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公開年:1959年
公開国:アメリカ
時 間:135分
監 督:スタンリー・クレイマー
出 演:グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー、フレッド・アステア、アンソニー・パーキンス、ドナ・アンダーソン、ジョン・テイト、ガイ・ドールマン、リチャード・メイクル、ジョン・メイロン、ローラ・ブルックス 他
受 賞:【1959年/第17回ゴールデン・グローブ】音楽賞(アーネスト・ゴールド)
【1959年/第13回英国アカデミー賞】国連賞
【1960年/第11回ブルーリボン賞】外国作品賞
1964年。第三次世界大戦が勃発し、原水爆による戦闘が繰り広げられ、放射線汚染によって北半球は全滅してしまう。人類は南半球の一部地域に残るのみとなったが、死の灰はそこにも迫りつつあった。タワーズ艦長率いるアメリカの原子力潜水艦ソーフィッシュ号は、戦火を逃れてメルボルンに入港する。アメリカに妻と子供2人を残してきたタワーズの心は張り裂けんばかりであったが、そんな彼を、オーストラリア海軍の若い士官ピーターは自宅でパーティを開き手篤くもてなすのだった。ピーターの妻は、タワーズが赤ん坊を見ると動揺するのではないかと危惧したが、タワーズの態度は至って冷静であった。タワーズはパーティでモイラという女性と出会い、その後交際するようになるが、妻子のことが頭から離れないタワーズにモイラは苛立ちを覚えるのだった。そんな中、タワーズに北極圏の汚染調査の指令が下る…というストーリー。
日本の特撮作品をひっくるめても、なかなか本作には勝てないんじゃないかと思えるくらいの出来映えだと思う。特撮技術という意味ではない。逆に、本作には、いわゆる特撮表現というものは一切でてこない。それなのにしっかりSFとして成立しているスゴさがある。無人のサンフランシスコの街並みとか、どうやって撮影したのかな?地味にすごいシーンだと思う。
ただ、死体が一切ないという状況がいまいち理解しかねるとか、色々と科学的表現の誤謬はあるが、冷戦当時の一般人が感じている漠然とした不安がよく投影されている。警鐘を鳴らすという意味で、バッドエンド的なディストピア作品に仕上がっているのは致し方ないところだろう。
潜望鏡で滅びた街並みを見るシーンは、『復活の日』を思い出さずには入られない。オマージュなのだろうか、丸々同じシチュエーションだったりする。本作に、しぶとく生き残ろうとする人間の姿を加味したのが、『復活の日』って感じだな。
その他にも、謎のモールス信号を送ってくるのは誰か?とか、放射性物質を恐れることなく船外に出た隊員とスピーカーを介して会話するシーンだとか、印象的な味付けが多々ある。
任務を終えてメルボルンに戻ったタワーズが、滅びたサンフランシスコを目の当たりにしたことで吹っ切れて、モイラと付き合うことに躊躇がなくなるところが、いかにも白人らしい割り切りで、ちょっと笑える。まあ、滅びる前に、心残りがないように最後の命の灯火を燃やす様子を描写することで、戦争の愚かさを表現したいということなんだろう(個人的には、ちょっと退屈だったけど)。
最後のセリフによって名作を位置づけられている作品といってよいだろう。でも、人間は争うことが遺伝子レベルで刻み込まれている生き物だから、そんな綺麗ごとからは何も生まれないというのが事実だろう。だって、この作品から50年経過しても変わらないんだから、答えは別にあるってこと。答えが別にあるってことをわからせてくれただけでも名作。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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