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公開国:アメリカ
時 間:105分
監 督:ジョナス・ペイト
出 演:ケヴィン・スペイシー、マーク・ウェバー、ダラス・ロバーツ、キキ・パーマー、サフロン・バロウズ、ジャック・ヒューストン、ペル・ジェームズ、ローラ・ラムジー、ロバート・ロジア、ゴア・ヴィダル、ジェシー・プレモンス、ロビン・ウィリアムズ 他
ヘンリーはセレブな顧客を多く抱える人気精神科医。しかし、多忙な生活の影で自殺してしまった妻を何故止めることができなかったのか、自問する日々が続いていた。その辛さからのがれるため、タバコ、酒、ドラッグに溺れている。見かねたヘンリーの父親は、同じように母親の自殺で苦しんでいる女子高校生のカウンセリングを命じるが、かえって苦しみは増す一方。ある日、そんな彼に自殺をテーマにした番組出演依頼が舞い込む。出演した彼は、自分は妻さえも救えないインチキな医者だと告白し、自分の本も買うなと生放送中に本を破り席を立ってしまい…というストーリー。
サスペンスでも謎解きでもないケヴィン・スペイシー主演作。残念ながらやっぱりキレは無いんだけど、ケヴィン・スペイシーであることで期待値が上がりすぎてしまっているだけで作品自体は悪くない。テイストとしては、人種間ではない軋轢による『クラッシュ』って感じ。
本当の自分はこうじゃない、こうあるべきだと思っている人たちのお話。向上心のある人、現状に満足できない人、その違いは何なのか。他人の評価、外部の価値観の差だけで、同じなのではないか…。そんなことを滔々と考えさせてくれる作品。
しかし、『クラッシュ』が答えを出さなかったのに対して、本作は、“奇跡”みたいなオチを用意している。ただ、その奇跡というのが、降って沸いたようなラッキーみたいなもので、そのおかげでうまくいったからといって、個々の問題は何一つ解決していないように感じられるのがよろしくない。作中の軋轢があまり激しくない(その軋轢は個人の内部で爆発する)ので、うまくいきすぎで興醒めしてしまうということもあるかも。せめて、この奇跡のような出来事に、ものすごい意外性があればよかったのだが、元々映画エージェントに関係する人がメインキャストの多くを占めているので、あまりにも予想の範疇なんだもの。
ジェマがシナリオにOKを出すこと、ヘンリーが女性に思い切って交際を求めること、それが、これまで彼らが悩みぬいてきたことへの答え…といわれれも、あまりにも“不足”。
日本未公開なのも仕方が無い。ヒットさせろといわれても、私も困惑すると思う。でも、終盤までは悪くないので駄作とは言いたくない。良質な凡作…だと思う。とにかく、最後にヒネリと深みがないのが残念すぎる。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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