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image0025.png公開年:2009年 
公開国:フランス
時 間:103分
監 督:ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ







『グラン・ブルー』海に魅せられた男たちを描いたリュック・ベッソン監督による、海洋生物の様々な姿を綴ったフィルム。

『オーシャンズ』のようなエセエコロジーを振り回す偏狭な思想の押し付けは存在せず、自然への畏怖や敬意、そして美への純粋な感動のみが、そこにある。『ディープ・ブルー』にはシャチが海獣の子供で遊んでいるシーンが含まれていたが、「人間からみれば残酷なシーンかもしれないがそれも自然だ…」というレベルの“考え方”すら、全て本作には存在しない。「ねえ。私、この星に生まれ堕ちて、こんな綺麗なものを見たの…」っていう天使の声が聞こえてきそうな作品。

生殖の行為や捕食のシーンにいたっても、その動作の美しさに主眼が置かれており、“野生の王国”的な動物知識云々を語る気すらないという、姿勢の一貫性が実に気持ちがよい。サメによる集団的な捕食の場面であっても、ゾっとするという感情を超えて、無駄の無い彼らの動作に眼を奪われるほどである。

途中にナレーションも入らず、その浅い思想にイラっとくることもなく、エリック・セラの音楽が重なって、さらに心地が良い。心地よすぎて眠ってしまうほど。眠ってしまうなんて映画としてどうなの?と思われるかもしれないが、それでも全然いいと思う。美しい生き物と、ゆれる水のリズムに脳が心地よさを感じるなんて、ごく自然のことだもの。不眠にお悩みの方は、効果があるかも。『海月日和』なんていうクラゲをただただ写したDVDが、以前発売されていたけど、その5倍は心が安らいだ気がする。
#少なくとも、昨日の『復讐者に憐れみを』でささくれ立った気持ちは完全に癒されたかな。

とにかく、こういう自然ドキュメンタリーは、お説教くさいナレーションで思想を押し付けたりするのではなく、観ている側が何か気づいたり感じたりすればそれでいいのである。そういう点では、この手の作品では最高峰。お薦めする。

#『オーシャンズ』なんて牛糞にも劣るように思えてくる。

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image1517.png公開年:2009年 
公開国:フランス
時 間:103分
監 督:ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ
出 演:ジャック・ペラン、ランスロ・ペラン、(日本語ナレーション)宮沢りえ 他
コピー:生命(いのち)の飛ぶ空。
『アース』『ディープ・ブルー』を超える、史上最大のドキュメンタリープロジェクト。




海の神秘と躍動感に満ちあふれた生物たちの行動を、長期取材と最新技術を駆使した撮影によって映像かした作品。

………。

まず、冒頭で人間が登場し、イグアナの背景にロケット打ち上げのシーンで、イヤな予感が。『ディープ・ブルー』の時は、人間が手付かずの自然をまるで神目線で観ているような楽しさがあった。いや、人間だって自然の一部なのだから、むしろ人間が出てきて違和感を感じる自分のほうがおかしいのでは?と考えを改めようとしたのだが、そんな殊勝な考えをおこしたことを後悔した。

本作は、『不都合な真実』に並ぶ、クソ映画である。その理由を挙げればキりがないが、箇条書きする。

・『ディープ・ブルー』『アース』と同じ動物を扱っていて目新しさが薄い。
・一つ一つのシーンが短く、もうちょっとみせてよ!という気持ちになりいらいらする。
・最新撮影技術とのたまわっているが、芸術的なカットはほぼ無く、純粋にわぁ綺麗と思えない。これでは資料映像である。
・人間による自然破壊を説教しだすが、エゴまるだし。共存共存というわりに解決策は何も提示せず、これでは人間が地球に存在すること自体を悪といっているに等しいエセエコロジーである。
・サメの鰭だけ切って捨てるシーンは模型である。多くの人は実物の撮影だと思うし、これでドキュメンタリーを名乗るなど、詐欺行為。犯罪行為。
・種を滅ぼしてしまうような漁に警告することと、漁の方法を不快に感じることを巧みに混同させ、大衆をミスリードしようという意図がはっきり見える。おまけに、動物の漁も人間の漁も、“残酷さ”という点では変わりないのに、人間の行為は悪だと指摘している自己矛盾を、その巧みな混同でごまかそうとしている。

もう、これ以上、書くのもイヤになってきた。最低のムカつく映画である。薄っぺらな自然愛護論の連続で、聞いていて腹が立ってくるだけの映画である。人間による自然愛護を訴えたいとしても、『ディープ・ブルー』のように愚直に自然のあるがままを写し、人間側に考えさせるという姿勢こそドキュメンタリーの姿であり、製作側の主張を言葉でそのまま押し付けるのはドキュメンタリーではない。

ちなみに、先日、イギリスの新聞で、気仙沼ではサメのヒレだけとって捨てていると報道されたが、だれかが確かめたのだろうか。写真も映像もない。挙句の果てには、サメの処理工場が血の海だったとコメントしていたが、食肉工場が地だらけなのはあたりまえじゃないか。それに、日本でサメをかまぼこに加工していることを知らないらしい。イギリス人メディアも相当あほである。この件は、いずれウソ報道だったと問題になる違いない。

編集技術や映像技術も政治的な主張もすべてレベルが低く、映画作品としては『ディープ・ブルー』の50分の1にみ満たない、駄作中の駄作。ワースト映画ベスト10を作れといわれたら、間違いなく入る作品。

