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公開年:1978年
公開国:香港
時 間:103分
監 督:ユエン・ウーピン
出 演:ジャッキー・チェン、ユエン・シャオティエン、ディーン・セキ、ウォン・チェン・リー、ワン・チェン 他
 
 
 
 
 
 
清朝末期。広東にあるカンフー道場の息子フェイ・フンは、まじめに鍛錬せず、悪友たちと町で放蕩三昧の日々。そんな彼だが、正義感だけは一人前で、町で露天商の親子をいじめているチンピラを懲らしめる。家へ帰ると、さきほどのチンピラが包帯を巻いて乗り込んでくる。チンピラのけがは大げさに吹聴したものだったが、結局その場でも大乱闘となり、結局ケガ人を増やす結果に。そのありさまをみてすっかり辟易した父親はフェイを鍛えなおそうとするが、やはり目を盗んではサボってばかり。お手上げの父は、旧知の達人ソウ・ハッイーに息子を預けることにした。ソウがとてつもなく厳しい先生だという噂を聞いたフェイは、着の身着のまま逃亡するが、あまりに空腹に無銭飲食を図り、またもや大騒ぎに。そこで、泥酔した不思議な爺さんに助けてもらい、何とか切り抜けることができたが、実はその爺さんがソウで…というストーリー。

冒頭のあたりは、ヤンチャなだけで、町の人を助ける正義感、そして主人公にありがちな誤解されるキャラなんだけど、少年漫画的なわかりやすいキャラで楽しい。
ただ、一応正義感は強いんだけど、ジャッキー演じるフェイの行動や、ヤンチャを超えてクソ人間。町のチンピラと同レベル。食堂のシーンは印象的だけど、その無線飲食の手口や言い訳は、単なる悪党である。もう少し、“実はいい人”という演出があっていいと思うが、最後までそういう描写がない。まあ、それが“異世界”な雰囲気を醸し出している一要因ではあるので、ダメなわけではないのだけれども…

酔拳がすごいというのは何となく納得できる。鶴拳は鶴の動きを模する。蛇拳は蛇を。酔拳だって、酔っぱらった人の動きを模すればいいのであって、実際にアル中になるほど飲み続ける必要はない(仮に修行中に実体験するために飲むことはあったとしても)。
実際に劇中で、「酔拳は本当に酔っているのではない、酔っているようにみえるのだ!」と言っている。そこまではいい。でも、ソウ・ハッイー、おまえアルコール切れたら手震えて力でないじゃねーか。弱い(確信)。

ソウ・ハッイーの最後の修行で、酔八拳を習うわけだが、その中の一つ女性の動きの拳がある。フェイにはいまいちピンときてなくて、適当にごまかして会得しておらず、最後の戦いでピンチに…という展開がある。そこは、はじめのほうに出てきた、達人おばさんを絡めないとシナリオ的にはダメだと思う。

その他にも、ケツが破けるとかシチュエーション的にギャグになっていないシーンが散見されるとか、アクション時の風きり音が過剰でズレもあるとか、難点はいくつかある。でも、アクションとストーリーとコミカルさの“バランス”という意味では、ジャッキーの拳法映画中随一で、集大成的作品だと思う。

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公開年:1972年
公開国:アメリカ
時 間:93分
監 督:ゴードン・パークス・Jr
出 演:ロン・オニール、カール・リー、シーラ・フレイジャー、ジュリアス・W・ハリス、チャールズ・マクレガー、ロスコー・リー・ブラウン 他







ニューヨークのハーレムで、コカイン密売組織“スーパーフライ”を仕切っている男、称“牧師”。羽振りがよく派手に金を使い、女にも不自由しない生活を謳歌していたが、その一方でいつかこの裏稼業を抜け出して、真っ当な生き方をしたいと夢を見ていた。恋人のジョージアも、豪華な生活など送れなくても2人で生きていければそれだけでよいという。しかし、現実はそう甘くない。この生活を捨てれば、場末の工場で作業員として一生を終えるのが関の山だ。この生活から抜け出すためには、一生食うに困らないだけの、まとまった金を稼いでから足を洗うしかない。そこで、親友のエディと相談し、今まで稼いだ金をすべて使ってヤクを買い、一挙に売りさばこうと計画する。さっそく2人は、元売人の元締めだったが、廃業してレストランの主人をしているスキャターに、コカインの調達を依頼する。難色を示すスキャターだったが、かわいがっていた牧師の頼みということで、渋々了承する。あとは、調達したコカインを、組織をフル稼働して捌くだけだったが、組織の仲間の一人フレディが、暴力沙汰で警察に捕まった際に、牧師の取引のことを喋ってしまう。そのせいで牧師とエディも捕まってしまうのだが、警部がキャスター経由のコカインではなく、自分の持っているヤクをキロ1万ドルで捌けと命じてくるのだった。悪徳警部のいいなりとはいえ、結構な儲けになったためエディは大満足だったが、このまま使われ続けては、足を洗うことができないと考えた牧師は…というストーリー。

まず、音楽がおもしろいと感じるのが、第一印象。反面、画が野暮ったいのが残念。薬が流通していく様子を静止画で表現するなど随所に工夫はみられるのだが、全体的に惹きつける力が弱いというか、いい感じの一瞬を切り取る能力が低い。

ストーリー面は、ズバ抜けて面白いというわけではないんだけど、タランティーノ的な疾走感…というか観ていて置いてきぼりにされる感じが心地よいというか、1972年製であることを考えると、すごく先を行っていた演出の作品だなという印象。

汚れきっている牧師と恋人。ただただ“普通であること”を求めるだけなので、それすら叶わないその切なさ。主人公はヤクの売人でクソ悪人なんだけど、まともな生活がしたいと考えている。この一本の方向性を軸に展開するストーリは、わかりやすいし感情移入しやすい(途中で、強盗した金もってにげりゃいいんじゃないのか?と思う場面もあるけど、まあ、それじゃおもしろくない)。

シンプルだけど悪くないオチ。そんなに手がこんでいないけど、『ジャッキー・ブラウン』みたいな味がある。
そのままサラっと終わるのもアリなのは承知だが、腐れ相棒が殺されるのと、飛行機で逃亡成功!っていうシーンも見たかったかな(エンドロールとかで)。

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公開年:1978年
公開国:香港
時 間:98分
監 督:ジャッキー・チェン
出 演:ジャッキー・チェン、イエン・シー・クアン、ジェームズ・ティエン、チェン・ウィ、ディーン・セキ 他
コピー:史上ボウ然!?世界一の珍V拳!笑い殺されぬようご用心!!






