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公開年:1974年
公開国:アメリカ
時 間:131分
監 督:ロマン・ポランスキー
出 演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、バート・ヤング、ペリー・ロペス、ジョン・ヒラーマン、ダレル・ツワリング、ダイアン・ラッド、ブルース・グローヴァー、ロイ・ジェンソン、リチャード・バカリアン、ジョー・マンテル、ジェームズ・ホン、ベリンダ・パーマー 他
受 賞:【1974年/第46回アカデミー賞】脚本賞(ロバート・タウン)
【1974年/第9回全米批評家協会賞】主演男優賞(ジャック・ニコルソン『さらば冬のかもめ』に対しても)
【1974年/第40回NY批評家協会賞】男優賞(ジャック・ニコルソン)
【1974年/第32回ゴールデン・グローブ】作品賞[ドラマ]、男優賞[ドラマ](ジャック・ニコルソン)、監督賞(ロマン・ポランスキー)、脚本賞(ロバート・タウン)
【1974年/第28回英国アカデミー賞】主演男優賞(ジャック・ニコルソン)、主演男優賞(ジャック・ニコルソン)
【1991年/アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品
コピー:出来ることなら そっと秘めておきたかった……運命の街チャイナタウンに最期の愛をかけた女イブリン!名匠ポランスキーが最大の愛情を注いだ批評界激賛の名篇!!
1937年。ロサンゼルスの私立探偵ジェイク・ギテスは、モーレイ夫人から市の水道局幹部である夫の浮気調査を依頼される。尾行の結果、モーレイ氏が若いブロンド女性と逢っている写真を盗み撮り。これで調査は終了したと思っていると、なぜかその写真が新聞に掲載されてしまっう。そして、調査を依頼してきた人物とは別の女性が本当のモーレイ夫人だと名乗り、ギデスの前に現われるのだった。納得いかないギデスは、ダム建設の疑惑に関係があると見て独自に事件の真相に迫ろうとするが、当のモーレイ氏が溺死体で派遣され、ギデスも謎の男たちの暴行をうけてしまい…というストーリー。
古臭い画質とノリの作品だが、今となっては実際に古典作品の部類。
ポランスキー監督が海外に逃亡する前の作品だけど、その事件現場は本作主演のジャック・ニコルソンの家だったし、さらに本作の事件の裏にある陰湿な性的倒錯を考えると、いささか気持ちの悪いものを感じなくも無い。
まあ、それはそれとして…。
たしかに古臭さに溢れてはいるのだが、ロバート・タウンによるシナリオは、それを覆すくらいにとても巧み。
慢性的な水不足というロスの歴史、そして実際に水に関しておこった事件などを下地にして、その人間関係をうまくサスペンスストーリーの背景に絡めている。説明的なセリフが極力少なくて、細かい仕草や身なりなどビジュアル的に、状況や立場を説明しているのが実にうまい。例えば、主人公ギデスの伊達男ともいえる小洒落た服装や態度は、彼の求める社会的ポジションやスタンスを代弁していたりね。
この点でいささか残念だったのは、私が今回みたDVDが字幕オンリーだったこと。画面が無言で伝える情報が非常に多いため、字幕を追っていると(これもなかなか多い)画面上のヒントを見過ごしてしまうのだ。実際、わけがわからなくなって何度も何度も戻した。捜せばあるのかしれないが、吹き替え音声版のDVDでもう一度観てみたいものだ。
#ギデスが元警官だとか、チャイナタウンも勝手知ったる地域だってこととか、油断すると見落としちゃうもん。
(以下ネタバレ)
サスペンスとしてもとても優秀で、展開はなかなか読めない。依頼者のモーレイ夫人が偽者という以外な展開だけでなく、さらに調査結果は公開され、あれよあれよというまにモーレイ氏は殺害される。作中のギデスが混乱する以上に、観ているこっちも大混乱。おそらく登場人物のだれかが殺人の黒幕だろうとは思うが、動機も水がらみなのか痴情のもつれなのか。ノア・クロスの色が濃くなってくると、予測がつくような単純な一本線がなかなかうかばない。
さらに、流れに身をまかせて眺めていると、そりゃあわかるはずがない…というような、斜め上の秘密が。とにかく先回りして想像させないという部分においては、映画シナリオ中トップクラスの出来映えだと思う。
正直にいうと、利権がらみのスジと、その隠れた秘密が、それほど不可分であるとは思えない点については、納得できていない。そんなにイヤなら、近しいところにいるんじゃねえよ!っつー部分ね(別に関係が今も続いているってわけじゃないんでしょ??)
