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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:112分
監 督:アラン・テイラー
出 演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストン、アンソニー・ホプキンス、ステラン・スカルスガルド、イドリス・エルバ、クリストファー・エクルストン、アドウェール・アキノエ=アグバエ、カット・デニングス、レイ・スティーヴンソン、ザカリー・リーヴァイ、浅野忠信、ジェイミー・アレクサンダー、レネ・ルッソ、アリス・クリーグ、クライヴ・ラッセル、ジョナサン・ハワード、クリス・オダウド、スタン・リー、トニー・カラン、ベニチオ・デル・トロ、クリス・エヴァンス 他
ノミネート:【2014年/第23回MTVムービー・アワード】ヒーロー賞(クリス・ヘムズワース)、シャツなし演技賞(クリス・ヘムズワース)、フェイバリット・キャラクター賞(トム・ヒドルストン)
コピー:「ロキよ、お前の最後のチャンスだ。――私とともに、地球を救え」


ニューヨークに大打撃を与えた“アベンジャーズの戦い”から1年が経過。ソーとの音信が途絶え喪失感に襲われていた天文物理学者のジェーンのもとに、ロンドンで原因不明の重力異常が発生したとの情報が入る。調査を始めたジェーンは、とある倉庫の中の空間の一部が、どこかの異空間と繋がっているような状態であることを発見する。強い興味を抱いた彼女は、迂闊にも自らその空間の中に入ってしまう。一方、愛するジェーンの動向を常に監視していたソーは、彼女が地球から消失したことに驚き、地球へ急行。ジェーンは不思議な空間から自力で戻ることができたものの、感覚以上の時間が経過しており、さらに自分の体に謎の力が宿っていることに気付く。心配したソーは、彼女を神の国“アスガルド”へと連れて行く。調べると、彼女に体に全宇宙を闇に変える恐るべき力“ダーク・エルフ”が取り込まれいることが発覚する。その力が、かつて闇の力で宇宙を支配しようとして失敗し、今は封印されている闇の王マキレスを呼び寄せてしまい…というストーリー。

『アベンジャーズ』の戦いから1年という設定。前作の『マイティー・ソー』の続きというならわかるのだが、『アベンジャーズ』の後の世界がこれか?という違和感。お祭り騒ぎが、すっかり個々の作品の足枷になってしまっているな…と。
“アベンジャーズの戦い”の時に、なんでジェーンに会いに来なかったのかの説明に必死になっている説明的なシナリオが、結構ダサいのだが、それでも、粗忽なソーの言い訳をキャラの良い味付けに転じさせているところは、ウマいと思う。
絶対続編なんか作られんだろ!と思っていたが、まあ、ソーのハスキー犬みたいなアホっぽさが、本作では強調されていて、憎めない奴として確立されてる感じ。

前作もそうだったが、根本的に、この作品の“あっちの世界”観が、いまいちピンとこない。ファンタジーが過ぎるせいかもしれない。しかし、2つの世界を行ったり来たりするという展開が、『ハリー・ポッター』的な面白さを生んだ。終盤のバトル自体は、実はそれほど面白くはないのだが、この“異世界交流”という設定によって、飽きずに観ることができていると思う。

妙にシリアスだった前作と比べると、コメディチックな場面も多いし、メロドラマ要素も、冒険譚的な要素も強い。むしろ、2作目になってやっと“ソーの世界”の魅力が開眼したといっても過言ではなかろう。悪い意味ではなく、ナタリー・ポートマンのアンマッチ感も、それに助力していると思う。

ロキは前作のクソキャラっぷりから面目躍如の活躍。そして、やっぱりタダでは起きない曲者ぶりの両面を発揮。どうでもいいクズキャラだったが、意外と映画史にのこるユニークキャラになっていくかも。
#浅野は、この程度の出番なら出なくてよかったかもしれない(相変わらず吹き替え音声が本人なのは好感)。

最後にデルトロまで出したんだから、当然続編はある。いや、むしろ、他のアベンジャーズさんたちのどの個別作品よりも、長く続きそうな予感をさせてくれるほど、完全にシフトアップした。いまさら、惑星直列とか田舎くさいギミックだが、そういうダサいコミック調のノリを吸収して昇華する雰囲気の作品になった(ちょっと褒めすぎかも)。とても楽しい2作目だった。

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公開年:1980年
公開国:アメリカ
時 間:111分
監 督:マイク・ホッジス
出 演:サム・ジョーンズ、マックス・フォン・シドー、メロディ・アンダーソン、オルネラ・ムーティ、ティモシー・ダルトン、スーザン・ダニエル、マリアンジェラ・メラート、トポル、ブライアン・ブレッスド、ロビー・コルトレーン 他
ノミネート:【1980年/第34回英国アカデミー賞】特別賞(ウォルト・ディズニー)
【1980年/第1回ラジー賞】ワースト主演男優賞(サム・ジョーンズ)
【1981年/第9回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭】参加作品
コピー:「フラッシュ」GO!地球の危機だ!!数千のホークマン《鷹人間》が飛び交うスーパー・スペース・アドベンチャー


ある日、突然暗闇に支配されてしまった地球。科学者たちが集められ、この異常気象の原因を調査すると、未知のエネルギーが放射されて月の軌道がずれ、皆既日食が発生していることが判明する。さらに月の軌道はずれ続けており、このままいくと10日後には地球に衝突してしまう。元NASAの科学者ザーコフ博士は、この原因となっており未知のエネルギーが、惑星モンゴから発信されていることを突き止める。これを惑星モンゴによる侵略と考えたザーコフ博士は、和平交渉をするために自作のロケットでモンゴへ旅立とうとする。たまたま乗っていた飛行機が不時着してしまった、アメフトのスター選手であるフラッシュ・ゴードンと旅行中の女性デイル・アーデンも、ザーコフ博士のロケットに同乗することに。しかし、惑星モンゴに到着したものの、皇帝ミンは極悪非道な男で交渉の余地はなく、3人は捉えられてしまい…というストーリー。

アメコミヒーロー映画 華やかりし昨今だが、このフラッシュ・ゴードンが話題になることは少ない。まあマーヴェルでもDCでもないから仕方ないけど。っていうか、生身だし。もうすでにスーパーヒーローとして有名な設定かとおもったら、ただの有名スポーツ選手なんだな。それを理解するのにちょっと時間を要する。

話が全然わからない。観ていると頭に???が浮かぶシーンがありすぎて…。ゴードンが乗っていた飛行機が墜落するのだが、その皇帝ミンとやらがギューンと飛んできてパイロットを襲っていたような。何でそんなことするの?

