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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:105分
監 督:福田雄一
出 演:鈴木亮平、清水富美加、ムロツヨシ、安田顕、佐藤二朗、池田成志、塚本高史、岡田義徳、大東駿介、片瀬那奈 他
コピー:愛子ちゃん、どうか俺の闘う姿を見ないで欲しい。





紅游高校拳法部員の色丞狂介は、刑事だった父親と、ドSの女王様の母親の間に生まれた青年。ある日、同じクラスに転校してきた姫野愛子に一目惚れ。彼女が拳法部のマネージャーになるというので、小躍りして帰宅していると、銀行強盗の現場に遭遇。なんと愛子がその人質になっているではないか。愛子を救おうと銀行の裏口から侵入した狂介は、はずみでパンティを被ってしまう。すると、両親から受け継いだDNAが覚醒し、潜在能力が極限まで解放された超人“変態仮面”に変身するのだった。見事強盗を撃退した狂介だったが、その後も、変態仮面として街の悪人を退治していき、話題の的になっていく。愛子は助けてもらった変態仮面に好意を持つようになるが、狂介は正体を明かすことができずに、もどかしい思いをすることに。そんな中、空手部主将の大金玉男が、学校の土地に眠っている埋蔵金を狙って学校を制圧しようと刺客を送り込んでくる。拳法部にも攻撃の手が及んでくるのだったが…というストーリー。

大晦日に何を観てるんだ?と言われそうだが、いつもレンタル中でなかなか借りられないくらい人気で、やっと鑑賞。
週刊少年ジャンプで連載していた当時、読んでいたけど、まさかこんな形で映画化されるとはね。よく考えると、昨日の『脳男』と同じく“正義の狂人”。好みの設定なのだ。

単に、パンツをクロスして肩までねじりあげて、顔にパンティを被るだけというシンプルなスタイル。それなのに、ここまで原作どおりに再現できているのがスゴい。漫画では“にじり、にじり”などと独特に擬音で表現されていた動きが、見事に表現できており、コレジャナイ感が皆無なのだ。
映像表現の面でも、衝撃波の表現が地味に良い。漫画原作だから…という安易な演出ではなく、実に作風にマッチした効果を生んでおり、なかなかのセンスを感じる。これだけくだらないのに、興醒めさせないのは、こういう細かい部分の処理の力が多きと感じる。

鈴木亮平の肉体美と演技が良いのはもちろんなのだが、本作の成功の半分は、安田顕のおかげだろう。まさにヤスケンしかこの役をやる人間なんかいないだろう!と思うのだが、だからといって気負うでもなく“やって当然”“普通の役と何が違うの?”と言わんがばかりの安定感。リアル変態としての“自然な演技”が炸裂である。

ラストは昨今の日本映画ではお約束状態のスカっとしないグダグダ対決に(もう、諦めるしかないのかな)。ここは軽く流すしかない。
清水富美加は、仮面ライダーフォーゼに出ていた子。そこそこの規模の事務所なんで、最後のパンツを脱ぐシーンはキャラ的にNGにすべきだったと思うんだけどな。

残念ながら家族はもちろん、友達と観るのもお薦めしない。一人でくだらねーっていいながら、ニヤニヤ観る作品だ。いつも借りられている理由がよくわかった。
#相変わらず片瀬那奈は、らりるれろの発音が不自由。これさえなければ、もっといい仕事が来てると思う。思い切りのいい縁起だっただけに残念。

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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:125分
監 督:瀧本智行
出 演:生田斗真、松雪泰子、江口洋介、二階堂ふみ、太田莉菜、大和田健介、染谷将太、緒方明、山崎ハコ、大山うさぎ、池谷のぶえ、勝矢、菊地廣隆、永倉大輔、田中耕二、川口真五、岡雅史、出口哲也、後藤健、甲本雅裕、光石研、小澤征悦、石橋蓮司、夏八木勲 他
コピー:悪に裁きを下す、美しき殺人者




東京近郊で無差別連続爆破事件が発生している中、路線バスが爆破され、乗客は全員死亡。一連の事件と同一犯と思われたが、犯行に使われた爆弾は、舌を切り落とされた女性の全身に巻きつけられており、犯人の異常さが覗われた。捜査に当たった茶屋刑事は、僅かな手掛かりから犯人のアジトと思しき倉庫を突き止める。倉庫に押し入ろうとすると複数の人間が争っている音がする。急いで茶屋たちが押し入ろうとすると突然倉庫内で爆発が発生。倉庫の中には、一人の男が爆風で飛んだガラス片を浴びながらも立ちすくんでいた。茶屋はその男を一連の事件の共犯者として逮捕する。しかし、“鈴木一郎”と名乗った以外、一切身元は不明で、それ以上の供述をしようとしなかったため精神鑑定にかけることに。鑑定を担当した医師・鷲谷真梨子は、“鈴木一郎”のあまりにも平均的な受け答えに違和感を覚え、独自に彼の過去を調査するのだったが…というストーリー。

ちょっとゲテもの臭いタイトルに警戒していたが、なんだかんだ、今年後半で一番愉しめた邦画だったかも。

無痛症の人とか、共感能力に欠ける人とかを扱った作品は、ちょくちょく見られるので、それほど新鮮というわけではない。米ドラマ『デクスター』のような正義のサイコキラーが主人公の作品もある。
万能ではない法に失望した富豪により、不幸な肉体と精神をもって生まれた少年が、それこそマッドサイエンティスト的な歪んだ思考の元で、殺人マシーンに育てられる。しかし、あくまで“正義”の殺人マシーンとして。なにやらフランケンシュタインのようで、せつなさが漂うのが素敵な設定なのだ。“聖なる狂人”いいね。

松雪泰子演じる鷲谷によって、“脳男”の生い立ちは判明していく。荒唐無稽に思えるかもしれないが、それなりに整合性はある。映像にしちゃうとウソくささ満開になりそうなところを、うまく演出できていると思う。

一方の敵の犯罪者は、余命幾ばくも無いサイコキラーで、暴走…というか欲求のまま行動している。ただ、別に末期がんになったから、殺人を起こしているのか?というとそうではなく、そういう性向なんだと思う。両親殺しの団塊から、けっこうフルスロットルに見えるから。病気によって加速したという演出が不足ぎみだったかもしれない。余命幾ばくもない人が、法の外で、正義の鉄槌を下していき、世間から“正義の使者”と扱われる…みたいなストーリーは、思いつく人は多いと思う。それを逆に悪役側に適用するのは、悪くは無いけどね。