清朝末期の広東。清朝は武術道場をことごとく弾圧し、各流派は風前の灯となっていた。名門・形意道場も清朝が差し向けた“鉄の爪”によって壊滅。かろうじて逃げ延びた名手・陣鵬飛を鉄の爪は追い続けるのだった。一方、興隆という青年は、哲学と修身とカンフーを学びたいと考え、祖父のあばら家に引っ越して修行を申し出る。しかし、元々飽きっぽい性格で、祖父の目を盗んでは、市場に出かけて遊び歩く始末。ある日、市場でサイコロ博奕に興じて、インチキを見抜いて儲けると、帰り道に3人のチンピラにからまれてしまう。しかし、あっさり撃退。その後はチンピラたちから兄貴と慕われるように。一方、祖父の体調が思わしくなく、なんとか薬代を稼がねばと考えた興隆は、チンピラあっちから紹介された王門道場の用心棒の職に就くのだが…というストーリー。

清朝末期という舞台は、時代劇でもあるし、日本でいえば敗戦直後みたいな混乱した世界で(実際はこうじゃないと思うけど)、なんでもありな空気。いかにも初期ジャッキー作品っていう感じにマッチしている。
ちなみに、ジャッキー初監督作品。ただ、この時期の作品はどれも似たりよったりだし、製作手法に大きな違いがあるわけじゃないから、ジャッキーが監督したからといって、特別何かあるわけではない。

ただ、アクションについては、自分の思い通りにいろいろやっているな、特にコミカルムーブについては、現場で思いつくことをなんでもやってるんだろうなぁって、愉しさが伝わってくる感じ。本作の一番の良さは、そこかもしれない。

師匠でもあるお爺さんが殺されてしまい、その復讐がストーリーの幹になるわけだが、師匠が死んでしまったらその後はどうやって修行するのか?⇒別の人に師事する…とうパターンが、ジャッキー映画では多いような(そんなことないか)。本作はお爺さんの仲間というか同志というか部下が新師匠。でも、ちょっとキャラが弱いんだよねぇ。

王門道場で用心棒しているあたりまでは、とっても面白いのだけど、別の爺さんとの修行に入った後は、それほどストーリー面での見どころはない。他作と差はないし、話のネタになるほどのユニークな修行もあまりない。そこは残念。

ただ、ラストは語り草になるトンデモシーンの連発で、金的で決着とか、セルフ鉄の爪とか、子連れ狼とか(版権無視)。まあ、粗削りであるがゆえの愉しさは、認めざるを得ない。

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公開年:1984年
公開国:香港
時 間:1108分
監 督:サモ・ハン・キンポー
出 演:ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポー、ローラ・フォルネル、リチャード・ウン、ポール・チャン、ペペ・サンチョ、ベニー・ユキーデ、キース・ヴィタリ 他






スペインのバルセロナ。キッチン・カーでハンバーガーを販売して暮らしているトーマスといとこのデビッド。二人は、精神病院に入院しているデビッドの父親を見舞いにいくが、そこで父親が同じく入院患者であるグロリアと愛し合っていることを知る。その恋愛を好意的に受け止める2人だったが、グロリアの娘シルビアがとても美しく、彼女の方に色めきたってしまう。その夜、ストリート・ガールが立ち並ぶ裏通りで営業うる2人。そこに突然、スリだといって追いかけられている女性が逃げ込んでくる。なんとその女性は昼間病院で出会ったシルビア。偶然の再会も驚きだが、彼女がストリート・ガールだったことにも驚く2人。とりあえず、自室に彼女を匿うのだったが…というストーリー。

初の海外オールロケ作品ということだが、2人が中国語なのはわかるけど、なんでスペインのアパートの隣人とか、現地の警察官まで中国語喋ってんのかちょっと意味不明。まあ、高倉健の『ゴルゴ13』と同じことで、全員スペイン語で話ているんだけど、それを中国語に吹き替えしている体ってことなんだろうね。

ロケ自体は観客をうまく使っていたりと、なかなか面白いのだが、精神病院とかストリート・ガールと、もうちょっと何とかならなかったのかという設定に溢れている。隣室の浮気夫の話も、必要だろうか…。

上のあらすじには出てこないが、探偵助手としてサモ・ハン・キンポーが演ずるモビーという役がいる。ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーの三銃士的なシーンを撮りたかったであろうことは判る。この3人揃い踏みが大好評だった黄金時代である。でも、モビーという役が結構冗長だと思う。はっきりいっていなきゃいないでストーリーを成立させることは可能。
トーマスとデビッドは、結局モビーと知り合いだが、その関係がうやむやなままというのもいただけない。加えて、シルビアのモビーに対する態度、トーマスとデビッドのモビーに態度が、とにかく邪険にするの一点張りで、不当に失礼で観ていて気分が悪くなる。だって、なんでそんなに邪険にするのか説明不足なんだもん。
その他、実父の執事をなぜか殺そうとしたり、頭が悪いんじゃないか?というシーンが多い。香港映画独特のその場でシナリオを組み上げちゃう的なノリの弊害ではなかろうか。“とにかく雑”これが本作の印象。

その他、特徴といえば、無駄にカーアクションがすごくて、カンフーは薄めっていうところか。個々のバトルアクションが悪いというわけではないのだが、上で言ったように“三銃士”を意識した置きに行ったアクションが大目の印象。カンフー以外の要素を重視し始めた転換期といえるかもしれない。

ファンには非常に評価が高い作品なのだが、個人的には好みじゃなかった作品。
#それにしてもファミコンゲームのスパルタンXとまったくテイストが違うよね。

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公開年:2013年
公開国:イギリス
時 間:116分
監 督:ディーン・パリソット
出 演:ブルース・ウィリス、ジョン・マルコヴィッチ、メアリー=ルイーズ・パーカー、イ・ビョンホン、アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ブライアン・コックス、ニール・マクドノー、デヴィッド・シューリス、スティーヴン・バーコフ、ティム・ピゴット=スミス、ギャリック・ヘイゴン
コピー:若造に世界が救えるか!!



元CIAの腕利きエージェントだったフランク・モーゼズは、引退後、恋人サラと田舎町で平穏に暮らしていたが、サラは退屈な生活に飽きはじめ、関係がギスギスしはじめていた。そんなある日、スーパーで買い物中に元相棒のマーヴィンが現れ、一緒に仕事をしないかとしつこくに誘ってくる。田舎暮らしに大満足しているフランクは頑なに断ったが、駐車場にいくとマーヴィンの乗った車が大爆発。マーヴィンの葬儀に参列した後、FBI捜査官に連行されしまうフランクは、取り調べで“ナイトシェード”という計画について執拗に聞かれる。シラをきり続けるフランクだったが、特殊部隊が取り調べ室を急襲しフランクを抹殺しようとする。何とか抵抗するも多勢に無勢で、あわやというところに、死んだはずのマーヴィンが登場しフランクを救出。なぜかサラも一緒で、激怒するフランク。核爆弾の部品を密輸し現地モスクワで完成させるという、冷戦時代のナイトシェード計画に関する機密文書がウィキリークスで公開されたことが、この騒動の原因だと知ったフランク。当時、フランクとマーヴィンは、ナイトシェード計画の責任者を護衛していたことから、何か関係していると判断され、2人は国際手配されてしまい各国の諜報機関から命を狙われることに…というストーリー。