惑星モンゴにいくロケットなどの陳腐さを見て、ああ、こういう“ハリボテ大作”で、一周まわってアリ!!みたいなラインの作品なんだと割り切れるか否かが、すべてだ。

くだらない内容のくせに、雑多な星の種族が出てきて、それぞれの立場とか力関係、対立軸を把握しないといけない。皇帝ミン側のキャラも一枚岩じゃない、娘や息子の立場や背景も無駄に複雑。その上で、友情がどうしたとか、わけのわからん要素も入ってくるので、軽いノリで観ようとしてると、途端に頭に入ってこなくなる。

おまけに、だんだんと皇帝ミンの目的やゴードンの当面何がしたいのかわからなくなってくる。最終的に地球を滅ぼしたいのと救いたいという対立なのは判るけど、今やってることが、それに繋がっているのか意味不明になる。
同様にたくさんの女性キャラが出てくるが、彼女たちの目的も同様にわからなく、且つ顔の区別がいまいちつきにくい。衣装を変えられるとどっちがどっちのキャラか、または新キャラなのか、混乱する。

何だろう、すごく交通事故にあったような気分。目には映っているが、頭に入ってこないくらい つまらない。良いところを見つけようにも見つからない。元のマンガも知らないのでノスタルジーを感じることもできない。
“THE END?”が最高にくだらない。というかむなしい。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:125分
監 督:ジェームズ・マンゴールド
出 演:ヒュー・ジャックマン、真田広之、TAO、福島リラ、ハル・ヤマノウチ、ウィル・ユン・リー、ブライアン・ティー、スヴェトラーナ・コドチェンコワ、ケン・ヤマムラ、ファムケ・ヤンセン、イアン・マッケラン、パトリック・スチュワート 他
コピー:散ることのないサムライ。




カナダでひっそりと暮らしていたウルヴァリンことローガンのもとに、第二次世界大戦時の旧友で、現在は大物実業家となっている矢志田から使者・雪緒が遣わされる。矢志田は病床にあり、命の恩人であるローガンに一目会いたいと願っているとのこと。日本を訪れ、病床の矢志田と再会したローガンだったが、矢志田は病状が急激に悪化。矢志田は、ローガンを永遠の命から解放するという言葉を残し亡くなってしまう。その後、ローガンは矢志田の葬儀に参列するが、謎の武装集団が突如襲撃し、矢志田の孫娘マリコを誘拐しようとする。それを救出したローガンは、マリコとともに西方面へ逃避行する。次第にマリコに惹かれていくローガンだったが、一方で、治癒能力が著しく衰えており、追っ手から受けた傷により死をも覚悟する…というストーリー。

前作はウルヴァリンのビギニング物だったが、本作は、一気にジーンが死んだ後のエピソードに。幻のファムケ・ヤンセンがことあるごとに出てくる。
ほぼ、不死身でものすごく長生きだということが前作で判明したわけだが、なんと第二次世界大戦では日本軍の捕虜になっていた設定。いやいや、ウルヴァリンを捕虜にできるって日本軍ってどれだけ能力が高いんだよ(笑)。無理があるわ。
さらに、長崎で被爆…というかほぼ爆心地だというのに、その治癒能力で生き残るという設定。別にいいけど、まるで軍事施設に原爆落としたみたいな演出はやめてほしいわ。

すっかりミュータント戦争のお話だということを忘れてしまった。だって敵のミュータントがなかなか出てこないんだもん。Dr. グリーンことヴァイパーが出てくるのみ。終盤、オーバーボディ(というか皮)を剥いで正体を晒すというシーンがあるのだが、仰々しく剥いだのはいいけど、坊主頭になっただけのような気が…。ミュータントとしての小物感がハンパない。

でも、タイトルから“X-MEN”がはずれているし、わきまえてはいるのかな…と。ガッツリ日本ロケを慣行し、めずらしく日本描写もマトモだし、本当の意味でのスピンオフを目指しているのだろう。悪くない方向性。上野から新幹線にのって西にいけるのか?とか、長崎は全然 長崎の雰囲気じゃなかったとか(瀬戸内海だよね)、そんな贅沢が言えるくらいに“日本”だった。
ハリウッドのスタッフに一つ助言するとすれば、看板のフォントを何でもかんでもゴシック体にするなってことかな(ほとんどそんな看板はないよ)。
とはいえ、フィクションらしさを失うほど、しっかりした描写かというとそんなことはなくて、ヤクザはみんな超人状態だし、新幹線のパンタグラフの架線はどこ?状態だし。

TAO、福島リラとほぼ無名の役者たちは効果的だったし、いい仕事をしていたが、真田広之がまたもや残念。『サンシャイン2057』同様、けっこうポイントとなる役柄なのに、なぜか扱いがショボい。いまいち一線を超えられないのは何故なんだろうね。

肝心の矢志田の目的は何か?というオチについては、シルバーサムライもさほどグっとくる要素ではなかったし、凡庸だったと思う。
ちなみに、原作設定では、“マリコ・ヤシダ”と結婚するのだが、本作では結婚までには至らない。というか、名前と国籍だけで設定もシチュエーションも全然別。これっきりのキャラなんだろう。
#やっぱり、魅力的なミュータントをもう何人か出すべきだったのかも。

で、本作終盤の一番のワクワクポイントは、エンドロール内のマグニートとプロフェッサーX。なんだかわからないが、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』の不完全燃焼挽回してくれそうな、いい予感。期待。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:143分
監 督:ザック・スナイダー
出 演:ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン、アンチュ・トラウェ、アイェレット・ゾラー、クリストファー・メローニ、ラッセル・クロウ、ハリー・J・レニックス、リチャード・シフ、ディラン・スプレイベリー、クーパー・ティンバーライン、リチャード・セトロン、マッケンジー・グレイ、ジュリアン・リッチングス、マイケル・ケリー、ジェイディン・グールド、レベッカ・ブラー、アレッサンドロ・ジュリアーニ、ジャック・フォーリー 他
ノミネート:【2013年/第19回放送映画批評家協会賞】アクション映画男優賞(ヘンリー・カヴィル)
コピー:新スーパーマン、始動。
誰もが知るヒーローの、誰も知らない誕生の瞬間。


地球から遠く離れた惑星・クリプトン星では、高度な文明が反映した末、あらかじめ目的を刷り込んだ子供を計画製造する方法で、生命を育んでいた。星は長年にわたるエネルギー採掘のせいで、滅亡の危機を迎えていたが、そんな中、数百年ぶりに自然出産による赤ん坊が秘密裏に生まれていた。赤ん坊の父親は科学者ジョー・エルで、彼は長年エネルギー採掘を止めるように元老院に訴えていた人物。しかし、採掘を継続され、遂に星は爆発寸前の状態になる。元老院の無能さに堪忍袋の緒が切れた軍事担当のゾッド将軍はクーデターを起こし、ジョーにも協力を仰ぐが、彼は拒否。星の最後を悟ったジョーは、“コデックス”というクリプトンの秘密が詰まった物体を盗み出し、生まれたばかりの息子と一体化させ、遠く離れた地球へ息子を転送する。転送を阻止しようとするゾッドによってジョーは殺されしまうが、クーデターは元老院の反撃によって失敗に。ゾッド一派は宇宙墓場“ファントムゾーン”に追放されてしまう。しかし、その後クリプトン星は内部崩壊により滅亡してしまう。地球に到達したジョーの息子は、ジョナサンとマーサ夫婦に拾われ、クラーク・ケントとして育てられるが、徐々に超人的な能力が開眼し、日常生活に支障をきたすようになる。養父ジョナサンはクラークが人間社会に馴染めるように能力を使うことを硬く禁じてきたが、周囲の人間との違いに不安と孤独を感じながら成長した彼は、人とあまり関わりあいをもたずに放浪の旅を続けていた。そんな中…というストーリー。

地球の重力は低いのでパワーもスピードも有利な状況。それに加えて、地球の大気が体に合わないけれど、長年の訓練により克服したという設定。これが、実にリアルに感じられるくらい、主演ヘンリー・カヴィルの肉体は凄かった。おそらく長い時間をかけて作ったであろう、単なる見せ筋とは違う太い筋肉があまりにも素晴らしすぎる。さらに、赤パンツをやめるという慧眼によって、マヌケさが微塵も感じられなくなったデザインが相まって、カッコいいったらありゃしない。

