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公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:129分
監 督:クリント・イーストウッド
出 演:マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、フランキー・マクラレン、ジョージ・マクラレン、ジェイ・モーア、ブライス・ダラス・ハワード、マルト・ケラー、ティエリー・ヌーヴィック、デレク・ジャコビ、ミレーヌ・ジャンパノイ、ステファーヌ・フレス、リンゼイ・マーシャル、スティーヴン・R・シリッパ、ジェニファー・ルイス、ローラン・バトー、トム・ベアード、ニーヴ・キューザック、ジョージ・コスティガン 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】視覚効果賞(Joe Farrell、Stephan Trojanski、Bryan Grill、Michael Owens)
パリのジャーナリスト、マリーは、東南アジアでのバカンス中に、津波に遭遇。一時、死線を彷徨うが、その間に不思議な世界を垣間見る。生還した後も、その光景が頭から離れず、それが何なのか調べ始める。サンフランシスコでは、かつて霊能者を仕事としていたジョージが、自らの能力に嫌気がさし、今では工場で働いていた。しかし、本人の意思に反して、今でも彼の能力を頼って人々が押しかけてくるのだった。さらには、料理学校で知り合った女性に好意を抱いても、彼の能力が二人の間を裂く結果となってしまう。ロンドン在住の双子のジェイソンとマーカス。ある日、突然の事故で兄ジェイソンがこの世を去ってしまう。ジェイソンとの別れを受け入れがたいマーカスは、多くの霊能力者を訪ね歩いた末、ジョージのウェブサイトを発見し…というストーリー。
震災の記憶云々は別にしても、冒頭の津波のシーンは、まさに息の詰まるような圧巻の迫力。そこでの臨死体験で、自分の生き方の転機を迎えるパリに住むマリー。同様に、サンフランシスコ、ロンドンで独立したストーリーがバラバラに展開し、はたしてそれらがどのように絡んでいくのか、全然読めない。
それらが、徐々に“死後の世界”というテーマで繋がっていくという、中々巧みなシナリオ…の、はずだったのだが。う~~ん。
霊能力のあるジョージは、自分の能力が“呪い”だと思うほど、苦痛を感じている。日本にも、イタコまがいの商売をやっている人が結構いるけれど、本物だったらつらくなって当然だと思う。本作でも、お気楽に霊能力で商売している人やら、簡単にもっともらしいことを並べるだけの宗教家がたくさん出てくる。それらは、100歩譲ってカウンセリング的な効果があるとしても、はたして“本物”を求め悩む者の救いになり得るのか?
3人は不思議な体験をしているんだけど、彼らの頭の中には“神”というものが不在なのも興味深い。この脚本は、既存の宗教とは無関係な“何か”を表現しようとしているんだと思う。『サイン』に通じる私の好きなテーマなので、物凄く期待した。しかし…。
本作での“HEREAFTER”というのは来世という意味で使われているのだが、輪廻転生的な意味ではなく、死んだらどうなる?という意味合いで使われている。で、本作に出てくる死後の世界のイメージが、一神教的な“あの世”のイメージを押し付けている感じがする。キリスト教がいうところの天国や、イスラム教のいうところの緑園は、あくまで最後の審判の後にやってくる世界だから、審判がやってくるまでのモラトリアムな世界を指している。そのイメージどおりで、既存の宗教と距離を置こうというスタンスを反故にしてしまっているのが、非常に残念。この主旨のブレかたは実にいただけない。
終盤、その3本の糸が、ギュギューっと急激に撚られていくのだが、ジョージはマーカスの願いを叶え、マーカスは二人を結びつけ、マリーとジョージは同じ世界を見た者同士共感する…。で、それ以上に何もない。そこから、何か哲学的な示唆も、心の救いもない。いや、3人自身は共感や納得を得たんでしょう。でも観ているこっちは何も得られないし感じない。
そこで終わっちゃうなんで、まるでパイロットフィルムみたい。これで満足できる観客は、ほぼいないと思う。いくらなんでも肩透かしが過ぎるよ、イーストウッド御大。こんな作品がヒットするわけがない。
ラジー賞にノミネートすらされていないのが不思議…というか、そこからも無視されたという方が正しいかも。そう思うくらいに観終わってのがっかり度が大きい。お薦めしない。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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