忍者ブログ
[1024]  [1023]  [1022]  [1021]  [1020]  [1019]  [1018]  [1017]  [1016]  [1015]  [1014
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

image1901.png公開年:1987年
公開国:西ドイツ
時 間:108分
監 督:パーシー・アドロン
出 演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、ジャック・パランス、CCH・パウンダー、クリスティーネ・カウフマン、モニカ・カルフーン、ダロン・フラッグ、ジョージ・アグィラー、G・スモーキー・キャンベル、ハンス・シュタードルバウアー、アラン・S・クレイグ 他
受 賞:【1988年/第14回セザール賞】外国映画賞(パーシー・アドロン)



ラスベガスとロサンゼルスの間にあるモハヴェ砂漠のはずれに、寂しげなモーテル“バクダット・カフェ”がある。ここを経営しているブレンダは、役たたずの夫や、自分勝手な子供達、従業員やモーテルに居着いてしまった客たちを、腹立たしく思っていた。そんなある日、ひとりの太ったドイツ人女性ジャスミンがやってくる。大きなトランクを抱え、砂漠とは不釣合いなスーツとハイヒールで歩いてきた彼女を不審に思ったが、ブレンダはしぶしぶ部屋を貸すことに…というストーリー。

内容よりも劇中歌“Calling You”のほうが有名かも。

日本で言うと『かもめ食堂』とかそっち系のジャンルになるんだと思うが、お国柄の差を面白く感じた。アメリカ映画だと、やってきて人々に影響を与えて去ってしまうのだが、ドイツ映画である本作は、やってきて人々に影響与えて居着く(一旦は去ってしまうが)。
で、なぜか日本映画の場合は、『かもめ食堂』をはじめうまそうな飯が絶対に登場するが、本作の舞台であるアメリカの場合はエンターテイメントになってしまう。何に癒されるのか…という点において国民性は出るものだなぁと。

バグダッド・カフェのある空間は、ほぼ同じようなことが繰り返えされている、時間がとまったような空間だ。夫のサルがこれ以上トラブルをもってくるわけでもない。遊び歩くルーディの娘が事件をおこすわけでもない。息子がピアノが弾きたいがために暴れるわけでもない。赤ん坊が不幸な事故がおこるわけでもない。

映画の主人公というのは、その内面が劇中で変化した人…という定義だとする。ジャスミンは男と旅中に別れ、バグダッド・カフェに迷いこむが、元からの性格のまま行動しているだけ。途中でヌードモデルになったりするが、別に彼女自身が大きく変わったわけではなく、打ち解けただけのこと。基本的に内面の変化は小さい。であるならば、本作の主人公は、ドイツ人女性ジャスミンではなく、いつもイライラしているルーディだ。このベガス近郊の乾いた赤い土が、ルーディの心模様であり、彼女の涙はいつもその乾いた土に吸い込まれるばかり…と。さて、ジャスミンがおこす小さな奇跡は、その砂漠の心を潤すことができるのか否か。

結果として一番の事件が、「仲が良すぎるから」と出て行ってしまうタトゥー屋の女性…っていうね。単純な大団円じゃない、こういう部分はおもしろい。

退屈に感じる人は絶対にいるだろうし、寝てしまう人もいると思うのだが、それはそれでいいのではないか。もしあなたが気持ちよく寝られたなら、それで結構なことなのではないか…と。まあ、こういう作品が滲みる時が、人生のどこかで誰にでもあるだろうさ。

#夫のサルが、傍観者で終わってしまうのが、演出上いまいち理解できないけどね。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]