スーパーマンさんが地球にきた経緯がうまく説明されていて、好感が持てる。CG技術の向上という要素も大きいけど、クリプトン星の様子にコント臭が感じられないのが良い。これまでの作品では、地球に落とされる経緯をここまでうまく説明できてはいなかった。リブートする意味があったと強く感じる。
ただ、そこまで技術があるんなら、両親も脱出できそうな気がしないでもなかったりして。また、反乱軍がすぐに鎮圧されちゃって、赤ん坊を飛ばさなきゃよかった…みたいな感じが、キン肉マンが地球に送られた展開みたいで、ちょっとニヤリとしちゃったけど。
#“S”の説明も、まあまあいい感じ。

幼少期のクラークは、無痛症で粗野な人とか、不注意な多動性障害者みたいな描写になってる。ちょっとどうなのかな?とは感じたけど、まあヘビーな生き様であることは描けていると思う。

『アイアンマン』のときもそうだたけど、“周期表に載ってない元素”って設定、アメリカ人は好きだよね。そんなの、大きいのに崩壊しない元素か、素粒子の組成レベルでからして異なる物質以外ありえないんだけど(手で持てる重さだから、大きい元素ってことはあり得ないから後者のはずなんだけど)。元素は宇宙のどこでも同じだとおもうけどね。アメリカ人って、基礎科学の知識が欠如した人が多いから、気にならないんだとは思うけど、きちんと説明しないと興醒めする日本人は多いと思うわ。一応SFだからさ。“元素”っていわなけりゃいいわけで、未知の合金とかにしておけばいいのに。

脇を固める役者が豪華すぎる。実父のラッセル・クロウだけでなく、育ての親にケヴィン・コスナーと、プロデューサーや映画会社の本気が伝わってくる。シリーズ化する気マンマンだ。
自分のアイデンティティや存在意義に悩む姿。自分の能力を隠し続け、感情を殺し続け、悪人やチンピラに手を出せないもどかしさ。それどころか満足に人助けすらできないという苦しさ。今回のスーパーマンは、ウルヴァリンに通じる魅力がある。これは、“バットマン”シリーズ並みに続くね。クリストファー・ノーラン製作でザック・スナイダーが監督。実にそれらしい作風だと思う。

じゃあ、いかにも続編の伏線ですよ…的なカットがあるのかな?と思いきや、バトルは、いきなり最終決戦の様相でフルスロットル。続編はどういう話にするんだ?と余計な心配がよぎるほど、一作入魂な感じも好感が持てた。素直に愉しめた作品。

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公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:95分
監 督:ネヴェルダイン、テイラー
出 演:ニコラス・ケイジ、イドリス・エルバ モロー、ヴィオランテ・プラシド、キアラン・ハインズ、クリストファー・ランバート、ジョニー・ホイットワース、ファーガス・リオーダン 他
ノミネート:【2012年/第33回ラジー賞】ワースト主演男優賞(ニコラス・ケイジ『ハングリー・ラビット』に対しても)、ワースト・リメイク・盗作・続編賞
コピー:そいつは俺の中にいる
制御不能、地獄の炎で悪を滅ぼせ


父親を死から救うために悪魔と契約し、ゴーストライダーとなった男ジョニー・ブレイズ。本人の意思とは無関係に、怒りや憎しみの感情が増すと、ゴーストライダーに変身してしまい、そのことがジョニーを苦しめ続けていた。そんな中、僧侶モローから、悪魔との契約によって生まれた少年ダニーを守って欲しいと依頼される。ダニーは、魔界の王メフィストが、次の人間体の器として狙われているとのこと。今、憑りつい人間の体が崩壊しつつあり弱体化しているメフィストが、ダニーの体に乗り移れば力は極大化し、世界はメフィストの手に堕ちてしまう。しかも、メフィストは、ジョニーを騙して契約しゴーストライダーにした、あの悪魔だった。モローは、ダニーを助けることができれば、ジョニーの呪いを解くという。意を決して、宿敵メフィストの陰謀を阻止するために、ダニーに接触するジョニーだったが…というストーリー。

前作『ゴーストライダー』のレビューの時に、別の監督でリメイクしたら面白いとは描いたが、続編を作れとは言っていない(笑)。

アイアンマンの方は『アベンジャーズ』で盛り上がったが、同じマーベル・コミックのゴーストライダーは蚊帳の外。っていうか、アベンジャーズ祭の最中に、わざわざこんな続編を作る必要ないでしょ。マーケティング的に意味不明。前作で書いたけど、ゴーストライダー自体はただの骸骨だから、ダークヒーローとしても格好悪いのよ。動いても所詮骨格のみだから、表現にも限界があるし。
#アクションのCG部分については、レベルダウンしたようにも思える。

“2”となってはいるが、前作ではメフィストのしもべ同然に行動していたのに、今回は完全に忌避・対立する関係に。肝心の契約関係の根本設定がズレてしまったように思える。やっぱり、なんで、メフォストがダニーと契約したのか、意味がボケている。

ライダーに変身してしまいそうになり、苦しみ、変身しかけたり戻ったりの表現は、なにか陳腐。また、ダニーとその母親という、ジョニーがシンパシーを感じられる存在を登場させて、それを守るという展開が、いささかチープ。前作でも恋愛ネタがなかったわけではないけれど、お互いの正体を知った上の恋愛、それも子持ちの女性との恋愛は、いまいち盛り上がりに欠ける。
ダニーとその母親もバトルに参加するが、二人は所詮生身なので、見栄えもしない。僧侶さんも前半はなかなかの戦闘っぷりだったのに、後半は出てこないし。ヒーロー物がよくわかっていない監督さんなのかも(『アドレナリン』の監督さん)。

ラストも“天使の要素がちょっぴりあったんやぁ”的な、無理矢理な勝ちパターン。それを持ち出しちゃったら、なんでもアリの無双状態になってしまうけど、それでいいんか?この展開を使ったら、続編は無理じゃないか?(できるとも思っていないか…)。

せめてバトルシーンで興奮させてくれれば良かったんだけど、そうでもないし。ギリギリ凡作ってレベル。ニコラス・ケイジの“アメコミ愛”も前作ほど伝わってこず。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:133分
監 督:シェーン・ブラック
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、ガイ・ピアース、レベッカ・ホール、ステファニー・ショスタク、ジェームズ・バッジ・デール、ジョン・ファヴロー、ベン・キングズレー、ウィリアム・サドラー、デイル・ディッキー、タイ・シンプキンス、ミゲル・ファーラー、ショーン・トーブ、ビル・マー、ジョーン・リヴァーズ、スペンサー・ギャレット、トム・ヴァーチュー、レベッカ・メイダー、スタン・リー、マーク・ラファロ、ポール・ベタニー 他
コピー:「さらば――アイアンマン。」
 「アベンジャーズ」の戦いから1年。――すべてが変わってしまった。

