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公開年:1986年
公開国:イギリス
時 間:85分
監 督:ジミー・T・ムラカミ
出 演:ペギー・アシュクロフト、ジョン・ミルズ 他
イギリスの片田舎に住んでいる老夫婦のジムとヒルダ。子供は独立し都会暮らしで、年金で余生を静かにおくっていた。ジムは、世界情勢に疎くなってはいけないと、しょっちゅう図書館に出向いては新聞を観たり、TVやラジオのニュースに耳を傾けていた。ある日、戦争が始まりそうなことを知ったジムは、核戦争になることを恐れ、政府発行のパンフレットを入手し、そのとおりに簡易シェルターを作り始める。シェルターといっても、家のドアをはずして壁に立てかけた程度のもの。その他に放射線対策として窓に白ペンキを塗ったりしていた。すると突然、ラジオからあと3分で核ミサイルが到達することを告げる。急いでシェルターに入ったとき、原爆が落下、すさまじい光と熱風が周囲を襲い、家の中は瓦礫と化すが、二人は生きのびていた。窮屈なシェルターに留まるが苦痛になってきた二人は、家の中なら問題はなかろうと、家を片付け始めるのだが…というストーリー。
核というのは恐ろしいものだよ!ということを訴えたい作品なのは間違いないし、しばらく我慢したら、インフラが復旧するだろうとか、配給が始まるだろうとか、郵便やさんがくるだろうとか、純朴な老夫婦が、次第に蝕まれていく中でも、お互いを気遣いならが希望を捨てない姿に涙するところだろう(まあ、田舎なので、悲惨な死体がゴロゴロしている様子を見ていないから、事の重大さを把握できていないのかもしれんけど)。
紙袋をかぶるラストは、そのシュールさ故に、胃のあたりをえぐられるような感覚を覚える。
#アニメと実写を重ねた映像は、ユニークだが効果的かどうかは微妙。
息子や孫の安否を第一に考えて狂ったようにヤキモキしてもよさそうなものだが、電話は通じない、車も持っていない状況では、ある意味冷静な対応といえるのか。私なら、子供の話ばかりしそうなのだが、それをあまりしていないのを観て、もしかして、実はこの二人は状況を把握した上で、達観しているのではなかろうか?などと思ってしまったが、それはないだろうな。
ただ、東北の大地震後のすったもんだを経験してしまうと、正常性バイアスのお話に見えてくる。そのせいもあって、ジムじいさんが、政府のパンフレットに愚直に従ってシェルターを作ることを、なにか愚かな行為であるかのように描いているのか?なんて穿った見方もしてしまったり。もしかすると、大島渚プロデュースによる日本語吹き替えのせいで、そういう印象になったのかも。夫婦の行動に幾ばくか非があるように感じられてしまうと、じゃあこの老夫婦はどうしすりゃよかったのか?もっと政府に楯突くなりして、監視しなくちゃいけなんだ!ということか?と、穿った視点の連鎖がおこってしまう。
#本当は、後世の人の行動指針を示しているわけではなく、考えようよ!って言っているだけなので、そこに引っかかるのは無粋なのは判っているんだけどね。
このお話のままだと、ただ「こわいねー」で終わっちゃう。戦争ハンターイ!と言っているだけで戦争はなくならないし、人間に闘争本能と物欲がある以上、おそらく戦争の火種はなくならない。何で戦争はおこるのか?少なくとも、第二次世界大戦がなぜおこったのか。アホ左翼や中韓がいうような日本人の侵略行動が原因なんていっているうちは、戦争は起こるだろうね。この話を膨らます気はないけど、誤解を恐れずに簡単にいえば、窮すれば鈍する、金持ち喧嘩せず…ってことだ。
アメリカは金持ち資源持ちだけど喧嘩してるんじゃね?って思うかもしれないけど、実は定期的に戦争景気がないと一気に貧しくなる構造なんだと思うよ。
#では、シリア戦争を封殺されたアメリカはどうなるか。別の形の戦争を仕掛けるか、なんらかの形の内戦に向うのが、歴史の常だわな。
こういう名作に対する感想も変わってしまうくらいなので、やはり震災が日本人を大きく変えたのは間違いないだろうなぁ…と、変な方向で感慨深くなってしまった作品。経験とは恐ろしいものである。
#聖書にも詩にも詳しくないので、最後のエンドロールの意味は不明。理解できたら、もっと味わい深かったのかも。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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