二階堂ふみと染谷将太の演技は、うまいわけじゃないけど、目くじらを立てるほどの問題ではないかな。でも、『ヒミズ』のことが頭をよぎって邪魔だったかも。
#二階堂ふみの演技に不満を感じた人は多かったかもしれないけど、そんなもんだよ。

ラストのバトルが、ちょっとダレてしまったのが残念。日本映画はこれが多い。しかし、その後の顛末で、ちょっと感動を覚えさせるほど盛り返したのはなかなか。心理学者が実地で打ちひしがれる展開は、けっこう好き。結局、知識でもなく、経験でもなく、“想い”で繋がることが出来たという流れも好き。

是非、続編を作っていただきたい。なんなら原作者にお願いして、映画独自のシナリオを作ってもらってもいいほど。日本流のアンチヒーローとしては、こういう姿がちょうどいい着地点なのかもしれない。サイコキラー物が大好物の私にとっては、満足の作品。
#ただ、PG12だったけど、PG15とかでもいいんじゃないかな…と思う。

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公開年:2010年
公開国:日本
時 間:81分
監 督:千葉誠治
出 演:三元雅芸、柏原収史、土平ドンペイ、肘井美佳、小越勇輝、樋浦勉 他
コピー:最強はエイリアンか、ニンジャか?






戦国時代。織田の軍勢が迫る伊賀の里近くの森に、炎に包まれた巨大な物体が落下する。それを織田勢の攻撃と考えた伊賀衆は、下忍である耶麻汰、陣内、寝隅を向かわせる。3人はそれぞれの仲間たちと合流しながら落下地点に近づいていくが、突然見たこともない異形の怪物が出現し、彼らを攻撃。下忍たちは次々と犠牲になっていく。耶麻汰たちは忍の技を駆使し、怪物に立ち向かっていくのだったが…というストーリー。

「マツコ&有吉の怒り新党」で紹介されていたそうで、おもしろそうだから観てみてといわれて、素直に借りたのだが、時間の無駄だった。ジャケット画像だけは格好いいけど。

さほど予算もなかったであろうことは想像できるが、別にそういうショボさに文句をつける気はない。怪物が着ぐるみなのも問題ない。でも、スーツアクターのアクションが、普通に人間の素立ち状態で、人間のそれ以外のなにものでもないのが、実に味気ない。金がないなら演技でなんとかするべきだと思う。仮面ライダーのトカゲロン並み。

ストーリーらしいストーリーは存在しなくて、突如現れたエイリアンと忍者が戦うだけのお話である。後は、エイリアンの攻撃・侵略手段と、忍者さんたちの攻撃手段をご披露するという展開。
それ以上に何もないので、技がただインフレ化していくのみ。ラストのインフレっぷりが、“ありえね~”的に話題になっているようだが、話題になるほどインパクトはない。というか大半の人が、最後なんかどうでもいい感じになっていたのではなかろうか。

例に“SUSHI TYPHOON”レーベルの作品なので、エログロに寒いギャグの連発であることは既定路線だけど、エロもグロもギャグの寒さも、すべてが中途半端(というかかなりの低空飛行)なのは、なぜなのか。せめてメーターを振り切るような、バッカで~っていうノリを見せてくれればよかったのだが、それはなかった。

若いお兄ちゃんたちのキャラ付けがいまいちで、まったくストーリーの中で映えない。おっさん忍者は、その中でもキャラは立っていて、狂言回し的な役回りにすることも可能だったと思うが、微妙なタイミングでご臨終。
ラストのまだ生き残りがいますよ…的な終わり方は、本編ですべてを出し切ってこそ効果が出てくる演出。そんな小手先の演出をマネたって、おもしろくはない。

海外には極端に忍者好きがいるみたいなので、こんな作品でも海外なら受け入れられるのかもしれない。日本人に観てもらおうとして作っていないのかもしれない。

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公開年:1973年
公開国:日本
時 間:104分
監 督:佐藤純彌
出 演:高倉健、プリ・バナイ、モセネ・ソーラビイ 他







とあるホテルに終結する某国秘密警察の幹部たち。彼らは、犯罪王ボアを殺害するための策を練っていた。ボアは海運業者を装い、裏で麻薬や武器の密輸を行う犯罪シンジケートのボスだったが、表舞台には一切出てこないため正体不明だった。ここのところ、ボアが人身売買にも手を染めており、イラン女性が被害にあっているという。万策尽きた某国秘密警察部長フラナガンは、殺し屋ゴルゴ13にボア殺害を依頼。合わせて、秘書のキャサリンを連絡係として任命する。翌朝、ゴルゴはテヘランへ向かうが、そこではボアの片腕である盲目の殺し屋ワルターが暗躍していた。一方、地元警察のアマン警部も、30名以上の女性行方不明事件の捜査にあたっていたが、実は彼の妻もボアに誘拐されており…というストーリー。

ゴルゴのモデルは高倉健だというから何の問題もないハズ。大体にして高倉健主演で!、オール海外ロケで!と要求したのは、さいとう・たかをだという。おまけに本作の脚本はさいとう・たかをと右腕のK・元美津によるもの。まさに本物の“ゴルゴ13”になるハズ。
だけど、“ハズ”終わってしまった。頭の中のイメージは絶対に面白くなると思っても、実写化したら何かおかしい…ていうことは多々ある。いや、実写化したときにおかしく感じないように作るという絶対必要な手間が存在するからこそ、“映画人”の存在意義があるわけで、多くの作家や漫画家やミュージシャン等がメガホンをとっても陳腐な作品にしかならない理由はそこにある。

根本的なストーリーはシンプルながらもゴルゴ13の王道的な内容。あとは格好よさを追及すればよいだけだったと思う。仮に映画脚本としていささか拙い部分があったとしても、そこは映画監督の力でどうにかすべき!というところなのだが、本作の監督は佐藤純彌だ。そう、『北京原人 Who are you?』の監督である。そりゃあ危ういデキになるだろう…。
アクションも、カット割り(これが結構ヒどい)が、全然恰好よくない。

たしかに海外オールロケで、キャストは高倉健以外は外国人。でも結局、全編日本語吹き替え。これが陳腐さを増幅すだけなく、シュールさまで醸し出している。

ただでさえ外国人の顔の区別がつきにくいのに、本作は中東系の人が多数でますます見分けにくい。おまけにストーリー上、ボアの影武者が多数でてくるという内容。どういう演出意図なのか不明だったのだが、キャサリンとボアの妻の顔が似ていて、同一人物?とか思っちゃう(違ったみたい)。

