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公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:ジェニファー・ユー・ネルソン
出 演:ジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー、ダスティン・ホフマン、ルーシー・リュー、ジャッキー・チェン、セス・ローゲン、デヴィッド・クロス、ジェームズ・ホン、ゲイリー・オールドマン、ミシェル・ヨー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ヴィクター・ガーバー、デニス・ヘイスバー、ダニー・マクブライド 他
ノミネート:【2011年/第84回アカデミー賞】長編アニメ賞
【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:「僕が世界を救うんだ!」
伝説の龍の戦士となり、“マスター・ファイブ”と一緒に、平和の谷を守る日々をおくるパンダのポー。そんな彼らの前に、カンフーを抹殺して世界征服を目論むシェン大老が現れる。彼は、どんなカンフーの技も吹き飛ばすことができる武器を開発。かつて彼の両親が治めていた国を襲撃し、その国を守護していたマスター・サイ、マスター・ウシ、マスター・ワニの攻撃を封じ、制圧してしまう。シーフー老師は、シェンの野望を阻止するためにポーとマスター・ファイブを派遣。シェン一派と対峙したポーは、微かに残る赤ん坊の時の記憶が蘇り…というストーリー。
1作目がなかなかのデキだったので、続編ができるのは当然か。前作ではポンコツパンダが修行で成長していく過程を愉しめたわけだが、“マスター”になっちゃったからどうなるかな…と危惧したが杞憂だった。本国の興収はイマイチだったらしいけど、前作よりデキは良い気がする。
メタボリック人間が溢れるお国なので、共感を得られるのかと思いきや、コンプレックスを突っつかれた気分になっちゃうのかな(テキトー)。
導入部の童話チックな敵役シェンのエピソードは、クレイジーなキャラすぎてちょっと強引だったけど、主人公チームが強くなり過ぎてるから、圧倒的な勢力を作るしかないので致し方ない所か。でも、シェン大老の個性だけに頼っているだけでなく、敵も味方もキャラクターはしっかり立っている。悪役一派の隊長オオカミさんも、“部下は守る”というキャラが表現できていていた。
内容については、これ以上触れないが、ちょっと間抜けなデブキャラが、モコモコとコミカルに動くのは、アニメらしいアニメになっていて、やっぱり愉しい(カマキリとヘビがメインキャラとしていまいちピンとこないんだけど、それは前作から)。
ジャック・ブラックの演技にあわせてつくったかのような、コミカルさも堂に入っている(吹き替え音声のTOKIO山口達也も悪くない)。
前作もそうだったが、他の3Dアニメよりも陰影を強くつけており(常に朝焼けが当たっているような感じ)、メリハリがはっきりしており結構好みの画調。過去の記憶シーンを2Dアニメするというのもいいアイデア。実写作品で回想シーンなどをアニメにする手法はあったが、アニメ内でこれをやるのは無かったかと。
今回はもちろんレンタルなので2Dでみたのだが、これは3Dで観る効果がある作品な気がするぞ。家電量販店の3D展示は本作を流すといいような気がする。
タイガーとのちょっとした恋愛模様や、実父健在を匂わせて終わるなど、さらなる続編を作る気マンマン。期待してよいとは思うが、パワーのインフレをおこすのではなく、謎解きや成長物語に比重を置いたストーリーを目指して欲しい。
#「元号を変えたら今年は短くなっちゃいますよ!」って、アメリカ人はギャグのつもりかもしれないが、元年の存在もわかっていないし、元号の存在意義もわかっていないなら、中途半端な他文化の揶揄は止めたほうがいいだろう。
公開年:1998年
公開国:フランス
時 間:75分
監 督:ミッシェル・オスロ
出 演:ドドゥ・ゲイエチャ セヌザー、マイモウナ・エヌジャイエ ロベール・リンソル、マリー=オーギュスティーヌ・ディエッタ、ウィリアム・ナディラン=ヨツンダ、セバスチャン・エブラン 他
コピー:なぜ?どうして?小さな男の子の大きな好奇心が世界を変えた。
アフリカのとある村で、母親の胎内から男の子が自力で生まれ、自らキリクと名乗る。彼が生まれた村は、魔女カラバによって財宝が奪われ、呪いで泉も枯らされてしまっていた。村の男達はカラバに戦いを挑んだものの、皆喰われてしまい、キリクの叔父が最後の男となる始末。キリクは、カラバとの対決に向かったう叔父に付いていく。そして、持ち前の知恵と行動力で叔父のピンチを救い、なんとか死なずに村に帰ることができた。その後もカラバによる攻撃から村人を救い続けたキリクは、何故カラバが意地悪なのかという疑問を解くために、自分の祖父でもある“お山の賢者”のもとに向かうのだったが…というストーリー。
もう、3回以上観たかな。
(比較する必要はないんだけど、ジブリライブラリからDVDが発売されているので)ジブリ作品と比較してみると、『千と千尋の神隠し』より後の作品よりは、まちがいなくデキの良い作品だと思う。フランス製アニメは、たまにこういう名作があるからこまる(いい意味で)。少なくとも、『崖の上のポニョ』の6倍は面白いと感じた。
勇気と機知に溢れる子供(というか赤ん坊)が、冒険を繰り広げる物語が、童話のようなテイストで繰り広げられる内容。初期のジブリ作品にあって、今は失われてしまったそれが、本作にはある。
且つ、寓意が溢れる作品でありながら、カラバが何故魔女になってしまったのか…という部分や、魔女ではなくなったカラバを罵倒する村の女たちのセリフなど、現在のアフリカ女性が直面する問題を隠喩してもいる。
そういうつらい体験をしたであろう女性の投影であるカラバは、背中の刺を抜くときに、さらなる苦痛を経験することに。トラウマを負った人がそこから脱却するためには、再度苦痛の山を越えねばならないという、心理学的な視点もなかなか深いものがあると思う。
キリクの成長と嫁とりのところは、世界中の童話に同様に見られるちょっと性的な要素である。
アクの強い映像や、寓話のような内容に、面食らってしまって、「古くさい、稚拙なストーリーだ」と判断する人は、自分の中にある“アニメ”という先入観で目が曇っている馬鹿者だと思う。そういう批判に惑わされず、是非とも観て欲しいと私は思う。強くお薦めしたい。
