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公開年:1981年
公開国:日本
時 間:132分
監 督:篠田正浩
出 演:鹿賀丈史、室田日出男、古尾谷雅人、岸本加世子、中島ゆたか、大塚道子、二宮さよ子、宮下順子、原泉、武内亨、伊丹十三、岩下志麻 他
コピー:鵺の鳴く夜は恐ろしい……
昭和44年。金田一耕助は、瀬戸内海を航行中のフェリーが海に浮かぶ男を発見。救出するも「あの島には恐ろしい悪霊が…、鵺の鳴く夜は気をつけろ」という言葉を残し絶命する。金田一耕助は刑部島出身の富豪・越智竜平の依頼により人捜しをするため岡山県に来ていたが、フェリーで絶命した男が探していた男と知り愕然とする。金田一は、手掛かりを追うために、旅の途中で知り合ったヒッピー青年の五郎と一緒に、刑部島に渡るが、そこで身の毛もよだつ惨劇に遭遇する…というストーリー。
もう、そろそろ金田一シリーズはいいだろう…という声が聞こえてきそう。
ちなみに、『悪霊島』は、横溝正史が最後に書いた金田一シリーズ。
『獄門島』の和尚役の佐分利信が出演していたり、鹿賀丈史の風貌や頭を掻きむしる様子を見ると、角川が石坂浩二×市川崑の金田一耕助を引き継ごうとしているっていう意図がはっきりわかる(悪いことではない。元々原作は角川だしね)。
篠田正浩の演出は、シンプルで判り易くて横溝正史のテイストにマッチしている。これにインパクトと遊び心さえ加わわっていれば、市川崑に匹敵する出来映えになったことだろう。
#五郎を狂言回しにするのはセンスないと思うけどね。
岩下志麻の美しさは異常で思わず息を呑むほど(旦那が撮ってると考えるとちょっと気持ち悪いけど)。岸本加世子の野暮ったさはハンパないが、二役の演じ分けだけじゃなく、若いのにしっかりとした演技力を発揮。その他の出演陣も豪華で角川の気合の入れようがよくわかる。
まあ、肝心の鹿賀丈史が、独り言でもガッチリ口調だったりして一本調子なのが気になるけれど、石坂浩二とは異なるちょっと熱いキャラを目指していたと考えれば、まあアリだろう(見た目の味はあるよ)。
#『本陣殺人事件』で金田一耕助を演じた中尾彬が、あっさり殺される役ってのも面白いね。
結構、成功していると思うんだけど、その後シリーズ化されなかったのは映画のデキの問題ではなく、横溝正史ミステリーの仰々しさや(悪くいえば)粗さが、時代に合わなかっただけな気がする。
シャム双生児のくだりがあるのでTV放映はしにくいし、ビートルズの楽曲の版権の問題でしばらくDVD化されていなかったりして(今はカバー楽曲に差し替えて普通にレンタルしている)、人の目に触れる機会が少なかった作品かもしれない。こんな作品もあったんだ…と思う人は是非観て欲しい。そこそこお薦めの1本。
#市川崑は、『獄門島』じゃなくって、年代を古く変更して『悪霊島』を撮ればよかったのに。
負けるな日本
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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