まあ、一つのネタとして観る分には愉しめると思うが、それでも終盤はダレてくる。

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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:125分
監 督:三池崇史
出 演:大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、余貴美子、藤原竜也、山崎努、本田博太郎、高橋和也、伊吹剛、音尾琢真、長江健次、四方堂亘、小沢和義、山口祥行、本宮泰風、蜷川みほ、諏訪太朗、菅原大吉、坂田雅彦、須藤雅宏、橋本一郎、吉沢眞人、新妻聡、中野裕斗、仁科貴、寿大聡、黒石高大、沖原一生、並樹史朗、野口雅弘、勝矢、藤井恒久、菅谷大介、桝太一、田所二葉、天野柚希、河原健二、高原知秀、笠原竜司、澤田萌音、未来弥、にへいたかひろ 他
ノミネート:【2013年/第66回カンヌ国際映画祭】パルム・ドール(三池崇史)
コピー:日本全国民が、敵になる――

7歳の少女が惨殺される事件が発生する。被害者は日本の政財界を影で操るとも噂される大物・蜷川隆興の孫娘だった。容疑者は、8年前にも同様の事件をおこし、釈放されたばかりの清丸国秀という男。警察は捜査を進めるものの、清丸の足取りは掴めずにいた。事件から3ヶ月後、全国紙に“清丸を殺害した者に10億円を支払う”という全面広告が掲載される。広告主は蜷川隆興。この広告のせいで、清丸をかくまっていた人間までが清丸の命を狙うようになったため、身の危険を感じた清丸は福岡県警に出頭する。清丸を警視庁に移送するために、生え抜きのSP5名が派遣されるが、警察関係者を含め、誰が襲撃してくるか検討もつかず…というストーリー。

観終わって、自分であらすじを書いてみると「あれ、この話おもしろいじゃん」って思う。話の筋はおもしろいんだな。でも、実際に観た感想はそうではない。後から考えれば筋は通ってるんだけど、鑑賞中は違和感を覚える部分が散見。

例えば、リスクがあるのに何でわざわざ福岡から東京まで移送しなくてはいけないのか。事件が東京だから移送するのが通常なのはわかるが、こういうい特殊事情なら、別に福岡に派遣して取り調べをすすめても問題ないだろう。
⇒移送も含めて、仕組まれていた(が、観ている間は、いまいちそれが伝わってこない)。

ラストになる前に、殺人教唆なのは明らかなのだから、蜷川を逮捕することは可能なのではないか。別にあの人が、賞金を取りやめにしようがしなかろうが、不法行為による収入は認められないと、行政側が宣言すればおしまいではないのか。そこまでやってから移送すればよい。
⇒その辺も、仕組まれていた(が、観ている間は、いまいちそれが伝わってこない)。

10億の賞金どころか未遂の人間にまで1億をポンポンあげるような財力があるのなら、もっと確実に殺す別の手段があるのではないか。
⇒とりあえず清丸を見つけ出さないとどうしようもないので、そのためにとった作戦。ここまでごちゃごちゃになるとは蜷川も想定外(という風には描かれていない)。

マイクロチップをなんで手首なんぞに埋めるのか(っていうか埋められるのか?)。
⇒もっと見えないところに埋めとけ(ストーリー上のご都合主義)

蜷川を妖怪老人に描くよりも、もっと狡猾で執念深く、あらゆることに手を回している恐ろしい存在に描くべきだったと思う。
死ねばいいだけで、別に自分で殺したいってわけでもないし、孫娘のようにむごい殺し方をしたいとか、そういう望みじゃないのもピンとこない理由のひとつかも。それなら、移送ルートにスナイパーでも配置しとけばいいじゃんね。そんだけ金があるんなら雇えるだろ。
やっぱ、蜷川の目的遂行のベクトルが変なんだわ。こういう救いようのない悪人でも、きちんと手続きを踏まないとだめなのか?という法治国家の是非に触れるような、本当はもっと悩ましい部分の描き方が、薄っぺらすぎるのが難。音尾琢真演じる公安とか、設定が死んでるし。公安の一人ごときが暗躍したから、どうだっていうのか。浅すぎる。

余貴美子演じるタクシードライバーが、ただひたすら都合がよすぎる。彼らを救う強い目的も描ききれていない。こんな都合のいいキャラを登場させないと廻らないようなお話は、ダメ。
さすがに、こんな小説がヒットするわけがないので、原作はおもしろいんだろう。つまり脚本がクソ。だれだよ、林民夫って。『てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~』……、ああぁぁ(察し)。

カンヌ出品時はものすごく話題になっていたけどね。本作はパルムドール候補ではなく、お呼ばれしただけ。自然と貧乏ゆすりをしながら観ちゃってた作品。
#で、最後、白岩の息子を迎えに行ったの誰だよ。銘苅か?それとも白岩の元夫か?よくわからんわ。

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image2088.png公開年:2012年
公開国:日本
時 間:134分
監 督:大友啓史
出 演:佐藤健、武井咲、吉川晃司、蒼井優、青木崇高、綾野剛、須藤元気、田中偉登、斎藤洋介、平田薫、永野芽郁、平山祐介、深水元基、本田大輔、岡本光太郎、矢柴俊博、阿南敦子、有福正志、落合モトキ、永堀剛敏、松嶋亮太、窪田正孝、宮川一朗太、徳永淳、原田裕章、光宣、高野漁、川鶴晃裕、内藤和也、渡辺菜月、河村愛子、松尾諭、奥田瑛二、江口洋介、香川照之 他
ノミネート:【2012年/第36回日本アカデミー賞】新人俳優賞(武井咲「愛と誠」「今日、恋をはじめます」に対しても)
コピー: かならず、帰る。

明治11年。東京で“人斬り抜刀斎”を名乗る男による無差別な人斬りが繰り返されていた。亡き父から継承した神谷道場を切り盛りする神谷薫は、抜刀斎と遭遇。無謀にも一人で立ち向かおうとするが、危ういところを通りすがりの男に助けられる。その男は、幕末に反幕府軍の暗殺者として活躍した人斬り抜刀斎本人で、今は緋村剣心と名乗り、“不殺の誓い”を立て流浪の旅を続け、人助けをしているのだった。東京に出没している“人斬り抜刀斎”の正体は、実業家・武田観柳の用心棒・鵜堂刃衛。観柳は新種の阿片で世界征服を目論む男で、その陰謀に剣心も巻き込まれていく…というストーリー。