はじめの方の、書庫での戦闘がおもしろい。老体なら老体なりのアクションができるし、そのほうがリアル。『エクスペンタブルズ』みたいな老いても超人みたいなのよりは、臨場感を感じる。

イ・ビョンホンは韓国人役でよかったね。日本人とか中国人の役だとまた本国人から発狂されるし、こっちも迷惑だわ。でも、前作でイ・ビョンホンってどんな役だっけ?と思ったけど、前作出てなかったわ。たぶん他の映画の記憶(『G.I.ジョー』とか)。てか、マッチョでシュッとしてるのは認めるけど、ほとんど同じような役でしか需要がないってのがね。

フランクたちはテターボロ空港から出発するらしい⇒じゃあそこに…って、アメリカってフライトプランも出さんで行き先変更、簡単にできるもんか?まあ、政府から依頼された仕事だし、どうにでもなるってことなんだろう。でも、飛行機とられちゃう。そのあとも、ドアとれるんなら、もっと早く取れよ!みたいなシーンとか、イ・ビョンホンは真顔でギャグをやる演技を求められている。地味に難しい役かもしれない。真顔の演技まではやりきったと思うのだが、それを笑いまで昇華できていないのは残念だった。
韓国公開での収益を期待したという側面もあったあろうけど(もしかしたら資金も流れたかも)、韓国市場はあんまり商売にならないよ。だから、こういう流れは減ると思う。イ・ビョンホンは細かいことにこだわらず、韓国から離れて仕事をしたほうがよい(成功するかどうかは知らん)。

ほかにも、なんであのしみで“カエル”だとわかったか?とか、etc…、細かいことはみなまで説明しないのが本作。さらっと、フランクが言いそうな範囲で説明するだけ。それもセリフで。観客がおや?と疑問を抱くのは必至なのだが、流れがつかめればいいんだから、観客はよくわからんままでもいいというスタンス。そして、仮に観客の脳内で解決できなかったとしても、それをなぎ倒して展開する疾走感。シナリオのお手本になるな。このさじ加減。

ヘレン・ミレン演じるヴィクトリアの女王様妄想患者狂言が笑える(もちろん『クィーン』を演じたっていうキャリアを踏まえてのギャグね)。キャストに関していえば、マルコヴィッチ、メアリー=ルイーズ、ゼタと、コメディよりの作品とは思えないキレキレの演技を見せてくれる。いや、コメディだからこそ、マジメにキレキレじゃないといけないというお手本だわ。凡作以上良作未満だけど、キャストのお仕事のおかげで、安定の娯楽作品になってる。

珍シーンとしては、出ました『トゥルーライズ』以来の近距離核爆発を眺めてのラストシーン。市街地で爆発しなけりゃ、平和みたいっす。さすが欧米クオリティ。

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公開年:2013年
公開国:イギリス
時 間:103分
監 督:ジェフ・ワドロウ
出 演:アーロン・テイラー=ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クロエ・グレース・モレッツ、ジム・キャリー、モリス・チェスナット、クローディア・リー、クラーク・デューク、オーガスタス・プリュー、スティーヴン・マッキントッシュ、モニカ・ドラン、ロバート・エムズ、リンディ・ブース、ドナルド・フェイソン、オルガ・クルクリーナ、トム・ウー、アンディ・ナイマン、ダニエル・カルーヤ、ジョン・レグイザモ、ギャレット・M・ブラウン、リンジー・フォンセカ、ヤンシー・バトラー、ソフィー・ウー、ウェスリー・モーガン、ベネディクト・ウォン、チャック・リデル、イアン・グレン 他

かつて“キック・アス”と名乗って活動をしていたデイヴだったが、今は、ヒーローの姿を封印し、ごく普通の学生生活を送っている。一方の“ヒット・ガール”ことミンディも、亡き父の親友マーカスに引き取られ、ヒーロー活動を厳しく禁じられていた。卒業間近となったデイヴだったが、進路を決めることができずにいたが、再び正義の心に目覚め、再び活動することを決意。ミンディに頼み込んでトレーニングを受けるデイブ。ふつうの女の子になることを強いられていたミンディは、その反動からなのか、トレーニングをどんどんエスカレートさせていく。しかし、実地訓練の場で危険な目に遭わされたデイヴはミンディとモメてしまい、さらにミンディはマーカスにヒット・ガールとして活動していることがバレてしまい、謹慎を命じられてしまう。彼女とは決別して行動しようと考えたデイヴは、SNSでスターズ・アンド・ストライプス大佐が率いる自警団組織“ジャスティス・フォーエバー”の存在を知る。一方、3年前、キック・アスに父親を殺され復讐心に燃えているレッド・ミストは、マザー・ファッカーと名を改めて、世界中から暗殺者を集めはじめる…というストーリー。

“ゲロゲリ棒”に何の違和感も覚えなかったことこそ、本作が『キック・アス』の魅力をそのまま継承している証。ミンディを普通の女の子にしようとして、マーカスがセレブチームに放り込むんだけど、昨日『ミーン・ガールズ』を観たばかりで、タイムリーすぎて笑ってしましまったわ。

ノリは継承しているが、ストーリーはどうか。前作は“悪を憎む狂気”。その狂気が疾走するその先にあるものは?っていうのが見所だったと思う。では、本作は何か。理想と現実の折り合いのつけ方…だろうか。キックアスも、ヒット・ガールも、マザー・ファッカーも、そこで葛藤しているので、話の主軸がそれなのは間違いないと思うけど、そのテーマが面白いか?と問われれば、微妙と答えざるを得ない。落とし処を見つけることは大人への第一歩だとはいえるが、物語としてはハジケっぷりに制限をかけることと同意である。

キック・アスが見つけた落とし処“ジャスティス・フォーエバー”は、市井の犯罪にできる範囲で対処していく集団。もちろん銃火器は使わない。まあ、“割れ窓理論”的に非常に正しくて、小さい事からコツコツと。実は一番結果が得られる行為だと思う。ヒーロー界から見れば、ベンチャー企業に就職したようなもんだな。
前作では、名声こそ高かったがあまりにヘナチョコすぎたキック・アス。本作ではマジメに鍛えてマッチョに。ヒーローとして重要なのかもしれないが、立派な社会人として精進しているサラリーマンに見えなくもない。

一方、マザー・ファッカーは、マフィアのルールをまもるという現実と、復讐鬼に徹するという理想の間を葛藤し、後者を選択する(マフィアの叔父に真っ向逆らったのに、その報復は微塵も無いというのは、シナリオ的に未消化がすぎると思うが)。その結果、社会と折り合いをつけた大人側“ジャスティス・フォーエバー”と、選択しない子供側のマザー・ファッカー側との対決になる。
表面的にはマザー・ファッカー側は悪事の限りをつくすから敵役なんだけど、整理すると、構図的にはマザー・ファッカー側の方が自由を守っている集団に見えなくもないという。

