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公開年:2014年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー、(アニメーション共同監督)クリス・マッケイ
出 演:クリス・プラット エメット、ウィル・フェレル、エリザベス・バンクス、ウィル・アーネット、ニック・オファーマン、アリソン・ブリー、チャーリー・デイ、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン 他
コピー:フツーのボクが、世界を救う!?
レゴブロックだけで作らているブロックシティで工員として働いているエメット。決められたルールを愚直に守り、仕事場での真面目に作業をこなすふつうの青年。平凡な毎日だが彼はその生活に満足していた。ある日、工事現場で不審な人物を発見。追いかけてみると、ものずごい美女でひと目で恋に落ちてしまう。ところが、“ワイルドガール”と名乗るその彼女は、エメットのことを伝説のヒーローだと何故か勘違いしてしまう。エメットこそ、レゴワールドを支配する邪悪なおしごと大王から世界を守ることができる“選ばれし者”だと。そして、彼女の手引きでヒーロー集団の元に連れられていく。平凡極まりないエメットは、まったくヒーローたちから相手にされないが、結局、バットマンや老人ウィトルウィルスたちとともに、冒険の旅にでることになってしまい…というストーリー。
細かい。構造物や自然物もすべてLEGO。『LEGO(R):ザ・アドベンチャー』と大違い。こうじゃなくちゃ。それどころか、手垢とか指紋とか遊びたおしてついて細かい傷とか汚れとかも付いている。本作のスタッフは良くわかっているなぁ(というか、オチがアレだからなんだけど)。
とにかく映像だけで楽しめる。あとはオフザケのオンパレード。パーツの付け替えや、ワイルドガールの美人設定に、バットマン(出していいんか?)とか。これまでラインナップしていた製品が惜しみなく登場する。
成型時のズレとかバリとかもそのまま。たしかに除光液で塗装を消したことはある。思い出がどんどん湧いてくる。本作は優秀というよりもレゴ自体が優秀。
さて、どういうオチにするのかな…と思っていたら、“究極のメタ視点”。あああ、実に大人が考えそうなオチ。救いは。本当にレゴさんたちが生きている感じになってる点だけ。ふつうにあのお話のまま終わるバージョンもつくってほしかった。
レゴは飾るものじゃなく遊ぶもの。大人も子供も一緒に遊んでね。子供の情操教育にはそれが大事だよ!という企業メッセージはわかるけど。それはそれじゃん。正直、興醒めしてしまい、痛々しくて最後は見ていられなかった。
#デュプロが出てきた時は笑ったけどね。
ウィル・フィレル演じるお父さんが、レゴを接着剤でくっつけていたのが衝撃。海外のレゴマニアはそんなことするのか?たとえ完成形があろうとも、レゴは着脱可能だからこそレゴなのであって、アレをやった瞬間レゴじゃなくなる。私にとっては最大の禁忌なのだが…。
公開国:アメリカ
時 間:85分
監 督:ピーター・ロード、ニック・パーク
出 演:メル・ギブソン、ジュリア・サワラ、ジェーン・ホロックス、イメルダ・スタウントン、ベンジャミン・ホイットロー、リン・ファーガソン、ミランダ・リチャードソン、トニー・ヘイガース、ティモシー・スポール、フィル・ダニエルズ 他
受 賞:【2000年/第67回NY批評家協会賞】アニメーション賞
【2000年/第26回LA批評家協会賞】アニメーション賞
【2000年/第6回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:こんなチキン、見たことないゾ!
イギリス、ヨークシャー州にあるトゥイーディー養鶏場。そこで飼育されているメンドリたちは、強欲な女主人トゥイーディーによって、囚人のような暮らしを強いられていた。毎日毎日、タマゴを生むだけの日々で、タマゴを生まなくなれば、食肉として処分されてしまう。そんな生活に疑問を感じるニワトリのジンジャーは、他のメンドリたちと共に、何度も脱走を試みるのだが、いつも失敗ばかり。柵の向こう側には楽園があると信じる彼女が、再び脱走計画を練っていると、空から一羽のオンドリが突然降ってくる。自分たちも空を飛べるようになれば脱出できると考えたジンジャーは、そのオンドリのロッキーから飛び方を教えてもらおうとするのだが…というストーリー。
『ウォレスとグルミット』と同じ制作会社によるクレイアニメーション。でも、ジャケット画像を見ればわかると思うが、くちばしの中に歯があるという、とてつもない気持ち悪さ。いや、単なるデザイン上のユニークさでしょ…と思うかもしれないが、迂闊に子供にみせると、軽くショックを与えるかも。結構、残酷で、さっきまで普通に生活していたメンドリが、あっさりお肉にされちゃう。
アメリカ作品ではあるが、制作会社はイギリス。本作は、資本家により搾取され続ける労働者階級の抵抗の物語で、ケン・ローチ作品のようなノリ。労働者側は理不尽な弾圧を受けており、資本家側の貪欲さは底なしで同情の余地はない…という設定で描かれる。さすがに、労働者側ばかりを良く描くとバランスが悪いので、労働者側は無知で愚か…という設定も忘れない。
『大脱走』を想像する人が多いみたいだけど、舞台が収容所で共通しているだけで、描き方は全然違うと私は思う。
さすがにそれだけじゃ、アニメ作品としては成立しないので、ジンジャーとロッキーの恋愛話や、老兵のくだりなど、ネズミとの取引など、色々差し込んでいるが、無駄な寄り道になっている気がする。最終的にニワトリが飛ぶなんて無理な話だと落胆した後に、飛行機作りに邁進するあたりから、急激に盛り上がってくる。余計な部分は差し込まずに、純粋に“大脱走”だけで勝負したら、名作の大活劇になったと思う。
『大脱走』とは違い、“楽園”を目指して脱走するのだがら、ゴールは楽園でなければいけない。しかし、脱走した後に安易に楽園が手に入ってしまうオチが、シナリオとして芸がなく、ぼやけた後味になっている。
