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公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:128分
監 督:ゲイリー・フレダー
出 演:ジョン・キューザック、ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン、レイチェル・ワイズ マーリー、ブルース・マッギル、ジェレミー・ピヴェン、ニック・サーシー、スタンリー・アンダーソン、クリフ・カーティス、ジェニファー・ビールス、ネストール・セラノ、リーランド・オーサー、ジョアンナ・ゴーイング、ビル・ナン、ディラン・マクダーモット、マーガリート・モロー、ノーラ・ダン、ラスティ・シュウィマー、セリア・ウェストン、ルイス・ガスマン、コリー・イングリッシュ、ジェイソン・デイヴィス 他
コピー:この審判(トライアル)は――プライドの殴り合い。


ニューオーリンズの証券会社にリストラされた元社員が乱入し、銃を乱射して11人を殺害する事件が発生する。犯人は現場で自殺する。この事件で夫を失った女性セレステは、地元のベテラン弁護士ローアを雇って、犯人が使用した銃の製造会社ヴィックスバーグを相手取って民事訴訟を起こす。2年後、全米が注目する中、公判が開始される。敗訴すれば、被告のヴィックスバーグ社が巨額の賠償金を支払わねばならないのはもちろん、他の銃器メーカーも同様の訴訟を起こされる可能性が高いため共闘。資金を出し合って、有名な陪審コンサルタントであるフィッチを雇い入れる。フィッチはニューオーリンズに乗り込み、陪審員候補を尾行、張り込み、盗聴とあらゆる身辺調査を行い、自分達に有利な陪審員を探し始める。陪審員候補の中にニック・イースターという名のゲームソフト店に勤務する男がいた。シューティングゲームに夢中な彼の様子を見たフィッチのスタッフ達は、銃メーカーに好意的な判決をする人物と判断し、彼を陪審員団に入れようと進言するのだが、フィッチは長年の勘から彼に危険に臭いを感じ取り…というストーリー。

『刑事ジョン・ブック/目撃者』がアメリカにおけるアーミッシュの存在を教えてくれたように、本作は訴訟大国アメリカのおける“陪審員コンサルタント”という存在というか概念を教えてくれる。ただ、本当にここまでやるコンサルタントが存在するか否かは知らない。

何かの目的のために陪審員団に加わろうとするイースター。そして、その彼女と思しきレイチェル・ワイズ演じる謎の女性。レイチェル・ワイズはあまり好きな役者ではないが、本作の役柄はマッチしていたと思う。

手段を選ばない、マフィア並みの陪審員コンサルタントの手口に、個人の力で立ち向かっていく二人の様子は、なかなかスリルがあった。フィッチ側に都合のよさそうな陪審員にターゲットを絞り、巧みに脱落させていく手法はなかなか面白く、フィッチがギリギリと焦る様子は痛快。
そして、二人の真の目的は何なのか?終盤まで読ませなかったのは、なかなかのシナリオだった。

しかし、『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』と同じ年の作品というのは不幸だったかもしれない。
終盤、刑の執行と事実に判明が時間の勝負になるという『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』の展開と、法廷の判決(というか送金)と事実の判明が時間の勝負になるという本作の展開が、酷似してしまうのだが、シリアスさにおいても、話の深みにおいても、すべて一段劣ってしまうという悲しいことに。

また、実際のアメリカ社会では、こんな製造物責任を負わせるような判決が出ているわけではもちろんないという点が、この作品を薄っぺらなものにしているように思える。…というか、そういう願望はわかるとしても、作品で溜飲を下げているように見えなくもないので、みじめさが漂うというか、醒めるというか…。

ちょっと貶しぎみになってしまったが、本当に悪くないシナリオなのにね。名作一歩手前の作品。お薦めしたい。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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