忍者ブログ
[627]  [626]  [625]  [624]  [623]  [622]  [621]  [620]  [619]  [618]  [617
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

image0349.png公開年:2006年
公開国:日本
時 間:115分
監 督:宮崎吾朗
出 演:岡田准一、手嶌葵、菅原文太、田中裕子、香川照之、風吹ジュン、内藤剛志、倍賞美津子、夏川結衣、小林薫 他
ノミネート: 【2006年/第30回日本アカデミー賞】アニメーション作品賞
コピー:見えぬものこそ



世界の均衡が崩れつつあることを感じとった大賢人ゲドは、その原因を探る旅に出る。道中、心に闇を持つ少年アレンを助け一緒に旅を続け、その後、昔なじみのテナーの家に身を寄せる。そこには親に捨てられた少女テルーも住んでいたが、彼女は、アレンのことを激しく嫌悪するのだった…というストーリー。

元のゲド戦記を読んだことが無いので、映画化として納得できるものなのかどうか、よくわからない(上に書いたように、内容自体は非常に薄い)。また、原案に 『シュナの旅』(宮崎駿 徳間書店刊)とあるのだが、なにがどう原案だと?こちらもさっぱり理解できない。

ジブリアニメのどこかでみたようなカットのオンパレード。キャラクター、服装、風景、町並み、アイテムと、似せ方が露骨であまりにセンスがない。駿が死んでもジブリは同じテイストのものを作り続けられますよ!っていうアピールだろうか(それに意味があるのかどうかわからないけど)。なんで、せっかく監督になるチャンスを与えられたのに、だただ模倣をする?なんで微かなオリジナリティも見えてこないのか。世には監督をたくさんやりたいけど侭ならない人がたくさんいる。そういう人たちは自分の作品を作りたくてがんばっている。そういう人を尻目に監督になったのに、こんな模倣をするかね。何か監督という職業自体に失礼だとすら思うのだが、みんなはどう思うね。

じゃあ、その模倣も、納得できるくらいの模倣かっていうと、そんなこともない。まず、ちょっとカメラマンさん一歩さがってくれませんかねぇ…っていいたくなるカットが多い。要するに、絵コンテが悪い。多分、淡々と平板に展開している印象を持った人が多いと思う。空間の切り取り方に魅力がないのだ。これは、絵コンテの段階で、何度も推敲されるべき。なんかイマイチだな…という気付きがないから、こういう結果になっちゃってるんだろうな…と思うと、救いようがなくてむなしくなる。

動画としての面白みもない。駿独特の浮揚感がないのは良いとしても、根本的に躍動感がなく、まるで重力が小さい空間のよう。駿監督の製作現場のドキュメント番組なんかを見ると、動きの自然さにしつこいくらいの執着とダメ出しをしてるけど、どうかんがえてもそれをやっていない。

シナリオも吾郎監督が書いているのだが(共作みたいだけど)、ピンとこないところが多い。
例えば、主題歌を歌うテルーのシーンが不自然。アレンが近づいていくと、待っていたかのように歌が始まり、すっかり2コーラス歌ってからアレンに気付く(手嶌葵のプロモビデオだって言われていたのがよく理解できる)。そのあと、あっさり仲良くなるのも、理屈が全然わからない。自分の歌に涙してくれたから?ちっぽけなわだかまりだったんだね。数センチ地面に埋まっただけの柵に縛って時間稼ぎができると思うのが不自然(あんな杭はすぐ抜けるだろう。なんであんな時間がかかるかね)。テナーの家とクモのあまりの近さも不自然。「テルーを殺すな!」ふつう戦闘中にそんな言い回しはしない。ところどころ出現するドラゴンの意味(というか存在の必然性)もよくわからない。
#もう挙げていったらキリがない。

現代の若者がキレやすいとか、そういう社会問題の一面を端々に盛り込んで、命の大切さを訴えようっておもっているのかもしれないけれど、示している答えが浅はかでイヤになる。命に限りがあるから命は尊い?限りがあろうが無かろうが尊いだろうが。意味わかんね(限りがあるから尊さに気付くことができるっていうんならわかるけど)。
何が一番不快かって、浅い哲学を押し付けられ続けること。アホな教師がもっともらしいことを言って生徒に同調を求めてるのと同じレベル。みんなそうやって教師を嫌っていくもんだけどね。駿はそういう教師に反発してた側だと思うけど、吾郎は教師側の人だ。この差は大きいぞ。

また、出てくる食事がぜんぜんおいしそうに見えなかったり、ヒロインに可愛げが一切感じられないのは、吾郎監督にバイタリティや人生経験が不足している証拠。そういう含蓄のない人に、命の云々をしたり顔で語られるのが、とにかく不快。はっきりいって、一発アウトでしょう、この作品は。こんなこと言いたくないけれど、金払ってレンタルしたんだから言ってもいいよね。吾郎監督は、介護の現場で1年くらい働くとか、マグロ漁船に乗ってみるとか、ちょっと違う世界で人間修行して、深みを身につけないとダメだと思うよ。お薦めしない。ジブリライブラリーの中で、無かったことにしたい作品。

#アレンと吾朗監督をダブらせて、偉大なものとの関わり方云々という視点で解説している人もいるけれど、他人の親子関係なんか知ったこっちゃない。おもしろくなければ、無駄な言い訳でしかない。



負けるな日本

拍手[2回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]