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公開年:1986年
公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:ジョン・ヒューズ
出 演:マシュー・ブロデリック、アラン・ラック、ミア・サラ、ジェニファー・グレイ、ジェフリー・ジョーンズ、ヴァージニア・ケイパーズ、クリスティ・スワンソン、リチャード・エドソン、チャーリー・シーン、マックス・パーリック 他
ノミネート:【1986年/第44回ゴールデン・グローブ】男優賞[コメディ/ミュージカル](マシュー・ブロデリック)



サボりの常習犯である高校生のフェリス。その日はテストだったが仮病でズル休みして、遊びに行くことに。姉ジニーは、そんな見え見えのウソに騙される両親に呆れると共に、自分には厳しくあたることを腹立たしく感じていた。休んでばかりで出席日数不足で卒業ができなくなりそうなものだが、フェリスは会社のコンピュータをハッキングして欠席日数のデータを改竄していたのだ。それに気付いたルーニー校長は激怒し、フェリスがズル休みしている証拠を掴み、留年させてやろうと躍起になるのだった。そんなことはつゆ知らず、病欠中の親友キャメロンを誘って、彼の父親が大事にしているフェラーリに乗って出発。さらに学校に親族が死んだとウソの電話をかけて、ガールフレンドのスローアンを呼び出すことにも成功。3人は、街に繰り出すのだったが…というストーリー。

フランス映画の邦題みたいな格好良さだが、高校生がサボって冒険する一日を描いたコメディで、サボりの常習だから、別に“突然”でもなんでもなくて、内容とはマッチしていない、何となくな題名。

悪い内容ではないのだが、好みではない…これに尽きる。この監督さんは、その後、『大災難P.T.A.』『ホーム・アローン』『34丁目の奇跡』を手掛けており、どちらかと言えば大好物の部類なのだが、本作はいまいちズレている。

まず、観客にメタ目線を向ける演出が好みではない。いや、この手法がNGというよりも、中途半端。心の声の表現ならば、もっとはっきりと効果的に使えばよい。
弟は何でもウマイことやって、私はまったく相手にされない…っていう姉ジニーのポジションもピンとこない。何なのか?本当にフェリスは好き勝手し放題。ちょっとしたピンチはあるのだが、基本的にすべてが都合よくまわっていく。この主人公の姿は面白いだろうか? むしろ頭から最後まで何の変化も無いフェリスは“背景”であって、真の主人公はジニーとキャメロンにすべきだと思う。しかし、ジニーとキャメロンにはスポットを当てきれていない。キャメロンが親離れを決意するとか、ジニーがボーイフレンドを見つけて開眼する…とか、その程度では描写が不足。もっと先まで描くべきだったと思う。ジョン・ヒューズは、何を見せるべきなのか、誤ったと思う。
別の例をあげれば、『トムとジェリー』のジェリーが無双すぎるようなものだ。10分ならおもしろいかもしれないが、それ以上は飽きる。せめて、最後はスローアンからフラれてしまって、そこから調子がくるって大ピンチになる…なんていう展開にするところだが、微塵もなし。

ただ、後の作品の萌芽がはっきり見て取れる。ルーニー校長がフェリスの家に侵入しようとするすったもんだは、『ホーム・アローン』の以外の何者でない。フェリスはなんでもうまくいってしまうが、それの完全に間逆が『大災難P.T.A.』だ。
後の作品のこと考えれば、好意的に観ることはできなくはない…が、やはり好みじゃないかな。
#最後の、校長がスクールバスに乗るシーンも、いまいちオチていないし。

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