人類滅亡の危機を救った“アベンジャーズ”の戦いから1年後。その戦いで心に深いダメージを受けたトニー・スタークは、見えない敵に怯えて、アイアンマンのスーツを次から次へと開発していたが、それでも心が休まることはなく、悪夢や発作に襲われ、普段でもスーツを着用するまでに。その頃、“マンダリン”率いるテロリスト組織テン・リングスによる連続爆破テロが発生。マンダリンは、電波ジャックによる犯行声明で合衆国政府を挑発。ローズ大佐は、改良型ウォーマシンの“アイアン・パトリオット”を装着し捜査を進めていたが、まったく犯人の正体がつかめない。そんな中、トニーの恋人ポッツの元に、巨大シンクタンクの主催者キリアンが現れ、人間の脳の未使用領域を活性化し、能力を向上させるウイルスの研究を共同で行わないかと提案してくる。軍事転用の可能性を嫌ったポッツは提案を拒否。キリアンの行動を不審に感じた警備主任のホーガンは尾行を開始。怪しい取引の現場を押さえると、一帯が突如爆破。一般人を巻き込み大惨事となり、ホーガンも意識不明の重態となってしまう。キリアンとマンダリンが繋がっていると確信したトニーは、自宅の住所を公表し、マンダリンに宣戦布告するのだったが…というストーリー。

2と3の間に『アベンジャーズ』が挟まるだけならいざしらず、『アベンジャーズ』のラストが、がっちり本作の内容のベースとなっており、観ていないとさっぱりわからない(ハズ)。アイアンマンを3まで観ちゃうような人は、マーヴェル好きに決まってるんだから、当然『アベンジャーズ』も観てるでしょ?という、なんとも豪腕シナリオである。
#本作の配給はディズニーだったりする。今、ディズニーが関わると豪腕マーケティングでイケイケになっちゃうのかな。
元々、精神を病みぎみのトニー・スタークだったが、『アベンジャーズ』での経験で完全に病んでしまう。そりゃ、宇宙から飛来した神様と戦い、死ぬ目にあって間一髪で助かった人だもの、病んで当然ではある。

(ちょっぴりネタバレあり)

その設定は良いとしても、ストーリーが煩雑すぎる。あらすじを書くと判るのだが、非常に筋をまとめにくい。むやみにこねくりまわされているのが良くわかる。キリアンの後を追ったホーガンが被害に遭うのだが、その時点では一連のテロに巻き込まれたのだとトニーは考え、マンダリンに宣戦布告するわけだ。キリアンとマンダリンが繋がっていることを観客は判っているが、トニーは判っていないという状況。モヤモヤするけど、ドキドキはしない、あまりおもしろくない演出に思える。
また、宣戦布告中にトニーの家に現れる女性マヤ。過去の経緯との絡みを考えるとキャラクターの存在意義はあるが、役割的にうまく使いきれておらず、そんな扱いで終わらせるなら、出さないほうがマシだったように感じる。

スーツがリモート機動できることが、一つのストーリー上のポイントになっている。荒唐無稽と思いつつも、一番盛り上がるのが、飛行機から投げ出された13人をトニーが救うシーンだろうね。遠隔操作っていう設定は、そのシーンについては生きている。対して、最後の旧機種勢ぞろいが、そのせいで味気ないものになってはいないだろうか。

コピーにある“さらば”の意味は、現代の医学では取り出し不可能といわれていた、胸に埋まっている金属を今回のラストで取り出すから。科学は進歩している…的なもっともらしいナレーションが入るわけだが、正直、そんな設定忘れていたね。
元々、胸で発光している電磁石は、取り出せない金属の破片を固定しておくためのもの。別にローズ大佐は生身でスーツを着ているわけだし、トニーの胸にそれが埋まっていなきゃいけない理由はすでに無い。だから、トニーの胸の金属を取ってしまったからって、アイアンマンよさようなら…ってわけでもないので、どうでもいいエピソードになってしまったのは残念。今回の戦闘によって、取り出さざるを得ない展開になって、一か八か…のほうが面白かったような…。
#もし『アベンジャーズ』の続編ができるとしてら、アイアンマンは別の人が装着する流れかな。

テロ攻撃はフェイクですっかり騙されるアメリカ。まあ、そこにベン・キングズレーを持ってくるもんだから、観ている方も騙される贅沢な配役だけど。今のシリアへの対応を見ていてもわかるように、“弱いアメリカ”は既定路線。映画は社会を写す鏡だな…と痛感する。

この手の作品で、私はいつも言っているけど、敵が弱そうだとダメ。燃えるおっさんキリアンはラスボスとしてはイマイチ。あの状態でアイアン・パトリオットを装備して、燃えるアイアン・パトリオットで戦えば、見映えしたのに。

エンドロール後のオマケシーン。トニーがカウンセリングを受けているんだけど、相手の先生は居眠りしてるわけ。その先生って、ハルクに変身する博士ね(『アベンジャーズ』に最後でトニーの命を救ったのがハルクだからね)。覚えてないよね、普通。

まあまあの満足度。シナリオはもうちょっとすっきりブラッシュアップさせるべきだったかな。

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 image0751.png 公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
出 演: ベン・アフレック、ジェニファー・ガーナー、コリン・ファレル、マイケル・クラーク・ダンカン、ジョン・ファヴロー、ジョー・パントリアーノ、デヴィッド・キース、スコット・テラ、リーランド・オーサー、エレン・ポンピオ、レニー・ロフティン、エリック・アヴァリ、ケヴィン・スミス、ポール・ベン=ヴィクター、ジュード・チコレッラ、ケイン・ホッダー、スタン・リー 他
受 賞:【2003年/第12回MTVムービー・アワード】ブレイクスルー演技賞[女優](ジェニファー・ガーナー)
【2003年/第24回ラジー賞】ワースト主演男優賞(ベン・アフレック:「ジーリ」&「ペイチェック 消された記憶」に対しても)
コピー:レーダーセンス覚醒!彼には、見えない悪が見える。
昼は盲目の弁護士 夜は正義の使者=デアデビル

ニューヨーク。12歳のマット・マードックは、かつて名ボクサーだったが今は落ちぶれている父親ジャックと二人暮らし。ある日、尊敬していた父親が取立屋をやっている姿を見てしまい、ショックで闇雲に走っていると、放射性廃棄物の容器が破損する事故に遭遇。液体を目に浴びてしまい失明してしまう。しかしそれ以来、聴力など他の感覚が鋭敏になり、周囲の物事を詳細に把握できる超感覚“レーダー・センス”の持ち主となる。息子の失明の責任を感じたジャックは、闇試合ながらもボクサーに復帰。息子のためにも汚いことはやらないと誓った彼は、持ちかけられた八百長を無視するが、そのせいで殺されてしまう。父の死により世の中の悪を強く憎むようになったマットは、成長し弁護士になるが、その一方“デアデビル”に扮し、犯罪者に制裁を加えるのだった。そんなある日、カフェで出会った女性エレクトラに心惹かれるのだったが…というストーリー。

レーダー・センスという能力も、コスチュームも、なかなか好きで、もうちょとマシな内容にまとめられなかったものか…と残念に思っている作品。ベン・アフレックはアメリカ人に大根役者として叩かれまくりだが、普段は吹きかえに観るし、源音声を聞いても英語なのでニュアンスがよくわからんし、そこまでヒドいとも思えないんだが…。

マット少年が失明し視神経に影響を受けることを表現したシーン。ビリビリと視神経に強い刺激が走る様子を表現しているのだが、本当は視神経だけでなく脳の他の部分にも影響を与え、レーダー・センスを獲得するに至る…という趣旨なのだが、ただた痛々しく感じる。
液体を浴びたときではなく、ベッドで昏睡している時に、その表現にすればよかったのに。

アメコミ原作に忠実に作ったのか、あまりキャラを乖離させてはいけないと考えたのか判らないが、色々中途半端。後にエレクトラ単独でスピンオフしたことを考えると、原作でもエレクトラは生きているのだろう。でも、本作だけを考えれば、中途半端に死をぼやかすのはおもしろくない演出。キングピンへの怒りの根源だったはずだが、鑑賞後の盛り上がった気持ちが折れる。だから、父親の仇という流れにせざるを得なくなるわけだが、やっぱり気持ちの軸がブレる。