ロッキーと老人しかいないのに、なんで有精卵ができるのかな…、他からオンドリがやってきたのかな、でもそんな描写ないな…とか、なんかいい加減なオチだな…とも思う。凡作かな。
#優香や岸谷五朗らの吹き替えは、はっきりいってうまくはない。
公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:ジェームズ・ボビン
出 演:ジェイソン・シーゲル、エイミー・アダムス、クリス・クーパー、ラシダ・ジョーンズ、アラン・アーキン、ビル・コッブス、ザック・ガリフィナーキス、ケン・チョン、ジム・パーソンズ、サラ・シルヴァーマン、エミリー・ブラント、ウーピー・ゴールドバーグ、セレーナ・ゴメス、デイヴ・グロール、ニール・パトリック・ハリス、ジャド・ハーシュ、ジョン・クラシンスキー、リコ・ロドリゲス、ミッキー・ルーニー、ジャック・ブラック 他
受 賞:【2011年/第84回アカデミー賞】歌曲賞(ブレット・マッケンジー“Man or Muppet”)
【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】歌曲賞(詞/曲:ブレット・マッケンジー“Life’s a Happy Song”、歌:エイミー・アダムス、ジェイソン・シーゲル“Life’s a Happy Song”、詞/曲:Chen Neeman、Aris Archontis、Jeannie Lurie“Pictures in My Head”、詞/曲:ブレット・マッケンジー“Man or Muppet”、歌:ジェイソン・シーゲル“Man or Muppet”)
田舎町スモールタウンでで人間のゲイリーと仲良く暮らすウォルター。しかし、自分が周囲の友達と違うことに気付き落ち込み始める。そんな時、TVでマペット・ショーで自分と同じマペットに陽気な姿を観て熱狂的なファンになるのだった。大人になったゲイリーが恋人メアリーとLA旅行に行くことになったが、ウォルターも誘われる。LAにあるマペット・スタジオに行けると大興奮するウォルターだったが、いざ訪れてみると、当時の熱狂が見る影も無く寂れていた。そして、そこで、今の所有者である石油王テックスが、スタジオを売却するおいう邪悪な陰謀をウォルターは聞いてしまう。何とかしてスタジオを守りたいウォルターは、引退した“ザ・マペッツ”のカリスマ、カエルのカーミットを探し出し、“ザ・マペッツ”の再結成をお願いするのだったが…というストーリー。
本作に登場する“マペット・ショー”というのは、セサミストリートとは違うんだな。セサミストリートは観たことがあるが、マペットショーというのは観た記憶がなくて、あまり懐かしいという感じがしなかった。着ぐるみの人とかが登場して踊りだすと、ちょっと違和感。
セサミストリートのキャラクターといえば、ユニバーサルスタジオを思い出すが、本作はディズニー映画。ディズニーランドでこいつらのグッズとか売るわけ?とか、そっちのほうが気になってしまった。でも、マペットショーの方にはエルモとかクッキーモンスターとが出ていないし、やはり、線引きはあるんだろうな。
ミュージカルということだが、あまり踊りの楽しさは少ない。人形劇だから仕方が無いか。歌曲に関して、色々受賞しているようだが、そちらもあまりピンとこない。それよりも、吹き替え音声にしても、歌が英語のままで、いまいち乗り切れない。これでは子供は観ていられないだろう。正直、字幕を追うのは興醒めした。
ストーリー構成も感心しない。ウォルターの成長物語と、マペットたちの起死回生の物語の二本の流れがあるのだが、噛み合っての相乗効果も薄いし、各々の盛り上がりもイマイチ。大体にしてウォルターというキャラの薄さが、どうにもこうにも。
よほど思い入れのはる人ならいざ知らず、そうでなければ、このノリにはついていけないだろう。ほんわかした雰囲気は悪くないのだが、悪ノリ要素が極めて希薄なのが難点。ジャック・ブラックの無駄遣いがその最たる所かも。
子供は面白がって観てくれるだろう…とレンタルするのは、ちょっと危険。すぐに別の遊びを始めるだろう。
公開年:2000年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:ジェイ・ラッセル
出 演:フランキー・ムニッズ、ダイアン・レイン、ケヴィン・ベーコン、ルーク・ウィルソン、ケイトリン・ワックス、ブラドリー・コリエル、クリント・ハワード 他
受 賞:【2000年/第6回放送映画批評家協会賞】ファミリー映画賞
コピー: おんなじ気持ちで笑っていた。おんなじ気持ちで泣いていた。おんなじひとりぼっちがふたり。
ウィリー・モリスのベストセラー自伝小説をもとにした少年と犬のハートウォーミング・ストーリー。
1942年、ミシシッピー州にある田舎町。8歳の少年ウィリーは、同級生と馴染めずいじめられる日々をすごしていた。そんな息子を心配した母親は誕生日プレゼントに子犬をプレゼントする。ウィリーは子犬にスキップと名付け、大親友となる。すると、ウィリーはスキップを通じて、周囲の人たちと徐々に打ち解けていき…というストーリー。
ジャケットを見たら、犬メインのありきたりなふれあい感動モノかと思っちゃう。安易に犬を使ってのお涙頂戴映画かと思ったら、ちょっと違った。
舞台は第二次世界大戦時のアメリカ。アメリカ国内のお話で、戦地ではないながらも配給制が布かれており、結構緊迫している情勢。不穏な空気の中でも、子供はどの時代も変わりなく、いじめいじめられながら成長していく
はじめは、いじめられっ子の日々の話で、犬は脇役でしかない。
なんてことのないストーリーなのに、まったく飽きずにひきつけられる。“犬がいたあの日…”って感じで、全編にわたって、じんわりと暖かいものが流れている感覚。
後半になると趣が変わって、出征先から戻ってきてしまった憧れの隣人ディンクのくだりや、過去にスペイン内戦で足を失い偏屈になってしまった父親との和解など、男らしさというか人間らしさってなんだろう、生きるってなんだろう…ってところに焦点が移っていく。