ポスターを見た時は、蒼井優ひでーと思ったが、動いているのを観るとそれほど変じゃなかった。

原作の東京編をギュっと凝縮させている。なんとかまとめてはいるのだが、まだまだ削ぎ落とす必要があったようだ。話をなぞることに一生懸命になって、キャラクター一人一人の掘り下げが甘く感じる。
それぞれの心の中にある思い、恨み、悔しさ、怒り。体制が変わって、今まで命を賭けていた“価値観”が崩壊し、あれはいったい何だったのか…というやるせなさみたいなものが漂っていない。
特に左之助はいらなくないか?と思うほど薄っぺらい。屋敷に乗り込んだ時、観柳にガトリングガンで応戦されるシーンは剣心と左之助のコンビじゃないといけないと考えたんだろう。屋敷に乗り込むときも、全然左之助が頼もしく感じないのは、左之助とのエピソードが描かれていないから。こんなことなら、剣心と斎藤一のコンビに改めてもよかったと思う。江口洋介の斎藤一は感情出しすぎな気がするが、原作に愚直に寄せていく必要もないから、まあいいか。
#演じてる役者も佐藤浩市のものまねする芸人みたいな顔で、ピリっとしない。

もう一つ残念なのは、アクションの編集がコマ切れすぎな点。アクション監督をわざわざ設けたのにもったいない。というか、そういう編集をしないと観れたもんじゃないレベルだったのか。それに、ヨリのカットが多すぎで、アクションの流れが掴めない。アクションは結構なウリだったはずなのに勿体無い。

この手の作品はありがちな、妙なシーンがやっぱりある。
剣心が抜刀斎時代の回想シーン。斬った相手が「大事な人がいるから死ねない」って言いながら何度も起き上がってくる。そう思うなら寝てろ…と。海外の人がみたら、間違いなく珍奇に写るだろう。原作はどうあれ、この映画では失敗演出。
なんか実写で観ると、鵜堂刃衛の“心の一方”がまるで魔術で興ざめする。もっと、説得力をもたせる演出にはできなかったものか。
剣心の“不殺”の思いを、薫が理解していればこそ、また人斬りに戻らないように、声を出せたわけで、本作では、薫が人斬りに戻ってほしくないと、術が解けるほど強く思っているように感じられない。前フリが薄いのだ。

やひこのイントンネーションとか、佐藤健の台詞回し、ちょくちょくおかしいのは気になるが、まあとにかく似ている。他のキャストも同様に良く似ている。うん、よくがんばって似せたね。でも、映画は似ている姿を見せるのが目的じゃないからね。削る技術に欠ける脚本家たち。至らずな努力賞作品。

#香川照之が竹中直人化してるなぁ

 

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image1896.png公開年:2011年
公開国:日本
時 間:109分
監 督:羽住英一郎
出 演:瑛太、椎名桔平、丸山隆平、阿部力、宇梶剛士、平山祐介、松本実、要潤、本仮屋ユイカ、中原丈雄、吉田鋼太郎、深田恭子、中井貴一 他
コピー:悪を撃ち抜け
愛を守り抜け



警視庁内に秘密裏に組織された超法規的組織“ワイルド7”。飛葉をはじめ構成員はすべてが元凶悪犯たち。彼らはワイルド7の発案者である草波警視正に率いられ、犯罪者を秘密裏に抹殺していった。ある日、ワイルド7たちが犯人を追い詰めると、それに先回りして犯人を殺害する謎のライダーが出現することが続いていた。飛葉たちはライダーの正体をつきとめようとしたが、一向に正体を突き止めることはできなかった。そんな中、金銭と引き換えに、ウイルスを積んだ飛行船を東京上空で爆破させるというテロ事件が発生する。しして犯人グループを追い詰めるワイルド7の前に、またしても謎のライダーが出現し、ワイルド7に先んじて犯人を射殺しようとし…というストーリー。

世代の差か。原作マンガを読んだこともなければ、TVドラマも観たことがない。『あしたのジョー』なんかと一緒で団塊世代ド真ん中の作品ってことなんだろうな。まあ、実は段階世代が意外と映画館に足を運んでいるといデータもあるので、目の付け所は悪くないんだよね。

原作がどうあれ、“ワイルド7”という荒唐無稽ともいえる弾けた存在が活躍する作品なのはよしとして、社会状況や敵までもが荒唐無稽なレベルだと、肝心の主人公集団である“ワイルド7”の魅力が際立たないではなかろうか。
現行社会の考えうる範囲のとてつもなく悪い奴らを、超法規的な勢力がブチのめす。まさに水戸黄門と共通するオモシロさだと思うのだが、飛行船に未知のウイルス爆弾…やら、FBIも真っ青な情報組織とか、もうSFファンタジーになってしまっている。

悪人からスカウトした警察官っていうコンセプトは基本的に問題なし。刑さえ終えれば警察官になったってかまわないわけだし。超法規的組織というけれど、任務中だからスピード違反をしてもいいだろうし、緊急時で必要があれば射殺してかまわないわけで、単なる特殊部隊なのでは?という疑問が沸いて仕方が無かった。現代のドラマに置き換えてみて、一体なにが超法規なのか、きちんとコンセプトを練ったのだろうか。そこが練れていないことが、フワッとした出来映えの真の原因ではないのか。私にはそう思えて仕方が無い。

シナリオで悪い点は、敵への憎悪がいまいち涵養されないことである。完全懲悪モノは、敵に憎悪を沸かせてナンボである。桐生という最後の敵も、言動からして小物で、まさに役不足。
#この桐生を演じている吉田鋼太郎という役者さん。映画は向いていないんじゃないかね。舞台のドヤ顔みたいのをそのまま持ち込んじゃだめだよ。興ざめする。

そして、7人いるけど、全員のキャラの魅力を描ききれていないという至らなさ感。加えて、キライじゃないけど、深田恭子ではないな…と。ちょっと舞台でもやって発声を鍛えたほうがいいんじゃないかと思う。所々彼女の台詞回しで興ざめさせられる場面が散見。ビジュアル的には一切問題がないだけに、非常に残念。

じゃあ、アクションで魅せましょう…と、そっちに期待するのだが、単調。これだけドンパチやっていながら、夜みたら眠くなること必至。緩急というものがこの製作陣はわかっていない。残念ながら、新作料金で見る価値なし。100円で納得できるかどうかの出来映え。

意外に関ジャニ∞の丸山隆平が画面で映えていたのが印象的(特に何をしたというわけではないのだが)。反面、『インシテミル』の時と同様にぜんぜん画面映えないというか空気な阿部力。この人、アクの強い脇役とか犯人役とかに方向性を早めにシフトしたほうがいいような気がする。

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imageX0046.Png公開年:2005年
公開国:日本
時 間:119分
監 督:滝田洋二郎
出 演:市川染五郎、宮沢りえ、大倉孝二、皆川猿時、二反田雅澄、桑原和生、山田辰夫、螢雪次朗、樋口可南子、土屋久美子、韓英恵、山中陽子、鵜沢優子、関根あすか、半澤友美、沢尻エリカ、小日向文世、内藤剛志、渡部篤郎 他
コピー:恋をすると鬼になる――越えてはいけない愛の結界。
阿修羅目覚める時、逆しまの天空に不落の城浮かび、現し世は魔界に還る――


