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公開年:1988年
公開国:アメリカ
時 間:173分
監 督:フィリップ・カウフマン
出 演:ダニエル・デイ=ルイス、ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリン、デレク・デ・リント、エルランド・ヨセフソン、パヴェル・ランドフスキー、ドナルド・モファット、ステラン・スカルスガルド 他
受 賞:【1988年/第23回全米批評家協会賞】作品賞、監督賞(フィリップ・カウフマン)
【1988年/第42回英国アカデミー賞】脚色賞(ジャン=クロード・カリエール、フィリップ・カウフマン)
【1988年/第4回インディペンデント・スピリット賞】撮影賞(スヴェン・ニクヴィスト)


1968年のプラハ。トマシュは大変有能な脳外科医だったが、女性にはだらしなく、画家のサビーナら多くの女性と交際する奔放な独身生活を謳歌していた。ある日、出張で訪れた郊外のカフェでウェートレスのテレーザと出会う。テレーザもトマシュを一目で気に入り、彼の家へ押しかけていき、そのまま、男女の関係となり同棲生活が始まる。トマシュとテレーザは、カメラが趣味のテレーザに写真家の仕事を紹介するのだったが、一方でトマシュとテレーザの関係も継続していた。やがてトマシュとテレーザは結婚するのだが、テレーザは常に他の女の影を感じ苦しみ続ける。その苦しみが頂点に達した頃、ソ連がチェコに軍事介入。テレーザはソ連軍の民衆弾圧の様子をカメラに収め続け、自由を訴え続けるのだったが、ソ連軍の弾圧は強まる一方。同様に、職場での自由な振る舞いを病めないトマシュへの風当たりは強くなり、居場所を失った二人は、一足先に亡命していたサビーナを頼って、スイス・ジュネーブへと逃避する。そこで、テレーザはカメラマンの職を得るが、トマシュは医者になることができずペンキ職人となる。そんな状況でも彼の女癖は変わりなく、またもやテレーザを悩ませることに。耐えられなくなった彼女は、手紙を残しプラハへ戻るのだった…といストーリー。

『ライトスタッフ』の監督だが、同様に本作も長い。はじめは、単なるエロ映画である。ちょっとアプローチすりゃあ簡単に女がなびき、相手も遊び以上の何かを求めるわけじゃないのだから、そりゃあそんな生活になる。とにかく、複数の女性と絡み合う描写のオンパレードである。正直、乳と陰毛ばっかりで
胸焼けしそうになる。

そんな中、いままで付き合ってきたのとは違うタイプの女性に出会う。とはいえ、テレーザもトマシュの魅力に簡単にやられてしまうわけで、女性としては大差ないのだが、“普通”の感覚なので、相手が女遊びを止めなければそりゃあ苦しむ。他の女性と何が違うかって、距離感が違う。あれだけプレイボーイ三昧のくせに、懐に入られてしまったものだから、あっさりと結婚してしまう。
トマシュはものすごくだらしない男に映るが、見方を変えれば、“性”と“愛”の混同を一切しない人間だともいえるわけで、もしかすると逆に清い人間なのかも…と思えてくる(もちろん世間がそういう見方をしてくれることはないわけだが…)。

あぁ、こんな男女のごちゃごちゃを延々と見せられるのか…とうんざりしかけたところで、ドンパチがはじまる。何の予備知識もなしに見始めたもので、本作がプラハの春を舞台にした作品であることを知らなかった。急にストーリーが締まってくる。
舞台が変ると、今度はテレーザが奔放さを発揮する。カメラマンとしてソ連の暴挙を撮影し、西欧のメディアに流し続ける。トマシュも政府の姿勢には元々批判的だったので、理解できなくはないのだが、なんでそこまで正面きって危険を冒すのかまでは理解しきれない。

そんなレジスタンス的な活動にも限界がきて、ジュネーブへ逃げるわけだが、そうなるとまたもやトマシュのターンである。その後はこの応酬の繰り返しである。

最後は破滅的な終わり方をしたわけだが、それは便宜上、話を終結するための方便みたいなもので、たいした重要ではないと私は考える。問題は、自分も相手の気持ちをわかろうとするために浮気をしてその罪悪感に苛まれた後、田舎暮らしをはじめた結果、はたして彼らは幸せを得たのか?という点である。他にめぼしい女性のいない田舎なので浮気のしようがない。政治とも無縁。そんな仏門に入ったような状態で得られた安穏は、天国なのか地獄なのか。欲求に正直という意味でピュアな二人の行く末は、破滅しかないのだ…という解釈だと、ちょっと悲しいな。

いやあ、わたしには難しい作品だったな。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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