ただ、ちょっと理解できかったのが、犬が戦地で使われているニュース映画を観て、スキップを軍隊に入れようとしちゃうくだり。軍にいれたら別れることになるのに、なぜそれを望むのか、まったくピンとこない。
また、父親や隣人の若者ディンクのくだりも、掘り下げきれておらず、ちょっと不完全燃焼気味。でもそこは、実話だから、仕方がないんだろうね。
犬を飼っている人なら、最期はぜったい経験すること。ベッドに上がれなくなるまで長生きして、ああいう感じの最期を迎えるところを見ると、やっぱりグっときちゃうな。犬とはああいう関係でありたいと思う。
犬を飼っているかいないかで全然感想が異なると思われるが、今時の映画では考えられないほど、緩くて毒がなくて、それが逆に新鮮な作品。意外な良作。軽くお薦め。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:日本
時 間:63分
監 督:中村誠
出 演:大橋のぞみ、北乃きい、土田大、チョー、藤村俊二 他
南国産のオレンジの入った箱と一緒に運ばれてきたチェブラーシカ。チェブラーシカは“ばったり倒れ屋さん”という意味。最初はひとりぼっちだったけれど、すぐにワニのゲーナとお友だちに。2人は、町にやってきたサーカス団に入ろうと芸を練習したけれど、やっぱり雇ってもらえなかった。その帰り道、同じようにサーカスの入団テストに落ちて泣いている少女マーシャと出会い…というストーリー。
“チェブラーシカ”といえば、ロシアのかわいいくまちゃんみたいな奴だよな…、なんでこの映画は日本製なの?監督も日本人だし???三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーとして出ている『チェブラーシカ』ってのもあるけど、それは昔のロシアの人形劇のやつなんだろうな。経緯はわからないが、まあ、それを現代技術で綺麗にシメイクしようっていうことなんだろう。
日本でちょくちょくTV放映していてなつかしー…とかそういう作品じゃなくって、グッズとかでちょこちょこ見かける程度。元々知る人ぞ知るってレベルだよね。
確かに現在の技術の賜物で、映像も綺麗。動きも綺麗。綺麗過ぎて、ストップモーションアニメなんだか、CGアニメなんだかよくわからないほど。綺麗なことが悪いわけじゃないけれど、逆に言ってしまえば、ストップモーションアニメの味が出ていないってこと。
そう、とにかく味がない。チェブラーシカは確かにかわいい。しかし、そのほかのキャラが愛らしさに欠ける。チェブラーシカと同じ世界の住人とは思えないくらい。
また、こういうアニメっていうのは、世界観が大事なのに、街とかセットの感じが異様に陳腐。キャラクターは動かさないといけないから簡素化が必要なのはわかるが、構造物は逆に気合を入れて作りこむもんじゃないのかねえ。はっきりってクリエイターとしてやる気があるのか甚だ疑問になる。粗削りでもいいからやりすぎってくらいやらないとダメ。
ストーリーが安易で子供向けなのは、元々そういう層がターゲットだから仕方が無い。でも、お話も映像も何もかもぽやんぽやんさせてしまったら、作品全体がぼやけてしまうじゃないか。引っかかるものが何も無い。目が飽きる。
他国の有名作品をわざわざリメイクしてこの有様って、ちょっとはずかしいのでは?はっきりいって子供も2分で飽きる。『チェブラーシカかわいー!』とか言うおネエちゃんも4分で飽きる。厳しいことを言って申し訳ないのだが、この監督さん、15分以上、人の興味をひく作品を作る能力があるのか、甚だ怪しい。今後、映画を作る機会があるのかどうかわからないが、もしそういうことがあったら、映画のことが判っている方のご協力を仰いだほうがよいと思う。
お薦めできない。お子様に観せおいて、しばらくおとなしくさせておこう…なんて思ってレンタルしても、その作戦は失敗すると思うので、警告しておく。
負けるな日本
公開年:2007年
公開国:アメリカ
時 間:92分
監 督:ティム・ヒル
出 演:ジェイソン・リー、デヴィッド・クロス、キャメロン・リチャードソン、ジェーン・リンチ、ベス・リースグラフ、ジャスティン・ロング、マシュー・グレイ・ガブラー、ジェシー・マッカートニー 他
森で仲良く暮らしていたシマリスの、サイモン、セオドアの3兄弟。住んでいた木がクリスマスツリーとして伐採されてしまい、木と一緒にトラックで都会に運ばれてしまう。運ばれた場所はジェット・レコード社。そこにやってきた売れないミュージシャンのデイブは、大学時代の友人で今はジェット・レコードの社長になっているイアンと訪ね、自分の曲を売り込みにやってきたのだ。しかし、彼の曲は酷評され追い返されてしまう。シマリス3兄弟は、デイブにくっついて彼の自宅についていく。はじめはシマリスたちを追い返そうとしたデイブだったが、彼らに歌の才能があることを知り…というストーリー。
冒頭のデイブの苦境とシマリスたちのハチャメチャ具合、そこからデイブを救うためにに自ら売り込みにいくあたりは、よい展開だと思う。
大人気となるものの、その後、悪役社長にこき使われて大ピンチとなってしまう。非常に判りやすく且つセオリーどおりのシナリオ。しかし、最後がいけない。
つらい状況をガマンし溜めに溜め込んで、最後に弾けた結果として、ただカゴから逃げ出して一件落着とは。これは、じつにつまらない。脱出のための大立ち回りを繰り広げ、決定的にイアンの悪事がバレてしまって晴れて放免とか、もう少し、苦境を乗り越える派手な儀式を差し込むことはできなかったのだろうか(簡単にカゴから脱出できるもん…っていわれちゃあねぇ…)。
あまり、気にしている人はいないのかもしれないが、本作の主人公がデイブなのかシマリスなのか不明確なのも、ボケている要員の一つだと思う。結論からいうと、デイブは“家族”にコンプレックスを持っているという設定で、それを乗り越えるという展開があるので主人公なのは間違いない。しかし、そのコンプレックス部分をしっかり描ききれていないので(なんでそうなのか?とか)、それを乗り越えて成長するというとこrまですべてボケてしまっている。