一見平和に見える江戸だったが、町のいたるとろに人を襲う“鬼”が蔓延っていた。人間側も手をこまねいているわけではなく、鬼と人間を見分け、鬼を滅ぼす力をもった能力を持つ“鬼御門”という組織が対抗していた。かつて、その鬼御門で“鬼殺し”の異名ととっていた病葉出門は、とある事件をきっかけに組織をやめ、今は中村座の四世鶴屋南北の元で舞台役者になっている。そんな彼はある日、安倍晴明殺害の下手人として鬼御門の副隊長・邪空に追われている渡り巫女つばきと出会い、一目で恋に落ちてしまうのだが…というストーリー。

内藤剛志と渡部篤郎はTVドラマなどのイメージが強すぎて、こういうファンタジーっぽい映画には不向き。出てくるだけで醒めてしまう。とはいえ、冒頭は、セットやメイクを含め映像的にはなかなか力が入っていて、『魔界転生』みたいなイメージで好感が持てた。しかし、褒めようかとおもったら、早々に馬脚を現す。

鶴屋南北がさりげなく喋る“鬼=ゾンビ”の設定。鬼が人間を噛んで増殖させるシーンもなければ、ゾンビ設定が活きているエピソードは、その後のストーリーの中で皆無。何の意味があったのか。
鬼や鬼殺し、鬼を抜けた主人公・出門と、謎の女性・つばきという複数の対立軸がある間は、そのカオス状態でなんとか愉しめるのだが、“阿修羅”の話に集約されていくと、ワクワク感が皆無になる。
ただでさえ、ファンタジーというかアニメちっくなノリを貫いていたのに、突然、不必要にリアルなセックスシーン。せめてそれがキレイなら許せなくも無いが、ぎょっとすっるほどガリガリな宮沢りえにドン引き。そのガリガリさんが、妙にリアルな喘ぎ声を続けるから、さらにドン引き。どういう演出やねん。
大体にして、阿修羅を復活させることにどういう意味があるのか、観ていてまったくピンとこないから、それがどれほど悪いことなのか…。人がいけない橋の向こうで、デカイ顔してるだけなら、どうってことなさそう。
その宮沢りえがラスボスなんだけど、まったくラスボス臭がしない。実際、劇中のどの殺陣やアクションよりもしょぼく。刀を持って、ふらふら歩いているだけに近い。他のシーンではCGなりなんなりを使っているんだけど、ラストで盛り上げる気ないのかよ。っていうか、途中から監督がやる気を失ったとしか思えないわ。

エンドロール前、鬼の子みたいなのが鶴屋南北についてるのだが、理由も方法も過程も一切わからんし。というか、鶴屋南北に狂言廻しをやらせようと思っていたんだろうけど、その役目は全然果たせていない。中途半端な出歯亀。失敗シナリオだよな。

でも、間違いなく一番のウィークポイントだと言い切れる点は、渡部篤郎の演技がポンコツすぎること。特に悪者ぶって凄んでいるシーンがまるで学芸会のよう。観ていてこっちが恥ずかしくなってくる。彼一人でこの映画を台無しにしているといっても言いすぎではない。

始めの15分まで以外は、完全な駄作。こんな作品をつくってしまった3年後に『おくりびと』を作るという、その挽回ぶりにはおどろくわ。

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image1872.png公開年:2011年
公開国:日本
時 間:99分
監 督:山口雄大
出 演:坂口拓、星野真里、蜷川みほ、須賀貴匡、ペ・ジョンミョン、播田美保、ミッキー・カーチス、山寺宏一、田山涼成 他
コピー:「地獄甲子園」から9年――さらに過激になり、ヤツらが帰ってきた!




キャッチボールで父親を死なせしまったため、野球を辞めた野球十兵衛。その後、各地で数々の凶悪犯罪を犯すが、17歳の時に逮捕され、矯正施設“鳥竜矯正学院高校”に送致される。十兵衛に野球の才能があることを知った校長は、彼を野球部に入れようとするが、十兵衛は拒否。しかし、生き別れの弟の居場所を知るために、矯正所同士の野球大会“非行甲子園”に出場することになる…というストーリー。

地獄甲子園のリメイクってことは、原作は漫☆画太郎ってことだね。リメイク元の『地獄甲子園』も観た記憶がないし、オリジナルの漫画も読んだことがあるような無いような(結構昔じゃね?)。でも、こんな話じゃなかった気がするんだけどな。

ただ、観て思うのは、“これじゃない感”。全然、漫☆画太郎の作風が感じられないんだもん。
漫☆画太郎のオモシロさを生かしたいなら、(実は)猛烈に高い画力と、コマのテンポを映像でもうまく再現しないといけないと思う。でも、とても漫☆画太郎のキャラクターを模したとは思えない。校長とか看守長とかぜんぜん画太郎のババァじゃねえしなぁ。見た目の役作りが出来ていないだけでなく、星野真里が名優に見えるくらい、他の俳優の演技がポンコツすぎる。
じゃあ、見た目が再現できないなら、笑いとアクションのテンポで…ってことになるのだが、本作の編集はものすごく悪い。笑いのタイミングも、アクションの流れも、つんのめってる感じ。

大体にして、ギャグ漫画のくせに一切笑えない。いや、笑わそうとしているのわかるのだが、クスりともこない。アメリカ人が観ることも想定しているから…とか言いそうだけど、そんな言い訳は通用しない。根本的ない笑いのセンスないように思える。いやいや、スプラッタ的な表現が演出のメインだから!という言い訳をするかもしれないけど、笑いのセンスをエログロ表現で補おうとしているだけにしかみえない。この笑いのセンス、韓国のコメディ映画を観ているときと同じ感覚だなぁ。
所々で、在日朝鮮人だとか北朝鮮ネタを挟んでくるのだが、その意味もメリットもよくわからんし。もしかしてそっちの人が作ってるのかしら。いずれにせよ、いい物を作ろうっていう姿勢でキャスティングされている感じじゃなくて、別のコネクションを重視して、仲間内で集めてるっていう印象がする。

なにか、“SUSHI TYPHOON”とかいう、コンセプトレーベルらしいんだけど、こういうセンスが日本のサブカルチャーだぜ!っていう顔しているのがちょっと不快かな。なんか自分で“COOL JAPAN”とか言っちゃってるくらい、こっぱずかしく感じる。
まあ、別にこんな出来映えでも、漫☆画太郎の原作が毀損されるわけでもないだろうし、小額なりとも懐が潤うんだろうし、それはそれでいいんだけど。

