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公開年:1979年
公開国:西ドイツ、フランス
時 間:142分
監 督:フォルカー・シュレンドルフ
出 演:ダーヴィット・ベネント、マリオ・アドルフ、アンゲラ・ヴィンクラー、ハインツ・ベネント、ダニエル・オルブリフスキー、シャルル・アズナヴール、アンドレア・フェレオル、カタリナ・タルバッハ、マリエラ・オリヴェリ 他
受 賞:【1979年/第52回アカデミー賞】外国語映画賞
【1979年/第32回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(フォルカー・シュレンドルフ)
【1980年/第6回LA批評家協会賞】外国映画賞
【1981年/第5回日本アカデミー賞】外国作品賞
【1981年/第24回ブルーリボン賞】外国作品賞
1899年。農地で芋を焼いていたアンナは、逃走中の放火魔の男をスカートの中に匿い、それが縁で彼との間に娘アグネスが生まれる。その後、第一次大戦が終り、成長したアグネスはドイツ人のアルフレート・マツェラートと結婚するが、従兄のポーランド人ヤンと愛し合いオスカルを生む。オスカルは、3歳の誕生日に母からブリキの太鼓をプレゼントされるが、この日の大人たちの振る舞いを嫌悪し、その日から肉体の成長を拒み、自ら地下室の階段を脱落し成長を止める…というストーリー。
むむ…、この居心地の悪さ。
哲学的な隠喩が潜んでいるのかな…ということは感じさせてくれるが、一回観ただけでそれを掴むのは、私には難しかった。消化しきれない。それを阻んでいるのは、ただようグロさというかエグさ。原作の段階でもいくらか孕んではいたのだろうが、監督のビジュアルセンスがそれを増幅させている印象。
ただ、そのグロさっていうのも単純なものではなく、子供ゆえのグロさと、大人の世界にあたりまえに存在するグロさが入り混じっている。子供にとって大人の不潔さは耐え難いし、大人にとって子供のグロさは忌避すべきもの。さらにそれとは別の流れで、“社会”の不潔さというグロさもある。それら不潔な何本かの河が、渦をまいて合流しているような映画。
随所でみられるエロチックさ皆無のセックス描写が、ますますグロさを強調している。オスカルの口についた毛を取る描写とか、そういうところに細やかさを発揮するこの監督とは、感覚の地平が異なるな…と思わざるを得ない。
子供のままでいることで、社会や歴史や大人というものを客観的に見る…、そんな狂言回しを演じているという単純なものでもなさそう。かといって、ポーランド侵攻を中心とした歴史を通じて、ナチスの所業を糾弾したいわけでもないだろうし、ポーランド人の苦悩を伝えたいわけでもなさそう(原作はそっち寄りの話かもしれないけど)。
様々な受賞をしているが、その評価ポイントは、成長しないとか声でガラスを割るという本作の特徴的なギミックとは無関係な気もする。それどころか、タイトルである“ブリキの太鼓”にすら必要性を感じなかったりして、不条理極まりない。油断して観ていると単なるモラトリアムな表現で煙に巻いているようにも感じるけれど、やはり何かがあるという感覚を払拭できない。
でも、通ぶって、感慨深いだの痺れるだのとは言いたくない。むむ…、すごい嵐に巻き込まれた感覚だけど、整理できない、とりあえず落ち着こう…そんな心持ち。もう一回観てからじゃないと、評価はむずかしいかな。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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