キングピンを殺すのやめるマットだったが、キングピンがマットが正体であることをばらせば、盲目の人間にやらられたと噂になる…といって口止めする。うーん、そんなの口止めになるかね。この対決の様子を知るのは二人だけなんだから、マット以外にも別に人間がいたとかいえばいいだけの話じゃないか。全然してやったりじゃなくて、モヤモヤする。

一人怪演で気を吐いていたのがブルズアイ役のコリン・ファレル。彼のユニークな演技がなければ、本作はグダグダだったろう。そんな彼の演技も、締りの無い対決…というか、これまでのキャラクターから逸脱した言動に変貌してしまい、いまいちノリが崩れてしまうラストバトルに。稚拙な演出の餌食になってしまう…。

でも、もう一度言うが、私はこのデアデビルといくキャラクターが好き。『ハルク』⇒『インクレディブル・ハルク』の例があるし、もう一度映画化してもらえないものだろうか…。現在の映像技術で表現したレーダーセンスを観てみたい。3Dとかでね。

 

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image2030.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:144分
監 督:ジョス・ウェドン
出 演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、トム・ヒドルストン、クラーク・グレッグ、ステラン・スカルスガルド、コビー・スマルダーズ、グウィネス・パルトロー、サミュエル・L・ジャクソン、パワーズ・ブース、ハリー・ディーン・スタントン、アシュレイ・ジョンソン、スタン・リー、イエジー・スコリモフスキ、ポール・ベタニー 他
ノミネート:【2012年/第18回放送映画批評家協会賞】視覚効果賞、アクション映画賞、アクション映画男優賞(ロバート・ダウニー・Jr)
コピー:日本よ、これが映画だ。

ニック・フューリー率いる国際平和維持組織シールドの基地にて四次元キューブの研究が極秘に行われていた。しかし、突然キューブは制御不能に陥り、別世界への通路を開いてしまい、神々の国アスガルドを追放され、地球支配を目論むロキが現れる。ロキは、シールドのエージェントであるホークアイとセルヴィグ博士の心を乗っ取り味方につけ、キューブを強奪して逃走する。ロキの目論見を悟ったフューリーは、一度は断念した最強ヒーローたちによる部隊“アベンジャーズ”の結成を決断。ブラック・ウィドウやエージェントのフィル・コールソンらに、ヒーローの招集を指示する。70年の眠りから覚めたキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース、インドに隠遁していたハルクことブルース・バナーを召集し、ドイツで異世界の扉を開こうとしているロキのところへ向かうが…というストーリー。

『アイアンマン』をはじめ、個別のヒーロー映画を作り、エンドロールでニック・フューリーを出し続け、前フリに前フリを重ねて、いよいよのクライマックス。まるで、すんごく楽しみにしていたように思うだろうけど、一切劇場で観ていない。その程度の期待度。
こういうアクション作品は吹き替えで観ることにしているのだが、いきなりサミュエル・L・ジャクソンの竹中直人の吹き替えでずっこけた。合ってない…というか竹中直人丸出し。なんかイマイチだなと思っていたらスカーレット・ヨハンソンも米倉涼子だし…。ただ、宮迫博之のホークアイは違和感無かった。違和感ないし宮迫であることすら一切気にならなかった(あんまり喋らないキャラだからかな)。

敵の親玉が、ソーの弟ロキというのがなんとも。『マイティ・ソー』を観ていない人は経緯がよくわからんし、観ている人は彼が結構な小物なことがわかってるので、アベンジャーズ全員で相手にできるようなタマじゃないことが判っているので不安になる。本作を観る前に、全部を観直そうかと思ったが、時間が無かったのでやめたんだけど、博士とか、キューブとか、肝心な部分のすべてが含まれているので、『マイティ・ソー』だけは観ておいたほうがいいかも。

ロキじゃ役不足だと思っていたが、その小物っぷりを逆に発揮した姑息な作戦で、なかなか面白かった(仲間割れ作戦を)。でもやっぱ、中盤はグダグダになっちゃう。そうなったら、あとはフルスロットルのバトルにしちゃえばいい。トニー・スタークはふざけたことを言ってりゃいい。キャプテン・アメリカはまじめにやってりゃいい。ハルクはいいところででてきてあばれりゃいい。ただ、キャラクターを動かしてりゃなんとかなる。まあ、予想どおりの“東映まんがまつり”だ。
どう考えても“神様”との戦いじゃ、人間に勝ち目がなさそうなんだけど、生身のブラック・ウィドウやホークアイでも、それなりに勝負できてるのが変…っていうか微笑ましいっていうか。派手ではあるけど、いまいち弱っちいから、結局、真の敵“人間”のお出ましになっちゃう(まあ、それはそれでいいんだけど)。
向こうの世界から出てきた、ドラゴンなんだかムカデなんだか、そんな戦艦は、仮面ライダー好きが見たらクライシス帝国かよ! って思うところ(仮面ライダーBLACK RXは、アメリカでも放送されていたから、案外、影響を与えていないとも言えないんだけど)。

やっぱりロキは小物で、ハルクにボコボコにされるのは、とっても面白い。結局さいごはしょぼ~んって感じで連れ戻されるとかコメディである(たくさん人死んどんねんで!?笑)。マーベルの漫画はあんまり詳しくないから、エンドロール後に出てきた赤い猿みたいなのが、何なのかしらない。続編をやるつもりなのかもしれないけど、このキャストをもう一回集められるかなぁ。それに、続編やる気ならコールソンは殺さないでほしかったな。いい味だったのに。
エンドロール中のアベンジャーズ全員はダイナーでぼーっと飯喰ってるシーンは、おもしろかった。あれがやりたくて、この映画つくったんじゃないかと思うくらい。

海外に比べると、日本の興行収入はいまいちだった模様。「日本よ、これが映画だ。」というコピーを聞いて、何か観る気が失せた人もいたと思うけどね。まあ、個々のヒーローに思い入れはないわけで、日本の“大きな子供”の興味の範囲じゃないってところも大きいかもしれない。今後も単独でシリーズ化できるのは『アイアンマン』だけしかない。他は人間体のキャラが弱いよね。
まあ、予想どおりの、何も考えずに楽しめる作品。

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image2014.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:164分
監 督:クリストファー・ノーラン
出 演:クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、ゲイリー・オールドマン、アン・ハサウェイ、トム・ハーディ、マリオン・コティヤール、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、モーガン・フリーマン、マシュー・モディーン、アロン・モニ・アブトゥブール、ベン・メンデルソーン、バーン・ゴーマン、ジョシュ・スチュワート、ジュノー・テンプル、ジョン・ノーラン、ネスター・カーボネル、キリアン・マーフィ、リーアム・ニーソン、ジョシュ・ペンス、トム・コンティ、ウーリ・ガヴリエル、エイダン・ギレン、ブレット・カレン、ダニエル・サンジャタ、レジー・リー、クリス・エリス、デヴィッド・ダヤン・フィッシャー、ウィル・エステス、ブレント・ブリスコー、デズモンド・ハリントン、ロバート・ウィズダム、ロニー・ジーン・ブレヴィンズ、ウィリアム・ディヴェイン、ジョーイ・キング 他
コピー:伝説が、壮絶に、終わる。

