忍者ブログ
[1616]  [1615]  [1614]  [1613]  [1612]  [1611]  [1610]  [1609]  [1608]  [1607]  [1606
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

公開年:1986年
公開国:ソ連
時 間:134分
監 督:ゲオルギー・ダネリア
出 演:スタニスラフ・リュブシン、エフゲニー・レオーノフ、ユーリー・ヤコヴレフ、レヴァン・ガブリアゼ 他
コピー:この審判(トライアル)は――プライドの殴り合い。






妻に夕飯の買い物を頼まれて街にでた建築技師マシコフ。そんなマシコフに助けを求める若者が一人。若者はゲデバンという学生で、浮浪者のような風体の男性がおかしなことを口走っているという。二人は浮浪者のような男に問いかけると、自分はほかの惑星から来た者で、空間転移装置の不調で地球に飛ばされてきてしまったのだという。嘘をついていると思ったマシコフは、男が持っていた空間転移装置のボタンを押してしまう。すると、マシコフとゲデバンは、一瞬にして砂漠の真ん中に放り出されてしまう。ゲデバンは、あの男の星に飛ばされたのでは?と恐怖に慄くが、マシコフはソ連内のカラクルム砂漠に違いないと主張する。しかし、そこはキン・ザ・ザ星雲の惑星プリュク。彼らに向かって謎の飛行物体が近づいてきて…というストーリー。

冒頭から斜め上の展開が連続する上に、地味に合成技術がすごくて、すっかり心を持っていかれてしまう。

地球を上回るテクノロジーは存在するのだが、未来都市のような感じではない。『砂の惑星』のような感じでもない。浮浪者みたいな人しかいないし、テクノロジーの使い方がチープ。いかにもSFチックなメカニックを登場させることなく、異星のテクノロジーを表現。惑星の社会構造も滑稽極まりない。

こんなヘンテコムービーながらも、実は反体制映画なんだ!と聞いていたのだが、一部の集団による支配体制、人種(?)差別など、前近代的な身分制度や、初期資本主義的な構造を表現しているように見え、社会主義や共産主義を揶揄している感じではないのだが(どの辺が反体制なのか?)。むしろ政治を離れて、のびのびと表現しているように見える。
服従のポーズとか、鼻ベルとか。クゥーってなんやねん。これはカルトムービーですわ。脱力感を最後まで維持できているのは、スゴイことだと思う。
マシコフは、この星で出会った二人を見捨てることが忍びなく、地球に戻ることを断念するという“人情”を発揮するのだが、それが全然伝わらない。終盤は異文化交流の刹那さをシュールというかシニカルさで表現している。
時間が逆戻りしたのに記憶は残っているとか、地球に帰ってからの二人の行動とか、真剣に考えたら矛盾満載なんだけど、そんなことどうでもいい…というか、むしろ矛盾してくれてありがとう…って言いたくなるノリがすごい。

冷戦時代のソ連。恐るべし。映画史に立派に爪痕を残している作品。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
リンク
カウンター
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[06/03 離脱ラバ]
[04/28 ETCマンツーマン英会話]
[10/07 絶太]
最新トラックバック
Copyright © 2009-2014 クボタカユキ All rights reserved.
忍者ブログ [PR]