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image2049.png公開年:2004年
公開国:日本
時 間:144分
監 督:崔洋一
出 演:ビートたけし、鈴木京香、新井浩文、田畑智子、オダギリジョー、朴武、松重豊、中村優子、唯野未歩子、濱田マリ、柏原収史、張賛明、塩見三省、北村一輝、國村隼、寺島進、朴希範、伊藤淳史、仁科貴、佐藤貢三、中村麻美 他
出 演:【2004年/第28回日本アカデミー賞】主演女優賞(鈴木京香)、助演男優賞(オダギリジョー)、監督賞(崔洋一)
 【2004年/第47回ブルーリボン賞】助演男優賞(オダギリジョー『この世の外へ クラブ進駐軍』に対しても)
コピー:血は母より、骨は父より受け継ぐ

1923年。17歳で済州島から大阪へ渡って来た金俊平。他の朝鮮移民と同様に日本で一旗揚げることを夢みて渡ってきた。子連れの李英姫と結婚し、花子と正雄のふたりの子供をもうけるが、酒を飲んでは暴れ、家族の心が安らぐ日は無かった。戦争中は行方不明となり1945年にフラりと戻ると、突然、蒲鉾工場を開くと言い出す。強靱な肉体で従業員を高圧的に支配し、持ち前の強欲さと時勢がら蒲鉾工場は大成功を収める。そんな彼の前に、かつて人妻に生ませた息子・武が現れ金をせびるようになるが、守銭奴の俊平は一銭も渡す気はなく、大乱闘の末、追い出してしまう。自分の息子たちが反抗的なことに常々不満をもっていた俊平は、一年後、自宅のすぐ目の前の家で妾・清子を囲い始め、さらに高利貸しを始めますます景気がよくなるのだった。しかし、清子が脳腫瘍で倒れてしまい、動くことも話すこともできなくなてしまう。そのやり場のない怒りを、再び家族に向け始める…というストーリー。

公開時に売られていた漫画版をチョロっとコンビニで立ち読みしたら、けっこうエグくて、今に至るまで観る気がおこらなかった。うじ虫のたくさん湧いた腐りかけの豚の生肉を食べるところとか、脳梗塞になる妾さんは片方の脳を大きく摘出して、ペコペコのカバーで覆っている状態だってのを、あまりうまくない絵で見せられると、本当にエグさ倍増でね。

だけど、『月はどっちにでている』の主人公と、本作の主人公というか狂言回し(子供・金正雄)が、原作設定的には同一人物だと知り、興味が沸き、やっと観ることに。でも、原作では繋がっているのかもしれないけど、映画同士だと時代もキャラクター設定も異なるので、全然繋がっていない。大体にして母親の李英姫、死んじゃってるしね。
#鈴木京香の晩年が絵沢萠子ってのは、結構絶妙な気がしないでもないが…。

済州島から自分の意思でやってきているシーンからスタートするところから始まるのは、実はすごい。在日朝鮮人たちが、日本から強制的に連れて来られたと主張し続けるのを真っ向否定しているのがね。理不尽極まりない金俊平の行動だけでなく、取り巻き全員が何か理不尽。差別されてるとかなんだとか、そんなレベルではなく、全員が全員、地虫のような生き方しかしていない。行き詰っても、すべて人のせい、人のせい。
蒲鉾屋で成功しても、そこから世間様に顔向けできるような企業にしようとかそういう発想が根本的にない。その後も金貸しに転じるが、目先の金を稼ぐことしか目がいかず、一度成功したら、不法だろうが何だろうがお構いなしにそれだけを繰り返す。
#電車でキムチ喰うなよ…。
最後も、私たちから見たら「はぁ?」って思うのだが、済州島出身なのに、なんで北朝鮮の帰国事業にのっかるのか。結局は、騙されるわけだが、騙されるほうがアホ。

こういうクレイジーな男を軸にして話が展開するので、明確なメッセージ性がどうのとか、そんな次元ではない。野生の王国を観る時のような、そういう圧倒的な人外な風景がそこにあるだけ。単純に話はものすごく面白い。
本作で一番評価したいのは照明。しっかりと対象物を浮かばせつつも、貧乏臭い薄暗さで、リアリティをつくっている。セットも衣装も、よく揃えたなと思うくらいがばってる。とにかく技術スタッフの力は大きい。

一方、演出面では、首を傾げるところが散見。演出的には理解するけど、首吊った親族を見つけたら、すぐに降ろすだろ…とか。はじめの方の、ビートたけしが鈴木京香を襲うシーンも、子連れの李英姫と無理やり結婚しようとしているシーンだということがわかりにくい…とか、色々。
済州島から渡ってくるシーンを冒頭だけでなく、終盤も差し込んだのは、崔洋一が韓国人で『ゴッドファーザー』をやるつもりだったと、私は見ている。しかし、無理があった。そこに愛がないからダメなんだと思う。

キャスティングも、似ていることよりも演技力を重視したのは理解するが、子供時代と成長した姿に乖離がありすぎるのな難点。息子・金正雄にほくろを付けざるを得なかったことで、言わずもがな…という所だ。

別に悪いわけじゃないけど、鈴木京香の日本アカデミー賞とオダギリジョーの助演男優賞ってのは褒めすぎだろうに…って思って調べたら、同年の他のノミネートされた人が、それほどいい仕事していなかったり、作品自体がいまいちだったりで、ごっつあんゴールだった…orz。でも、照明賞(高屋齋)、美術賞(磯見俊裕)は受賞させないとだめでしょ。見る目無いなぁ、日本アカデミー賞。

よく出来た作品で、崔洋一作品の中では飛びぬけていると思う。だけど、鶴橋界隈にに行くのちょっと怖くなる。
#この時代から飛田って飛田なんだなぁ…。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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