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公開年:2007年
公開国:ノルウェー
時 間:90分
監 督:ベント・ハーメル
出 演:ボード・オーヴェ、ギタ・ナービュ、ビョルン・フローバルグ、エスペン・ションバルグ 他
ノミネート:【2008年/第21回ヨーロッパ映画賞】エクセレント賞(Petter Fladeby:音響デザインに対して)
コピー:特急よりも、各駅停車
オスロのアパートで一人暮らしをしているノルウェー鉄道の運転士オッド・ホルテン。これまで勤続40年。ついに67歳の定年を迎え、いよいよ明日の乗務をもって最後の勤務となる。退職前日ということで、同僚が送別会を開いてくれたのだが、ちょっとしたことで同僚の家に入ることができなくなり、別宅に迷い込んでしまう。ついついそこで眠り込んで朝をむかえ、最後の最後で人生初の遅刻をして担当の列車に乗り遅れる。こんな運転士生活の幕切れに落胆し、生活リズムまで乱れ始めたホルテンは、これまでの人生で関わることのなかった出来事や人々と関わることになり…というストーリー。
冒頭の運転席の映像と音楽の組み合わせは好み。北欧映画のライティングや撮影技術も元々好きなので、技術的な穴は感じなかった。キレイにできていると思う。ストーリーの独特のテンポも性に合う方だと思う。とにかく40年同じリズムを刻んでいた主人公なので、あえても淡々とした雰囲気を維持しようとしているのだと思う。これが退屈と感じるか“味”と感じるか。おそらく、かなりの人がイマイチと思うだろうが、私は許容範囲だった。
ただ、邦題にあるところの“はじめての冒険”の部分が実につまらない。ちなみに、残念ながら本作にはそんな冒険は登場しない。確かに、40年間、判で押したような生活の連続なのだから、こんな散歩のようなはみだしも冒険だってことなのかもしれないが、原題にそれが無いことからわかるように、邦題の勇み足、ズレた邦題である。
彼が遅刻するまでが導入部であって、その後の展開が本筋のはずだが、その本筋で発生する出来事が、ことごとくおもしろくない(悪いけど、とてもコメディにカテゴライスする気になれない)。
プールで泳いでみたり、これまでやったことのないことに踏み出すのだが、観ていてそれほどドキドキを感じないし、ホルテンさんの中に生まれているであろう変化が伝わってこない。そう、人の良さそうな小市民なので、サラリーマンは共感を得られそうなものなのだが、まったくホルテンに共感をもつことができないのだ。それどころか、同じ人間という感じもしない。キャラクターの練りが甘くて、監督自身も共感していないのでは?とすら感じる。
#ホテルで「最後は飛行機で帰ろうと思う」って、本人も自分を変えようとしていたりとかしていて、なんかキャラにぶれがあると感じる(その段階では、まだ、頑なにルーチンワークに徹してるべきなんじゃないのかな。演出的に)。
ちなみに、DVDジャケットの制服で犬を抱いている写真を見て、最後の勤務ですったもんだのドタバタに巻き込まれるんだろう…なんて、大抵の人は予測するだろうけど、そんなものは存在しない。そして、その予測は単に裏切られるだけで、替わりのものが与えられることはない。
船を売るくだりにいたっては、そのすったもんだが、あまりにもへたくそなドタバタ(売ったことにどれだけの意味があったのかもよくわからない)。最後の連結器ガッチャンコなんていう演出は、よくもあんな陳腐な表現を恥ずかしげも無くできたものだと、ちょっとウンザリしてしまった。まあ、簡単に言えば、はじめの掴みがピークで、あとはどんどんトーンダウンしていくだけの作品である。ん~、こんなに辛らつに非難するつもりは無かったのだが、字にしていくと、悪い点しか浮かんでこない。もったいぶっておけば芸術っぽく見えると、勘違いしているのでは?と、イヤなことを言いたくなる。
したり顔で、アンディ・ウォーホルの真似っこした絵を自慢されたみたいな感じ(伝わんねーか(笑))。もちろんお薦めしない。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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