まあ、何かハジケきれないのは、こういう構図が底辺にあるからだと思う。

その他にも難点はある。マザー・ファッカーが集めた要員のバランスの悪さ。というか、マザー・ロシアが強すぎる。そのおかげで、一番目立たせなければいけないヒット・ガールを、キック・アスのトレーニング要員と、マザー・ロシア対処要員としか使えなかったこと(ヒット・ガール不足を不満に感じた観客は多いと思う)。
また、友達のトッド(アス・キック)のくだりが不完全燃焼。敵にするならするだし、友情を復活させる流れを描きたいならもっと焦点を当てるべきだし。さらっと味方に戻しすぎ(この程度の扱いなら使わなくてもよかったくらい)。

前作の監督・脚本って『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』の人だったんだねえ。そのままやってくれればよかったのにな。

まあ、いろいろ文句は言ったけど、続編としては全然アリだし、それなりに愉しんだことま認める。前作を観た人は観ないわけにはいかないだろう。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:147分
監 督:フランシス・ローレンス
出 演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、エリザベス・バンクス、レニー・クラヴィッツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジェフリー・ライト、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランド、ウィロウ・シールズ、サム・クラフリン、リン・コーエン、ジェナ・マローン、アマンダ・プラマー、メタ・ゴールディング、ブルーノ・ガン、アラン・リッチソン、ステファニー・リー・シュルント 他
受 賞 :【2014年/第23回MTVムービー・アワード】作品賞、男優賞(ジョシュ・ハッチャーソン)、女優賞(ジェニファー・ローレンス)
コピー :覚悟はいいか 歴代勝者による、壮絶なバトルの幕が開ける!


富裕層が住む都市キャピトルと12の被支配地区で構成されている独裁国家パネム。この国では、毎年1回、各隷属地区から12~18歳の男女1人ずつプレイヤーを選出して、最後の一人になるまで戦わせる“ハンガー・ゲーム”を開催していた。このゲームは、貧しい国民を服従させるためのイベントだったが、前回のゲームで選出された妹の身代わりに出場し、奇跡の優勝を遂げた第12地区の少女カットニスの勇姿を観た各地区では、キャピトルの圧政に対して反乱しようという機運が高まっていた。優勝ツアーと称して、カットニスと同地区のピータは全国を行脚させられたが、第11地区の出場者の死を悼むカットニスの演説を演説を聴いた人々は、次々と反乱のポーズ“三つ指”をとりはじめる。治安維持部隊は即座に第11地区の人々を鎮圧。カットニスはキャピトルや独裁者のスノー大統領への反逆に身を投じることを決意するが、ツアーの終了後、独裁者のスノー大統領は、歴代優勝者を集めた特別ルールのハンガー・ゲームの開催を発表。カットニスを公衆の面前で殺害しようと考える…というストーリー。

1作目の段階で、『バトルロワイヤル』のパクりじゃねえかと散々いわれていた作品。実際、内容もターゲット客層も一緒だった。前作のプロットは記憶に残ってるんだけど、オチをいまいち覚えていない。優勝したけど、続編ありまっせー的な、中途半端な感じだったような。
話はその直後から始まるし、流れを把握していないとさっぱりわからないので、前作を観ていない人が理解するのは完全に無理だろう。公開直前に1作目のTV放送をやってたみたいだけど、それほどブームだったわけでもないから、3作目になるにつれて観客は減っていくんだろうなあ…と思ったけど、前作より興収はあがってるみたい。わかんねぇなぁ。世の中が面白いと思うものと、自分が面白いものがズレてるんだろうなぁって痛感するわ。

優勝ツアーの様子と、国民が反発を強めていく様子が描かれて、またゲームをやるぞ!という展開になるまで55分もかかる。この配分がOKか否か。単なるバトルだけじゃなく、革命モノとしてのストーリー、カットニスの恋愛ストーリー(問題外だと思っていたピータにも目がありそうな展開に)という、多重構造を構築しようとしているのは評価できるが、うまく融和していない。だから、子供向けみたいな内容のくせに147分も必要になるんだと思う。

(ちょっとネタバレ入ります)
主人公の人気を失墜させるために、大統領とゲームメーカーがやってることがわかりにくい。もちろんゲームメーカーの“真意”っていうのがストーリーのキーになると思われるので、ミステリアスだったり謎だったりするのは必要だと思うのだが、ただ単純に“今、何をやっているのか”わかりにくい。フィリップ・シーモア・ホフマンとドナルド・サザーランドを使ってコレか…というもったいない感。さらに、これがフィリップ・シーモア・ホフマンの遺作になってしまったという意味での、もったいない感も加わる(3はどうするのやら)。

なんでジジィとかババァが参加してんだ?と思ったら、過去の優勝者だった。バトル以外の演出の緩急が弱いから、飽きてヨソ見しちゃって説明してるのが、頭に入ってこないんだよね。この監督『コンスタンティン』でデビューした人なんだけど、その時もバトル以外は本当にわかりにくいというか、目を惹く演出ができないんだよね。変わっていない。

バトルシーンが、ほぼ薄暗いシーンで、その暗い中でスピーディな罠やバトルが展開されるので、わけがわからないカットも非常に多い。今回、DVDで観たのだが限界。Blu-Rayじゃないと無理かもしれない。

続編をやるのはいいけど、このぶったぎりラストはちょっとねぇ。次作への枯渇感よりも綺麗に区切りをつけられていないことへの不満のほうが大きかった。『BTTF』みたいに2と3があまり間を空けずに公開されるというなら判らないでもないけど。
ただ、3まで出来上がって、トータルで観てじゃないと評価できないな(かといって、私が劇場に足を運ぶことはないと思うけど)。あえて、今、あわてて観なくても、3が公開される前に、観直すんで十分じゃないかな。

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公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:ヤン・サミュエル
出 演:ラッセル・クロウ、カン・リー、ルーシー・リュー、バイロン・マン、RZA、リック・ユーン、デヴィッド・バウティスタ、ジェイミー・チャン、ダニエル・ウー、パム・グリア 他
コピー:鉄の拳でぶっつぶせ!!