100円でレンタルしたけど、その価値は無かった。せめて、もう一歩、色々諦めないで作りこみして欲しかった(手なんか抜いていないっていうかもしれないけど、そう見えないんだからしょうがない)。本当につまらなかったよ。まるでお薦めできない。

#得したのは星野真里だけだと思う。異様にかわいく見える。この仕事を受けた事務所がスゴいと思う。

 

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image1851.png公開年:1977年
公開国:日本
時 間:90分
監 督:深作欣二
出 演:千葉真一、ジャネット八田、松方弘樹、岩城滉一、松田英子、川谷拓三、藤岡重慶、志賀勝、小林稔侍、室田日出男、穂積隆信、鈴木康弘、阿波地大輔、星野じゅん、成瀬正 他




新宿警察署は、発見された焼死体を沖縄県石垣島出身の玉城まゆみと断定。まゆみの知人だった元暴走族の三迫長栄を逮捕する。そこに、まゆみの母親からの依頼で、遺骨を引き取るため、沖縄県警の刑事・加納錠治がやってくる。しかし、加納は新宿署の結論に疑問を感じ、独自に捜査をはじめ…というストーリー。

トンデモ作品を求めて手に取ったのだが、監督が深作欣二でちょっとびっくり。
原作をほぼ知らないのだが、なんとなく伝え聞いたキャラクターや作風とエラく異なる気がする。変えること自体は映画は映画だから別によい。しかし、深作欣二のお上嫌いを表現するために、沖縄を引っ張りだしたのかな…、そう思うと、浅くて下品な小細工に思える。下品エロに放送禁止用語にシャブ描写満載で、深夜でも地上派放送は無理な感じ。昔の作品とはいえ、トルコ大使館から苦情がきそうなレベル。というか、死語も多くてよくわからん符丁の嵐。

川谷拓三、室田日出男、岩城滉一、松方弘樹、藤岡重慶、志賀勝、小林稔侍と、それこそ 『仁義なき戦い』的な面々が端役で登場。主役の千葉真一なんか霞むレベル。
#ジャネット八田(タブチくん嫁)とか、もう相当なおじさんおばさんじゃないと判らないレベルだね(わたしも正直、よくわからん)。
DVDに付いてる予告編映像をみると、なんか怪獣映画の宣伝みたいで、おもわずニヤリとしてしまう。いかにも東映な仕上がり。

骨太アクションや加納のハチャメチャっぷりに、しばらくは興味深く観ることができた(なかなか愉しめたよ)。でも、終盤になるにつれて、同じノリが連続し、正直飽きた。また、アクションでは『仁義なき戦い』ばりの野太さをみせてくれたのと対照的に、“事件の謎解き”の部分がさっぱりダメ。事件の謎(というか真相自体)は、そんなに悪くない内容なのに、判りにくい上にそれを面白くみせようという演出が皆無。松方弘樹がスカしなのとか、見せようによっては、おもしろくできると思うんだ。
まるで、張り手一本で戦ってるような演出なのだが、もしかして 深作欣二って話を重層化したり、無骨さとメロウな感じとかを織り交ぜて表現したりとか、苦手な人なのかな。
マグナムで松方弘樹をぶっ放すまでは、まあ良しとしても、最後のステージのシーンにはあきれるばかり。まったく“締め”になっていない。あれなら、なにもしないでブツっと終わったほうがましである。
#でも、あれ、マグナムか?

私なら、こうしただろう。
加納は美樹に沖縄に帰ろうと告げたが、彼女はステージに戻る。彼女を追いかけてステージに向かう加納(←ここまでは一緒)。しかし、豚を持ち込むな! と警備に阻止されて会場には入れず。警備員の目を盗んで楽屋に。賞が発表になることで、バタバタしていて、すんなり美樹の楽屋に入れる。受賞の様子を楽屋内のモニタで見る加納。しかし、モニタから目を落とすと、注射が散乱。複雑な表情の加納は、だまってその注射器を処分する。美樹の唄をバックに会場を去る加納。→その後は一緒でいい。
こんな感じだな。これで、無常感とかむなしさとか出るでしょ。

一本調子な上に尻切れトンボになってしまい、トンデモ作品として名を残すこともできなかった中途半端さ。且つ、原作とも乖離しているので原作ファンの興味も惹かない。誰も得しなかったという作品。お薦めしない。

#松田英子って『愛のコリーダ』の人か?こういう役しか廻ってこなかったんだろうね。辞めたくなるよなぁ。




負けるな日本

 

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image1794.png公開年:2010年
公開国:日本
時 間:106分
監 督:三池崇史
出 演:哀川翔、仲里依紗、阿部力、井上正大、永野芽郁、中野英雄、六平直政、木下ほうか、マメ山田、水樹奈々、波岡一喜、レスリー・キー、前田健、スザンヌ、稲生美紀、大橋沙代子、清水ゆう子、内田流果、生瀬勝久、田中直樹、ガダルカナル・タカ 他
受 賞:【2010年/第34回日本アカデミー賞】新人俳優賞(仲里依紗「時をかける少女」に対しても)

宇宙人の侵略から地球をまもったゼブラーマンこと市川新市。彼が世間から姿を消してから15年経った西暦2025年、東京はゼブラシティへと名称を変えていた。そこでは、犯罪抑止に効果があるとして、新都知事によって朝夕の5分間だけ警察官や議員などの権力者による不法行為が許される“ゼブラタイム”という制度が施行されていた。市川は一切の記憶が無い状態で、道端で突然目を覚ましたが、ゼブラタイムに警官から胸を撃たれてしまう。市川はゼブラシティへの抵抗組織“白馬の家”に匿われるが、その組織のリーダーは、市川のかつての教え子で…というストーリー。

仕事を選ばずなんでもこいの三池監督だけど、このゼブラーマンについては好きでノリノリでやっていた気がする。
でも、コスプレしてたヘタレ教師が本当にヒーローになっちゃうノリだったのに、哀川翔のキャラが前回と繋がってしない。あらゆるところで差し挟まれてくるギャク(のようなもの)が、すべてオヤジギャグで、どうしようもなくつまらない。最後くらいは、素直に盛り上げればいいのに、マットレスと枕って、それおもしろいの?挙句の果てに、膨らむってそのオチ、おもしろいの?ねえ?ねえ?顔をのぞきこんで問い詰めたい気分。

