が絶対にあるはず。名作。
#コバヤシじゃなくてノリタケだったら、与太話っで気付いたかも。それくらい薄氷のフェイク。本当に優秀だわ。
公開国:アメリカ
時 間:122分
監 督:ブライアン・シンガー
出 演:スティーヴン・ボールドウィン、ガブリエル・バーン、チャズ・パルミンテリ、ケヴィン・ポラック、ピート・ポスルスウェイト、ケヴィン・スペイシー、スージー・エイミス、ジャンカルロ・エスポジート、ベニチオ・デル・トロ、ダン・ヘダヤ、ピーター・グリーン、クリスティーン・エスタブルック、ジャック・シアラー 他
受 賞:【1995年/第68回アカデミー賞】助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)、脚本賞(クリストファー・マッカリー)
【1995年/第62回NY批評家協会賞】助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)
【1995年/第49回英国アカデミー賞】作品賞、オリジナル脚本賞(クリストファー・マッカリー)、編集賞
【1995年/第11回インディペンデント・スピリット賞】助演男優賞(ベニチオ・デル・トロ)、脚本賞(クリストファー・マッカリー)
コピー:見破りますか? だまされますか?
カリフォルニアの港で、アルゼンチン・マフィアが所有する船が炎上する事件が発生。現場からは多くの死体が発見され、麻薬に絡んだ抗争と思われた。そこで生き残ったヴァーバルを尋問していた捜査官クインランは、6週間前からはじまる話を聞かされる。銃器強奪事件の関係者として、5人の前科者キートン、マクナマス、フェンスター、ホックニー、ヴァーバルが集められたが、拘置所で話をするうちに宝石強奪を一緒にすることになる。それに成功すると、宝石をさばくために5人揃ってロスのコネクションに接触。そこで新たな宝石強奪の仕事を請け負うことに。しかし、いざ強奪してみると、獲物は宝石ではなく麻薬で、おまけに相手を殺害してしまう。予想外のトラブルに巻き込まれ慌てる5人の前に、伝説のギャング“カイザー・ソゼ”の右腕と名乗る弁護士コバヤシが現れ…というストーリー。
最近、未見で観たくなるような作品が少なくなったきた。ので、再鑑賞モノで。
ケヴィン・スペイシー出演のサスペンスは、どんでん返しモノとかラストで「そういうことか~」ってなる作品が多いいと思う。『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』もそうだし『セブン』だってそう。『アメリカン・ビューティー』だってそんな感じだ(サスペンスじゃないけど)。ケヴィン・スペイシーはそういう作品と縁があるのか?いや、多分そうじゃない。彼がそういう作品にしてるんだと私は思っている。
謎解き映画を観ているとき、いろんな可能性を頭に浮かべている。そして、話が進むにつれて、その選択肢が減っていく。ポンコツ作品だと、選択肢がある程度減ったところで、もうこの展開しかねーじゃん…ってことも多々あるわけだ。こういうのはダメシナリオだよね。
でもね、手品師はネタは潜んでいるところから目を逸らす為に、違うところで手を動かしたり目線を持っていったりするでしょ。同じように、観ている側が選択肢を頭に浮かばせる作業を阻害すれば、シナリオがイマイチだったとしても、展開やオチを先読みさせる可能性を減らせる。で、その手品師が目をそらす為の視線のテクニックに相当するのが、ケヴィン・スペイシーの演技だな…って思うんだ。
で、本作ではその効果が非常に顕著だと。
(以下完全にネタバレ)
本作は、ケヴィン・スペイシー演じる片手足が不自由な詐欺師ヴァーバルの語りで始まる。こういう事情だったんだよって。で、そういう語りで始まるって部分自体が、自分が犯人じゃないってミスリードの役割だったりする。続いて、これまでの事件の経過が回想されて、“カイザー・ソゼ”という存在がクローズアップされていく。最後にだれがソゼか?ってのが判るわけだけど。あれ?彼がソゼだと、辻褄合わなくね?って思うシーンが満載なわけさ。だって、彼はソゼとしての行動を取れる位置にいないし、コバヤシだって死んでたじゃん。
でもね、エンドロールではっと気付くわけだ。冷静になってはじめっから思い返してみると、彼は“おしゃべり”ヴァーバルなのよ。刑事にこういう顛末でした…って、脅されつつ、少しずつ語ってるけど、はじめから最後まで彼のおしゃべりの中の話で、客観的な事実なんて一つもなかったわけ。ヴァーバルの語りは、ガブリエル・バーン演じるキートンにミスリードしてるけど、シナリオ全体はヴァーバルではないって方向に、二重にミスリードしている。
確かに、デキのいいシナリオであることは認める。でもね、完璧といえるほどすばらしいかっていうと、そうでもない。プロットだけを書き出したら、ヴァーバルがソゼであることって、結構な高確率で頭に浮かぶと思う。でも、端々でみせるケヴィン・スペイシーの演技と語りのおかげで、ヘタレのヴァーバルが黒幕なわけがない、それどころか彼の語りが実際のできごとであることを、だれもが疑わなくなっちゃうんだもん。
まあ、私のかいかぶりなのかもしれないけど、疑う人は、本作を観てくだされ。なんてことないクライムサスペンスのはずなのに、脳がトランスする瞬間が絶対にあるはず。名作。
#コバヤシじゃなくてノリタケだったら、与太話っで気付いたかも。それくらい薄氷のフェイク。本当に優秀だわ。
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プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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