19世紀の中国。武装グループの猛獅会と群狼団による抗争が続く叢林村。そこで鍛冶屋を営む黒人の男性ブラック・スミスは、両グループから特注の武器の製作を注文される。鍛冶屋の男は、娼館で働くレディー・シルクを愛しており、彼女を身請けするために金を稼ぐ必要があったのだ。そんな中、政府の総督から猛獅会が近海の輸送を依頼される。しかし、猛獅会の首領・金獅子が、部下の銀獅子と銅獅子に裏切られ殺されてしまう。銀獅子は叢林村一帯の独占を目論んで群狼団を襲撃し殲滅。おそらく自分を復讐しにくるであろう金獅子の息子ゼン・イーにも暗殺部隊を差し向ける。“X刀”の名手ゼン・イーは善戦したものの、全身を真鍮に変化させる特殊能力を持つ殺し屋・金剛によって瀕死となるが、ブラック・スミスに匿われて一命を取り留める。一方、金塊輸送の噂を聞きつけて、各地から無法者が叢林村に集まってきて…というストーリー。

ルーシー・リューは、まあわからんでもないけど、ラッセル・クロウが出るようなレベルの作品か?と誰しも思うところ。
監督で主演のRZA(主演だよね?タイトルになってるアイアン・フィストをつけているのは彼だし)は、なにかラリってるような目線と、いまいち締まりの無いお顔。脇役ならまだしも、彼が主役級を演じることで、だれが主役なのかわからなくなって、話がボケてしまうという悪影響が生まれていると思う。本当に“顔じゃない”を地でいっている。同様にメインキャストのリック・ユーンとかバイロン・マンという東洋系の俳優たちが、中途半端な演技でだらしない。所詮は“キワモノ”扱いなのだから、爪痕を残してやる!くらいの、ユニークな演技をしてほしかった。

そういうキャスト面での難点を差し引いても、群像劇っぽく描こうとしていることが仇となっていると感じる。もっと主役の鍛冶屋を“太く”描くべきで、それが難しいなら、ラッセル・クロウを演じるジャック・ナイフのエピソードを濃くするとか、複数になってもいいから話の奔流を太く描くべきだった。マダム・ブロッサムの話だって、掘り下げようとすれば、そこだけで一本映画ができそうなくらい濃そうなんだもん。なんでもかんでも盛り込みすぎなんだろう。

実は、振り返ってみると、よくできたお話だったりする。原案も脚本もRZAによるもので、かなり思い込みもあったのだろう。むちゃくちゃだけど、逃げてきた黒人奴隷という設定も悪くないし、母親が地味にパム・グリアが演じているのなんて、嫌いじゃないわ。
この人は脚本の才能はあるのだと思う。ところが、なぜか安っぽさだけが際立ってしまった。香港映画の“チープさ”の再現は、あえてやっている…という感じを出さねばいけなかったのだが、普通にチープに見えてしまっている。なぜか。

やりたいことはものすごくわかる。深夜とかに突然放送されるカンフー映画、たいして面白いストーリーじゃないし、穴だらけの設定だったりするけれど、独特の世界観のせいなのか、魅入っちゃうアレ。アレを再現したくなる気持ち、あの世界に入り込みたくなる気持ちは理解できる。
作り物ゆえの小奇麗なセット、普通にきれい過ぎる画質、が逆にうそ臭い。汚れたお話なのだがら、画面をも汚すべきだった。結局は“空気”、雰囲気を作ることに失敗しているのだと思う。なんでもかんでも自分でやらないで、自分のやりたいことを理解してくれる同志にまかせるところはまかせないと、いけないんじゃないのかな。

本作自体は凡作中の凡作だけど、ロバート・ロドリゲス監督でリビルドさせたら、シリーズ化できそうな気がする。そのくらい脚本自体は悪くない。

拍手[0回]

公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:100分
監 督:ロエル・レイネ
出 演:ダニー・トレホ、アンソニー・マイケル・ホール、ディナ・メイヤー、ミッキー・ローク、リチャード・ディレイン、コリン・メイス、ダニエル・ラパイン、ローナン・サマーズ、エドワード・アクロート、ラデュ・アンドレイ・ミク、ジェームズ・キャロル・ジョーダン、エミール・ホスティナ、オヴィデュー・ニクレスク 他




西部開拓時代のアメリカ。ゲレロ率いる無法者集団は、訪れた町々で強盗殺人を繰り返していた。ある日、ゲレロの異父兄弟のレッドが、鉱山の町エデンデールで大量の銀が発見された情報を掴んでくる。それを強奪すれば、強盗に明け暮れる日々から脱することができる。エデンデールを見事に制圧し銀を手に入れた強盗団だったが、速やかに町を去ろうとするゲレロにレッドが反発。レッドはこの町に居座って支配するといい、かねてから親分風を吹かせていたゲレロを裏切って射殺するのだった。死んだと思いきや、地獄で目覚めるゲレロ。悪魔はゲレロの魂の代わりに仲間6人の命を差し出せば、生き返らせるという。契約したゲレロは24時間の間に6人の命を奪うべく、墓場からよみがえる。地上ではあれからちょうど1年が経過しており…というストーリー。

なんだかんだ、私はダニー・トレホのことが好きなんだろうな…と思う。多分コレつまらないだろうなっていう作品でも、とりあえず借りちゃうもん。いいキャラだよ。ちなみに、本作はオリジナルビデオらしくて、まあ、劇場公開できるレベルではないってことだわな。

復習のために蘇る…、あとはドンパチ、いけいけドンドン!っていう構図は非常にわかり易いが、ゲレロが殺される前と悪魔と契約した後の作品のテイストが、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』ばりに違っていて、失笑しちゃう。
復讐するっていたって、ゲレロだった所詮は無法者で、別に応援したくなる人格でもなきゃあ、格好いいわけじゃない。それじゃあってことで、無法者に夫を殺された女保安官みたいな人が登場してきて、ゲレロを助けるのだが、それほどストーリー上、重要ってわけでもない。
なんといっても、ゲレロが彼女をむしろ邪魔扱いするという展開。最後も傍観に近いし。

ミッキー・ロークにしかできなさそうなぶっ飛んだ悪魔像なのはいいんだけど、結局、この悪魔が何をやりたいんだか判らないという…。6人を殺し終えそうなところを邪魔する悪魔さん。間に合ったんだか間に合わなかったんだか、よくわからないという稚拙な演出に苦笑い。この監督さん、おそらく才能ないんだろうな…と。

要するにゲレロをずっと手下というかおもちゃにしておきたいということなんだろうけど、それならそれで、定期的に命を調達してくれば現世にいさせてあげる…っていう契約でいいんじゃないかな。

よくもまあ思いつきでここまで作ったな…って感じだし、ラストも続編があるかもよ!みたいな雰囲気をいけしゃあしゃあと出すもんだなぁ…と。まあ、B級映画ラブ!の人にはもってこいだけど、普通は100円以上は出したくない作品だろう(消費税分がもったいなく感じるレベル)。
#いや、私はこれからもダニー・トレホの作品は観るよ。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:121分
監 督:カール・リンシュ
出 演:キアヌ・リーヴス、真田広之、浅野忠信、菊地凛子、柴咲コウ、赤西仁、田中泯、ケイリー=ヒロユキ・タガワ 他