特撮映画を揶揄したような場面もあるけど、前作にはあった特撮ヒーローへの愛みたいなものが完全に失せているんだよね。そこって“ゼブラーマン”っていうキャラクターの最後の拠り所だったと思うんだけど、それも捨てちゃうんだな。続編を作る意味ってあったんだろうか。

仲里依紗は、イメージを覆すことでいいプロモーションになったとは思う。そして、仲里依紗自身もこういう役柄が好きなんだと思う。だけど、歌もウマくないし、演技とキャラもあっていない。
本作でムチムチしてるっていわれたんだろうね。その後、変にダイエットして、ガリガリになっちゃって魅力は半減しちゃってるし。事務所は、このイメージを払拭したくて、その後はこういうイメージじゃない仕事を選んでるみたいだし。この人、本作に出て、全然得していないわ。

三池監督にしろ、仲里依紗にしろ、本人が好きなことと、世の中から求められていることは、なかなか一致しないっていういい例だと思う。

トホホ。三池崇史監督の近頃の作品の中で、ズバ抜けてデキが悪い。前作より良くなっているのは、CGとセットだけ。これは観る時間が無駄だった。お薦めしない。

#もっと低予算で作って、余った予算を募金したほうが世のためだったし、これを観るくらいなら、その時間、世界のかわいそうな子供たちのためにお祈りをしていたほうがまし。




負けるな日本

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image1748.png公開年:2010年
公開国:日本
時 間:107分
監 督:柴田一成
出 演:石田卓也、吉永淳、三浦翔平、蕨野友也、内野謙太、草野イニ、山崎将平、霧島れいか、田中伸一、滝裕次郎、片山依利、松澤仁晶、和田三四郎、滝藤賢一、中村育二、渡辺奈緒子、永島敏行 他
コピー:全国の“佐藤さん”まだ終わっていませんでした──新たなる鬼ごっこ、始まります。


佐藤姓の人の連続怪死の原因は、パラレルワールドで行われていた全国の佐藤さん強制参加による殺人ゲーム“リアル鬼ごっこ”。このパラレルワールドの“王様”を倒し、危機を脱した佐藤翼だったが、別のパラレルワールドに飛ばされてしまう。その世界でも、謎の独裁者“将軍”によって全国の佐藤さんは迫害を受けていた。翼は、妹の愛や幼なじみの洋たち仲間と共にレジスタンス活動を繰り広げていたが、残り少ない佐藤さんを殲滅するために、将軍は“リアル鬼ごっこ”を開始。逃げ回る中、翼は元々自分がいた世界に飛ばされてしまう。やっと戻れたとほっとしたのも束の間、“鬼”も一緒にスリップしてしまい…というストーリー。

だから、佐藤さんは殺されるのか、捕まえられるのか、どっちなんだ!肝心の説明がブレるブレる。ブラッシュアップしろ!惰性でちゃらんぽらんに作るんじゃない!。俺が監督なら怒るところだけどなぁ。そんな調子で前提が説明しきれていないから、前回観た人“しか”付いていけないはず。そのくせ、前回観た人には、鬱陶しい説明なんかが入ってたりして、中途半端なんだよなぁ…。

将軍が何で“佐藤さん”を迫害するのか…という根本がぼんやり。無理やりにでもそれなりの理由付けないといけないと思うのだが、それを放棄して何となくの理由(鈴木より佐藤が多いから)で片付けるのは、いけないと思うんだけど。

永島敏行だけキャスティングが浮いていて、すぐに黒幕だってわかるじゃないか。前回の柄本明と同じ轍を踏むんじゃないよ。
なんで、刑事だった人間が、自分の脳波で制御できる動物と人間のハイブリッドを作れるの?向こうの鈴木さんは元々研究者でそういう開発をしていて、それを引き継いだだけってこと?でも、それならこっちの世界に飛んできた鈴木さんは、その科学的な知識を駆使もせずにおとなしく刑事やってたんだ…。ありえないだろ。

足に刺さったバールを抜かずに曲げる…。曲げるギミックを入れたかったんだろうけど、それならもっと抜きにくいものが刺さってないとさ…。
液体にさわって自分もビビビビ…、金属を触って自分もビビビビ…。自分で止めることくらいできないと、色々行動に観準が生じるでしょ。

…と、こんなに文句の連続なんだけど、驚くことに決して面白くないわけじゃないんだよ、これが。正直、子供向けだけど、それなりにハラハラしながら観たよ。前作同様にアクションも悪くない。追い詰められ方やストーリーの進め方も悪くない。前回観た人なら、愉しめはする。レンタル料金100円くらなら充分なほど満足できる。
先に書いたように難点のオンパレードなのに、それなりに面白く観れたってことは、基本的に愉しい作品のハズなんだよ。これは細かいところの手を抜きすぎたんだな。手榴弾で自爆したあのシチュエーションで、どうやって生き残れるのか、まったく説明しようとしないのなんか、製作側の力の入れていなさを証明してるもの。始めからダメなものをダメにつくったならいざしらず、ものすごく面白くなる可能性を潰した罪は重い。重いよ。

もったいない作品。きちんとやれば、同じようにパート3だってありえたはず。ちょっとしたカルトシリーズとして展開できたかもしれないし、ビデオ作品やアニメへの展開もあったかもしれないのに、その可能性に微塵も気付かず、ダラダラ作ったその姿勢は万死に値するかも。




負けるな日本

 

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image1262.png公開年:2008年 
公開国:日本
時 間:98分
監 督:柴田一成
出 演:石田卓也、谷村美月、大東俊介、松本莉緒、吹越満、柄本明  他
コピー:捕まると死刑執行──。ニッポンの国王が仕掛けた究極の鬼ごっこ。今、決死のサバイバル・ゲームの幕が開く!!
全国の佐藤さん、貴方たちはあまりにも多いので、少し数を減らします



ある日、佐藤姓の人が相次いで亡くなるという不思議な事件が発生。死因はさまざまで、姓が佐藤という以外には共通点は無かった。そんな中、不良高校生の佐藤翼は、幼なじみの佐藤洋率いる敵対グループに捕まり絶体絶命のピンチに陥る。しかし、次の瞬間、洋の前から翼は忽然と消失。呆然とする翼の目の前に、今度は必死で逃げる洋の姿が。その背後には、全身黒ずくめの“鬼”が…。翼はパラレルワールドに飛ばされており、そこでは、全国の佐藤さんを捕まえて殺す“リアル鬼ごっこ”が展開されている最中だった…というストーリー。

