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公開国:日本
時 間:112分
監 督:星田良子
出 演: 竹中直人、宅麻伸、斉藤暁、稲垣潤一、段田安則、浅田美代子、紺野美沙子、貫地谷しほり、塚本高史、田口浩正、賀来千香子、宇崎竜童、柏原収史、田中卓志、山根良顕、佐々木すみ江 他
コピー:余命半年──、彼が気づいた本当に大切なもの。
食品会社に勤める53歳のサラリーマン藤岡徹は、胆石で入院していたが、病院内を歩行中に、主治医が“53歳の男性。末期の胆嚢癌でもって余命半年。妻は告知をしないと決めている”と話しているのを立ち聞きしてしまう。確かに、妻も子供たちの言動も、何かを隠しているように思えた。そのまま退院し家に戻った藤岡だったが、どうせもうすぐ死ぬと考えると何もやる気がおきない。妻に無理やり息子の高校の学園祭に連れて行かれると、そこで学生がライブをしている姿を見かけ、自分も高校時代に“シーラカンズ”というバンドを組んでいたことを思い出す。死ぬ前にもう一度バンドをやろうと思い立った藤岡は、かつてのメンバーであった酒屋の渡辺、不動産屋の山本、エリートサラリーマンの栗田に声をかける。はじめは乗り気ではなかった面々も、藤岡の病状を知りバンドの再結成を了承するが、それぞれ家族や仕事に問題を抱えており…というストーリー。
別の患者で勘違いでした…という展開が、冒頭から読めてしまい極めてつまらなく感じてしまうのだが、それがストーリーの根底設定なのでしかたがない。
となると、勘違いの部分にばかり焦点をあてないで、ポイントをずらすことが一番重要になってくる。何か別の理由で、家族もよそよそしくしていて、観客にはいかにも本当の病状を隠しているように見せているようなのだが、もう、娘の結婚のことなんだろうな…と薄々見えてしまう。
人間死ぬ気になったらなんでも実現できる…ってのを本当に余命宣告されたら、何でもできちゃうんじゃね?っていう発想はわかる。でも、実際はそういう反応にはならない。いざとなるとなるべく周囲に迷惑をかけないで…という方向になりがちなので、ものすごくリアリティはない。
さらに演出も不自然で、リアリティの無さに拍車をかける。たとえば、昔の写真を見ながら、「これテッちゃんだろ。これ俺俺~」って、自分たちの写真なんだから、誰だかわからないなんてことはあり得ないわけで、会話が不自然極まりない。「痩せてるなー」とか「髪多いなー」とかならわかる。普通、こんなセリフはカットするだろう。ちょっとセンスのない監督かも。
また、寺を借りるくだりは、脅すネタがあるなら脅すだけでもよかったし、安い戒名でよかっただろう。本気で自分の戒名を付けたかったのかもしれないが、家族のことを考えている男なら、家族になるべく財産を残そうとするはずで、極めて不自然。
多くの人が指摘しているが、稲垣潤一のキャスティングがかなり失敗。感情の薄い役柄なので何とかなると思ったんだろうが、許容範囲を超える棒読み具合。興醒めすること極まりない。本当に演奏させることに何故か執着しているようなのだが、映画のデキとはまったく無関係。演りパクで何の問題もなかったはず。
この手の音楽のコンテストがラストになる作品は、どんなつまらん作品でも最後の大会のところはそれなりに盛り上がるはず。ベタベタでありきたりな演出だと思っていても、鳥肌がたつものである。なのに、なぜか本作は盛り上がらない…。
あのタイミングで、徘徊する母親を捜しにいく展開は、あれをおもしろく演出するのは何気に難しいと思う。捜しに行かないで警察呼べよ…とも思っちゃうし。演奏中の中学校時代の回想はいいけど、劇中の出来事の回想はいらんな…とも思う。
どうもこの監督さん、やっちゃいけない線がわかっていないような…。
ただ一つフォローしておくと、実はシナリオ自体はしっかりしていて、部下もギター好きとか、徘徊老人とか、伏線はスマートに貼っている。まあ、優等生の夏休みの宿題みたいな出来映え。アラが目立たないように、90分くらいにまとめるとよかったんだと思う。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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