アルビンたちは、途中いくらか反省するものの、始終我がまま勝手し放題で奔放なのは変わらない。だから主役というよりも設定や背景の役割だ。それなのに、アルビンたちにばかり比重が置かれすぎで、終盤はデイブがほとんど放置状態である。
まあ、所詮は子供向けのコメディで、シマリスちゃんたちかわいいわーという視線で観て欲しかったのだろうから、仕方がないのかもしれない。しかし、その分、大人の鑑賞には堪えないものになってしまっている。ヒットしたポピュラーミュージックを歌わせたりして、興味をひこうとしているが、あまり効果は出ていない。お薦めしない。
#そういう切り口ならば、シマリスちゃんたちも成長する物語にすればよかったと思うのだが。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:82分
監 督:ブラッド・ペイトン
出 演:クリス・オドネル、ジャック・マクブレイヤー、フレッド・アーミセン、クリスティナ・アップルゲイト、マイケル・クラーク・ダンカン、ニール・パトリック・ハリス、ショーン・ヘイズ、ジェームズ・マースデン、ベット・ミドラー、ニック・ノルティ、ジョー・パントリアーノ、カット・ウィリアムズ、ポール・ロドリゲス、ロジャー・ムーア 他
ノミネート:【2010年/第31回ラジー賞】ワースト3D作品賞
コピー: ――心で語り継がれる《奇跡の実話》――
太古の昔より密かに争い続けている犬と猫。現在、人間の知らないところでハイテク技術を駆使して過激な戦いを繰り広げている。そんな中、かつてネコのスパイ組織“MEOW”のエージェントだったキティ・ガロアは、産業スパイで手に入れた高度な情報技術を元にある兵器を完成させる。それにより、犬だけでなく猫仲間までも支配しようと企んでいた。犬のスパイ組織“ドッグ秘密基地”は、猫たちに発信した声明動画を受信。組織の首領ルーは、警察犬失格の烙印を押された落ちこぼれディッグスをスカウトして、エージェントのブッチにコンビを組むように指示する。二匹は、キティと関係があると思しきハトのシェイマスを探し出すべく深夜のコイトタワーへ向かうが、そこで“MEOW”のスーパー・エージェントのキャサリンと遭遇。実は彼女もキティの反乱を阻止する為に行動しており…というストーリー。
観終わっても、感想のようなものはあまり湧いてこなかった作品。
一応続編の扱いだが、犬の組織と猫の組織が争っているという設定以外は、特に連続性はない。前作は2001年で間が開きすぎていて、そのころのお子ちゃま達は、すっかり大きくなっちゃっており、“2”にする意味はないから何の問題もないが。前作の主人公ルーが昇進してホワイトカラーになってる点と、最後に前作の悪役であるミスター・ティンクルズが取って付けで登場する程度(後者は、前作を知らない人にはさっぱり意味がわからないし、知っている人にとっても必然性はないという、愚作極まりない演出だったりするが)。
『007』シリーズ、『羊たちの沈黙』『ターミネーター』『マトリックス』などなど、色々な作品のパロディのオンパレードなのだが、こういう悪ふざけは『シュレック』なんかで散々やられているので目新しさもない。それに、007なんかは、本作のターゲット層である子供の、その親の世代にとってもピンとこない古さ。親世代には別の切り口で楽しめるように用意したつもりだろうがハズレである(孫を連れて行くおじいちゃん世代向け演出?)。
一番興醒めしたのは、犬猫を丸ごとCGで表現してしまう部分が多すぎる点。動物が動いているのが楽しいであって、CGアニメを観たいわけじゃない。残念ながら人間の脳は、この程度のCGを見せられても、本物ではないことを容易に判別できてしまう。せめてマペットの部分が多ければよかったのだが。
『マスク2』と同じレベルといったところか。多分、子供の集中力も続かず途中で飽きると思う。あまりお薦めはしない。
#豪華なアフレコ陣も日本語吹き替えでみちゃうから何の意味もなし。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:日本
時 間:89分
監 督:藤森雅也
出 演:原田知世、加藤清史郎、山口勝平、別所哲也 他
コピー:最初は、食べるつもりだったのに…
ある日、草食恐竜のお母さんは川から流れてきた卵を見つけて、自分の産んだ卵と一緒に育てることに。しかし、孵化したのは肉食恐竜ティラノサウルスの赤ちゃん。群れの仲間から、その子供を捨てるように強く言われるが、どうしても従うことができずに群れから離脱。ハートと名付けて自分の子供ライトと一緒に育てることに。しかし、成長するにつれて体の違いに違和感を感じ始めるハート。やがて、自分が肉食恐竜であることを悟り、母とライトの元から離れ、一人で生きていくことに。そんなある日、ハートはころがっていた卵がかえる瞬間に出くわし、生まれたばかりのアンキロサウルスの赤ちゃんを見て思わず“おまえうまそうだな”とつぶやく。するとその赤ちゃんはハートをお父さんだと思い込み、“ウマソウ”と名づけてくれたと勘違いする。そして、すっかりウマソウになつかれてしまい、食べるどころか突き放すこともできなくなってしまい…というストーリー。
結論から言えば、非常に秀逸な作品。原作の絵本は読んだことが無いけれど、おそらく、原作を壊していないだけでなく、超えてきてるのではないかとすら思う。
絵柄を見る限りでは、どう考えても大人の鑑賞に堪える作品とは考えにくいし、事前の宣伝でも、ハートとウマソウのエピソードにスポットを当てすぎた。実際は、ハートとウマソウ以外のエピソードのほうが濃いし、意味合い的にも深いと思う。実際は、幼児をつれて観にいっても、子供はポカーンで、大人が満足して劇場から出てきたに違いない。
難しかったと思うが、もっと違う切り口のプロモーションをすべき作品だったのかもしれない。
『あらしのよるに』にプロットは似ているが、同様に、その真意を小さい子供ががっちりと受け止められるとは思い難い。この世の生きとし生けるものすべてが、拭い去ることのできない業を抱えており、それを超えて何ができるのかという、夢と現実のギャップにどう向き合うかという内容である。これを、簡単に愛のお話ですよなんて形容する人は、もっともらしいことを言うだけの偽善者だと思う。