徳川綱吉が将軍の時代の日本。播州赤穂に、瀕死の状態で逃げ込んだ混血の異人カイは、名君・浅野内匠頭に命を救われる。以来、浅野への忠義を誓い、領内でひっそりと暮らしていたが、異人であるため領民からは疎まれ、心を通わせるのは、浅野の娘ミカだけだった。ある日、綱吉が赤穂を訪れることとなったが、豊かな赤穂の領地を狙っていた隣国の藩主・吉良上野介は、妖術使いのミズキを使って浅野の心を操り、寝所の吉良を襲わせる。刃傷沙汰に立腹した綱吉は、浅野に切腹を命じ、浅野家はお取り潰し。領地は吉良のものとなり、ミカは1年の喪明けに吉良と婚儀を挙げることになってしまう。家老の大石内蔵助ら家臣たちは、一連の出来事が吉良の仕業であると疑い、浪人となることを選択。大石は吉良によって地下牢に監禁され、家臣たちは四散、カイは奴隷としてオランダ商人に売られてしまう。それから1年後、大石は牢から解放されるが…。

公開前から誰がこんなもん観るねん…、公開しても大コケ…で話題だった本作。公開時のアメコミ映画に出てくるようなタトゥーのキャラクターとかごっつい鎧武者のポスター。ポスターにするような重要なキャラじゃなかったじゃん。むちゃくちゃだね。

同様に内容も結構むちゃくちゃ。
根本的に実際の日本を舞台にしてます…的なノリが根本的におかしい。建築物はヘンテコだし、女官なんだか腰元なんだかわからんのはオペラのMIKADOみたいなメイクだし、パラレルワールドの日本…みたいな設定でよかったんじゃないの?舞台が定まっていないんだから、その上にストーリーを構築するなんて、土台無理なのだ。

何で大石を1年で解放したのか。こいつがいるとマズイと思ってるなら、根本的に牢に監禁できるくらいなんだから、殺すことなんか簡単なのに。意味がわからん。

出島(地域の距離感がおかし)からカイを救うくだり。大石のキャラもカイのキャラも何か、それまでのシーンと繋がっていない感じ。根本的にキャラ設定がボヤけているのかなぁ。
カイが浅野の侍たちから蔑まれており、一番蔑んでいた侍が、カイを庇っていたトロい侍が死んで改心するという一連の流れが、全然おもしろくない。吉良に対峙するために一致団結する経過を表す、重要なファクターだったと思うが、まったく心がくすぐられない。

カイが元々天狗のところにいたという設定は良しとするが、天狗の存在意義・行動目的がよくわからん。彼らから刀を入手したのは、いいのだが、カイ以外は、その刀を結局使いこなせていないし、終盤は各々別の武器で戦っている。もうちょっとカイ以外の侍も天狗とのやり取りがあって、天狗パワーを授かるとか、天狗一族と、ミズキの一派に因縁があって、天狗たちが浅野に助力するとか、サイドストーリーを膨らますことができたはず。
デカい鎧武者は、カイが浅野の顔に泥を塗った(とされた)原因のひとつであり、その相手だったのだから、最後はしっかりリベンジさせるべきだったのだが、その構図を構築できなかった。
柴咲コウ演じるお姫様も、イヤがってはいるけれど、大石が挙兵しなけりゃ、そのまま嫁になってるんだろうな…って感じで、なんかスッキリしない。

海外の人は、最後、なんで勝った浅野たちが切腹せねばならんのか理解できるはずもない。仮にあの説明(ポンコツ説明)で理解したとしても納得できるわけはないし、大体まったくスッキリしない。日本独特のペーソスを感じさせたかったのかもしれないが、演出が稚拙なので“奇妙”以外に何一つ表せてはいなかった。
変なことしないで、相打ち・玉砕でお姫様だけ生き残りました…でよかったじゃん。

別に観なくていい作品。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:132分
監 督:ローランド・エメリッヒ
出 演:チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、マギー・ギレンホール、ジェイソン・クラーク、リチャード・ジェンキンス、ジョーイ・キング、ジェームズ・ウッズ、ニコラス・ライト、ジミ・シンプソン、マイケル・マーフィ、ラシェル・ルフェーブル、ランス・レディック、マット・クレイヴン、ジェイク・ウェバー、ピーター・ジェイコブソン、バーバラ・ウィリアムズ、ケヴィン・ランキン、ガーセル・ボヴェイ、フォーク・ヘンチェル、ロマーノ・オルザリ、ジャッキー・ギアリー 他
ノミネート:【2014年/第23回MTVムービー・アワード】ヒーロー賞(チャニング・テイタム)
コピー:世界は、ここから落ちる


議会警察官のジョン・ケイルには、離婚した妻の元で暮らす娘エミリーがいたが、年頃のせいかまともに会話もしてもらえない。ジョンは娘の機嫌をとるために、ホワイトハウスの見学ツアーのチケットを入手する。エミリーは、大統領ジェームズ・ソイヤーに心酔しており大喜び。さらに、娘からの尊敬を得ようと、大統領のシークレットサービスの面接も受けたが、あっさり不採用。父親がシークレットサービスになることを大いに期待していたエミリーに対して、不採用だったと告げることができず、うやむやにしたまま見学ツアーに参加するジョン。ところが、突然謎の武装集団が現れ、ホワイトハウスを占拠してしまう。ホワイトハウス内は大混乱に陥り、ジョンとエミリーも離れ離れになってしまい…というストーリー。

クソみたいなオバマのせいで、黒人大統領を主役格に据えるだけで、映画全体が陳腐になってしまうという…。ある意味、オバマのパワーはすごい。

遊撃的なポジションのはみ出しシークレットサービス、内通者、子供が館内おりそれを救う展開。誰が考えても『エンド・オブ・ホワイトハウス』と似た内容。誰が考えても似てしまうってことかな。

ただし本作は、パトリオット物のように見えて、アメリカをかなり小馬鹿にしてる。
アメリカが戦争をやめないのは、軍需産業のせいだ!で、思わず笑っちゃう。どう考えてもアラブのテロリストです!マスコミのレベルの低さを馬鹿にしたいのはわかるんだが、表現が稚拙で馬鹿馬鹿しく感じる。

エレベータシャフトの中にいて、けっこうな時間、エレベータの上がり下がりに一喜一憂してるってのも、あんまりおもしろくない。
でも、メガネコントとか、ロケット弾コントとか、案内人コントとかが始まって、あることに気づく。ああ、これエメリッヒ監督だった。彼ってこういうノリだったよな…と。
アメイジング・スパイダーマンとかのシナリオを書いてる人なんで、実力がないわけじゃないと思うんだけど、エメリッヒのことがわかっていないのでは?と勘ぐりたくなるほど、噛み合ってしないように感じる。エメリッヒ、自分で脚本書いたら、よかったんじゃないかと思う(エメリッヒが書いたからって荒さが無くなるわけではないけどね)。

その後もやっぱり、ジョンと大統領はちょっと動いては、しばらく動かなくなっちゃうの繰り返し。これでええんか?