美術に関しては、アフリカが舞台で彩り溢れているのだが、どことなく南欧というかスペインの風を感じる。非常に私好みだった。
#浅野温子の吹き替えはなかなか良かったんだけど、その後、声優の仕事してないね。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:101分
監 督:ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード
出 演:マンディ・ムーア、ザカリー・リーヴァイ、ドナ・マーフィ、ブラッド・ギャレット、ジェフリー・タンバー、M・C・ゲイニー、ポール・F・トンプキンス、ロン・パールマン、リチャード・キール 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】歌曲賞(詞:グレン・スレイター、曲:アラン・メンケン“I See the Light”)
【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】歌曲賞(詞:グレン・スレイター、曲:アラン・メンケン“I See the Light”)、アニメーション作品賞
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】歌曲賞(グレン・スレイター、アラン・メンケン、ザカリー・リーヴァイ、マンディ・ムーア “I See the Light")、長編アニメ賞
深い森に囲まれた高い塔の上に住むラプンツェル。彼女は驚くほど長い魔法の髪を持っている。母親から外の世界は恐ろしいので出るなと厳命されており、18歳になる今まで一度も外の世界に出たことが無い。しかし、自分の誕生日になると遠くの空に浮かぶ無数の灯りの正体が気になって仕方が無く、いつしか外の世界に出て、その灯りの正体を確かめたいと夢見ていた。そんな彼女の18歳の誕生日前日、王冠を盗みんで追われていた盗賊フリンが塔に迷い込んでくる。魔法の髪の力で彼を捕らえるが、自分を塔から出し“灯り”場所まで連れて行ってくれることを条件に、彼を解放することに。ついに外の世界に飛び出すラプンツェルだったが…というストーリー。
“髪長姫”という童話自体、日本で馴染みがなさすぎ。アメリカでは白雪姫レベルでメジャーな童話らしいんだけど、私はほぼ知らなかった。だから、「あの原作をこんな風にねぇ…」みたいな観方はできない。
#アメリカのディズニーランドでは、プリンセス陣の仲間入りをするんだろうね。
中川翔子の吹き替えは非常にウマかった。山ちゃんにディスられることのないレベルかと。それに歌もうまいじゃないか…と思ったら歌ってるのは別人だった。この点については、似た声質の人を見つけてきた人がエラい。実にシームレス。
ネット上で妙に評判がいいのだが、正直なところ「そこまでいいかぁ???」って印象。
元々お話を知らないのでワクワクしないってのもあるし、基本的に女の子向けのお話だっていうのもあるかもしれないが、誘拐された王女が突然訪れた男の手助けで脱出する話。ありきたりの設定で、ありきたりのオチ。話自体は正直おもしろくはない。
しかし、荒くれ男達が歌う酒場のシーンや、お馬さんとのやりとり、実に悪役らしいニセ母の妨害、髪を振り乱しての逃走劇など、冒険活劇だと頭を切り替えれば楽しめるかもしれない。そう、ファンタジーじゃなくアドベンチャー物なんだよ。
現代世相を反映しているというか、なんというか、童話らしくない部分に気付いてしまい、ノリ切れない面もあった。それは、塔を脱出するくだり。
外の世界に出る手助けをして欲しいってフリンに要求しているので、物理的に出られないのかと思っていたが、自分の髪を使ってスルスル出ることはできるんだよね。そりゃあ、母親(と思ってる人)を吊り上げるくらいだから自分も降りられるわな。要するに、外にでることを精神的に恐れているってこと。つまり精神的な虐待を受けて、心が病んじゃってるわけだ、この主人公は。
髪を切っちゃうと魔法が無くなっちゃうていうのも、明らさまな処女喪失の表現だし、こういうストレートな描写には、ちょっと「ん~~~」となってしまった。童話っぽくないなぁ…と。まあ、他のグリム童話と一緒で、原作の話はもっとエグいらしいから、それでも隠喩表現になってるんだろうけど、もうちょっと間接的な表現にできなかったかねえ。
CG技術に関しては極まったといってよいほどのレベルなのだが、人物に関してはちょっと変な方向に傾いている気がする。それは目の表現。目というか眼球の表現か。どうやら、頭蓋骨に眼球がうまっているモデリングを作って、眼球を動かすノリで目線を表現しているみたい。はっきりいって気持ち悪い。
もう、原画マンという概念がないのかもしれない。画竜点睛じゃないけど、目の表現を計算にまかせちゃうと、もう芸術じゃないと思うんだよなぁ…。
女の子向けなのにおっさんがここまで楽しめたのはスゴイ…と評価すべきなのか、まあまあの及第点というべきなのか、ちょっと判断にこまる作品。
#フリン(ユージーン)が生き返るギミックだけは、もうちょっと工夫して欲しかったかな。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:103分
監 督:リー・アンクリッチ
出 演:トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック、ネッド・ビーティ、ドン・リックルズ、マイケル・キートン、ウォーレス・ショーン、ジョン・ラッツェンバーガー、エステル・ハリス、ジョン・モリス、ジョディ・ベンソン、ブレイク・クラーク、テディ・ニュートン、ティモシー・ダルトン、クリステン・シャール、ジェフ・ガーリン、ボニー・ハント、ジョン・サイガン、ジェフ・ピジョン、ウーピー・ゴールドバーグ、ジャック・エンジェル、R・リー・アーメイ、ジャン・ラブソン、リチャード・カインド、エリック・フォン・デットン、チャーリー・ブライト、アンバー・クローナー、ブリアンナ・メイワンド 他
受 賞:【2010年/第36回LA批評家協会賞】アニメーション賞
【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】アニメーション作品賞
【2010年/第64回英国アカデミー賞】アニメーション賞
