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公開国:西ドイツ
時 間:108分
監 督:パーシー・アドロン
出 演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、ジャック・パランス、CCH・パウンダー、クリスティーネ・カウフマン、モニカ・カルフーン、ダロン・フラッグ、ジョージ・アグィラー、G・スモーキー・キャンベル、ハンス・シュタードルバウアー、アラン・S・クレイグ 他
受 賞:【1988年/第14回セザール賞】外国映画賞(パーシー・アドロン)
ラスベガスとロサンゼルスの間にあるモハヴェ砂漠のはずれに、寂しげなモーテル“バクダット・カフェ”がある。ここを経営しているブレンダは、役たたずの夫や、自分勝手な子供達、従業員やモーテルに居着いてしまった客たちを、腹立たしく思っていた。そんなある日、ひとりの太ったドイツ人女性ジャスミンがやってくる。大きなトランクを抱え、砂漠とは不釣合いなスーツとハイヒールで歩いてきた彼女を不審に思ったが、ブレンダはしぶしぶ部屋を貸すことに…というストーリー。
内容よりも劇中歌“Calling You”のほうが有名かも。
日本で言うと『かもめ食堂』とかそっち系のジャンルになるんだと思うが、お国柄の差を面白く感じた。アメリカ映画だと、やってきて人々に影響を与えて去ってしまうのだが、ドイツ映画である本作は、やってきて人々に影響与えて居着く(一旦は去ってしまうが)。
で、なぜか日本映画の場合は、『かもめ食堂』をはじめうまそうな飯が絶対に登場するが、本作の舞台であるアメリカの場合はエンターテイメントになってしまう。何に癒されるのか…という点において国民性は出るものだなぁと。
バグダッド・カフェのある空間は、ほぼ同じようなことが繰り返えされている、時間がとまったような空間だ。夫のサルがこれ以上トラブルをもってくるわけでもない。遊び歩くルーディの娘が事件をおこすわけでもない。息子がピアノが弾きたいがために暴れるわけでもない。赤ん坊が不幸な事故がおこるわけでもない。
映画の主人公というのは、その内面が劇中で変化した人…という定義だとする。ジャスミンは男と旅中に別れ、バグダッド・カフェに迷いこむが、元からの性格のまま行動しているだけ。途中でヌードモデルになったりするが、別に彼女自身が大きく変わったわけではなく、打ち解けただけのこと。基本的に内面の変化は小さい。であるならば、本作の主人公は、ドイツ人女性ジャスミンではなく、いつもイライラしているルーディだ。このベガス近郊の乾いた赤い土が、ルーディの心模様であり、彼女の涙はいつもその乾いた土に吸い込まれるばかり…と。さて、ジャスミンがおこす小さな奇跡は、その砂漠の心を潤すことができるのか否か。
結果として一番の事件が、「仲が良すぎるから」と出て行ってしまうタトゥー屋の女性…っていうね。単純な大団円じゃない、こういう部分はおもしろい。
退屈に感じる人は絶対にいるだろうし、寝てしまう人もいると思うのだが、それはそれでいいのではないか。もしあなたが気持ちよく寝られたなら、それで結構なことなのではないか…と。まあ、こういう作品が滲みる時が、人生のどこかで誰にでもあるだろうさ。
#夫のサルが、傍観者で終わってしまうのが、演出上いまいち理解できないけどね。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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