トゥーフェイスこと検事ハービー・デントの罪を一身に被り、バットマンがゴッサム・シティから姿を消してから8年。ゴッサムは、貧富の差や汚職が蔓延しているが、デント法により組織犯罪が一掃されが、表面的には平和な社会となっていた。ブルース・ウェインは、エネルギー開発に携わりながら隠遁生活を送っいたが、ウェイン邸で開かれたチャリティパーティーのさなか、謎の女によって母の肩身の首飾りとブルースの指紋が盗み出されてしまう。盗み出した女はセリーナ・カイルという盗人だったが、その背後にラーズ・アル・グールに関わりのあった傭兵・ベインの姿が浮かび上がる。ベインに対抗すべくバットマンへの復帰を目指し始めるブルースだったが、彼に普通の生活を歩んで欲しい執事アルフレッドは、彼の元を去る決心をする。さらに、ベインによる証券取引所襲撃によって、ブルースは財産すらも失ってしまい…というストーリー。

前作『ダークナイト』の出来映えが、あまりに神レベルで、三部作としてきちんと締められるのか不安なるほどだったが、TVドラマを映画にまとめたんじゃないかと思えるほどのボリュームで補った感じ。ベインがラーズ・アル・グールの関係者だということで、間接的に渡辺謙の存在も思い出される。
プラスチック爆弾を流し込むの意味とか、よく考えると「は?」なんだけど、説得力だけはものすごくあるので、観客はなぎ倒される。映画はこれでいいのだ。もう、これくらいカオス状態にしないと、前作と同じクオリティににはならない。でも、2時間半超えでも全然苦にならないんだなぁ、これが。

敵がいっぱいでてくるが、仲間になりそうだったキャットも裏切るし、最期まで回り全部が敵だらけ。基本的に彼が守ろうとしているゴッサムの市民まで全部敵だからなぁ。味方であることは確かだけれど、アルフレッドは離れていくし、モーガンフリーマン演じるフォックス社長だって、絶対的に有能じゃないし。とにっかく孤独なヒーロ像が追求されているところが凄くよろしい。

アン・ハサウェイはどうかなぁ…とちょっと疑問符付きだったけど、蓋を開けたらどうしてどうして。以外に動きの激しいキャラクターもできるじゃないか。見事なツンデレ。でも、自分の過去を消したいがために、そこまでやるか?て感じで、自分が別人に成りすましたほうが早いような気がするけどね。設定上の唯一の穴は、そこくらいだ。

地下牢獄からの脱獄のくだりが、ただの“根性”話になっちゃってるのは、ご愛嬌。その子供がベインなのか? 子供が脱獄したときにはマスクしていないんだから、違うんじゃね? とか、その辺の仕掛けも悪くなかった。正義のヒーローの孤独像にもうまく繋がっている(いや、女運が悪いだけか?)。

ラスト20分のワクワクが止まらなかった。どう考えても、ジョセフ・ゴードン=レヴィット演じる彼がアレになるんでしょ?と思って見続けたけどうはならなくて、「な~んだ」とすっかり忘却した後に、“本名”って~!!! スカしっぷりが最高。アルフレッドの夢も叶えて、めでたしめでたし。横にもさりげなくキャットがいて、たぶんルパンと不二子ちゃんみたいな関係なんだろうけど。

この三部作で終わらせないでおくれよ! そういう思いでいっぱいになった。今年観た作品の中で、一番ワクワクして、思わず「おもしれ~~!!」って叫んでしまった作品。超お薦め。

 

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image1856.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:124分
監 督:ジョー・ジョンストン
出 演:クリス・エヴァンス、トミー・リー・ジョーンズ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ヘイリー・アトウェル、セバスチャン・スタン、ドミニク・クーパー、トビー・ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ、ニール・マクドノー、デレク・ルーク、ケネス・チョイ、リチャード・アーミテージ、JJ・フィールド、ブルーノ・リッチ 他
コピー:なぜ彼は、世界最初のヒーローと呼ばれたのか――。


1941年。ヒトラー率いるナチスドイツに押され、ヨーロッパは危機を迎えていた。アメリカは連合国側として多くの兵士を派兵していたが、愛国青年スティーブ・ロジャースは入隊を希望。しかし、彼のあまりにも虚弱な体は入隊基準を満たすことができず、経歴をごまかして何度も試験を受けるがことごとく不合格になっていた。そんな中、軍医アースキン博士から、ある特別なプロジェクトに参加することを条件に、入隊の誘いを受けるスティーブ。晴れて入隊した後、“スーパーソルジャー計画”の被験者第1号となるが、実験は見事に成功。彼は超人的な肉体と運動能力を獲得する。しかし、その実験に紛れ込んでいたナチス内の一派の“ヒドラ党”のスパイによって、博士は暗殺され装置も破壊されてしまったため、計画は頓挫。後ろ盾を失ったスティーブは、彼の意に反して軍のマスコット“キャプテン・アメリカ”として、戦時国際のキャンペーン活動に利用されてしまうのだたが…というストーリー。

ある意味、キャプテン・アメリカさんも『ハンサム★スーツ』みたいなもんなんだけど、変貌と遂げる主人公の心根が違う。ここは重要。

単なるコンプレックスや虚栄心なんじゃないか? と思われそうなるけど、あくまで、他人のために尽力したいという純粋な人なのだ…というラインを決して外れることがなかったのが良い。いや、そこだけは死守しないと、アベンジャーズのリーダーとして不適格になるのがわかっていたから死守せざるを得ない。

全面戦争に突入すると何故かそれほど愉しくなくなるのも、残念。戦争が始まるまで、始まる当初はどうなっちゃうんだろうとハラハラするけど、いざ開戦してしまうと、打算と虚しさと傲慢さしか見えてこないのは、実際のアメリカさんの戦争と一緒。107連隊とやらの恨みという部分に焦点を当てるとか、これまでの緒戦についても言及するべきだったか。
また、バトルが盛り上がらないのは、敵の魅力が低いからかもしれない。もうちょっと特徴というか味のあるデザインにしてほしかった。ヒドラ党のタコさんマークのデザインなど、秀逸な部分もあったのに、そこ以外のデザインは凡庸だった。

『猿の惑星:創世記』のCGもすごかったが、本作もすごい。
クリス・エヴァンス本人は、基本ムキムキさんなので、冒頭のヒョロヒョロのほうがCGである。こういう表現をする場合は、まるごとCGだったりすることも多いのだが(『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』なんかはそういうアプローチ)、本作で演じているのは間違いなく本人。本人で撮影した後(もちろん背も低いので、頭の位置はかなり低くなるように撮影しているだろう)、体の部分をCGに置き換えている。これだけ長い時間、それも裸のシーンも多いのに、モヤシ男部分に何の違和感も感じられない出来映えに、驚きを隠せない。健全かつ善良でウブな主人公というのも、案外久しいし、ダメな子が成長していくのは、純粋に観ていて愉しいわけで、そこをまったく毀損していないだけでも優秀といえる。これを仕上げた会社の技術はズバ抜けているわ。

これで、『アベンジャーズ』に向けての準備はこれでおしまい。はっきりいってエンドロール後の『アベンジャーズ』の予告映像のほうがアドレナリンが出る。さあ、盛り上がってまいりました~!といいたいところなんだけど、日本では仮面ライダーと戦隊シリーズの合体映画のほうが盛り上がってるような気がしないでもない。それくらい一般の知名度はイマイチ。子供づれで観にいく内容でもないしね。

決してつまらなくはないのだが、アベンジャーズに向けて、置きにいった感は否めない。70年も眠っていたことに対する切なさとか侘しさとか、そういうのは表現する気すらない(徐々に理解させようとして、当時の環境を再現しておく意味がわからんし)。
まあ、アメコミに興味はない人は、観なくてもよし。興味がない人は「ふ~ん」で終わると思う。



負けるな日本

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image1831.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:114分
監 督:マーティン・キャンベル
出 演:ライアン・レイノルズ、ブレイク・ライヴリー、マーク・ストロング、ピーター・サースガード、ジェイ・O・サンダース、テムエラ・モリソン、タイカ・ワイティティ、アンジェラ・バセット、ティム・ロビンス、マイク・ドイル、ガトリン・グリフィス、ジェナ・クレイグ、ジョン・テニー、ジェフ・ウルフ 他
コピー:彼らの“光(リング)”が宇宙の“闇”を照らす!