勧善懲悪でもなければ、腑に落ちるオチが用意されているわけでもない。すべてを「ここはチャイナタウンだ…」で片付けてしまうのだけれど、そのモヤモヤをいかにもペーパーバック小説的な汚れた大人世界の空気で、煙に巻いて終わるのである。
こういうノリの作品だし、エグい謎のこともあって、好みが分かれる作品に違いないのだが、“シナリオの教科書”って言い切っていいレベルなので、あえてお薦めしたい。
#ギデスが大笑いしていた中国人ネタのおもしろさは、何度観てもさっぱりわからないけどね。
公開国:アメリカ
時 間:131分
監 督:ロマン・ポランスキー
出 演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、バート・ヤング、ペリー・ロペス、ジョン・ヒラーマン、ダレル・ツワリング、ダイアン・ラッド、ブルース・グローヴァー、ロイ・ジェンソン、リチャード・バカリアン、ジョー・マンテル、ジェームズ・ホン、ベリンダ・パーマー 他
受 賞:【1974年/第46回アカデミー賞】脚本賞(ロバート・タウン)
【1974年/第9回全米批評家協会賞】主演男優賞(ジャック・ニコルソン『さらば冬のかもめ』に対しても)
【1974年/第40回NY批評家協会賞】男優賞(ジャック・ニコルソン)
【1974年/第32回ゴールデン・グローブ】作品賞[ドラマ]、男優賞[ドラマ](ジャック・ニコルソン)、監督賞(ロマン・ポランスキー)、脚本賞(ロバート・タウン)
【1974年/第28回英国アカデミー賞】主演男優賞(ジャック・ニコルソン)、主演男優賞(ジャック・ニコルソン)
【1991年/アメリカ国立フィルム登録簿】新規登録作品
コピー:出来ることなら そっと秘めておきたかった……運命の街チャイナタウンに最期の愛をかけた女イブリン!名匠ポランスキーが最大の愛情を注いだ批評界激賛の名篇!!
1937年。ロサンゼルスの私立探偵ジェイク・ギテスは、モーレイ夫人から市の水道局幹部である夫の浮気調査を依頼される。尾行の結果、モーレイ氏が若いブロンド女性と逢っている写真を盗み撮り。これで調査は終了したと思っていると、なぜかその写真が新聞に掲載されてしまっう。そして、調査を依頼してきた人物とは別の女性が本当のモーレイ夫人だと名乗り、ギデスの前に現われるのだった。納得いかないギデスは、ダム建設の疑惑に関係があると見て独自に事件の真相に迫ろうとするが、当のモーレイ氏が溺死体で派遣され、ギデスも謎の男たちの暴行をうけてしまい…というストーリー。
古臭い画質とノリの作品だが、今となっては実際に古典作品の部類。
ポランスキー監督が海外に逃亡する前の作品だけど、その事件現場は本作主演のジャック・ニコルソンの家だったし、さらに本作の事件の裏にある陰湿な性的倒錯を考えると、いささか気持ちの悪いものを感じなくも無い。
まあ、それはそれとして…。
たしかに古臭さに溢れてはいるのだが、ロバート・タウンによるシナリオは、それを覆すくらいにとても巧み。
慢性的な水不足というロスの歴史、そして実際に水に関しておこった事件などを下地にして、その人間関係をうまくサスペンスストーリーの背景に絡めている。説明的なセリフが極力少なくて、細かい仕草や身なりなどビジュアル的に、状況や立場を説明しているのが実にうまい。例えば、主人公ギデスの伊達男ともいえる小洒落た服装や態度は、彼の求める社会的ポジションやスタンスを代弁していたりね。
この点でいささか残念だったのは、私が今回みたDVDが字幕オンリーだったこと。画面が無言で伝える情報が非常に多いため、字幕を追っていると(これもなかなか多い)画面上のヒントを見過ごしてしまうのだ。実際、わけがわからなくなって何度も何度も戻した。捜せばあるのかしれないが、吹き替え音声版のDVDでもう一度観てみたいものだ。
#ギデスが元警官だとか、チャイナタウンも勝手知ったる地域だってこととか、油断すると見落としちゃうもん。
(以下ネタバレ)
サスペンスとしてもとても優秀で、展開はなかなか読めない。依頼者のモーレイ夫人が偽者という以外な展開だけでなく、さらに調査結果は公開され、あれよあれよというまにモーレイ氏は殺害される。作中のギデスが混乱する以上に、観ているこっちも大混乱。おそらく登場人物のだれかが殺人の黒幕だろうとは思うが、動機も水がらみなのか痴情のもつれなのか。ノア・クロスの色が濃くなってくると、予測がつくような単純な一本線がなかなかうかばない。
さらに、流れに身をまかせて眺めていると、そりゃあわかるはずがない…というような、斜め上の秘密が。とにかく先回りして想像させないという部分においては、映画シナリオ中トップクラスの出来映えだと思う。
正直にいうと、利権がらみのスジと、その隠れた秘密が、それほど不可分であるとは思えない点については、納得できていない。そんなにイヤなら、近しいところにいるんじゃねえよ!っつー部分ね(別に関係が今も続いているってわけじゃないんでしょ??)
勧善懲悪でもなければ、腑に落ちるオチが用意されているわけでもない。すべてを「ここはチャイナタウンだ…」で片付けてしまうのだけれど、そのモヤモヤをいかにもペーパーバック小説的な汚れた大人世界の空気で、煙に巻いて終わるのである。
こういうノリの作品だし、エグい謎のこともあって、好みが分かれる作品に違いないのだが、“シナリオの教科書”って言い切っていいレベルなので、あえてお薦めしたい。
#ギデスが大笑いしていた中国人ネタのおもしろさは、何度観てもさっぱりわからないけどね。
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クボタカユキ
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男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
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一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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