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:「さよならなんて、言えないよ…」
17歳になったアンディは、大学進学で引っ越すことに。一番のお気に入りだったウッディだけを引越し先に持っていくことにして、あとのおもちゃ達は屋根裏部屋にしまうことにした。しかし、手違いでゴミに出されてしまう。なんとか脱出した彼らだったが、本当に捨てられたと勘違いした彼らは、ウッディの説得も聞かずに、託児施設“サニーサイド”に行くことを決める。サニーサイドに到着すると、ロッツォというクマのヌイグルミたちに歓迎され、理想的な場所にたどり着いたことを喜ぶ一同。しかし、そこは、おもちゃを乱暴に扱う凶暴な幼児ばかりの地獄の場所だった。ウッディは、仲間たちの危機を知り、急いで彼らの救出に向かうのだったが…。
「泣けた…」という感想を聞くことが多くて、どんだけ盛り上げてくれるんじゃ!と期待していたが、そんな感じではなかった。
誰にでもある人生の岐路と、おもちゃの運命がシンクロして、どうにもセンチメンタルにさせてくれて、掴みはOK。その後もラストらしく、いつもとは違うテイストになるのかと思いきや、部屋を飛び出しての冒険&悪役との対峙&ピンチ&脱出!…と、むしろトイ・ストーリー シリーズとしては平常運転。いつもどおりの傑作。
冒険アクションの緊迫度は数段グレードアップ。1,2,3と省みても、CGの技術はますます進歩している。単なるテクスチャ&陰影処理だったものが、本物なんじゃねーのか?って感じるレベルに到達(そりゃあ昨今の実写映画のCGレベルを考えたら、玩具を本物に見せるくらい訳ないわなぁ)。もう、映像的に違和感を感じる部分は皆無。まさに、おもちゃが動いている。
ただ、成長してもおもちゃに愛着を持っているアンディをみて、逆に心苦しくなっちゃったのも事実。だって、飽きたら分解して改造して訳わからなくなって、引越しのタイミングでエイヤーで廃棄。乱暴にあつかうこともなかったけど、愛着を感じることもあまり無かったかな…なんて。もし、同じようにおもちゃを大事にしていた人は、泣いちゃうのかもね。
まあ、最後はウッディを手放す決断をして、アンディは大人になっていくわけだけど、こういう儀式が私の人生には無かったから、いまだにフィギュアとか買って遊んでるんだろうな…(はぁ…)。
でも、これ、子供に見せると、変におもちゃに執着しちゃって、変なかんじにならないだろうか。気になっておいそれと捨てられないのも考え物。やっぱ、おもちゃって子供の成長の軽い通過点であるべきなのかも。
シリーズの味を壊すことなく、且つ、フィナーレにふさわしい結末に大満足。二作目の6割増くらいで愉しめた。お薦め。こいつらのフォギュア、全部揃えたくなった。
#ザークの登場はおもしろかったけど、トトロは別に出す必要なくねーか?
負けるな日本
公開年:1999年
公開国:アメリカ
時 間:84分
監 督:トレイ・パーカー
出 演:トレイ・パーカー、マット・ストーン、アイザック・ヘイズ、ジョージ・クルーニー、ミニー・ドライヴァー 他
受 賞:【1999年/第66回NY批評家協会賞】アニメーション賞
【1999年/第25回LA批評家協会賞】音楽賞(マーク・シェイマン、トレイ・パーカー)
【2000年/第9回MTVムービー・アワード】音楽シーン賞(マット・ストーン、トレイ・パーカー“Uncle Fucka”)
コピー:セリフにも、ボカシいれてません
コロラド州サウスパークに住む子供たちは、カナダの下ネタ芸人コンビ「テレンス&フィリップ」が大好き。公開された彼らの映画を見たスタン、カイル、ケニー、カートマンは映画で覚えた下品なセリフを使いまくり、学校で大問題に。怒ったサウスパークのPTAは、なぜかカナダに猛講義。その運動は全米に拡大し、結局、カナダとアメリカ間の全面戦争に発展してしまう。当のテレンス&フィリップは戦犯として逮捕され、公開処刑が決定。彼らのファンであるサウスパークの子供たちは、彼らの救出するためにレジスタンスを結成するのだが…というストーリー。
TV版をよく知らないんで、キャラ設定上のお約束とか判らない点はあった。しかし、知らなくても全然問題なしだと思う。
金持ち・貧乏人、都会・田舎、アメリカ人・外国人、男・女、老人、政府、企業、宗教と、全方位的に平等に攻撃するというシニカルな姿勢にブレがない点は評価したい。
ただ、全部を否定するってことは、実は単なるニヒリズム、アナキズムだといえなくもないので、これ以上の昇華は見込めないな…とも感じる(そのギリギリの線を意識して狙っているんだとすると、それはそれでスゴイと思う)。
極端な行動をとるのが大人のほうで、子供のほうがほど良さを心得ているという構図もおもしろい。昨今のモンスターペアレントしかり、極論を振りかざすエセ知識人しかり、現実の親世代のレベルの低さは、本作を超えているかもしれない。世論が極端な方向で集約されていく様子は、なかなか先見性があると思う。立派に社会をシミュレートする作品となっており、単なる揶揄のレベルを超えている。『チーム★アメリカ』のほうは、なんだかなぁ…と辟易したものだが、こっちは充分鑑賞に堪える。
下品さについては、個人的はR-18でいいんじゃないかと思う。性的表現だけでなく、宗教や政治の面でも、咀嚼して愉しめる高校生はそういないと思うし、変に曲解されてもどうかと思う。中にはウブでお上品な人もいるので、油断して観ちゃってショックを受ける人もいるのではないかと。自分が16歳のときにこれをみたら、どう感じたか…って想像してみる、かなり頭が痛くなったと思うんだよね(笑)。
内容的に大手を振ってお薦め!と言うと人格を疑われそうで怖いんだけど(笑)、よく練られた作品であることは間違いないと思う。あえて言おう。お薦めであると。あ、言い忘れたが、なんといっても音楽がすばらしい。『アンクル・ファッカー』は
なんだかんだで良くできているよ。今、日本でこれができるのは野生爆弾のくーちゃんだけだろうね。
私は大阪弁の吹替えバージョンで観たのだが、それもすばらしい。この吹替えを作った人、なかなかわかってる人(TV版の吹替えと違うので怒ってた人がいたみたいだけど)。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:93分
監 督:マイク・ミッチェル
