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公開年:1993年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:ロン・アンダーウッド
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、チャールズ・グローディン、アルフレ・ウッダード、キーラ・セジウィック、トム・サイズモア、デヴィッド・ペイマー、エリザベス・シュー、エリック・ロイド、B・B・キング 他
1950年代末のサンフランシスコ。トロリーバスが事故をおこし、乗り合わせていた4人の乗客と運転手が死んでしまう。乗客4人の男女は霊となってしまうが、バス事故に巻き込まれた別の車の中で生まれた赤ん坊に、なぜか取り憑くことになってしまう。そして、4人はその赤ん坊から離れることができない。その子の名前はトーマス。トーマスに4人は見えているのだが、周りの人間には見えないため、4人と会話するトーマスは、異常があると看做されてしまう。このままでは、トーマスがまともな大人になることができないのではないかと心配した4人は、以後姿を見せないことを決断するのだった。その後成長したトーマスは、自分勝手で利己的で仕事中毒の銀行員となってしまう。4人の霊たちそんな彼を心配して再び姿を現すのだったが…というストーリー。
冒頭の上空俯瞰からの降下映像は、レトロ映画チックな雰囲気と共に、霊魂のお話であるということをさらりと醸し出している。1950年代という舞台にぴったりのGOOD演出で、掴みはOK。このスタッフは映画大好きなんだろうな…というのが伝わってきて好感が持てた。
不慮の事故で無くなった男女の幽霊のお話だが、(欧米なのでこういう表現はどうかと思うが)彼らは成仏できない自縛霊さんたちである。本来、伝わるべき最後の権利が知らされないという、ちょっと無理やり臭さが漂わないわけではないが、後半に展開される4人の成仏ロードは、ベタベタながらも感動できる。
低予算なのは間違いない。しかし、人間のSatisfactionって何か、ひいては生きる喜びって何だろうということまで考えされてくれる。それをシンプルで見やすく、且つお上品なコメディに仕上げている。4人の満足ポイントは何かという伏線も、導入部で自然にさらりと表現できているのもよい。
若い頃のロバート・ダウニー・Jrは、ちょっぴり気持ち悪さもある見た目で、これはどうかな…って感じだけど、演技はうまい。4人の芸達者に埋没しない輝きで、むしろメジャーになった今よりもウマいかも。
1点だけ難点を挙げれば、3人目までの成仏と比較して、最後の一人だけちょっと説明的でまわりくどすぎたかも。結局、数十年も待たされた理由がこの為か…、神の業か…という流れが、全体な流れとマッチしていない気がする。もうちょっと直感的なエピソードでよかった気がする。何なら最後のバスに、恋人が乗っていたっていいと思う。
#まあ、脚本家も4人クレジットされているくらいなので、この最後を悩み抜いたのが、何となく覗える。
受賞歴皆無というのも解せないが、案外キリスト教的な霊の概念と乖離しており、根源的に受け入れられない何かがあったのかもしれない。でも、逆に日本人としては、素直に楽しめる隠れた良作。お薦めする。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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