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公開年:1985年
公開国:日本
時 間:114分
監 督:伊丹十三
出 演:山崎努、宮本信子、渡辺謙、役所広司、安岡力也、桜金造、池内万作、加藤嘉、大滝秀治、黒田福美、篠井世津子、洞口依子、津川雅彦、村井邦彦、松本明子、榎木兵衛、粟津潔、大屋隆俊、瀬山修、野口元夫、嵯峨善兵、成田次穂、田中明夫、高橋長英、加藤賢崇、橋爪功、アンドレ・ルコント、久保晶、兼松隆、大島宇三郎、川島祐介、都家歌六、MARIO ABE、高木均、二見忠男、横山あきお、辻村真人、高見映、ギリヤーク尼ヶ崎、松井範雄、佐藤昇、日本合唱協会、福原秀雄、北見唯一、柴田美保子、南麻衣子、鈴木美江、小熊恭子、伊藤公子、上田耕一、大月ウルフ、大沢健、藤田敏八、原泉、井川比佐志、三田和代、中村伸郎、田武謙三、林成年、大友柳太朗、岡田茉莉子 他
ノミネート:【1987年/第3回インディペンデント・スピリット賞】外国映画賞
距離トラックの運転手、ゴローと助手のガンが、さびれたラーメン屋に入る。そこは死んだ夫のラーメン屋を一人で切り盛りしている、未亡人タンポポの店。ちょうど店には、タンポポに交際を迫っている幼馴染の土建屋ビスケンが陣取っている。しつこく迫る様子にたまりかねてゴローが助けを出すと、喧嘩になってしまうが、ビスケンの取り巻きも加えての多勢に無勢でゴローはやられてしまう。翌朝、介抱されて目覚めたゴローに、ラーメンの感想を聞くと、今一つとの指摘。落胆したものの、ラーメンの知識があるゴローに藁をもすがる思いで弟子入りを願うタンポポだったが…というストーリー。
またまた再観賞モノ。安定・安心のクオリティを無意識に求めているようだ(ちょっと私お疲れみたい)。
特に印象的なのは、“臨終チャーハン”。海外の人が見たら日本の男尊女卑がうんたらかんたら言うのかもしれないけど、食べ物自体に対する愛ってよりも、「家族への愛≒食わせること」っていう図式がしっくりくるシーンだと思うよ。で、このシーンで、もっと私が注目したいのは、母親がチャーハンを作ってるところで、電車が走ってるシーンを挟む編集。この間の取り方ってすごくて、脳が持っていかれる感じがする。
そう、この作品のすごいところは、編集だと思う。臨終チャーハンのシーンだけじゃないんだ。
ラーメン作りという主軸のほかに、様々な食に関するエピソードが差し込まれる構成なわけだけど、その場面転換のほとんどが、カット編集じゃなくてカメラパーンで行われている。つまり、別の話に移る場合は、横で次のシーンの準備をしているってこと。普通はそれぞれ別撮して後で編集でつなげるでしょ。もう、絵コンテ・撮影の段階で、この繋ぎまで計算されているんだ。この一点だけでもすごいことだよ(厳密に言うと、すべてのカットがそうじゃなくてワイプで次のシーンとかもあるけどね)。
大抵のことでは怒らんが、食い物のことに関してだけは激昂するといわれる日本人。その根幹文化ともいえる食い物へのこだわりと、サブカルチャーとしても百花繚乱のごとく咲き乱れる食文化が、よく表現できていると思う。日本文化を紹介するなら、『菊と刀』なんか読ませるよりも、まず本作を観せることが先だな。出てくる街並みは大きく変わったけど、出てくる食べ物に関しては、何一つ現在でも違和感ないもの。
ただ、このサブエピソードにも批判的な人が、案外多いのも事実。正直にいうと、スーパーで指でぐにぐに押すババアのシーンは、その必要性が私ににゃわからん。虫歯のエピソードを挟むのは良しとして、電車で点心じゃないといけない理由もわからん。イノシシの腸の話も、腸まで進んでりゃすでに山芋の状態なわけがないだろ…というツッコミが。わさび醤油なんか合うかもね…って。まあ、その辺は、ご愛嬌で流すとこなんだろうな。
ぶらりとツワモノたちがあつまり、無償の施しをして去っていく…って、ノリが西部劇みたい(だから、ゴローはテンガロンハットかぶってる)。当時も“ラーメンウエスタン”っていうふれ込みで宣伝してたみたいだけど、そこを前面に出すのは宣伝戦略としては失敗でしょ。
ラーメンとチャーシューメンで勝負っていっておきながら、ピスケンがちょちょいとつくったヤツがまあまあだったからって、あっさりメニュー追加とか(笑)、まあ、その辺は日本人らしくていいわ。宮本信子演じる未亡人タンポポの汚れ具合も調度いい。そのおかげで、恋愛展開なんかどうでもいいし、下着がでてきても「勘弁してくれ…」状態で、観客もラーメンに集中できるわ(笑)。飲食店の厨房の小汚さに通じて、作り手側のアイコンとしてはすばらしい(って、ちょっと失礼か)。
#この頃の渡辺謙から、今のKen Watanabeは想像できんわなぁ。
ラスト。目線だけで「さらば」という山崎努の演技。それでおしまいでもいいのに、エンドロールの授乳カット。あざとい演出だけど、これが真理だものな。文句のいいようがない。
大滝秀治は27年前から秀治だな…って、ああこれ27年前かよ。全然そこまでの古さ感じないなぁ。日本映画の10指に入る作品。昔観たなぁ…という人も改めてみることをお薦めする。日本人のアイデンティティが強く刺激される作品。
公開国:日本
時 間:114分
監 督:伊丹十三