敵のコンピュータ使いの役割(というか動機)がいまいちしっくりこない(単なる愉快犯ってことか?)。
余命幾ばくもない男が、息子の復讐をするという設定は、まあよいのだが…
(以下ネタバレ)
でもその復讐の矛先がアメリカ政府じゃなくて、実は息子を殺した“中東”だったっていうのがね。テロリストたちも単なるコマでした…、わかるんだけど、“実は”がイマイチ“実は”になってなくて、驚きも感心も沸かないのが残念だねぇ。
それでも、間違いなく『エンド・オブ・ホワイトハウス』よりは愉しめたかな。個人的は、主役はツアーの案内人だった。

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公開年:1974年
公開国:アメリカ
時 間:112分
監 督:サム・ペキンパー
出 演:ウォーレン・オーツ、イセラ・ベガ、ギグ・ヤング、ロバート・ウェッバー、エミリオ・フェルナンデス、クリス・クリストファーソン、ヘルムート・ダンティーネ 他
コピー:百万ドルが 俺を動かしたのか! その首が俺を走らせたのか! 25人の命を血に染めて 愛と暴力に散った ベニーの生きざま




メキシコの大地主エル・イェフェは、娘のテレサを妊娠させたのがアルフレッド・ガルシアであることを知り、その首に100万ドルのの懸賞金をかけるのだった。同時に部下のマックスをメキシコ・シティに派遣して、殺し屋のクイルやサペンスリーにガルシアの居場所を探らせるのだった。場末のバーでピアノ弾きをしているベニーは、ガルシアを探し回っている彼らの話から、儲け話の臭いを嗅ぎ取る。ガルシアのことは知っていたが、知らぬ振りをしたベニーには、心当たりがあった。自分の情婦エリータがガルシアと会っていたのではないか?と疑っていたのだ。エリータを問い詰めると、案の定浮気をしていたことが発覚。開き直ったエリータは、ガルシアが別れた直後に車に轢かれて死んだこと、そして既に故郷の墓場に埋葬済であることを白状するのだった。浮気の事は腹立たしいが、まとまった金で人生をやり直したいと考えていたベニーは、埋葬されているガルシアの首を掘るだけで、楽に金が手に入ると考えた。ベニーはマックスを訪ね、ガルシアの首を1万ドルで渡す約束を交わすのだった。ベニーは、ガルシアの埋葬場所を知っているエリータを無理矢理連れて、墓場を目指すのだったが…というストーリー。

その死体になった男と、自分の情婦が寝てたっつーのに、ブチ切れるでもなく、一緒のベッドで寝るベニー。いくら、彼女しか埋葬場所を知らないといっても、呑気にいつもどおりに一緒に寝ている場合じゃないよ。さらに、股間のしらみのかゆさで目覚めるベニー。「シーツを替えとけ!」と怒るが、シーツのしらみじゃないよ、それ。

エリータは、ベニーとの結婚を夢見る女…みたいな描写が入るのだが。バイカーにレイプさせられそうになったとき、私が我慢すれば…とか悲劇を装いつつ、結構受け入れちゃってるという、クソっぷり。
ベニーはベニーで、教会にいこうっていっても後で…でごまかすばかりだし、墓は下に戻すっていうくせに、絶対に現状回復できないくらい乱暴に掘ってるし。金さえあれば…、今までは運がなかっただけ…と、人生の一発逆転を狙う基本ダメ人間なのね。

娘の妊娠にブチ切れる地主のおっさんは、それでも倫理観に溢れた人間なのかも…と思いきや、殺し屋派遣するわけだし、登場人物全員が、不道徳、不倫理なのばっかり。そういう、下卑た人間たちの受け入れがたい姿を観ることを強いる作品で、実にペキンパーらしい。スローモーションのシーンとか、独特の乱射シーンとか、彼らしい演出も盛りだくさん。

(ちょっとネタバレ)
もう彼女との幸せな未来は無くなってしまう…という展開に。でも、大金を掴むという目的に向かって首を運び続ける男。でも、エリータの影がずっと付きまとうようになってしまう。
何でドライアイスに水をかけるのか?とか、かごを大事にしてるのかと思ったら、自分で蓋へっぱがしちゃうとか、なんじゃそりゃ?っていう行動が散見されるが、そこはベニーがちょっとアホだっていう描写だと思うことにする。

散々苦労した挙句に、ベニーが金を受け取らなかった理由はなんなのか。首はいらんといわれたのだから、金も首ももってかえって、もう一回丁重に葬ればよろしい。その後、自滅状態で、結局、葬ることもできないという無策っぷり。

女が死んだのは、こんなくだらない依頼をいたやつが悪い!という考えに転換した瞬間が、大事なはず。追っ手2人を殺したときは、まだ、金と首を交換しようとしていた。つまり、気が変ったのはその後ということになる。こんなに大勢の人間が死んだ。一体誰の目論見でこうなっちまんたんだ。そいつが悪い!ってね。その変化した瞬間が、演技で伝わってこないのが、本作の唯一の難点だと思う。
そこがはっきり表現できていないもんだから、ホテルで真の依頼主を探る場面も、こいつらは1万ドルを俺にくれようとしているけど、もっと貰うに違いない!という考えで、依頼主を探そうとしているように見えてしまう。そこがあやふやだから、最後の最後になって突然に金はいらねえ!とかいい始めたように見えちゃうから、観客は「はぁ?」となるのではなかろうか。つまり、主演のウォーレン・オーツの演技がいまいちだってことかな。

まあ、ちょっと難はあるんだけど、破滅的・退廃的な雰囲気がプンプン漂う良い映画だと思う(まあ、賞レースからは、当然の埒外だけど)。

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公開年:1992年
公開国:アメリカ
時 間:132分
監 督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
出 演:カルロス・アレセス、アントニオ・デ・ラ・トレ、カロリーナ・バング、マヌエル・タリャフェ、アレハンドロ・テヘリア、エンリケ・ビレン 他
受 賞:【2010年/第67回ヴェネチア国際映画祭】銀獅子賞(アレックス・デ・ラ・イグレシア)、脚本賞(アレックス・デ・ラ・イグレシア)