で、結局(というか当然なのだが)、“これが答えだ!”というものは提示されない。提示されるわけがない。答えの無い問題に立ち向かっていくのが大人だからね。読み聞かせなんかが頻繁に行われている童話作品らしいけど、コレを読んだ子供は、なんだかわからないけど、何かおもしろそうな光るものを感じてくれるだけで充分。大人になってから思い返してくれればそれでいい。
子供だましじゃないのは、アクションシーンからも見て取れる。ハートとバクーの戦闘シーンの動画のすばらしいこと、すばらしいこと。久しくここまでしっかりと書き込んだ日本アニメを観ることはなかった気がする。途中でちょこちょこ差し込まれる挿入歌が、いまいちピンとこないことと、コンピュータ着色がドギツイ以外は、技術的には文句なし。
実は、案外「THE日本」的な作品かもしれない。海外で公開しても、この感覚は理解されないかも(特に欧米では)。なので、是非とも積極的に公開していただいて、外国人と日本人の精神構造に違いを浮き彫りにしていただきたい。
単純な感動を1枚も2枚も超えて、清々しさすら感じる作品。絵柄に躊躇することなく、大人が堂々と借りるべき作品。強くお薦め。愉しめた。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:マーク・レヴィン、ジェニファー・フラケット
出 演:ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ、オマール・シー、ドミニク・ピノン、ジュリー・フェリエ、ニコラ・マリエ、ヨランド・モロー、ジャン=ピエール・マリエール、ミシェル・クレマデ、マリー=ジュリー・ボー 他
コピー:人生なんて、たった1行で変えられる。
冒険小説家アレックス・ローバーは、小説の内容とは裏腹に極度の潔癖症で、家からも出ることができないほど。筆の止まった彼女がインターネットでネタ探しをしていると、孤島に住む海洋生物学者ジャックの記事を発見。メールで連絡を取ってみることに。一方、そのジャックと娘のニムは、南の無人島で大自然と動物たちに囲まれて元気いっぱいに生活をしていた。そんなニムは、アレックス・ローバーの大ファン。海洋調査の旅に出た父の留守中にアレックスからのメールを受け取ったニムは大興奮して返事を書く。そんな時、島を巨大なモンスーンが襲い、父と連絡が取れなくなり、島に一人きりになってしまう。ニムは、アレックスに助けを求めるメールを送信するのだが…というストーリー。
原作タイトルの、『秘密の島のニム』でいいじゃないか。“幸せの1ページ”じゃ、作品イメージと乖離しすぎていて、何が何やらさっぱりわからないだろう。最後のニムのナレーションで“幸せの1ページ”の意味はわかるけど、だからってそれをタイトルにする効果はないんだよね。一体どういうセンスなんだかねぇ。
…という邦題への文句は置いておくとして、実はお上品な冒険活劇として、うまくまとまっていて、それなりに愉しめた。次々と先読みさせる間をあたえず場面展開できているし、テンポに緩急もあって飽きない。“まとめあげ”という意味では、本当によくできていると思う。しかし、それにも関わらず、難点がくっきりはっきり見える作品で、それらをなんとかすれば、かなりの名作になったのではないかと。
まず、ジョディ・フォスターのコミカルな演技を観て、違和感というかしらけてしまった。いや、きっと演技が悪いわけじゃなく、潔癖症の女性がこったこたになっていく話にしたいのに、いつまでたっても小奇麗なままという、踏み込みの甘さのせいだと思う。もう、気にしてなんかいられない!ってところまで、どんどんグズグズになって、そこまでいきゃぁ脅迫神経症も治っちゃうわなぁっていうところまでには、到達しないといけない。
それに、道中、彼女は何かに乗っかって、運んでもらっているだけで、ポイントポイントで彼女自身が究極の選択をしていない。この自主性の不足もよろしくない。
シナリオ面での欠陥は、アレクサンドラがまがりなりにも“変化”するのに比べて、もう一方の主人公であるニムがあまり変化しないこと。そして、たしかに南海の孤島で出会うことは出会うんだけど、両者が接触しても、大して化学反応が発生しないこと。正味90分もない作品なので、その辺をもうちょっと掘り下げれば、もっと良くなったかもしれない。
そして、話のどこにも“毒”がない。敵もいない。内面的に何かを克服した!とか、達成した!というカタルシスが足りない。
まあ、『ドクター・ドリトル』ばりに動物が都合よく行動するのも、噴火が間欠泉レベルでナメた描写をしているのも、いくらなんでもゴミムシダマシは食べないだろうとかは、児童向けだから良しとしようじゃないか(でも、トカゲ爆弾は、虐待だと思うけどね)。
いやあ、ここまでけなしておきながら、それなりにおもしろいっていうんだから、本当にあとちょっとでA判定の作品なんだろうね。軽くお薦めしますよ。児童向け…児童向け…、気にしない、気にしないと、呪文を唱えながら観れば、きっとおもしろいはず。
負けるな日本
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:ピーター・ヘイスティングス
出 演:クリストファー・ウォーケン、スティーヴン・トボロウスキー、ミーガン・フェイ、イーライ・マリエンタール、クイーン・ラティファ、ドン・ヘンリー、ワイクリフ・ジョン、エルトン・ジョン、ウィリー・ネルソン、ダリル・ミッチェル、M・C・ゲイニー、アレックス・ロッコ、ハーレイ・ジョエル・オスメント、ディードリック・ベーダー、キャンディ・フォード、ジェームズ・ギャモン、ブラッド・ギャレット、トビー・ハス、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、スティーヴン・ルート 他
コピー:ディズニーが贈る、子グマのベアリーとゆかいな仲間たちの大冒険!!