出 演:マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス、エディ・マーフィ、アントニオ・バンデラス、ウォルト・ドーン、クレイグ・ロビンソン、コディ・キャメロン、ジョン・クリーズ、ジュリー・アンドリュース、ラリー・キング、アーロン・ワーナー、レジス・フィルビン、クリス・ミラー、マイク・ミッチェル、ニーナ・ゾーイ・バクシ、コンラッド・ヴァーノン 他
コピー:さらばシュレック。さらばおとぎの国。
妻フィオナと3人の子どもに囲まれ幸せな毎日を送るシュレック。しかし、窮屈な日々の繰り返しに息苦しくなり、怪物として自由に生きていたままを懐かしく思ってしまう。そんなストレスから、いざこざが生じてしまい、家を飛び出してしまったシュレックに、魔法使いのランプルスティルスキンが、願いを叶えてあげようと持ちかける。しかしそれは罠で、契約書にサインした途端、シュレックは別の世界の“遠い遠い国”に飛ばされてしまう。そこは、ランプルスティルスキンが王として君臨する世界。ドンキーやフィオナとの出会いなど、いままであった出来事はすべてなかったことになっていたが、時すでに遅しで…というストーリー。
日々の生活に忙殺されてストレスが溜まって、我慢ができなくなっているシュレックが悪い…みないな流れだけれど、時にはそうなっちゃうこともあるだろう。夫婦で協力して子育て…という基本はいいとして、まるで息抜きを求めることすら犯罪のように言われては、たまったものではない。こんなことが“悪”といわれると夫婦生活の継続なんか困難だろう。相手のストレスが溜まってるようだったら、それに気付いてあげて「じゃぁ、たまには息抜きしてらっしゃい」ってのが良策だろう。この思いやりの無さ。アメリカ社会、大丈夫かよ(だから、大丈夫じゃないのか…)。
閑話休題。
1~3作で、やることはすべてやったと思うし、おそらく最終作と思われた3作目が息切れ状態だったので、4作目なんかおもしろくなりようがあるのかいな?どうせ3Dでごまかして内容は大したことないんじゃないの?とかなり懐疑的だった。
やっぱり、純粋なストーリーの継続は難しかったのか、魔法でパラレルワールドにぶっ飛んで行っちゃうという、ある意味反則的な手法。ちょっと逃げた感あり。最近のウルトラ銀河伝説でも仮面ライダーでも使われてるけれど、パラレルワールドは、ある意味なんでもありだがら、安易に扱うのはかなり危険(そして、ウルトラマンも仮面ライダーも失敗している)。
でも、本作の場合は、フィオナはレジスタンスのリーダーになってる…なんてところまで、ぶっとんでいるし、いままでの貯金が効いているのか、おなじみキャラの変貌ぶりがかなり楽しく感じられ、成功しているといえる。パラレルワールドなんだから、元の世界との差がどれだけ楽しく映るか?ってのが重要なんだね。勉強になった。
元の世界の戻るためには、“夜明けまでにキス”っていう目標も明確だし、かつ、表面的には1作目と同じ目的なわけで、シナリオの巧みさを感じる。フィオナが実は“半人”で、それが仲間にばれてしまってすったもんだ…なんていう展開を予想した人が多かったと思うけど、そういうわかりきった展開はばっさり表現しなかったのも、いいセンスであることの証明だ(本当に、うざったり無意味なやりとりは少なくて、気持ちよく観られる)。
4作目まで、ついてきた奴!たのしませてやるぜ!って感じで、いちげんさんのウケはどうでもいいわ!っていう割り切りが、勢いに繋がっている。毎度、BGMはおもしろいのだが、本作はいつもに増して曲のチョイスがよろしいし。ラストは安易な大団円に思えなくもないけど、Forever After “そのあとずっと幸せにくらしましたとさ。めでたしめでたし”と題名につけただけはある。エンドロールも、さらっと“集大成”であることを感じさせてくれて、いままでずっと観てきた人の胸には、ちょっと熱いものが沸くかもしてない。
しいて難点を言えば、劇団ひとりの吹替えか。文末が少し流れぎみになって、素人くささがにじみ出るのが残念。ちょっと“演技”しちゃったのが、悪く出たかも。でも決して作品の質を損ねるとか、そういうことではなく、ちょっと気になる…程度。
今回はふつうのDVDで3Dではなかったのだが、それでも陰影を際立たせるような光源の位置を工夫したカットが随所に見られ、3D効果に注力した形跡が感じられる。劇場で観た人の満足度は高かったのではないかと思う。1~3まで観た人にはお薦め。
3がいまいちだったので、もういいや…と持っている人も、これは観たほうがいいと思うよ。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:97分
監 督:ザック・スナイダー
出 演:ジム・スタージェス、ライアン・クワンテン、アビー・コーニッシュ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ヘレン・ミレン、ジェフリー・ラッシュ、デヴィッド・ウェンハム、アンソニー・ラパリア、エミリー・バークレイ、ミリアム・マーゴリーズ、バリー・オットー、エイドリアンヌ・デファリア、リチャード・ロクスバーグ、デボラ=リー・ファーネス、ジョエル・エドガートン、サム・ニール 他
まだ飛ぶこともできない幼いふくろうのソーレンは、“ガフールの勇者たち”という伝説に夢中。ある日彼は、兄と飛ぶ練習をしている最中に“純血団”と名乗る集団に拉致されてしまう。純血団は、我らメンフクロウこそ最も優れた種族と主張し、すべてのフクロウを支配下に置くことを目指す集団で、各地から幼いフクロウを拉致し、自分たちの命令どおりに動く奴隷に洗脳しているのだった。ソーレンは、同様に拉致されてきたジルフィーと共になんとか純血団を脱走し、伝説のガフールの勇者たちがいるといわれる神木を目指すのだったが…というストーリー。
海外のCGクリエイターは、毛と水の動きこそCGの醍醐味と考えているようで、技術的にものすごく執着しているが、本作にいたっては、その技術を極めに極めつくした感じがする。日本のCGクリエイターとは執着する方向性が違うようだ。『モンスターズ・インク』の毛の動きや、『ファインディング・ニモ』の水の動きもすごかったが、本作はそれ以上。もうCGがどうのこうのまったく気にならないレベルで、CGであることが気になるシーンがある『アバター』よりも、ある意味上かもしれない。
ストーリーはかなりシンプルで、ありがちなナチスのような優生学至上主義の悪の組織VS.正義の集団という構図。さらに、もっともらしいことを言うそれなりの地位にある裏切り者や、悪にほだされる若者、尊敬すべきベテラン勇者など、ユングがいうところの正しいキャラクターの類型どおりって感じ(ガフールにいる若い雌フクロウの存在意義がよくわからないけど)。