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image0756.png公開年:2003年 
公開国:イギリス、ドイツ
時 間:91分
監 督:J・A・バヨナアラステア・フォザーギル、アンディ・バイヤット
出 演:(ナレーション)マイケル・ガンボン 他
コピー:誰も見たことのない世界を見せてあげよう





自然・動物ドキュメンタリーで高い評価を受けているBBCが製作した海洋ドキュメンタリー。撮影4年半、ロケ地200ヶ所、撮影フィルム7000時間を基に、深海の世界から馴染み深い生物の生態までを余すことなく綴った作品。

『ミクロコスモス』や『皇帝ペンギン』など、動物ドキュメンタリーといえばフランス作品を観ることが多く、この手の作品がコンスタントに製作され、且つペイしていくフランス映画界の土壌がすばらしいと評価していた。

しかし、イギリス製である本作はそれらを圧倒的に上回っている。こういう作品はより大画面で観たくなるというのが、普通だ。事実、『ミクロコスモス』や『皇帝ペンギン』をDVDで観た時にはそう思った。しかし、本作は、画のメリハリ、コントラストが非常によろしくてDVDでも充分に美しいと感じる。人為的なライティングは施していないので、自然光によるものだろうが、カメラの性能なのか天気が良くなるまで根気よく待ったのか、実に神々しく撮れている。いままで観た、自然系ドキュメンタリーで№1のデキだと思う。

#ただ、先日、上野の国立科学博物館で「大哺乳類展−海のなかまたち」をみてきたから、ちょっとバイアスがかかってるかも(笑)。

どうも、シャチのハンティング場面や海中での捕食シーンに難色を示す人がいるのだが、これが野生の真実だし、特段これをクローズアップしているわけでもないし、自然を撮ろうと考えた場合に、包み隠すほうが不自然なわけで、むしろバランスの取れた構成だと私は思う。これに文句をつける人はほのぼの動物ビデオに期待しているのだろうが、そっちのほうが不自然だと感じないことが、逆に不思議である。
そして、北極のシーンで、地球温暖化かどうしたこうしたと、くだらないインチキ解説が入らないのがよい。できる限り、あるがままを伝えようとするBBCの哲学と心意気を感じる。さすが『不都合な真実』の論旨に問題があるとばっさり切りつけたイギリス、といったところか。

元はTV番組だったものを、劇場版として再構成したものらしいが、この構成(場面の繋ぎ)はなかなか秀逸。ただ並べただけという意見もあるようだが、私はそうは思わない。変に場面場面を密接に関連付けられるのも逆にイヤだし、かといって突拍子も無い繋ぎでもないし、いいさじ加減だと思う。

なぜか『皇帝ペンギン』よりも涼しく感じられるのが不思議なのだが、おそらく水の音のおかげだろう。非常に夏向き。体感温度が3度くらい下がった期がする。今、見るべき。是非是非お勧め。

#近いうちに、『オーシャンズ』も鑑賞予定。さて本作を越えるか否か。

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image0483.png公開年:2005年 
公開国:フランス
時 間:86分  
監 督:リュック・ジャケ
出 演:ロマーヌ・ボーランジェ、シャルル・ベルリング、ジュール・シトリュク、石田ひかり、大沢たかお 他
受 賞:【2005年/第78回アカデミー賞】ドキュメンタリー長編賞(リュック・ジャケ)
【2005年/第11回放送映画批評家協会賞】ドキュメンタリー賞
【2005年/第31回セザール賞】音響賞(Laurent Quaglio、Gerard Lamps)
コピー:生命を継ぐ物語
また必ず会える 氷に囲まれた南極の、あたたかな愛の物語

冬を迎える南極大陸。皇帝ペンギンたちは、営巣地オアモックへ向け、100キロもの距離を歩み始める。目的地に辿り着き無事産卵したペンギンの夫婦たち。やがて、母ペンギンは卵を父ペンギンに託し、エサを求めて再び海へ。父ペンギンは仲間同士で寄り添い、極寒とブリザードに晒されながら4ヶ月も絶食状態で卵を守り、エサを待ち続ける…という内容。

ドキュメンタリーなので、これまで取り上げた映画とは、趣が違うが、結構こういうのは嫌いではない。実は、ちょくちょく見ている。

映像の美しさもさることながら、とにかく「よく撮ったねぇ。がんばったねぇ」の一言である。数々の受賞・ノミネートはその苦労に応えてのものといってよいだろう。が、逆にそういう苦労している様子が頭をよぎるということは、カメラのいる空間として認識してしまっているわけで、ペンギンの姿に純粋に集中できていないということでもある。すごい映像が裏目に出てしまっているのが、ちょっと悲しい。

加えて、興醒めする要素が一つ。ナレーションがよろしくない。(私は日本語吹き替えでみたが、)ある時は、ペンギンの感情を代弁するかと思えば、ある時は、ペンギンの生態を客観的に説明したりする。こんな内容のナレーションなら無いほうがまし。せっかくの映像が台無しである。ナレーションにもうすこし工夫さえあれば、もうちょっとは楽しめたかもしれない。(これなら、ジオグラフィックチャンネルのほうが見ていたほうが楽しめたかも)。

ということで、半分近く、うつらうつらしなから観ることになってしまった。よほどペンギンがお好きなら観るとよいが、そうでもなければ、見る必要はないかもしれない。

#ただ、フランスが、『ミクロコスモス』とか、こういうドキュメンタリー映画をコンスタントに製作していることについては、そういう作品をつくる土壌があるという点において、高く評価したい。

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クボタカユキ
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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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