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公開年:2009年
公開国:ドイツ、ロシア
時 間:112分
監 督:マイケル・ホフマン
出 演:ヘレン・ミレン、クリストファー・プラマー、ジェームズ・マカヴォイ、ポール・ジアマッティ、アンヌ=マリー・ダフ、ケリー・コンドン、ジョン・セッションズ、パトリック・ケネディ 他
ノミネート:【2009年/第82回アカデミー賞】主演女優賞(ヘレン・ミレン)、助演男優賞(クリストファー・プラマー)
【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】女優賞[ドラマ](ヘレン・ミレン)、助演男優賞(クリストファー・プラマー)
【2009年/第25回インディペンデント・スピリット賞】作品賞、監督賞(マイケル・ホフマン)、主演女優賞(ヘレン・ミレン)、助演男優賞(クリストファー・プラマー)
コピー: 大作家と“世界三大悪妻”と名高い 妻ソフィヤとの知られざる愛の物語。
ロシアの文豪トルストイが提唱する自然主義的思想を信奉する人々が、彼の元に集い“トルストイ運動”と称する共同生活を送っていた。トルストイも彼らの実践を評価して、自分の財産のすべてをロシア国民に分配しようと、自分の作品の著作権を放棄しようとする。しかし、50年近くも夫を献身的に支えてきた妻ソフィアには、家族の生活を困窮させるその行為が、とても許せるものではなく、必死に阻止しようとする。そんな中、トルストイの個人秘書として雇われた青年ワレンチンは、その誠実な性格から夫婦各々に信頼され、二人の間で板ばさみになっていく…というストーリー。
悪妻で有名なトルストイの妻と、そこから逃げるトルストイの話。トルストイの作品は読んだことはなくて、『戦争と平和』の映画を観たくらいだな。
本作中の、晩年のトルストイは、私有財産制を否定する活動に夢中になっており、実におめでたい。金持ちが財産を独占するから、貧しい人はいつまでも貧しいんだ!という短絡的な想像しかできない、そんなレベルの老人。
まあ、共産主義国家が成立すれば、すべてが平等になってみんなハッピーと本当に思っていたロシア人たちだもの、文豪トルストイといえども、このくらいのアホ思想に溺れてもしかたあるまい。
しかし、例えば、私有せずに共有化したとしても、その財産を維持するためには、誰かが責任もって管理する必要が生じる。その責任を果たすためには占有が必要なわけで、それは私有と変わらない。色々なケースを想像すれば、私有=強欲ではないケースが多々あることがわかりそうなもの。
無償で管理して誰にでも自由に使わせるのは、単なるボランティア。人のために労働して、その正当な対価を貰うことまで否定するから、共産主義国家は全部崩壊したわけだ。その愚かさは歴史が証明している。トルストイ運動はまるで原始キリスト教のよう。共産主義もキリスト教の変種といわれることがあるが、その指摘が実に腑に落ちる。
また、トルストイは、“自由”について色々語るんだけど、普遍的な自由なんか実際には存在しないということが根本的にわかっていない。この世に存在するのは“○○からの自由”だけである。
始めのほうは、あまり悪妻っぷりは関係なさそうな感じで話は進むんだけど、トルストイがこんなアホな運動をし始めるもんだから、そりゃ奥さんもブチ切れる。トルストイ運動 VS. そんなアホなことをやめさせたい妻。このバトルを展開しながらも、夫婦の間にはこれまで育んできた愛の思い出もある。だから夫婦の間はすぐに破綻するわけではないのが面白い。そして、その間で揺れ動くトルストイ信者の若者が、狂言廻しを演じる。
で、結局、この奥さんは悪妻でもなんでもないのだよ。財産を貧しい人に与えたい夫の意志に逆らって、作品の版権を自分の物にしたい強欲人間だ!なんてのは、トルストイ運動をどうしても進めたいとりまきのクズ人間によって作られた風評。本作を見る限り、その悪妻という評判はウソであることがわかる。
誰がどうかんがえても、トルストイ側がやっていることのほうが、クレイジーである。まあ、どこの宗教団体でも似たようなことやるよね。セクトっていうのはこういう風にできていくんだな…と、変な感心をしちゃった。
こんな感じだから、比喩じゃなく、本当に駅で死んだんだ…というオチが、なんだかアホっぽく思える。だけど、ポール・ジアマッティは、こういう小ずるいクソ人間を演じさせたらピカ一だし、さすがヘレン・ミレンって思わせてくれる圧巻の演技が、佳作にまで引っ張り上げてくれている。まあ、あまり万人が興味を抱くような内容ではないな。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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