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公開国:イギリス
時 間:118分
監 督:マイク・リー
出 演:サリー・ホーキンス、エディ・マーサン、エリオット・コーワン、シルヴェストラ・ル・トゥーゼル、スタンリー・タウンゼント、アンドレア・ライズブロー、サラ・ナイルズ 他
受 賞:【2008年/第58回ベルリン国際映画祭】銀熊賞[女優賞](サリー・ホーキンス)
【2008年/第43回全米批評家協会賞】主演女優賞(サリー・ホーキンス)、助演男優賞(エディ・マーサン)、監督賞(マイク・リー)、脚本賞(マイク・リー)
【2008年/第75回NY批評家協会賞】女優賞(サリー・ホーキンス)、監督賞(マイク・リー)
【2008年/第34回LA批評家協会賞】女優賞(サリー・ホーキンス)、脚本賞(マイク・リー)
【2008年/第66回ゴールデン・グローブ】 女優賞[コメディ/ミュージカル](サリー・ホーキンス)
30歳のポピーは、明るく楽天的な独身女性。小学校で低学年向けの教員をしている。昔から親友のゾエとアパートをシェアして暮らしており、二人の妹の片方とは仲がいいいが、もう一人としてはそれほどでもない。自転車を盗まれた彼女は、それをきっかけに自動車の免許をとることを思いつく。プライベートではそれだけでなく、フラメンコを習ったり、トランポリン教室に通ったり、人生を楽しんでいる。好奇心旺盛な彼女は、夜道で出会ったホームレスの話を聞いたりもする。そんな奔放な彼女だったが、運転のインストラクターと性格が合わず口論になったり、学校で生徒のいじめがおこるなど、小さなトラブルが彼女に降りかかり…というストーリー。
日本では東京国際映画祭とかで公開されただけで、単館上映もされてない模様。たくさん受賞しているのになんで?と思うだろうが、私はこれを公開して客が入るとは思えず、本作に関しては、日本の配給会社の判断が正しいと感じる。マイク・リー監督の『ヴェラ・ドレイク』の後の作品で、ちょっと期待していんだけどな…。
イギリス映画だが、フランス映画的なノリで始まる。冒頭はイギリス版『アメリ』みたいな感じなのかな…と思って観ていた。たしかに、ストーリー的に何も大きな事件がおきなくて、小さな変化とそれにまつわる人の心の変化みたいなものを観る作品ではある。
でも、主人公のキャラクターに、ものすごい違和感を感じる。基本的に躁状態で、思ったことをすべて口に出すかのように、聞かれもしないことをペラペラと話し続ける。初対面の店員にもベラベラ。同僚にもベラベラ。沈黙が怖くて仕方が無いのか、相手に何かを考えさせることがイヤなのか、とにかくベラベラ。それも、キンキンと大声で。あまりにも強烈すぎて、軽く引くレベル。
車の免許を取ろうとしたり、フラメンコ教室に通ったり、トランポリンを始めたり、興味が湧いたことは何でもやってみようという人なのかもしれないが、しっかり取り組んでいるのならまだしも、それらの現場でもケタケタ、ニヤニヤと、ふざけっぱなし。
これが繰り返されるので、途中から周囲を馬鹿にしているんじゃないかと思えてきて、不快にすらなってくる。
で、その躁病患者モドキが、なんと小学校の教師だという。子供に対してもそんな調子なのか?と思ったら、教師として勤務しているときはいたって普通。なんでや。明らかに表面的な違いがあるので、その両天秤には支点があるはずで、その支点の部分こそ彼女の行動を決定している真の何かなんだろうと注視していた。しかし、最後までそれはわからなかった。
自動車教官のおっさんはブチ切れつつも、彼女に惹かれていった(んだと思う)。これが可愛げのあるおっさんなら、共感して応援したくなるのだが、この人の感情の表出の仕方も異常で、何が何やら。おまけにストーカーまがいの行動をとり始める始末。
さらに混乱状態にさせるのが、ポピーが自動車教官に自分はレズビアンであると言ったこと。あれはなんだったのか。実際にレズビアンだという明確な描写はない。あれだけベラベラしゃべるくせにウソを作り理由はなんだ?好意があるような気がしたからブロックした?そんな勘の良さがあるように見えない。
もしかすると、彼女の生き方を現代女性の自由の体現とでも言いたいのだろうか。途中で、妊婦の友人がヒステリー状態になって、周囲に噛み付くシーンがある。そんな、子供を作ったり家族を持ったり、そんな価値観に縛られるなんてみっともないことを言っているのだろうか。
私には、ポピーという人間が、うらやましい生き方をしているとは微塵も思えないし、楽しそうだとも思えない。いや、本人も苦しいことはわかっているけど、そうせざるを得ない…、そうせざるを得ない自分を素直に受け止めているんだ…と。仮にそういうことが言いたいなら、彼女の苦しさの根源(上記した“支点”みたいなもの)にもっとフォーカスを当てるべきではなかろうか。
何が、西洋人の琴線にそこまで触れたのか。すごく不思議。むしろ、日本人には、空気の読めない人、コミュニケーションに難のある人にしか見えない。
これは、文化比較論の教材にしたいくらい、謎作品。
#何を言いたいのかわからん内容を、それなりにまとめりゃ、ヨーロッパじゃ賞が獲れるんかね。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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