子グマのベアリーは人間のバリントン家の養子として育てられ、何不自由なく暮らしていた。ベアリーは、伝説のバンド“カントリー・ベアーズ”大ファンで、寝ても醒めても彼らのことばかり考えている。とはいえ、他の家族と容姿が違うことに疑問に思っており、11歳になったある日、とうとう兄のデックスから養子であることを聞かされてる。ショックで家出してしまうベアリーだったが、思いついた行き先は、かつてカントリー・ベアーズが本拠地としていたカントリー・ベア・ホール。しかし、訪れてみるとホールは資金難により取り壊されようとしていた。そこでベアリーは、ホール存続のために復活コンサートをすることを思いつくのだが…というストーリー。
『抱擁のかけら』『あの日、欲望の大地で』と、連日重いのを続けたので、真逆の作品を観てみることに。
子供向けのディズニー映画のくせにあまり人気のない作品かな。ディズニーランドのアトラクションも結構ガラガラだったりして、半ば休憩場と化していたりする。アトラクションが先なのか映画が先なのか。東京ディズニーランドができた時にはあったような気がするので、映画が後だな。多分。
実は、レンタルが開始されたばかりの時に一度観ており、今回で二度目。細かい内容はあまり覚えていないのだが、当時観た時はいまいちだった記憶だけが残っている。ところが今観てみると意外とイケる。人間と熊が普通に生活してる世界という、ゆるくてくだらない設定を、特に言い訳や説明することもなく、なんとなくなノリで押し切るところが、実に心地がよい。
バーやカフェで突然ノリノリで踊り出したりするシーンは、ベタベタだと判っていても実に楽しいし、カントリーというタイトルだけど、ロックやジャズ的なエッセンスも多大に盛り込まれていて、根底の音楽的要素もハンパなくしっかり作りこまれていて飽きない。確かに、よくある音楽モノやロードムービーのパクリ要素は満載なのだが、批判されるレベルではない。むしろ、こういう肩の力の抜けたおふざけ映画をしっかりと作らせると、アメリカの右に出るものはいないな…と、底力をまざまざと見せられた気にすらなる。こういうものを作らせると、アメリカは本当に上手いと思う。ちょっと昭和の臭いがして、とても2000年代の作品とは思えない古臭さを感じはするけれど、今となっては許容範囲である。
なんでこんなに世間で評価されていないのか不思議に感じるほどだったが、最後まで観て思い出してしまった。オチの演出が、いまいち盛り上がりに欠け、あまりにもサラっと終ってしまうのだ。確かに元々の目的は果たすのだが、あまり問題を乗り越えてミッションコンプリートした!ってカタルシスが得られない。もったいないというか実に残念。
でも、正直にいうと、癒されたという意味では、今年観た映画の中で一番かもしれない。何の悪意も害もなく、くさくさした心にやさしく滲みたお粥みたいな作品である。年末の忙しい中、心がお疲れの人には強くお薦めする。私は癒された。
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:105分
監 督:ショーン・レヴィ
出 演:ベン・スティラー、エイミー・アダムス、ロビン・ウィリアムズ、オーウェン・ウィルソン、リッキー・ジャーヴェイス、クリストファー・ゲスト、ハンク・アザリア、アラン・シャバ、ビル・ヘイダー、スティーヴ・クーガン、ジョン・バーンサル、ミズオ・ペック、パトリック・ギャラガー、ジェイク・チェリー、ラミ・マレック、エド・ヘルムズ、ジョナ・ヒル、ケヴィン・ジョナス、ジョー・ジョナス、ニック・ジョナス、ユージン・レヴィ 他
ノミネート:【2010年/第19回MTVムービー・アワード】コメディ演技賞(ベン・スティラー)
コピー:歴史も宇宙も美術も!世界最大の博物館が動き出す!!