太古の昔、宇宙最強の力を手に入れた不死身の種族が創設した宇宙警察機構“グリーン・ランタン”。彼らは、万能武器“パワーリング”の意思により様々な星から選抜され、その戦士たちが宇宙の均衡を守っていた。しかし、戦士アビン・サーによって封じ込められていた悪の存在パララックスが力を取り戻す。その復讐によって深手を負ったアビン・サーは、自らの意思と能力を引き継ぐ後継者を捜すために旅立つ。そして瀕死のアビン・サーが到達したのは地球。パワーリングが後継者として選んだのは、腕前は一流だが自信過剰で我侭な戦闘機テスト・パイロット、ハル・ジョーダン。後継者に役目を託した後、アビン・サーは息を引き取り、その能力はハルに引き継がれるのだったが…というストーリー。

『アイアン マン』とか『キャプテン・アメリカ』さんたちが所属するマーヴェル・コミックのアベンジャーズとは違う、DCコミックの“ジャスティス・リーグ”のヒーローさん。別の出版社で、同じようなヒーロー大集合みたいなことをやって競ってるんだね。正直、さほどおもしろいとは感じないけど。歴代仮面ライダーとかウルトラマンが大集合って、しょっちゅうやられても飽きるでしょ。

で、マーヴェルがアベンジャーズ大集合で壮大に盛り上げようとしているときに、わざわざ本作をぶつけてくるくらいなので、よほど面白くする自信があるんだろうな…と思ったのだが、拍子抜け。

根本的に、グリーン・ランタンという宇宙を守っている組織自体が、あまり魅力的に見えない。彼らが日々、何千人もガンクビ揃えて、何と戦っているのかもよくわからないし、地球人を散々馬鹿にする割には、ハルの仲間(というか訓練役とか案内役)のメンバーが、人格的にも能力的にも優れているようには見えない。挙句の果てには、ちょっとしたことをするだけで躊躇して、ポっと出の地球人に咎められる始末。その一歩踏み出す気持ちこそ、パワーリングが選んだ理由…とかいわれても、既存のメンバーが融通が利かないだけじゃん…としか思えない。だから、ハルが成長した伸びしろも小さくて、主人公の成長・変化があまりないというヒーローものとしては致命的な面も。

グリーン・ランタンたちに等しく与えられる能力が、イマジネーションを実体化する能力なのだが、あんな風に構造物を事細かに想像できるとは思えず、リアリティを感じない。人間のイメージなんてもっとぼんやりしたものだと思う。ましてややんちゃなテストパイロットさんが、瞬時に詳細な兵器の設計図を思い出せるとは思えないので、もっとぼんやりした具現化に留めておいたほうがリアリティがあったと思うの。
どうしても、そういう細かいことをさせたかったら、テストパイロットもやっているけど、同時に開発の能力もあって普段から設計図を描いてる…とか、そういうディテールが必要だったかも。

そういう細かい部分だけでなく、グリーン・ランタンに対峙する敵を無理やり作って、ハルが組織の中で苦労して…という流れも、強引な印象がある。グリーン・ランタンというヒーロー云々は無関係に、主人公のテストパイロットの生い立ちや葛藤がなかなか面白くて、むしろ、そのまま話を進めたほうがよかったんじゃないかとすら思うほど。グリーン・ランタンというヒーロー自体には、さほど魅力はないのを、脚本家4人が、一生懸命鑑賞に堪えうるストーリーになんとか仕上げたという感じがする。アベンジャーズさんたちと比較すると、ピリっとしない作品。

#エンドロールの途中で、ベジータハゲの先輩メンバーが、悪の力に手を出した…みたいなシーンが挟まれており、続編を作る気満々らしい。でも、このままだと難しいんじゃないかなと…。



負けるな日本

 

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image1799.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:154分
監 督:マイケル・ベイ
出 演:シャイア・ラブーフ、ジョシュ・デュアメル、ジョン・タートゥーロ、タイリース・ギブソン、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、パトリック・デンプシー、ケヴィン・ダン、ジュリー・ホワイト、ジョン・マルコヴィッチ、フランシス・マクドーマンド、グレン・モーシャワー、アラン・テュディック、ケン・チョン、ブレット・スタイムリー、ジョン・トービン、パトリック・パンクハースト、キャスリーン・ギャティ、ドリュー・ピルスバリー、ビル・オライリー、ドン・ジーンズ、ウォルター・クロンカイト、コリー・タッカー、ラヴィル・イスヨノフ、バズ・オルドリン、ジョシュ・ケリー、ミカル・ヴェガ、メレディス・モンロー、スコット・C・ロウ、シャーロット・ラバディー、インナ・コロブキナ、ピーター・カレン、ヒューゴ・ウィーヴィング、レナード・ニモイ、ロバート・フォックスワース、ジェス・ハーネル、チャールズ・アドラー、トム・ケニー、ジェームズ・レマー、レノ・ウィルソン、フランク・ウェルカー、ジョージ・コウ、フランチェスコ・クイン、キース・ザラバッカ、グレッグ・バーグ、レスター・スパイト 他
コピー: 人類は 今 立ち上がる

1969年、アポロ11号は月面着陸に成功するが、アポロ計画には別の真の目的があった。NASAは月の裏側に、地球外の知的生命体によるものと思われる落下物を発見しており、その未知のテクノロジーを入手したかったのだ。しかし、回収された物体は、現在まで封印され続ける。大学を卒業してなんとか就職したサムの会社は、オフィス機器に姿を変えたメガトロンの部下に再び襲撃される。その襲撃の裏に、アポロ11号が回収した物体が関係していることを知ったサムは、オプティマスにその事実を伝えようと、政府機関に押し入る…というストーリー。

二作目(『トランスフォーマー/リベンジ』)のアクションシーンのデキが意外と良くて、こりゃ三作目ができるな…と思ってはいたが、いくらなんでもシナリオがポンコツすぎる。

メガトロンとセンチネルに騙されて、人類は蹂躙されまくりになっちゃう。アメリカが諸外国にやってることを自分たちがやられちゃってるっていう描写に見えるんだけど、そんな反省的な意味合いを娯楽映画に盛り込むなんてめずらしい。派手なアクションに紛れてシニカルな視点を盛り込むなんて、マイケル・ベイ、なかなかやるな…と思ったのだが、別にそういう意図を盛り込むつもりはなかったみたいで、すぐにパトリオットな展開になる(なんだ、行き当たりばったりのシナリオだったのか)。
急に『スターゲート』みたいな展開になるし。母星って滅びたんじゃないのか?結びつけてどうするんだろう。意味がよくわかんない。