でも、そこはザック・スタイナー。普通の監督がつくったら、なんてことのない戦闘シーンになったに違いないところを、スローモーション・音楽・効果音・ポージング(見得の切り方)を駆使して、緊張感とワクワク感を煽る素敵な演出のオンパレードに。ただのフクロウ同士のバトルに血沸き肉躍ってしまうとは、やられた!って感じ。さすが『300』の監督だけあって、フクロウの兜まで格好いい。そういう演出に長けている場合、かえってシンプルなストーリが際立って、効果的。
ただし、一点だけ注意を。頻繁に“さのう”というキーワードが出てくるのだが、“左脳”じゃなくて“砂嚢”。スター・ウォーズの“フォース”的な感じで使われているので、なんとなくニュアンスは伝わるのだが、さすがに左脳と砂嚢じゃ、あまりにも意味が違う。砂嚢ってのは独特の器官で食べたものの咀嚼を行うところなのだが、ようするに“砂肝”のこと。石なんかを飲み込んでおいて砂肝の厚い筋肉でゴリゴリ消化するわけだ(その厚い筋肉の歯ごたえが焼き鳥にするとおいしい)。しかし、なんで、それが飛行に関係するのかはさっぱりわからない。多分、鳥独特の器官(実際は爬虫類や魚とか歯のない動物はもってるんだけど)ということで“鳥のプライド”の象徴としてフィーチャーしたってことだろう。
“砂嚢”なんて紛らわしい単語を使わずに“砂肝”って言ったほうが面白かっただろうし、逆に話題になったと私は思うんだけど。
男の子向けな気はするけれど、年齢を問わず“燃える”作品なので、大人にも子供にも強くお薦めしたい。続編間違いなし!って思ってる。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:98分
監 督:クリス・ルノー、ピアー・コフィン
出 演:ジェイ・バルシェル、ジェラルド・バトラー、アメリカ・フェレーラ、クレイグ・ファーガソン、ジョナ・ヒル、T・J・ミラー、クリステン・ウィグ、クリストファー・ミンツ=プラッセ 他
ノミネート:【2010年/第83回アカデミー賞】作曲賞(ジョン・パウエル)、長編アニメ賞
【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】アニメーション作品賞
【2010年/第64回英国アカデミー賞】作曲賞(ジョン・パウエル)、アニメーション賞
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:少年はドラゴンに翼を与え ドラゴンは少年に勇気を与えた
バイキング達が暮らすバーク島は、日々ドラゴンの襲撃を受け、代々戦いが繰り広げられていた。バイキングたちは、幼い頃からドラゴンを倒すために訓練を積み、ドラゴンを倒す力を持つ者こそ一人前のバイキングと認められる。しかし、バイキングのリーダー・ストイックの息子ヒックは、非力で落ちこぼれ扱い。そんなある日ヒックは、怪我をして飛べなくなったドラゴンを発見。誰にも気付かれないように、こっそりエサを与え、トゥースと名づける。次第にトゥースと心を通わせていくと、ドラゴンがそれほど恐ろしい生き物ではないことに気付き始め…というストーリー。
“あなたのドラゴンのしつけかた”って原題直訳の方がよかったんじゃないかな。内容が読めてしまうって思ったのかもしれないけど、かといってセンスのかけらもない邦題かと。
冒頭の世界観の説明的な部分が若干モタつきぎみで危うかったんだけど、ストーリーが動き始めたらおもしろいおもしろい。
バイキングとドラゴンとの争いを、異種族間の争いと考えると、『アバター』とタブってる気もする。だけど、異文化和解の物語と捉えて観てしまうと、つまらない。非力な主人公が自らの特徴を生かして、自分の運命を切り開いていくっていうヒロイックファンタジー的なところが、グっとくるのだ。何をいっても周りの人々の理解は得られず、半ば腐りながらも、最終的には自分を信じて進み続ける。それがヘナチョコ少年だっていうんだから、グっとこないわけがない。
トゥースをはじめドラゴンのデザインが中々良い。トゥースは雌?と、一瞬頭をよぎるけど、製作側としては、ドラゴンに性別を持たせないことに腐心しているように見える。ヒロインとヒックの関係にヤキモチを焼く…みたいな要素は排除したかったんだろう。たしかにその方がよい。本作が伝えたい内容の味を削ぐので、正解。
ドラゴンをペットにする感じで、『アバター』ってよりも『ポケモン』に感覚は近いね。
おとぎ話的に綺麗なラストではないけど(観てもらえばわかる)、人間が成長するってことは傷を伴うものだ…という意味なら好感が持てる。
#まあ、心の汚れた大人としては、あれだけバカにされて、言うことを聞いてくれなかった父親と、そう簡単には和解したくないけどね。
女性がどこまで面白く感じるかはわからないが、男の子向けアニメとしてはかなり質は高い。同じアニメで比較すると、昨日の『怪盗グルーの月泥棒』の2倍は満足。強くお薦めしたい作品。
負けるな日本
公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:クリス・ルノー、ピアー・コフィン
出 演:スティーヴ・カレル、ジェイソン・シーゲル、ラッセル・ブランド、ジュリー・アンドリュース、ウィル・アーネット、クリステン・ウィグ、ミランダ・コスグローヴ、デイナ・ゲイアー、エルシー・フィッシャー、ダニー・マクブライド 他
ノミネート:【2010年/第68回ゴールデン・グローブ】アニメーション作品賞
【2010年/第64回英国アカデミー賞】アニメーション賞
【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
大泥棒グルーは、だれよりもスゴいものを盗んで、人々を驚かせること。しかし、何者かにピラミッドが盗まれ大ニュースに。負けないように、もっとすごいものを盗んでやろうと、月を盗むことを決意。しかし、月を盗むためには、ピラミッドを盗んだライバルの泥棒ベクターから、ある装置を盗まなければいけない。そこで、ベクターを騙すために、養護施設で暮らすマーゴ、イディアス、アグネスの三姉妹を利用することを思いつき、彼女たちを養女に迎え入れ…というストーリー。
