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公開年:1983年
公開国:日本
時 間:136分
監 督:深作欣二
出 演:薬師丸ひろ子、真田広之、千葉真一、寺田農、志穂美悦子、京本政樹、大葉健二、福原拓也、苅谷俊介、目黒祐樹、夏木マリ、萩原流行、浜田明、ヨネヤマママコ、汐路章、岡田奈々、松坂慶子 他
ノミネート:【1985年/第13回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】参加作品




安房の館山城が、黒装束の騎馬侍達による襲撃をうけ、城主・里見成義ら一族は虐殺されてしまう。成義の一人娘・静姫だけが生き残り、叔父のもとへの脱出を図る。城を襲ったのは、かつて里見家が征伐した蟇田定包の妻・毒婦玉梓と、息子の蟇田素藤であったが。征伐のときに死んだはずの彼らは、悪霊“御霊様”に仕えることで、不死の肉体をもつ妖怪に変化し、恨みを晴らそうというのである。二人は、静姫の生き血を御霊様に捧げるため、彼女の行方を血眼になって追うのであった。そんな中、逃走中の静姫の前に、巡礼姿の二人連れが現れる。二人は犬山道節、犬村大角と名乗り、100年ほど前の蟇田一族征伐のあらましを説明。その後の、里見義実の息女・伏姫と飼犬・八房の逸話と、伏姫から飛散した仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の字を刻まれた霊玉を持つものが、里見家の姫を守る運命にあることを告げた。そして二人は、自分の霊玉を静姫に見せるのだった。はじめはそんな伝説を信用としない静姫だったが…というストーリー。

滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』をベースに翻案した作品で、脚本は『男女7人夏物語』の鎌田敏夫。
京本政樹演じる犬塚信乃と、志穂美悦子演じる犬坂毛野に因縁があって、それぞれ恋愛に関するエピソードがあり、さらに薬師丸ひろ子演じる静姫と、真田広之演じる親兵衛が恋仲になってしまうという、まさに“男女8人犬物語”の様相と呈する。

しかし、鎌田敏夫と深作欣二の相性が悪いのか、犬坂毛野と萩原流行演じる妖之介の偏愛がうまく描ききれておらず、犬塚信乃と岡田奈々演じる浜路との悲恋も盛り上がりに欠ける。こういう部分をうまく描いてこそ、鎌田敏夫脚本は生きると思うのだが、実に残念。

そのくせ、薬師丸ひろ子のたぬき顔があえいでいるアップを、洋楽をバックに延々と見せられる辛さよ…。その濡れ場の横のちょっとした岩の向こうに他の7人がいて、聞こえないフリをしているのかと思うと、おかしさを通り越して切なくなってくる…。これから最終決戦に向おうというときに、なにを性欲を爆発させているのか。それに、八犬士の一人は子供ぞ(笑)。
こんなシーンに尺を使うなら、他を厚く描くべきである。

やはり“八犬伝”なのだから、8人のキャラがすべて立つように努力すべきだったろう。寺田農演じる犬村大角、苅谷俊介演じる犬田小文吾と、子役が演じる犬川荘助は、存在意義が薄すぎる。犬田小文吾と犬川荘助は、大男に子供が乗っかっているという漫画でありがちなキャラだが、特殊能力もよくわからないし、最後にとってつけたように石になるだけで、なんか邪魔くさい。そうなのだ。何が物足りないかというと、特殊能力という特徴づけがうまくできないことだ。
大葉健二演じる犬飼 現八は、敵組織の一員として悪逆非道を尽くした人間。そういう人間が、これまでの闇をすべて背負って、静姫のために働く。過去の自分を恥じて、死んでも構わない、むしろ死んで当然という心持ちになるのは、いい流れ。全てのキャラが、このように心の闇や負い目、脛に傷もつ存在だったら面白かったと思う。

これだけドロドロを繰り広げておきながら、最後は青春映画チックに終わるという。まあ角川映画らしいといえばそのとおり。霊体の声が応援するくだりはいらないと思うけど…。
凡作…というか、正直どうでもいい作品かな…。
#JAC陣によるアクションは見ごたえ充分で、彼らによって大いに救われていると思う。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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