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公開年:1964年
公開国:日本
時 間:99分
監 督:大川博
出 演:大川橋蔵、内田良平、河原崎長一郎、藤純子、大友柳太朗、立川さゆり、西村晃、中村竹弥、木村功、千葉信男、博多淡海 他
新撰組は入隊志望者の選抜試験を行うが、その中の一人・江波三郎は、試験とは名ばかりの血みどろの殺し合いを見せられ、恐怖のあまり嘔吐してしまう。その様子を新撰組の隊士たちから馬鹿にされた江波は、悔しさ紛れに切腹を試み昏倒してしまう。しかし、その気概を買われて見習い入隊を許されることに。剣術の腕はイマイチな江波は、厳しい隊規と訓練に苦しんだが、やがて正式に入隊を許され、沖田隊長の率いる一番隊に配属になる。そんな中、江波を含む新入隊士5人は、監察部に呼ばれ、この中に坂本竜馬、中岡慎太郎に内通する者がいると告げられ、その一人を炙り出せと命じられる。互いに顔を見合わせる5人だったが、やがて一人の男・相原が短刀を振りかざして暴れ始める。相原は処刑されることになったが、近藤勇は首を刎ねる役に江波を指名する。人を斬ったことすらない江波は、震える腕で相原の首を斬るがことごとく急所をはずれ、凄惨な現場となってしまう。しかし、江波はそれをきっかけに、処刑役を進んで申し出るようになり…というストーリー。
宣伝映像には、盛んにテロリズムの文字が躍る。テロリズム??新撰組は反幕勢力を取り締まる警察であり、保守側。暴力装置ではあるがテロリストではなかろう…と思ってみていると、新撰組を赤軍なんかの過激派組織に見立てている節が。新撰組にセクト化→内ゲバ→自滅…という流れを演じさせている模様。まあ、時代が時代だけに、当時の観客には腑に落ちるものがあったんだろう。
さりげなく、成人映画にしていされているのだが、別に、今観て特別グロい表現があるわけではない。
沖田総司を演じているのが河原崎長一郎というのには、驚き。すぐには気づかない。よくバラエティ番組で沖田総司って実は不細工…っていうネタはよくあるんだけど、月代の形とか写真のとおりで雰囲気も近くて、でも少女マンガみたいな儚さじゃなくて、きっちりと武人だけど病んでいる…っていう感じがうまく出ている。とにかく、画の中で一番に映える容姿。
入団試験のギャラリー、いくらなんでも近すぎるだろう、せめて庭でやれよ…とか変な描写はあるのだが、とにかく新撰組を狂気の集団として描こうとしているので、押し切られる。
タイトルの的外れ感もあるのだが、白黒作品であることを途中から忘れるくらい、地味にうまくできたシナリオだと思う。
(以下ネタバレ)
なんで、あんなヘタレ野郎が入団できたのか…とか、キャラに似合わず出世を望むのか…とか、正直、そういうリベンジ話だとは思いもよらず。元々臆病な江波は、必死に新撰組に馴れようとがんばるが、その弱い部分が宿舎の女中(藤純子)の琴線にふれ、やがて恋仲に。これもオチのカウンターバランスになっている。そう考えると、西村晃演じる土方歳三の悪役臭も、伏線になっているわけで、なかなか巧みなシナリオである。さらに、江波をけしかけたのが坂本竜馬側だってことで、時代に翻弄された虚無感まで漂う。
唯一消化しきれなかったのは、牢に閉じ込められている隊士のくだり。有能な隊士だたのに女狂いが原因で梅毒を貰い狂ってしまった人なんだが、感染を斬られずに監禁されている設定。彼は何の暗喩なのか。ここだけは、わからんかった。
あとは衆道のくだりもか。それを幹部に近づくための手段として利用したか否か、はっきり描けばよかったと思う。
誰にでもお薦めできるジャンルの作品ではないけれど、こんな見世物小屋みたいなタイトルがふさわしい作品では決して無い。良作だと思う。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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