ストーリーボードの段階ではかなりイケる!と思ったことだろう。確かにキャラデザインは悪くないし、CGの技術も高いと思う(物体の動きなどとても自然)。しかし、肝心の主要キャラの動きがぎこちない(特に子供の動きに違和感を感じる)。普通の大人の動きをモーションキャプチャーして、むりやり子供の頭身のキャラに当てはめた感じ。
あの黄色い奴の正体は何なのかと、ずっと頭に?マークを浮かばせながら観ていた(かなり後になってわかるのだが)。グルーが街を破壊してもお咎めはないし、泥棒という職業が悪人なのか否かも疑問に思えてくる。正直、世界観がいまいちつかめなくてとまどった。
悪人の心が子供とのふれあいによって変化していくという、ありがちな話ながらも、ほんわかしたいい作品に仕上がってはいる。しかし、笑福亭鶴瓶の吹き替えが、悪人としてのパンチに欠けるので、はじめから良い人の印象なのが逆効果だったかも。
#『ビートルジュース』の西川のりおには劣るかなと(単なるダミ声繋がりで比較する意味は、あまり無いんだけど)。
一番小っちゃい子供の声は人気子役の芦田愛菜かな。声だけでわかるということは、やっぱり何か持ってる子なんだろう。でも、良かったか?といわれると、そうでもない。この二人にプロモーションに参加してもらえば宣伝効果は抜群だろうけど、結局、山ちゃんに参戦してもらってるってことは、本当のプロに締めてもらわないと不安だ…と日本の配給会社は考えたってことかも。まあ、置きにいったストライクって印象。
所詮子供向けだろ…とハードルを下げきって観た人は、充分愉しめただろうが、それなりに期待をしていた人には物足りなかったと思われる。私は後者。でも、子供も大人も一緒に愉しめるという意味では大成功。被災地の子供を集めて上映会をしてあげたくなるような作品。
個人的には、『くもりときどきミートボール』には劣ると思う。大人が週末観る作品としては、特段お薦めしない。
負けるな日本
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:フィル・ロード、クリストファー・ミラー
出 演:ビル・ヘイダー、アンナ・ファリス、ブルース・キャンベル、ミスター・T、ジェームズ・カーン、アンディ・サムバーグ、ニール・パトリック・ハリス、ボビー・J・トンプソン、ベンジャミン・ブラット、ウィル・フォーテ、ラレイン・ニューマン 他
ノミネート:【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】アニメーション作品賞
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:おなかがすいてもだいじょうぶ 食べたいものは、みーんな空からふってくる。
イワシばかり食べている貧しい町スワロー・フォールズに住む青年フリント・ロックウッド。偉大な発明家を夢見ていたが、役に立たないおかしなものばかり発明しているので、町の人たちから迷惑がられている。ある日、貧しい町を救うため、水を食べ物に変えるマシーンを発明するが、ちょっとしたトラブルで実験装置を空に飛ばしてしまう。飛ばしはしてしまったが、装置は正しく動作しており、雨雲からチーズバーガーが降ってきて、町の人々は大喜び。フリントは一躍ヒーローに祭り上げられるが、次第に天候が悪化。降ってくる食べ物はどんどん巨大化し…というストーリー。
食べ物をぞんざいに扱っている気がして、少し背徳感が漂うのは日本人のもったいない精神ゆえか(地面に落ちた物を食べるのも、なんか抵抗あるなぁ)。それに、この異常気象の影響は北半球のみで、アフリカの食糧危機は救わないという、ある意味都合の良い設定もね…。ファンタジーにしてはいささか生々しさを感じなくはないけれど、元は絵本みたいなので、そんなことは気にせずにサラっと観るのが正しいんだろう。
『アルマゲドン』とか天変地異系のパニックムービーのパロディと思しき演出が多々で、非常に愉しい。悪ノリの程度もほどよい。そして、予想外にもヒロインのサムがかなり魅力的。普段はシュっとしていながら、実はちょっぴりユニークな人で、化粧をとるとキュート。案外、男の人は結婚したり付き合ったりした後は、化粧なんかしない方が好きだったりするからね。いいラインのキャラをつくったと思う。
なんといっても、本作が秀逸なのは、あらゆる伏線にしっかりケリをつけていること。前半に登場するタダの小ネタ(翻訳機やらスプレー・シューズまで)だと思っていた部分も、しっかり最後には繋がっていた。一つの軸である父子関係の部分が弱かったり、町名変更の件がわかりにくかったり(“チュー・アンド・スワロー”噛む&飲むの意)と、途中からグダグダにかりかけるんだけど、「おお、そうくるか」って感じで、なんとか持ち堪えた。
トータル的にバランスが整っていて小気味良い作品。充分大人の鑑賞にも耐えると思う。軽くお薦め。
#パワーパフガールズっぽいビジュアルセンスも好みかも。
公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:アンドリュー・スタントン
出 演:アルバート・ブルックス、エレン・デジュネレス、アレクサンダー・グールド、ウィレム・デフォー、ブラッド・ギャレット 他
受 賞:【2003年/第76回アカデミー賞】長編アニメ賞
コピー:ニモがさらわれた――。
海中に生きる3兆7千億の魚の中からたった一匹のかけがえのない息子を探すために、父マリーンの冒険が始まる
オーストラリアの海の底で、たくさんのカクレクマノミの卵が孵化しようとしていたが、カマスに襲われ、多くの卵と母親の命が奪われた。助かった卵は1つだけ。父親マーリンは、生き残った子に“ニモ”と名付けて過保護に育てていく。やがて6歳になったニモが学校へ行く日がやって来たが、その初日、人間のダイバーにさらわれてしまう。マーリンはニモを取り戻す旅へと出るのだったが、その途中、陽気なナンヨウハギのドリーと出会い…というストーリー。
偶然だけど、ドリーが記憶喪失気味な設定が、先日の『ガチ☆ボーイ』とダブったせいで、彼女(?)を単なるボケ役と受け止められず、あまり楽しめなかった。同様に、ニモの片ヒレが小さいのも、ハンディキャッパーの設定なのだが、それに関してグっときたりほろりとくる場面もなくて、あまり生きていない設定だと思う。
CGの美しさはピクサー作品随一。イソギンチャクやクラゲの揺らぎ、光の反射など、本物を見紛うほどのできばえ(まあ、本作の技術目標ポイントはそこだったんでしょうけど)。
#DVDだとモアレが出てしまっているので、本作こそブルーレイで観たいところ。