前作から数年後。警備員だったラリーは発明グッズで起業して成功。息子との関係も良好となり多忙な日々を送っている。しかし、自然史博物館が改装されることとなり、展示物たちはスミソニアン博物館への移送が決定。“魔法の石版”の力で毎晩自由に動き回っていた彼らも今日で普通の展示物に戻ることに。どうすることもできずに失意のラリーのもとに、ミニチュアカウボーイのジェデダイアから助けを求める電話が。移送の際、自然史博物館に残されるはずだった石版が一緒に運ばれてしまい、スミソニアンの展示物も蘇ってしまったというのだ…というストーリー。
前作はなかなか愉しい作品だったが、続編の本作はいかにも二番煎じという評判しか聞こえてこなくて、これまで食指が動かず。何気にレンタルしてみたのだが、ハードルが低かったせいか非常に楽しめた。確かに基本コンセプトは愚直なまでにまったく一緒で、二番煎じに違いはなかったが、グっとスケールアップしているし、なんといっても悪ノリ具合は三倍は強化されている。ラリーとカームンラーの“ここから入っちゃダメ”みたいなやりとりは、まあ日本人はやらないくだりで、そういうのも結構新鮮だったりする。
ルーブルとスミソニアンとエルミタージュは死ぬ前に行きたいと常々思っているので、個人的にはワクワク度アップ。あまりに大騒ぎしすぎなので、スミソニアンの警備システムが機能しないはおかしいんじゃ…とか、なんで破損したものまで戻っちゃうの?とか、展示物とのラブロマンスもそんな顛末でいい訳ぇ?とか、ご都合主義が目白押しの展開でも気にならない。
まあ、オスカーとベイダー卿のくだりまでやってしまったら、このノリでの続編はさすがに難しいと思うので、ベン・スティラーによる『ナイト ミュージアム』は本作で見納めでだとは思う。前作ではおさえ気味だったベン・スティラー特有のノリも完全に解禁状態で、鼻に付く人もいるかもしれないけれど、まあ、それなりにやりきったともいえるので、一定の評価は与えていいシリーズだと思う。親子で楽しめるとても好感がもてる作品なので、軽くお薦め。さすがにスミソニアンにはいけないけど、上野には行きたくなった。
エイミー・アダムスという女優、どこかでみたなあと思っていたら、ついこのあいだ観た『ダウト~あるカトリック学校で~』のシスターじゃないすか。ああ、それよりも『魔法にかけられて』の人じゃないすか。あれ、たいした役者じゃないように見えて、個を消してしっかり演じきってるいい役者のかもしれない。もしかして大化けするかもしれない。
オーウェン・ウィルソンは所々本人じゃないようにに見える場面が多々あり違和感もあるが、それよりも、なぜ前作でクレジットがないのか非常に不思議だね。
公開年:2008年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:アダム・シャンクマン
出 演:アダム・サンドラー、ケリー・ラッセル、ガイ・ピアース、ラッセル・ブランド、リチャード・グリフィス、ジョナサン・プライス、コートニー・コックス、ルーシー・ローレス、テリーサ・パーマー、ローラ・アン・ケスリング、ジョナサン・モーガン・ハイト、ニック・スウォードソン、キャスリン・ジューステン、アレン・コヴァート、カーメン・エレクトラ、ティム・ハーリヒー、アイシャ・タイラー 他
コピー:ファンタジーが、あふれだす。
子供たちに語らせてはならない…。
昔、父親が経営に失敗し手放してしまったホテルに、雑用係として長年勤務するスターキー。ある日、長年疎遠だった姉ウェンディの子どもたちを預かることになる。夜、幼い姉弟にお話をねだられ、いい加減なな思いつきで話はじめると、子どもたちもノッてきて、話を横取りして勝手にストーリーを展開してしまう。すると翌日、子どもたちが作ったストーリーが現実となってしまう。はじめは偶然だと思っていたが、毎夜子どもたちにストーリーをいじられ、翌日ピンチに見舞われる繰り返しで、逆に利用しようと考えたのだが…というストーリー。
公開時の宣伝を見たかぎりでは、『ジュマンジ』や『ザスーラ』と同じような内容にしか感じられなかった。なんで、何度も同じようなことばかりやるのかバカじゃなかろうかと思っており、レンタルがはじまっても観ようとはしなかったのだが、つい何気に手に取ってしまった。観ると『ジュマンジ』や『ザスーラ』とはテイストが違った。どちらかといえば『もしも昨日が選べたら』に近い(主演も同じだし)。これは宣伝力の至らなさ以外のなにものでもなかろう。
冒頭の、ホテルを手放す件や、じいさんのナレーションが説明的な部分など、妙にファンタジー的な雰囲気をつくろうとしているのが、実に鼻について、もう観るのを止めようかと思ったのだが(実際に、一回中断したのだが)、時間が現在に移りアダム・サンドラーが登場すると、途端に楽しく観られるようになる。簡単にいってしまえば、いつものアダム・サンドラーのコメディー作品で、それなりに及第点に仕上げられている感じ。ある意味、米コメディのお約束的な作品で、逆に安心して観られるくらい(『ヘアスプレー』の監督なのね。かなりノリは違うけど)。
ただ、根本的な部分で、微妙な点が。というか、私の趣味にあわない演出がある。
お話と同じ出来事が発生するわけだが、それはあくまで偶然なんだよ…という方向にもっていくこともできたはずである。しかし、本作ではマジカルな力が働いているという内容に倒した。しかしどういうマジカルなのかは判然とさせてはいない。力の根源としてモルモットを出しているのかと思いきやそうでもなさそうで、肝心の部分が中途半端でイマイチである。そこは別にノリでさらっと流せばいいんじゃないの?という意見も聞こえてきそうだが、気にならないほどいいノリでもないし、単純にストーリーの練りが甘いだけなのでは?という気がするのである。私なら、あくまで偶然というラインを貫くのだが…。
とはいえ、大人も子供も観れるファンタジー&コメディー作品としては及第点は超えているので、ヒマつぶしにはもってこいの作品。まあ、ディズニーらしいっちゃあディズニーらしい勧善懲悪のお約束作品。
