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image0881.png公開年:2002年
公開国:日本
時 間:100分
監 督:森田宏幸
出 演:池脇千鶴、袴田吉彦、前田亜季、山田孝之、佐藤仁美、佐戸井けん太、濱田マリ、渡辺哲、斎藤洋介、岡江久美子、丹波哲郎、田中敦子、宮本充、長克巳、塚本景子、白鳥由里、香月弥生、駒村多恵、本名陽子、鈴井貴之、大泉洋、安田顕、岸祐二、中村俊洋、清水敏孝、青木誠、江川大輔、新垣樽助、よのひかり 他
コピー:猫の国。それは、自分の時間を生きられないやつの行くところ。
猫になっても、いいんじゃないッ?
路地のむこうは、猫の国でした。

普通の女子高校生・吉岡ハルは、ある日、車に惹かれそうになった猫を間一髪で助ける。ところが、救った猫が突然直立してお辞儀をし、丁寧にお礼の言葉を言うではないか。その日の夜に猫の国の王の行列が訪れ、猫の王子を助けたお礼にいいことがおこると告げて去っていく。夢かと思ったが、目覚めると、家のまわりが猫じゃらしだらけになったり、マタタビやネズミといった、猫なら大喜びしそうなプレゼントが届けられる。そんなお礼はいらないと、猫の使者に文句をいうと、ならば猫の国へご招待致しますという。そんなことをされては大変と思っていると、どこからともなく「猫の事務所にいきなさい」という声が聞こえる。その声のとおりに猫の事務所を探しに行くと…というストーリー。

絵柄が少女漫画チックでそれまでの作品とは趣が異なる。『耳をすませば』のスピンオフと考えれば、近藤喜文キャラっぽいのでよさそうなものだが、固定されつつあったジブリのイメージを払拭したかったのか。それとも、近藤さんが本作の頃にはお亡くなりになっていたので、似たものにするのが憚られたのか。
いずれにせよ『千と千尋の神隠し』の直後で、その勢いで劇場に足を運んだ人は、肩透かしをくらった感じだったろう。まあ、私のことなんだけど。

完全に声優が普通の役者さんばっかり。ジブリは声優を専業にしている人じゃなく、TV露出の多い役者やタレントをつかったり、ポンっと新人を持ってきたりすることは多いけど、ここまで露骨にTVドラマの仕事が多い人間ばかりを使うのは始めてかも。池脇千鶴など気合が入りすぎなのか演じすぎて、いささかうっとおしい。『千と千尋の神隠し』の時もそうだったけど、端役とはいえ、鈴井貴之・大泉洋・安田顕と水曜どうでしょうチームがなんで入りこめているのかもよくわからん。
唯一いい仕事をしているのは、『大霊界』以降、バラエティでマジボケ要員としてイジられるだけになった丹波哲郎。びっくりするくらいの出来映え。

とはいえ、それらを独特の雰囲気を受け止めて割り切ってしまえば、軽いファンタジーとして十分に楽しめる。案外、名作になれる素養はあったと思うのだが、そうならなかった理由はけっこう明白。それは、キャラクターの行動の動機付けが希薄なので、ストーリーの幹が細くなってるから。
例えば、バロンはなんでハルを助けようと思ったのか。ユキちゃんがハルを助けたい理由はある(過去のお礼)。しかし、バロンがそれを手助けする理由はない。猫の国王に恨みがあるとか、親友のムタがいわれのない罪で猫の国から狙われているとか、そんな理由でもかまわない(むしろ猫の国に悪さをしたのはムタさんのほうだし)。猫の事務所に来れたってことは、ハルに正当性があるんだろう…という、釈然としない理由だけが原動力というのが、つまらない。

まあ、時間も短めだし、ジブリであることを忘れれば、良作なのかもしれない。
#どちらかといえば、犬派だからピンとこないだけか?
 

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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