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公開国:日本
時 間:103分
監 督:周防正行
出 演:本木雅弘、清水美砂、竹中直人、水島かおり、田口浩正、宝井誠明、梅本律子、松田勝、宮坂ひろし、片岡五郎、六平直政、村上冬樹、桜むつ子、ロバート・ホフマン、柄本明 他
受 賞:【1992年/第16回日本アカデミー賞】作品賞、主演男優賞(本木雅弘)、助演男優賞(竹中直人)、監督賞(周防正行)、脚本賞(周防正行)
【1992年/第35回ブルーリボン賞】作品賞、主演男優賞(本木雅弘)、監督賞(周防正行)
教立大学4年の山本秋平は、父親のコネで就職も決まっていたのだが、卒論指導教授の穴山教授から、代返で一度も出席しなかったことを指摘され、卒業に必要な単位を与えないと宣告される。しかし、卒業と引き換えに、穴山が顧問をしている相撲部の試合に出れば、単位を与えてもいいと言われる。しぶしぶ、仮入部した秋平だったが、相撲部には留年を重ねた青木だけしか部員はおらず、試合出場に必要なメンバーを集めるところから始めなければならなかった。なんとか、太っているだけで気弱な田中、秋平の弟の春雄を入部させ大会には出場するも惨敗。約束の大会出場を果たして、それでおしまいのはずだったのだが、大会後の飲み会で相撲部OBに散々罵倒され、怒った秋平は「次は勝ってやる」と啖呵を切ってしまい…というストーリー。
監督としてよりも脚本家としての力量がすばらしい。
すべてきれいに伏線が回収できている…ってどころか、ちょっとした小ネタか?で流されるような部分も実は伏線で、それすらしっかり後から生きてくるのが驚愕。
正子がマネージャになるくだりとか、スマイリーが入部を勧められるにあたって尻を出すことを拒否するくだりはもちろんだけど、入部当初に田口浩正演じる田中がさりげなく胸で十字を切ったところとか、竹中直人演じる青木が自分の得意技が内無双だっていってシラけさせるところなんかまで、全部後で繋がってくるんだから。ここまで練られたシナリオって、そうそうお見かけできるものではない。
何か、日本の電化製品の変態的な気の配り方に通じるものがある。
実は、超弱小相撲部があって、それを残すために奮闘するお話っていうプロット自体は、さほど珍しくなければおもしろくもないのだ。本木雅弘演じる秋平が卒業を条件に入部したあたりまでなんか、「これ、この後、どうやって面白くするつもりなんだろう…」と逆に心配しちゃうレベルだもの。でも、とてつもなく話しの運び(ストーリーテリング)がうまいの。
『タンポポ』も本作と同じく、そのドロドロ、ベタベタな内容に反して、ラストで爽やかな気持ちにさせてくれた作品だけど、このストーリーテリングのウマさとオチのスッキリ感の合わせ技という観点では、本作のほうが上だろうね。
前作『ファンシイダンス』はなんだかんだいって原作ありで、ストーリーテリングの幅には制限があったし、『Shall We ダンス?』はリメイクもされて評価も高いかもしれないけど、悲哀の部分やウェットな部分が好き嫌いが分かれるところだと思う。竹中直人の既視感もあるし。だから私は、総合して周防監督の代表作と言えるのは本作だと思う。
この手のコメディは、時代の差によって陳腐に感じてしまうモノが多いけれど、20年を越えてもこの色褪せなさ。7,8年に一回は観たくなるレベル。日本映画50本に入る(私は入れたい)作品だと思う。お薦め。体が徐々にできていく流れもあるんで、撮影の順番とか大変だったろうなぁ。
#コメディに出た柄本明が、これ以上にいい仕事をした作品を私は知らない。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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