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公開年:2006年
公開国:カナダ、アメリカ
時 間:83分
監 督:グレッグ・ハミルトン
出 演:グレッグ・ハミルトン 他
ミャンマーで1500年の歴史を持つ伝統競技“チンロン”。籐製のボールを数々の足技を駆使して蹴りあうという、フリースタイル・フットボールに似た競技。チンロンに魅せられたカナダ人音楽家グレッグ・ハミルトンは、独学でチンロンの練習を重ねるが、とうとう我慢できなくなり、ミャンマーを訪れる。本場のテクニックはあまりにも高度で、独学で得たテクニックはまるで通用しなかったが、その後、何年もミャンマーを訪れるのだった。黒人と白人のハーフとして生まれたグレッグは、両親の離婚後施設で育てられ、家族の温かみを知らなかったが、チンロンのトレーニングを通して、ミャンマーの人たちとの間に家族愛にも似た感覚を覚えるようになる。やがてグレッグは、チンロンの上級チームのメンバーとして活躍することを夢見はじめ…というストーリー。
セパタクローかな?と思ったのだが、ああいうゲーム性は皆無。輪になった6人が、延々と玉を蹴り続ける。何をもって“競技”とするか?だが、何と勝ち負けがないというのだから、これは競技とはいいがたい。
日本の蹴鞠なんかと同じルーツを持つものだと思うが、行事的だったり、様式美を追求する方向には発展していない。技の数は200以上もあるそうで、いずれも格闘技ばりの超絶技巧を必要とするので、舞踏とはいい難い。掴みどころがないなぁ…と思っていると、その第一の魅力として、プレーしていうちにトランス状態にも似た感覚になるとのこと。ミャンマー人のインタビューにおいても、日常の雑事をすべて忘れて没頭できるのだという。集中の具合と、肉体の使い方と、独特のリズムのせいで、脳内麻薬出まくりなんだろうね。玉を蹴る時に生じる独特の音も、一役買っていると思う(なかなか心地よい)。もう、チンロンはチンロンだ…と思うしかない。
本当に、子供から老人までみんながプレーしてる。プレイヤーには女性もいて、一緒にプレーしている。ものすごくポピュラー。
監督も製作もグレッグ本人。最低限のスタッフだけで撮影していると思うだが、その後の映像処理…といっても静止画のコラージュ程度の処理なのだが、これがなかなか効果的。チンロンの技巧以外の部分にも、見入ってしまう何かがある。本作のカメラマンは、地味にウマいと思う。
もうちょっと技の解説をすべきだったとは思う。そういう解説的な側面、特に競技としてのチンロンに興味を沸かせるには、必要だろう。本作では、グレッグが覚えようと苦労する2,3の技の解説しかしていない。もっと技を体系づけて説明したほうがよい。それもこれも、監督のグレッグ自身が、狂ったようにハマってしまっており、その楽しさを伝えようとはしているが、冷静になれていないためだと思う。客観視できる、別の監督が必要だったのかも。
とはいえ、チンロンに没頭していく様子はよく伝わってきた。その“トランス状態”の一端は感じることができたと思う。本当にユニークなドキュメント作品だった。あ、でも、一切オチはないよ。グレッグがんばれー!って感じでもないし、ただただ、異国の文化を垣間見る愉しさがそこにある。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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