しかしながら、それと反比例するようにストーリーは凡庸で、『モンスターズ・インク』や『トイ・ストーリー』に比べると、ヒネりも刺激も少ない。100分の収録時間が120分以上に感じられたのは、同じような粒具合のエピソードの繰り返しだから。すべての演出が小波の繰り返しなので、もう1本別のウネリがあれば、メリハリが出来たかもしれない。
大人の鑑賞に堪えるかどうかは微妙なところで、ピクサー映画を観るなら他のほうがいいとおもうし、海の美しさを見るなら環境ビデオでも観ればいいと思う。よほどなにか惹かれるところがあるなら別だが、そうでなければ観なくていい作品だろう。
#吹替えの木梨憲武は、声質はすごくマッチしているのだが演技が単調で飽きる。
公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:ヘンリー・セリック
出 演:ダコタ・ファニング、テリー・ハッチャー、ジョン・ホッジマン、イアン・マクシェーン、ドーン・フレンチ、ジェニファー・ソーンダース、キース・デヴィッド、ロバート・ベイリー・Jr 他
ノミネート:【2009年/第82回アカデミー賞】長編アニメ賞
【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】アニメーション作品賞
【2009年/第63回英国アカデミー賞】アニメーション賞
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】長編アニメ賞
コピー:扉のむこうは理想の世界。でも気をつけて。かなえてはいけない願い事がある。
園芸記者の両親と暮らすコララインは、最近ピンク色の古いアパートに引っ越してきたばかり。まだ友達もいないし、仕事で大忙しの両親はかまってくれないし、退屈でしかたがない。仕事の邪魔ばかりするコララインに困り果てた父親は、家の窓とドアを数えるように彼女に命じる。つまらないとは思いつつも退屈しのぎに数えていると、不思議な扉を発見。しかし、その扉を開けてもそこにあったのは壁でがっかりしてしまう。その夜、扉から物音がするので開けてみると細い洞窟が。その先には、現実の世界よりもすばらしい理想の家庭があった。その世界の両親の目がボタンで出来ている以外は…というストーリー。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のスタッフによる作品というのもウリ文句の一つだったらしいが、『NBC』好きの私の記憶にないってことは、よほど興味が沸かない作品だったということか。公開時は3D作品だったらしいし(DVDは2D)。
まあ、ポスター等を見てもひっかからなかった理由は明白である。まず、『NBC』と同じ手法のストップモーションアニメには見えず、普通のアニメ作品かと誰もが思う。もうすこし人形なんだということを強調しないと、伝わるわけがない。また、主人公のコララインの顔のデザインが、中途半端にアニメチックでさらにかわいらしさがない。『NBC』のキャラは、むしろ表情が乏しいデザインだったり、気持ち悪かったりするのだが、それを補うような動きをさせたおかげで脳内補完が行われ、逆に感情豊かに感じられたものだが、コララインについては表情のつけやすいデザインにしたおかげで、それに頼ったせいで動きが乏しくなり面白みに欠けてしまう結果に。しかし、コラライン以外のキャラデザインは、『NBC』並に味のあるデザインなので、子供がとっつきやすいキャラにしようと、多方面から横槍がはいった、くだらない会議の産物であることがよくわかる。こいうのは、少数の強烈な個性をもったスタッフを中心に進めていかないと、おもしろさの渦みたいなものは生じないのだ。
さらに正直にいうと、かなり最後のほうまで、“人形アニメを模した3Dアニメ”だと思って疑わなかった。こういう手法も逆に新しいなぁ…なんて思っいたくらい、動きがスムーズすぎた。ラストに近づくにつれて(というかアクションシーンが増えてきて)、カクカクしたシーンが増加。違和感を感じてネットで調べてみると、ストップモーションアニメであることが判明したという次第である。もしかするとコンピュータによる画像処理が加えられえいるのか、あまりにも技術が高みに到達してしまったせいなのか。あまり綺麗なデキというのも逆に味がなくなるものだなと。
デザイン的、技術的な難点はそのくらいで、まったく期待していなかったストーリーがなかなか秀逸で、かなり楽しめた。どうやら、原作は有名な児童文学らしい。
サブキャラの扱いや隠喩を多分に感じさせるストーリーなど、若干テリー・ギリアム的な匂いを感じなくは無い。観ていて『Dr.パルナサスの鏡』なんかがちらっと頭をよぎった。
DVDジャケットをみて、凡庸なアニメだと判断する人が多いだろうが、印象から予想されるデキの倍は愉しめることは保障する。軽くお薦め。
公開年:1992年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
出 演:スコット・ウェインガー、リンダ・ラーキン、ロビン・ウィリアムズ、ギルバート・ゴットフリード、ジョナサン・フリーマン、フランク・ウェルカー、ダグラス・シール サルタン、ブルース・アドラー 他
受 賞:【1992年/第65回アカデミー賞】作曲賞(アラン・メンケン)、主題歌賞(“Whole New World”作曲:アラン・メンケン、作詞:ティム・ライス、“Friend Like Me”作詞:ハワード・アシュマン、作曲:アラン・メンケン)
【1992年/第18回LA批評家協会賞】ベスト・アニメーション(ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー)
【1992年/第50回ゴールデン・グローブ】音楽賞(アラン・メンケン)、歌曲賞(“A Whole New World”作曲:アラン・メンケン、作詞:ティム・ライス、“"Prince Ali”作詞:ハワード・アシュマン、作曲:アラン・メンケン、“Friend Like Me”作詞:ハワード・アシュマン、作曲:アラン・メンケン)、特別賞
【1993年/第2回MTVムービー・アワード】コメディ演技賞(ロビン・ウィリアムズ)
