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公開年:1960年
公開国:アメリカ
時 間:128分
監 督:ジョン・スタージェス
出 演:ユル・ブリンナー、スティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーン、ホルスト・ブッフホルツ、ブラッド・デクスター、イーライ・ウォラック、ウラジミール・ソコロフ、ロゼンダ・モンテロス、ビング・ラッセル 他
ノミネート:【1960年/第33回アカデミー賞】主題歌賞(スティーヴン・ソンドハイム、作詞・作曲 Sooner or Later“I Always Get My Man”)、美術[監督]賞(Richard Sylbert)、美術[装置]賞(Rick Simpson)、メイクアップ賞(John Caglione,Jr.、Doug
Drexler)
【1990年/第44回英国アカデミー賞】 劇・喜劇映画音楽賞(エルマー・バーンスタイン)
コピー:あの面白さ、あのメロディにのって 本物の七人が帰って来た……
メキシコの寒村イスカトランの住人は、毎年収穫期になると襲撃してくる無法者たちに怯えていた。昨今は自分たちが食べる分を賄うことも困難で、村を去る者も続出する状況となり、我慢の限界を感じた村人たちは、少ない金品をかき集め、無法者を撃退してくれるガンマンを雇うことにした。ヒリイオら3人の村人は国境沿いのアメリカ側の町を訪れる。町では、原住民の遺体を白人の墓地に埋葬するかしないかで揉め事がおこっていた。葬儀屋が反対する白人一味の攻撃を恐れていると、ガンマンのクリスが自分が埋葬してやると申し出て、やりとりを見ていたヴィンも賛同。墓地に入ると、案の定、反対勢力からの攻撃が始まるが、クリスとヴィンは鮮やかに撃退。ヒリイオは彼らの強さを目の当たりにして、村の窮状を話して協力を依頼する。同意したクリスは腕の立つガンマンを集めはじめるのだったが…というストーリー。
黒澤作品を無断でパクったのは『荒野の用心棒』のほうで、こっちではなかったね(本作は『七人の侍』が正式にライセンシーされた作品)。元があれだけ面白いんだから、プロットがそのままならつまらなくなるはずがない。あとは魅力的なキャラを配置すればいいだけ…のはずなんだけど、これがどうも…。
“七人”なんだから、そのキャラのバランスこそ最大の見せ所だと思うんだけど、キャラの描き分けのメリハリが薄いと思う。悪夢にうなされるシーンをさしこんでみたり、色々描き分けようという努力は見えるんだけど、七人の侍でいうところの三船敏郎が演じた菊千代当たる若者以外は似たり寄ったり。みんなただただダンディで差はない。
子供に好かれるキャラとかはまだマシな方で、強欲キャラも取ってつけたような感じだし、悪夢ガンマンも悪夢を見たつーだけで、なんだかよくわからんうちに死ぬだけだし。ナイフ投げに至っては、登場したときと死ぬ間際以外、ナイフ投げの能力は発揮しないし。あまり七人の意味がなくなっている。
名作西部劇という扱いがされることが多い本作だけど、ワタシ的には「そうかぁ?」って印象。
村の窮状を聞いて立ち上がり、仲間を集め始める流れまでは、まあ良しとしよう。でも、村に着くと、呑気な歓迎の踊りを延々見せられる。この村の緊迫感の無さよ。冒頭で敵の悪辣な態度こそ表現されているが、村人の敵への強い怒りの感情がいまいち薄くて、盛り上がらない。だから、この村を助けなければ!がんばれー!っていう思いもイマイチ湧いてこない。
で、肝心の敵も、人数や物量作戦だけで、それ以上の策を弄してこない。だから、ガンマン側が知恵を発揮して切る抜ける場面もないし、特殊能力が生かされる場面も少ない。
さらに、戦いの一番大きな展開が、村人の裏切りと言うのも、盛り上がりに欠ける。そのときも、7人は銃を取り上げられて解放されるだけ。ドンパチには至らず、丸腰で解放という、なんと情け深い無法者さんだこと(笑)。一時的とはいえ、そこでスゴスゴと村を出ていくのはいかがなものか。ここで荒ぶって次の遺恨を作ったりして、次の展開に繋げるのがマトモなシナリオというものではなかろうか。そのくせ、結局村に戻って、正面衝突というありきたりな流れに。芸がない。こういうポヤ~ンとした展開を見せられてしまうと、観客の心には「なんで、ガンマンたちは命を懸けて戦ってるんだ?」という根本的な疑問が生じてしまうだろう。
『七人の侍』と同様に、ユルブリンナーに「勝つのは農民だけ、俺たちはいつも負けだ」というセリフを吐かせるのだが、農民の狡猾さみたいなものが描かれていないのも、いかがなものかと。元ネタのセリフの意味判ってるか?って、問いただしたい気分に。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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