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image1784.png公開年:2008年
公開国:オーストラリア
時 間:94分
監 督:アダム・エリオット
出 演:トニ・コレット、フィリップ・シーモア・ホフマン、エリック・バナ、ベサニー・ウィットモア 他
コピー: ある日、しあわせの手紙がやってきた──




オーストラリアに住む8歳の少女メアリー。友達ができず、家族にもかまってもらえない彼女は、外国の見知らぬ誰かに手紙を書こうと思いつき、アメリカの電話帳から、変わった名前という理由でマックス・ホロウィッツという人物を選ぶ。そのマックスはニューヨークに住む孤独で過食症による肥満の中年男性。そんな彼の元に、メアリーからの手紙が突然届き、彼はタイプライターで律儀に返事を書く。そして、二人の文通はその後も何年も続き…というストーリー。

これは実話です…という所から始まるのだが、全編クレイアニメというユニークな作品。

周囲の環境に恵まれていないオーストラリアの少女とニューヨークの孤独な中年男が、手紙を通じて自分の思いの丈をぶつけ合う。“心を通わせている”というのとはちょっと違う。確かに、お互いの質問にアドバイスを返したりはするんだけど、片方は小学生だし、片方はアスペルガー症候群のおっさんだし、おたがいの物差しでノーガードでパンチの打ち合いをするようなもの。その様子はなかなかおもしろい。

三分の一くらい進んだあたりで、このままほっこりした触れ合いが続いて、ちょっとした奇跡でもあって、出会うことができたりして感動…みたいな展開なのかなと考えていたが、その予想はいい意味で裏切られる。

それを喋っちゃうと完全にネタバレになっちゃうので言わないけれど、マックスはガラガラと現実社会の坂を転げ落ち(なぜ自分が転げ落ちているのかも理解できずに)、メアリーは鬱屈した日常に身を置きながらも立派に成長していく。この差がやがて二人の間の大きな溝を生むことになるのである。

やはり、この内容をクレイアニメで表現した効果は大きいと思う。それは、なかなか重いストーリーとアニメとのコントラストを産むという意味だけではなく、子供の目から見る世界が大人が見ている世界とは違うということ、また、アスペルガー症候群の人の目にも違って見えているということを暗喩していると、私には思えるからである。

(またまたネタバレぎみになっちゃうんだけど)
だから、最後の部屋を訪れるシーンは、メアリーはすっかり大人になっているわけだし、マックスはいないわけだから、もうアニメである必要はないと思うんだ。もし私が監督だったら、ドアを開けた瞬間から実写にする。イメージにぴったりの役者を、このシーンのためだけにわざわざ見つけてくる。そして最後の壁のシーン。多分、実写のほうが湧き上がるものは大きかったと思う。

まあ、それはそれとして、感動ともほっこりとも違う、味わったことの無い感覚のラストで、とても新鮮だった。ジャケット画像を見て子供だましのアニメだと思ったら大間違い。むしろ子供になんかに見せちゃダメ。
違う角度からグイっとえぐられるような快作だった。是非観てほしい。お薦めしたい。ちょっと、世間の評価が低すぎ。




負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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