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公開年:1985年
公開国:アメリカ
時 間:113分
監 督:ピーター・ウィアー
出 演:ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス、ルーカス・ハース、ダニー・グローヴァー、ジョセフ・ソマー、アレクサンダー・ゴドノフ、ジャン・ルーブス、パティ・ルポーン、ヴィゴ・モーテンセン 他
受 賞:【1985年/第58回アカデミー賞】脚本賞(ウィリアム・ケリー、アール・W・ウォレス)、編集賞(Thom Noble)
【1985年/第39回英国アカデミー賞】作曲賞(モーリス・ジャール)
【1985年/第28回ブルーリボン賞】外国作品賞


ペンシルヴァニア州の郊外に、文明社会から距離を置き、17世紀の生活様式で暮らしている“アーミッシュ”と呼ばれる宗派の人々が住む村がある。夫を亡くし未亡人となったレイチェルは、6歳の息子サミュエルと父親のイーライと暮らしていたが、死後数ヶ月経ったときに、サミュエルと一緒に妹が住むボルチモアへ旅することに。途中で立ちよったフィラデルフィア駅でトイレにいったサミュエルは、そこで殺人事件を目撃してしまう。フィラデルフィア警察のジョン・ブック警部は、唯一の目撃者であるサミュエルから事情聴取を行うためにしばらく母子に留まってもらうことに。署でサミュエルに面通しをしてもらうが、一向に犯人らしき人物が見つからない。そんな中、麻薬事件で表彰された麻薬課長マクフィーの新聞記事を見かけたサミュエルが、この男が犯人だと告げるのだった。さっそくそのことを警察副部長のシェイファーに報告するブックは、押収した大量の麻薬が消えた事件にマクフィーが関わっているのではないか?と疑いをかける。すると、自宅にかえったブックは、マクフィーに襲撃され深手を負ってしまう。シェイファーもマクフィーとグルであることを悟ったブックは、レイチェルとサミュエルをより安全なところに退避させるため、アーミッシュの村に連れて帰るのだが、傷が悪化し昏倒してしてしまい…というストーリー。

アーミッシュの存在を直球で扱った珍しい作品。社会の外に位置する一派で、文化的にそぐわない集団という意味では、ヨーロッパでいうとジプシー、日本でいうと山窩などに類するのかもしれない。しかし、あくまでキリスト教的な戒律を頑なに遵守しているというだけで、偏狭ではあるものの、別の種族か?と思わせるほどの差を感じるほどではないのかもしれない。ただ、移民元の言語から派生したアーミッシュ語が恒常的に使用されるほど特殊なのは事実。作中でも描写されているが、観光客がものめずらしさで訪れるのも事実。

刑事サスペンスとしては極めて凡庸なプロットだとは思うが、そこにアーミッシュという要素が加わることで、ミーツ・ザ・異邦人的な味わいが加味される。もちろん、暴力が常の刑事と、暴力反対のアーミッシュという、両極端な価値観の衝突が描かれるのもポイント。

アーミッシュ村に滞在するブックは、大工仕事をこなし、村人とのふれあいや、軋轢を重ねていき、本来の“自分”を見つめ直すという展開があるのだが、何で彼が大工仕事が得意なのか?とか、牧歌的なこの生き方も悪くないな…としみじみ感じてしまうようなバックボーンが説明不足なのが、いささか残念だ。
#元々、彼が実際に大工だったことを笑いにしたかったわけじゃないよね?

さらに、ケリー・マクギリス演じる未亡人との恋の要素が加わる。『マディソン郡の橋』みたいな雰囲気ではあるが、未亡人と独身男なので両者的にはやましいことは何もない。ただし、アーミッシュの世界において外界の人間とそういう仲になることは村八分的な扱いになる。ある意味ロミオとジュリエット的な流れになるのが興味深いし、アーミッシュゆえの爆発的な感情の表出はなくて、未亡人なのに女子高生の恋みたいな感じなるのもおもしろい。

(ちょっとネタバレ)
もう、親ともうまくいってないんだし、他の村人からも変な噂を立てられてるんだし、そのまま村を出ちゃえばいんじゃね?なんて思うのだが、そうしなかったのが、いい味を生んでいると思う。

さて、話の主筋である、悪徳刑事たちとのバトルは、ダニー・グローヴァーらクソ刑事が、じわじわとアーミッシュ村包囲網を狭めてくるという展開になるのだが、普通に攻めてくるだけっちゃあだけ。おもしろくないわけじゃないのだが、淡白。痛快さには欠ける。やはり本作は恋愛映画なのかもしれないな。

ハリソン・フォードの野暮ったさが、最大に生かされている作品。佳作だと思う。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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