はじめっからネタバレ注意。

基本的には、『バトル・ロワイヤル』の亜種で、オチは『ザ・ワン』。小説が原作なのだが、読んだことはない。対象年齢は高くなさそう。
小説であれば軽く流せるような設定も、実写になってしまうとどうしても気なる部分が多数でてくる。どうして王政になったのか(なれたのか)…とか、それなりにウマく説明してくれないと荒唐無稽に感じてしまう。そこは映画化の段階で補完してもらいたかった。肝心の鬼ごっこだって、何時から何時まで行われているのかとか、全然説明しないから、どのくらい走り続けているのかピンとこなくて、ふわふわした感じ。

また、時間配分にも問題がある。肝心の鬼ごっこが半分くらいで終わってしまうので、ああ、鬼ごっこが終わったあとに奪還計画なり復讐なりがあるんだろうな…と、容易に予想がついてしまう。

それ以外にも、変なことがたくさん。
妹が、同一世界に二人いるとマズイとかいっていたけど、主人公の母親は相当の期間、あっちの世界で並存していたじゃないか。
王様なんだから、一人の若い男を捜すためなら、あんな風に囚人をつかうよりも、人海戦術を使ったほうが絶対に効率が良い。大体にして、王様として地位は磐石なんだから、そのまま王様をやってりゃいい。、探し当てた息子が本当に超能力を持っているとも限らないし、見つけたとしても言うこと聞くとも限らないのだから、探す必然性がまったくない。それに、母親が死んだのは相当前で、なんでここ数日で急に探さないといけないのかもわからない。
鬼ごっこが終了した後は、武器やら車をつかってもいいのに、なぜか頑なに使わない。
全国の佐藤さんをとっ捕まえていると言っているんだから、元の世界では、数万単位で死んでいないとおかしい。それほどの数が死んでいないのはわかってるんだから、捕まっている人が殺されていないことに気付かないのはアホ過ぎる。
主人公が王様に中継した画像は、王様の所だけに中継されているのか?それとも放送していたのか?TV局から宮殿にホットラインで中継なんかできないだろうから、放送と考えるのが自然。ならば、その放送で王様がただのオッサンなことがわかったんだから、その時点で反乱がおこらないと変。
ボイスチェンジャーを噛ませても、始めから柄本明だとわかってしまう。判るようにしているのは意図的か?それとも製作側のズボらか?いずれにせよ効果的ではない。それに、ベテラン俳優なのに、すっかり彼の演技は浮きまくっている。もしかしてこの人、映画向きじゃないのかもしれない…と思わせるほど。

まあ、これだけ、難があるのに、それなりに見せてくれるという意味では評価できるんだけど、やはり対象年齢が相当低い。ビールを相当飲んで酔っ払うと、大人でもなかなか楽しめるレベルになると思う。よく言えばマンガ。悪く言えば子供騙し。限定付きで軽くお薦めできるかな…ってところ。

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image1381.png公開年:2008年 
公開国:日本
時 間:137分  
監 督:佐藤嗣麻子
出 演:金城武、松たか子、國村隼、高島礼子、本郷奏多、益岡徹、今井悠貴、斎藤歩、木野花、飯田基祐、猫田直、藤本静、大堀こういち、高橋努、田鍋謙一郎、神戸浩、市野世龍、要潤、串田和美、嶋田久作、小日向文世、大滝秀治、松重豊、鹿賀丈史、仲村トオ 他
コピー:怪人二十面相は誰だ!?
違う!オレは二十面相じゃない!

1949年、第二次世界大戦が回避された架空の世界。日本は、華族制度により極端な貧富の格差が生まれ、特権階級が富を独占する社会。巷では、富裕層を狙い、鮮やかな手口で窃盗を繰り返す怪人二十面相が出現し世間を騒がせていた。ある日、サーカス団の天才曲芸師・遠藤平吉は、見知らぬ紳士から羽柴財閥の令嬢・葉子と名探偵・明智小五郎の結納の様子を写真に撮ってほしいとの依頼を受ける。彼は曲芸を駆使してそれを実行するが、それは二十面相の罠だった…というストーリー。

第二次大戦が回避された世界という発想はとても面白いのだが、だからといって、極端な統制社会になっているという点については、もうすこし説明を加えないとリアリティがない。もし製作側が、そんなこと説明しなくても、そうなるに決まってるだろ?と考えていたとしたら、それは見識不足。冒頭の説明で思わず苦笑いしてしまった。SF冒険譚風に仕上げようという意図は見えてくるのだが、どうも世界観構築のツメが甘く、子供だましに思える部分が多い。そういう雰囲気をつくりたいなら、セットや小道具はもうすこし工夫しないと(工夫というのは、そのデザインや機能の文化的な理由まできちんと考えている…という意味で)。設定を考えた人間の想像力かやる気が足りなかったのだろう。

特高やら軍の制度もそのままだろうという想像から、やたらと暴力的な取調べシーンがあったりするが、人が殴られているシーンをみれば誰でも緊張するので、作り手側は効果があったと勘違いしているようだが、同様に細かいツメが甘く、深みのない薄っぺらな演出になっている。主人公がやむを得ず泥棒修行をするのだが、その結果として一番多様するツールが、修行の内容とか直接関係ないパワーウィンチというこの整合性の無さっぷり。複数の人間の思いつきをそのまま盛り込んでしまい、フラフラになって失敗しているんだろう(この監督さんは、もうちょっと我を通して、自分の思うままに進める力をつけたほうがいいですな)。

もう一つ惜しいのは、大根VS.大根というと失礼かもしれないが、他の俳優陣がなかなかの名演を繰り広げる中、金城武と仲村トオルの演技が、浮いていること。ある意味、子供向け冒険小説的な演技ではあるので、それを狙っているのかもしれないが(かなり好意的にみてあげれば…だけど)、それにしても浮いているかな。金城武の声を張り上げる演技は、観ているほうがはずかしくなる。

前半は、このように悪い点のオンパレードなのだが、設定の説明が終わって、ストーリー動き始めてからの後半は、うって変わって面白くなってくる。意外にも特撮がすばらしい。技術ひとつひとつについては、特段、高等な技術を用いているわけではないのだが、場面々々で適した演出ができており、最終的に“どう見せるか”という目的は充分果たせている。
色々文句を言ったが、後半で大きく挽回し、及第点は超えていると思う。軽い漫画映画だと思って観れば充分たのしめると思うので、軽くお薦めする。

今回、なぜ観たかというと、本作が中国で公開されるというニュースを聞いたから。中国のことだから、とっくに裏で出回っているだろうに、興行的にうまくいくとは思えないのだが。いまさら階級闘争のためのプロパガンダ映画にするつもりだろうか。第二次大戦が回避された世界がいい社会になっていない…という状況を見て、中国人の溜飲が下がるとも思えないし、中国政府の目的がよくわからない。

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プロフィール
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クボタカユキ
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趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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