砂漠の都市アグラバーで、コソ泥で生計を立てている青年アラジン。ある日、宮殿を抜け出した皇女ジャスミンと偶然出会い仲良くなるが、アラジンは窃盗の罪で捕まってしまう。するとアラジンの前に老人が現れ、牢から出すかわりに、とある洞窟の奥にあるランプを取ってこいという。指示通りにランプを手に入れるが、そのランプを擦ると中から魔人ジーニーが出現。ジーニーは、三つの願い事をかなえてやると言うのだったが…というストーリー。
いつも、ミュージカル映画批判ばかりしているくせに、実際にミュージカルの舞台をしっかり見たことが無いな…と思い、殊勝にも、数ヶ月前に浜松町へ行って劇団四季の『ライオンキング』を観てきた。よし、アニメと比べてやろうと思っていたのだが、なんと近所のレンタルショップに『ライオンキング』のDVDがない(2はあるのに)。まあ、その代用というわけではないのだが、『アラジン』のDVDを知り合いから借りた。TDRのアトラクションは見たことがあるが、実際に作品を観るのははじめて。
#まあ、『ライオンキング』はいずれ、別の店で見つけよう。
アラジンと魔法のランプなど、内容はおおよそ把握しているし、たいして期待していなかったのだが、どうしてどうして。大筋のストーリーはもちろん、細かいやり取りもありがちな展開のオンパレードなのに、それなりにハラハラと興味が尽きることがないあたりは、とても素晴らしい。大人でも子供でも楽しめる立派なエンターテイメント作品であると、認めないわけにはいかないデキ。
事情はあれど、主人公がコソ泥棒という、教育上、若干微妙な作品(笑)なのだが、とにかくノリがよいので気にもならない。まあ、子供にとってはラブロマンスなど、さほど興味もないだろうから、主役はジーニーみたいなもんだろう。そのコミカルなアクションこそ、本作の魅力の半分近くを占めているといってもよい。
CG全盛の今となっては、セルの柔らかさも実に味があってよろしく感じられ、好きな人はものすごくハマるんだろうなと思う。アニメと侮るなかれ。未見ならば観て損はない作品。またTDRにいきたくなるという、ディズニー戦略にまんまとハマる私であった。
ところで、吹替えで観たのだが、アラジンの声は、「ああ、劇団四季かなんかの俳優が声優やってるのか?」を思っていたら、最後のクレジットで羽賀研二の名が。ん?そうは聞こえなかったのだが…(もしかして、ものすごくうまいのか?)。ただ、録音が悪いのか、ミキシングのバランスが悪いのかわからないが、セリフの音質や音量はいまいち違和感がある。吹替え派としては、そこは残念な限りである。
公開年:2004年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:ビボ・バージェロン、ヴィッキー・ジェンソン、ロブ・レターマン
出 演:ウィル・スミス、ジャック・ブラック、ロバート・デ・ニーロ、レネー・ゼルウィガー、アンジェリーナ・ジョリー、マーティン・スコセッシ、ジギー・マーリィ、ダグ・E・ダグ、マイケル・インペリオリ、ヴィンセント・パストーレ、ピーター・フォーク、ケイティ・クリック 他
ノミネート:【2004年/第77回アカデミー賞】長編アニメ賞
コピー:大切なものは、いつもそばにある。
クジラの身体を洗う工場で働く小魚・オスカーは、口が達者でお調子者。何の力もないのに、街で一番になるんだと息巻いている。一方、マフィアのボスを父に持つベジタリアンのサメ・レニーはサメの生き方がしっくりこずに悩んでいた。ある日、オスカーはレニーの乱暴な兄フランキーに命を狙われるが、落ちてきた碇につぶされてフランキーが死んでしまう。それを見たクラゲは、オスカーがサメを殺したと勘違い。オスカーは“シャーク・キラー”として、街の人気者になってしまうのだが…というストーリー。
前年に『ファインディング・ニモ』があったのに、同じ海モノをつくるセンスがイマイチわからない。ドリームワークスは、『バグズ・ライフ』のときにも『アンツ』をぶつけていたけれど、これはどういう戦略なのか。ピクサー作品のお行儀のよさを馬鹿にしたいとか?その割には、皮肉にもなっていなければ、特段シャレが聞いているわけでもない。
確かに、ピクサー作品より大人が楽しめるアニメをめざしているのかもしれない。『シュレック』ではその作戦は成功しているのけれど、“大人も”と“大人が”の境目が非常に難しく、本作では“大人が”に倒れてしまっている。結局は名誉欲やら金欲やら成功欲の話で夢も無く、艶っぽい展開や暴力シーンも多い。海の中で繰り広げられる魚によるハナシにも関わらず、まったく異世界を覗いた気分にもならない。じゃあ、完全に大人向けと割り切れているのか?というと、陳腐なプロットでとても大人の鑑賞に堪えるものではない。ここまでくると、大人向けでも子供向けでもその両方でもないということになり、もしかして魚向けなのかな?とまで思えてくる(笑)。おそらく多くの子供が途中で飽きてしまったに違いない。
#大体にして、ベジタリアンのサメって…、生き物の業というものをどう考えているのか…。コメディのつもりかもしれないけれど、欧米人の浅はかさに、薄ら寒さすら覚えるえけどね。笑えねえなぁ。
声優陣に豪華キャストを割り当てるだけでなく、ウィル・スミス、デ・ニーロ、アンジェリーナ・ジョリーと、はじめっからその俳優をイメージしたキャラクターを創出しているのが特徴だと思う。私はネイティブな英語を理解できるわけではないので、当てた声のマッチ具合や声優としてのウマさは判断できないが、思いつきとしてわからなくはないけれど、それって根本的に面白いのか?効果があるのか?という疑問は拭えない。それに、アニメなので、別言語の国では当然、吹替え音声をあてなければいけないが、そのチョイスは難しい。日本ではウィル・スミスに香取慎吾をあてたわけだが、残念ながらイマイチ。特段ヘタというわけではないのだが、口八丁手八丁のいいかげんなノリが再現できているとは言いがたい。ここは、山ちゃんクラスじゃないとダメだったのかも。ノリすべての映画なのに、作品の仕上がりよりも話題性を採ってしまった時点で、負けということだろう。元の俳優のキャラクターに依存しぎたツケともいえるが。
同じドリームワークスのアニメ作品で換算すると、『シュレック』の6分の1くらいのおもしろさだと思うので、お薦めしない。家にお客さんがくるので、アニメでも見せておとなしくさせておこうとして、本作をレンタルしてきても、目的を達することは不可能であると、心するべし。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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