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公開年:1994年
公開国:フランス、アメリカ
時 間:111分
監 督:リュック・ベッソン
出 演:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ダニー・アイエロ、ゲイリー・オールドマン、ピーター・アペル、マイケル・バダルコ、エレン・グリーン、サミー・ナセリ 他
ノミネート:【1995年/第19回日本アカデミー賞】外国作品賞






ニューヨークで孤独に暮らしている、イタリア系移民のレオン。彼は、イタリア系マフィアのボスであるトニーのからの依頼を専門に受ける、プロの殺し屋。ある日、仕事を終えてアパートに戻ると、隣室の住む12歳の少女マチルダが廊下が座っている。彼女の顔に暴力を振るわれた跡があったことから、初めて言葉を交わす。マチルダの住む部屋にはスタンフィールドという男とその部下が訪れていた。スタンフィールドは、マチルダの父ジョセフが密売組織の麻薬の一部をくすねたと疑っており、それを詰問していた。明日の正午までの無くなった麻薬を見つけるように告げて去っていったが、翌日、スタンフィールドと仲間たちはマシンガンを手にアパートを急襲。ジョセフが隠し持っているを確信したスタンフィールドは、4歳の弟を含め、全員を射殺。ちょうど買い物に出ていたマチルダは、平静を装いレオンの部屋に向かう。一瞬躊躇したレオンだったが、彼女を部屋に入れ保護するのだった。レオンが殺し屋であることを知ったマチルダは、愛する弟を殺した奴らに復讐するため、自分を殺し屋に仕立ててほしいを懇願するのだが…というストーリー。

TV放送があると、断片的に観ていたことが何度もあるが、通しでしっかり観たのは、もしかすると初めてかもしれない。レオンが文盲の設定とか、「あれ?そういう設定だっけ?」状態だった。

子供は死なないというハリウッド的な演出から外れて、4歳の子を殺す効果の大きさを感じずにはいられない。あのシチュエーションを考えた場合に、流れ弾で死ぬという展開はごく自然。少女が殺し屋を目指すという、いささか荒唐無稽な展開も、糞オヤジ以外は血縁がない等の状況を考えると、事件直後のマチルダの反応は妥当に見える。
とにかく演出に置きに行った感がない。リュック・ベッソンの、客の顔を伺っていない、しっかりと自分のペースでアクセルを踏んでいる演出の心地よさ。これがあるからこそ、レオンの暗殺者ゆえの残酷さやシビアさと、無骨さや純朴さのミックスが、うまくミックスできている。
#文盲で殺し屋が成立するか…という疑問は感じなくはないが、まあ許容範囲だろう。

一人の暗殺者という主人公に対して、ゲイリー・オールドマン演じる悪徳刑事というキャラクターのバランス感が非常に良い。警察組織の人間ではあるが、はみ出しもののクズ刑事。レオン一人でもなんとか対処できそうなギリギリのレベルなので、気持ちを肩入れしがいがある。

自分で復讐しようとするマチルダ。多数の機動隊に追い詰められる無理めの展開の中、斧つかって脱出ルートをつくるシーン。さらにそこでの二人のやりとりとか最高。印象的なシーンが盛りだくさん。最後も単純に、警官に化けて逃げ切れる…だけじゃないのがよい。

レオンのマチルダに対する感情は、ロリコン的なそれと思われるかもしれないが、それは違う。男性の観客がレオンに共感できるのは、男性の遺伝子に潜んでいる父性、それも“弱い立場の誰かを守って死にたい”という欲求がガンガン刺激されるからだ。生き死にに関わるシチュエーションを見せられると、さらに引っ張り出されやすくなる。

寄宿舎に戻ったシーンでは、最後は、本当のことを言ったのに信じてもらえなかったってこと?それとも同情されたってこと?先生の表情はイマイチ読み取れなかった。いずれにせよ、学費はすでに支払い済みという伏線がしっかり張られていて、まったく違和感なく戻れている点がすごい。

プロットはまちがいなく凡庸。でも、話が素晴らしいかではなく、端々に至る演出があまりにも神懸りすぎる作品。映画賞に無縁だったのがビックリ。
#エンドロールのスティングの曲はとにかくシビれる。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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