公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:87分
監 督:M・ナイト・シャマラン
出 演:ジョセフ・クロス、ロージー・オドネル、デニス・リアリー、ティモシー・レイフシュナイダー、ダナ・デラニー、ロバート・ロジア、カムリン・マンハイム、ギル・ロビンス、ジュリア・スタイルズ、ダン・ローリア 他
大好きだったおじいちゃんを亡くした少年ジョシュア。数ヶ月たったいまも、おじいちゃんは天国にいけたのか心配でたまらない。その答えを知っているのは神様だけと思い、ジョシュアは一人で神様を探そうと決意するが、誰に聞いてもどこにいっても神様の居場所はわからず終いで…というストーリー。
日本では未公開だった模様。シャマランのデビュー作ということで、やっと借りられた(監督だけじゃなくて脚本も手掛けているね)。DVDジャケットを見た限りは、大草原の小さな家ばりにかわいらしい子供のほのぼのムービーなイメージで、とても『シックス・センス』以降のラインナップとは程遠い。
ところがどっこい、本作には、『アンブレイカブル』『サイン』『ハプニング』などのすべての萌芽がある。小学生の素朴な思いを通じて、死生観や宗教の存在意義や神的な大いなる力についてアプローチしようとしている。しかし、メジャーデビュー作ということで、思いっきり肩肘を張ってしまってのだろう。自分の頭の中にあることをすべてぶち込んでしまった感じで、ちょっと直球すぎ。無邪気さのオブラートから、哲学や形而上学的な臭いが漏れ出してしまっている。
『最後の誘惑』の時にも言ったが、伝えたいことを直球で表現しては芸術でなくなってしまう。むしろまったく別の角度から光を当てて、観ている側が次第に気づき始めるような表現方法こそ芸術といえるのだ。そう、「気付かされた」のではなく、自分で「気付いた」と思わせることこそ大事なのだ(自論)。
ちなみに、ラストは小さなドンデン返し的なところがあって、シャマラン監督の星新一的な部分も垣間見られる。本当に雀の魂百までとは良くいったものだ。ここのところマンネリ作品が続く彼だけれど、デビュー作から扱うテーマが変わっていないのをみると、このマンネリからは抜けられないのかもね…と、ちょっとイヤな予感もしてくる。
まあ、その他にも、感動する場面を煽るような音楽の使い方とか、”若いなぁ”と感じる部分は多々あるけれど、ご愛嬌ということ。実に害のない健全な作品で、「ああ、なんかワタシの心、今、汚れているかも…」って時に観ると、ちょっとは心が洗われるかもしれない。きっとハマる人には、涙だだ漏れするくらいハマるかもしれないとは思うが、私にはまあまあって所。受けてによってかなり差のある作品かと。
公開年:2004年
公開国:アメリカ
時 間:81分
監 督:ピーター・ヒューイット
出 演:ブレッキン・マイヤー、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、スティーヴン トボロウスキー、ビル・マーレイ、ブレッキン メイヤー、アラン・カミング 他
コピー:ニャマケモノで行こう!
日々、お気楽に暮らす太り気味の飼い猫ガーフィールド。ある日、飼い主のジョンが子犬のオーディを連れて帰ってきてしまう。困ってしまった犬嫌いのガーフィールドは、オーディを家から追い出してしまうが、オーディが本当に行方不明になってしまうと、強く責任を感じてしまい…というストーリー。
このガーフィールドというのは、全米で人気のキャラクターらしいが、よく知らない(まあ、見たことがないわけじゃないけど)。おなじみのマンガキャラが最新技術で映画に!って、最近の鉄腕アトムみたいな感覚か?いやあ、あのハリウッド版鉄腕アトムに比べたら本作のほうがいいデキでしょ。
基本的にCGで表現されているのは、主人公のガーフィールドだけなんだけど(というかマンガチックなキャラはガーフィールドで、あとは普通の犬猫。多分、他の犬猫のところでもCGは使っていると思われるが)、2004年当時のCG技術としても、コメディ作品ながらかなり入魂のデキと思われる。今でこそ当然になってしまったが毛の動きまでしっかり表現できており、まるでぬいぐるみが動いているよう(ってイマイチ褒め言葉になってないか)。実写映像との合成具合や、周りの動作との自然なシームレス具合など、単純なCG技術だけでなく、CGにマッチするような撮影というのをしっかり意識していたのだろう。映像的に文句をいうところはあまり無い。
内容は、極めて子供向けでありきたりで凡庸なストーリーだが、飽きそうになる手前でポンポン展開するので、こちらも自然に最後まで観続けられた。結構長い割には………って、たった81分じゃん。ものすごく長く感じたのだが!
実は、本作は基本的にはものすごくつまらない内容なのだが、多いシーン数を細目な場面切り替えで繋ぐことで、それなりに成立させている作品(シーン数は多いので長く感じてしまうのね)。これは編集技術の勝利といえる。そういう意味で、つまらなくなってしまった映画を編集技術で面白く見せるひとつのヒントになる作品かもしれない。
ということで、極めて子供向き。最終的に子供は「あ~おもしろかった…」というかどうかは微妙だが、男子女子を問わず飽きずには観られると思う。ただ、英語音声でガーフィールドの声を当てたビル・マーレイはピッタリで、日本語版の藤井隆も声質は近いんだけれど、演技自体がイマイチで。普通の声優の二倍の時間をかけて、いいテイクをチョイスするくらいの労力投入が必要だったんじゃないかな(純粋に場数を踏んでいるかいないかの問題。ちょっとかわいそうかな)。子供が飽きるとすれば、抑揚が少なく、どのシーンもトーンの変化が薄い藤井隆の吹替えの部分かもしれない。
何のイヤミも害もない作品で、心を休めたい人には案外お薦めかも。そうじゃない人には、極めて物足りない作品。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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