出 演:山崎努、宮本信子、渡辺謙、役所広司、安岡力也、桜金造、池内万作、加藤嘉、大滝秀治、黒田福美、篠井世津子、洞口依子、津川雅彦、村井邦彦、松本明子、榎木兵衛、粟津潔、大屋隆俊、瀬山修、野口元夫、嵯峨善兵、成田次穂、田中明夫、高橋長英、加藤賢崇、橋爪功、アンドレ・ルコント、久保晶、兼松隆、大島宇三郎、川島祐介、都家歌六、MARIO ABE、高木均、二見忠男、横山あきお、辻村真人、高見映、ギリヤーク尼ヶ崎、松井範雄、佐藤昇、日本合唱協会、福原秀雄、北見唯一、柴田美保子、南麻衣子、鈴木美江、小熊恭子、伊藤公子、上田耕一、大月ウルフ、大沢健、藤田敏八、原泉、井川比佐志、三田和代、中村伸郎、田武謙三、林成年、大友柳太朗、岡田茉莉子 他
ノミネート:【1987年/第3回インディペンデント・スピリット賞】外国映画賞
距離トラックの運転手、ゴローと助手のガンが、さびれたラーメン屋に入る。そこは死んだ夫のラーメン屋を一人で切り盛りしている、未亡人タンポポの店。ちょうど店には、タンポポに交際を迫っている幼馴染の土建屋ビスケンが陣取っている。しつこく迫る様子にたまりかねてゴローが助けを出すと、喧嘩になってしまうが、ビスケンの取り巻きも加えての多勢に無勢でゴローはやられてしまう。翌朝、介抱されて目覚めたゴローに、ラーメンの感想を聞くと、今一つとの指摘。落胆したものの、ラーメンの知識があるゴローに藁をもすがる思いで弟子入りを願うタンポポだったが…というストーリー。
またまた再観賞モノ。安定・安心のクオリティを無意識に求めているようだ(ちょっと私お疲れみたい)。
特に印象的なのは、“臨終チャーハン”。海外の人が見たら日本の男尊女卑がうんたらかんたら言うのかもしれないけど、食べ物自体に対する愛ってよりも、「家族への愛≒食わせること」っていう図式がしっくりくるシーンだと思うよ。で、このシーンで、もっと私が注目したいのは、母親がチャーハンを作ってるところで、電車が走ってるシーンを挟む編集。この間の取り方ってすごくて、脳が持っていかれる感じがする。
そう、この作品のすごいところは、編集だと思う。臨終チャーハンのシーンだけじゃないんだ。
ラーメン作りという主軸のほかに、様々な食に関するエピソードが差し込まれる構成なわけだけど、その場面転換のほとんどが、カット編集じゃなくてカメラパーンで行われている。つまり、別の話に移る場合は、横で次のシーンの準備をしているってこと。普通はそれぞれ別撮して後で編集でつなげるでしょ。もう、絵コンテ・撮影の段階で、この繋ぎまで計算されているんだ。この一点だけでもすごいことだよ(厳密に言うと、すべてのカットがそうじゃなくてワイプで次のシーンとかもあるけどね)。
大抵のことでは怒らんが、食い物のことに関してだけは激昂するといわれる日本人。その根幹文化ともいえる食い物へのこだわりと、サブカルチャーとしても百花繚乱のごとく咲き乱れる食文化が、よく表現できていると思う。日本文化を紹介するなら、『菊と刀』なんか読ませるよりも、まず本作を観せることが先だな。出てくる街並みは大きく変わったけど、出てくる食べ物に関しては、何一つ現在でも違和感ないもの。
ただ、このサブエピソードにも批判的な人が、案外多いのも事実。正直にいうと、スーパーで指でぐにぐに押すババアのシーンは、その必要性が私ににゃわからん。虫歯のエピソードを挟むのは良しとして、電車で点心じゃないといけない理由もわからん。イノシシの腸の話も、腸まで進んでりゃすでに山芋の状態なわけがないだろ…というツッコミが。わさび醤油なんか合うかもね…って。まあ、その辺は、ご愛嬌で流すとこなんだろうな。
ぶらりとツワモノたちがあつまり、無償の施しをして去っていく…って、ノリが西部劇みたい(だから、ゴローはテンガロンハットかぶってる)。当時も“ラーメンウエスタン”っていうふれ込みで宣伝してたみたいだけど、そこを前面に出すのは宣伝戦略としては失敗でしょ。
ラーメンとチャーシューメンで勝負っていっておきながら、ピスケンがちょちょいとつくったヤツがまあまあだったからって、あっさりメニュー追加とか(笑)、まあ、その辺は日本人らしくていいわ。宮本信子演じる未亡人タンポポの汚れ具合も調度いい。そのおかげで、恋愛展開なんかどうでもいいし、下着がでてきても「勘弁してくれ…」状態で、観客もラーメンに集中できるわ(笑)。飲食店の厨房の小汚さに通じて、作り手側のアイコンとしてはすばらしい(って、ちょっと失礼か)。
#この頃の渡辺謙から、今のKen Watanabeは想像できんわなぁ。
ラスト。目線だけで「さらば」という山崎努の演技。それでおしまいでもいいのに、エンドロールの授乳カット。あざとい演出だけど、これが真理だものな。文句のいいようがない。
大滝秀治は27年前から秀治だな…って、ああこれ27年前かよ。全然そこまでの古さ感じないなぁ。日本映画の10指に入る作品。昔観たなぁ…という人も改めてみることをお薦めする。日本人のアイデンティティが強く刺激される作品。
#あのオムライスは練習したわ。案外できるもんだよ。
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クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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