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image2137.png公開年:1966年
公開国:日本
時 間:64分
監 督:(演出)芹川有吾
出 演: ジュディ・オング、曽我町子、石原良、川久保潔、増岡弘、太田博之、大竹宏、藤村有弘、内海賢二、八奈見乗児、畠山京子、はせさんじ 他





幽霊島を本拠地とするBG団(ブラックゴースト団)は、世界征服のためにギルモア博士にサイボーグ戦士を創らせる。レーサーの島村ジョーは、BG団によりBレース中の事故を引きおこされ瀕死の重傷となり、密かに幽霊島に搬入され、驚異的な身体能力をもつサイボーグに改造される。ジョーより前に8人にサイボーグが作られており001~008と呼ばれていたが、彼は自分たちが悪事に利用されることを恐れ脱走を計画。彼らはギルモア博士を人質に島を脱出し、009ことジョーも彼らに付いていくことに。実はこの脱走計画はギルモア博士の発案だったが、BG団の虫型偵察機に発見されてしまい…というストーリー。

『009 RE:CYBORG』のレンタルが始まったので、まず先に古の作品を観ておこうかと。

結論からいうと、望まずしてBG団に改造されてしまったサーボーグたちの脱走と復讐、正義への目覚め、そして任務の完遂という流れを一区切りとして、綺麗にまとまっている。子供向け作品でありながら、自分がもう人間では無くなってしまった悲しみを微かに漂わせることに成功している点も評価できる。

原作を読んだ人ならおわかりだろ思うが、改造される前の島村ジョーは、不幸な生い立ち⇒犯罪者⇒鑑別所行き…という設定である。ちなみに002も元ギャング。他は浮浪者的な人や、ただ誘拐された人など様々だが、006は生活苦のために自殺をしようとしたところをBG団にスカウトされるという、ヒーローチームにふさわしくない人だ(笑)。
#ちなみに001はギルモア博士による改造ではない。
まあとにかく、子供向け作品で犯罪者を主人公にはできないのでレーサーという設定になっている。また、007がちびっ子の設定になっているのも子供向け対応。このお陰で、動きにアクセントができたし、ジョーが一番年下(001を除く)という状況でなくなったことで、ジョーがリーダーシップを取る場面での違和感も減った。映画会社のグッショブだと思う。
#ただ、001が本作ではしゃべりすぎで、せっかく007を子供にした意味を削いでいる部分が散見されるのが玉に瑕。

009の代名詞である加速装置がないのも特徴だが、正直、009の加速装置と001の超能力は、なんでもアリ状態になっちゃうので、この点についても本作のほうがよい。
原作は原作、アニメはアニメ。一本の映画として成立させることが大前提で、必要ならば設定変更も辞さない…という姿勢は評価したい。この腹の括り具合を、仮面ライダーをはじめとする特撮作品(特にTV放映モノを映画にする場合)が持っていれば、子供騙しな映画なんか無くなるのに…と思う。

冒頭は、原画枚数を増やしてなるべくキャラクターを動かそうという努力が見られるが、力尽きたのか、ほどなくしてリミテッドになっちゃう。まあ、これはご愛嬌。
まあ、さすがに大人の鑑賞に堪えるレベルではないので、手放しで評価することはしないが、悪くない出来映えだった。さて『009 RE:CYBORG』はいかがなものか…。

 

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