1937年、スペイン内戦時。ハビエル少年の父は人気道化師だったが、公演中、政府軍に強制的に従軍させられ反乱軍と戦うハメに。ピエロの姿のまま鉈を振り回し、一小隊を全滅させるほどの大活躍を見せたが、力尽きて反乱軍の捕虜となってしまう。その後、ハビエルは、強制労働させられている父を救出しようとするが、失敗し、父を殺してしまう。心に傷を追ったハビエルは、父の言いつけ通りに“泣き虫ピエロ”となし、冴えない人生を送っていた。ある日彼は、人気道化師セルヒオ率いるサーカス団に入ることに。セルヒオは団の絶対支配者で、団員を服従させていたが、彼の人気によってサーカスが運営できている事実と、あまりの狂暴さ故に誰一人逆らうものはいなかった。ある時、セルヒオが団員兼愛人のナタリアに暴力を振るっている場面を目撃。ハビエルが彼女を介抱すると、2人の仲は急激に深まっていく。それに感づいたセルヒオは、嫉妬からなのかますます暴力を振るうようになり…というストーリー。

フランコ軍が大暴れする内戦時に、巻き込まれるピエロ。それが、ピエロの扮装のまま大鉈をブンブン振り回し、バッタバッタと反乱軍をなぎ倒していくというクレイジーな姿にしびれさせてもらった。これは面白いかも!と思ったのも束の間、内戦時代の話はスルっとおしまい。ハビエル少年がおっさんになった後に、時間が急激に進む。

暴君が支配するサーカス団と、純朴なおっさんハビエルの間の不協和音をずーっと聞き続けるような展開。その不協和音の発生元は愛人ナタリア。セルヒオに支配されてるのかな?と思いきや、実は暴力を振るわれながら犯されるのが、嫌いじゃない女。ただ、普段はあまりに暴力的すぎてうんざりしてるもんだから、物腰の柔らかくて何でも言うことを聞いてくれるハビエルと一緒にいるのも気分がいいな…と。うまいこと両方と付き合おうとしているクソ女。
もちろん、純朴おっさんのハビエルが、そんなことに気付くはずもなく、セルヒオと別れるべきだ!と真剣に考えちゃう。

そこからハビエルは暴走しはじめて、セルヒオを襲撃し瀕死の重傷を負わせてしまい、そのまま逃走。つっ裸で森に逃げ込み野人のような生活を送るという謎の展開に。ここで彼は気が狂ってしまった模様。一方のセルヒオも、命は落とさなかったものの二た目と見られない顔になってしまい、もちろんまともにピエロをやることも敵わず、こちらはこちらで凶暴性を増していく。なんつータイトルの作品だ…と思っていたのだが、本当にタイトル通り、2人にピエロが狂ってしまい、最後に決闘するという内容なのだ。

その後、両者はクレイジー度を増していくのだが、思い出したように、反乱勢力(元政府軍なのかな?あまりスペイン史に詳しくないし時代が微妙だからなんともわからん)が登場。内戦当時のハビエルの父を知っている人間とかが出てくる。私がこれは面白いと思った内戦時のエピソードは、単にハビエルが、父の狂気を引き継いでいるのだ!という設定のためだけだった模様(なんという無駄というか中途半端な演出だろう)。

特にハビエルの狂気は突き抜けてしまい。顔に刃物や熱したアイロンで傷とつけて“泣き虫ピエロ”を刻み、銃を乱射しながら街に繰り出すという展開に。この辺から話がぐちゃぐちゃになっていく。

最後には決闘するわけだが、いつのまにナタリアは、体に布をあんなにグルグル巻きにしていていたのか?とか、あのバイクのターボの人の行動に意味があったのか?単なる笑い要素だとしたら、あまりにスベってはいないか?という、大きな疑問を湧かせるオチに。

これがヴェネチア国際映画祭の脚本賞なんだよね。もうちょっとヨーロッパ史とかバックボーンが把握できていれば、ピンとくるものがあるんだろうか?

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公開年:1996年
公開国:アメリカ
時 間:109分
監 督:ロバート・ロドリゲス
出 演:ハーヴェイ・カイテル、ジョージ・クルーニー、クエンティン・タランティーノ、ジュリエット・ルイス、サルマ・ハエック、フレッド・ウィリアムソン、トム・サヴィーニ、チーチ・マリン、アーネスト・リュー、ケリー・プレストン、ジョン・サクソン、ジョン・ホークス、ダニー・トレホ 他
受 賞:【1996年/第5回MTVムービー・アワード】ブレイクスルー演技賞(ジョージ・クルーニー)



脱獄した兄セスと、それを手引きした弟リチャードのゲッコー兄弟は、銀行を襲撃して女性銀行員を人質にとり、メキシコを目指して逃走中。途中でモーテルに潜伏することにしたが、セスが目を離した隙に、頭がイカレぎみのリチャードが人質を強姦した末に惨殺してしまう。新たな人質を探すハメになった二人は、同じモーテルに宿泊していた家族に目をつけ、親子3人を拉致するのだった。拉致されたのは、元牧師の父親ジェイコブ・フラー、19歳の娘ケイト、16歳の息子スコットで、新たな生活を始めるためにトレーラーハウスでニューメキシコに向かっている途中だった。ゲッコー兄弟は、親子をうまく使い、検問も国境もなんとか通過。そのまま、メキシコにいる仲間と待ち合わせをしている酒場“ティティ・ツイスター”に向かうのだったが…というストーリー。

前半は、ゲッコー兄弟の底なしの凶悪さと、彼らから逃れるためのフラー一家の静かな攻防が見ものの作品。タランティーノにハーヴェイ・カイテルだもの、いかにもな雰囲気だ。普通に考えたら、このまま犯罪者との心理戦が繰り広げられるお話だと、だれでも思う。しかし、後半でまったく別のお話になる。いや、もう別の作品をむりやりくっつけたんじゃないかと思うレベルである。

『グラインドハウス』のロバート・ロドリゲスだから、狙いなんだろうけど、それにしてもなかなかヒドい。後にも先にも、こんな構成の映画はないと思う
大蛇を巻いた踊り子の登場がその変わり目。その踊りがエド・ウッドの『死霊の盆踊り』を彷彿とさせる。まあ、たしかに、そのくらいの“大事故”が発生する予兆としてはふさわしい。

まさかまさかの展開を、ものすごいスピード感で!っていうのが、このシナリオのコンセプトか。でも、もう、まともに説明する気力が失せる(笑)。
バンパイア相手に突然活躍しはじめる、おっさん二人、だれやねん。リチャードのケイトへの執着とか、伏線回収する気なんか一切なし。投げっぱなし。
ジュリエット・ルイスはこういう下卑た作品に本当にお似合いだが、弟がキム・ジョンウンにしか見えない(笑)。

ラストで、ティティ・ツイスターが、会談ピラミッドでした…みたいな描写で終わるんだけど、だからなんやねん!!って感じ(笑)。

どうでもいい話だけど、耳目を集めるような会話をつくらせたら、世界一。お友達同士で部屋飲みしながら、観るには最高の作品だろう。でも勘違いしないでね、クソ映画だから。でもクソ映画という罵倒がホメ言葉になる作品。そして、ジャンル別けが極めて困難な作品。
#ダニー・トレホ細い。

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プロフィール
HN:
クボタカユキ
性別:
男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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