その後のバトルは、滑って落ちてのジェットコースタームービーに。オートボットはどうでもいい感じ。途中、彼らが何を目的に動いているのかよくわからなくなり、だんだん眠くなる(いや、実際、一瞬落ちた)。これでもかこれでもかというアクションなんだけど、緩急がないから脳が飽きるの。
あいかわらず、オプティマス、バンブルビー、センチネル以外のオートボットは、誰がだれなんだか区別がつかないし。もうちょっとキャラの個性を立ててほしいんだが。

小娘の口車にのせられて、メガトロンとセンチネルの仲間割れというくだらなさ。センチネルにあれだけ苦戦しながらメガトロンには造作も無く勝利するオプティマスの都合のよさ。最期はグダグダである。

アポロ計画にまつわる諸々の疑惑を絡めた展開は悪くないけど、それ以前に、こんな切り札みたいな手があるなら、メガトロンはもっと早く実行すりゃよかったじゃ無いかって気もするが、まあ、そこは彼らもやっと見つけたんだ…ということにしておこう。
それにしても、なんか重要そうな雰囲気だけだして、ただの端役だったマルコヴィッチ。CIAのおばさんが悪役になりきれていないし、実はいいキャラってわけでもない中途半端さ。ウチの社員はみんな共和党だから…とか、そのレベルのギャグらしきものが散見されるけど、全部がくだらない。

オートボットたちのアクション(というかCG)は、前作以上にキレがいい。さすがマイケル・ベイ!とは思うのだが、本当にそれだけ。これは、劇場で3Dで観たほうがいいんじゃないのかね。映画っていうか単なるアトラクションだと思う。いっそ座席も可動式にして前から風が吹き付けるくらいの設備にして3000円とりゃいいじゃん。ディズニーランドみたいにさ。
これをお家でDVDで観たって、何てこと無いわ。新作料金で観る価値はない。おそらくラジー賞のワースト続編賞は確実かと…。



負けるな日本

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image1751.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:115分
監 督:ケネス・ブラナー
出 演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストン、ステラン・スカルスガルド、コルム・フィオール、レイ・スティーヴンソン、イドリス・エルバ、カット・デニングス、浅野忠信、ジェイミー・アレクサンダー、ジョシュア・ダラス、クラーク・グレッグ、レネ・ルッソ、アンソニー・ホプキンス、アドリアナ・バラーザ、マキシミリアーノ・ヘルナンデス、リチャード・セトロン、ダレン・ケンドリック、ジョシュ・コックス、ダコタ・ゴヨ、サミュエル・L・ジャクソン、ジェレミー・レナー、テッド・オールプレス、ジュリエット・ロペス、マット・バタグリア、ブレーク・シルバー、デール・ゴッドボルド、パトリック・オブライエン・デムジー、テリー・パークス、バディ・ソストハンド 他
コピー:神失格の男《ヒーロー》“二つの世界”の運命は彼の手に

神の世界アスガルド。オーディン王の息子ソーは、自分の強さゆえに傲慢となり、いつもトラブルを引き起こしていた。ある日、ついに王の怒りは頂点に達し、ソーは王位継承権と最強の武器“ムジョルニア”を剥奪され、地球に追放されてしまう。地球に堕ちたソーは、偶然出合った天文学者のジェーンに救われる。一方アスガルドでは、自分の待遇に不満を募らせるソーの弟ロキが、権力を握ろうと陰謀を廻らせて、オーディン王を危機に陥れる。さらに神の能力を失っているソーにとどめを刺すべく、地球に刺客を送り込むのだった…というストーリー。

日本じゃ馴染みのないキャラクター。『髪長姫』とか、アメリカでメジャーでも日本ではてんで知られていないものが、映画化されることが、最近多いような気がする。

ハーキュリーなんかもそうだけど、こういうギリシア神話っぽいヒーローや、親子や兄弟の確執話が、アメリカ人は好きだよね。日本ではこのタイプのストーリー原型は、子供のころ読むお話の中には少ないような。だから、アメリカ人はワクワクするのかもしれないけど、日本人はどうなのかな…と、ちょっと期待薄だった。

実際に、地球に堕とされるまでのくだりは、それほどピンとこない内容。しかし、期待値がが下がったせいなのか、徐々におもしろく感じてきて、最終的には、なかなか面白い仕上がりになっていたと思う。

この意外な面白さの要因は、傲慢なおぼっちゃまが、コメディ調のドタバタを見せてくれているから。『星の王子ニューヨークへ行く』とか『ローマの休日』みたいに、権力者だった人が下々の世界とのカルチャーギャップの中で、おもしろ行動を繰り広げる展開だね。それに加えてアホっぽくて憎めないキャラクターが、功を奏していると思う。このお笑いテイストが、凡庸なヒロイックムービーを救っている感じかな。

しかし、肝心のソーが改心する部分の描き方が雑。心の成長の部分をもうちょっと丁寧にかくべきだったかな(原作コミックでは、記憶も奪われて人間として転生させられるんだよね。この基本プロットの変更に対応しきれていないんだわ)。
また、魅力のある敵キャラ不在なのも、ちょっと痛いところ。敵が光っていないということは味方も光らないということ。プロレスだって、光る悪役がいてこそ盛り上がる。だから、主人公のお仲間役の浅野忠信も全然光ってこない。ジャケット画像にはドカッとまるでメインキャラのように載っているけど、全然こんな位置にいれる仕事はしていない。でも、それは浅野忠信のせいではない。本作全体のキャラクター構成が弱いおかげで、彼は割りを喰ったんだと思う。
#でも吹き替え音声が本人なのは評価する。

とはいえ、実のところ、本作単体でのデキなんかどうでもよかったりする。
本作に、『アイアンマン』に出ていたコールソン捜査官や、エンドロールの後にはサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーといった共通キャラクターも出演していることから判るように、本作は『アイアンマン』と世界観が繋がってるの。
さらに、『インクレディブル・ハルク』には、ロバート・ダウニー・Jr演じるアイアンマン(トニー・スターク)が出てるし、ニック・フューリーは『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』にも登場するみたい。

そう。これはマーベル・コミックの『アベンジャーズ』計画の一環。マーベル・コミックのヒーローたちがチームを組んで活躍するお話が、ここのところずーーっと発動中なのだ。来年公開の『ジ・アベンジャーズ』に『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ: ザ・ファースト・アベンジャー』がすべて繋がっていくんだね。
まぁ、そっちに繋がっていく前哨戦、顔見世みたいなものだと思えば、本作単体でのツメの甘さなんか、どうでもよいって所かな。

アンソニー・ホプキンスにナタリー・ポートマンと、この手の作品に出なさそうな豪華な出演陣もなかなか新鮮だし、単体としては及第点かなと。
まあ、男の子としては、『ジ・アベンジャーズ』までを一気通貫で観たくなるような、そういう方向性のモチベーションが湧く作品。






負けるな日本

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image0940.png公開年:1989年
公開国:アメリカ
時 間:127分
監 督:ティム・バートン
出 演:マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー、ジャック・パランス、ビリー・ディー・ウィリアムズ、パット・ヒングル、ロバート・ウール、マイケル・ガフ、ジェリー・ホール、トレイシー・ウォルター、リー・ウォレス、ウィリアム・フットキンス 他
受 賞:【1989年/第62回アカデミー賞】美術(監督)賞(アントン・ファースト)、美術(装置)賞(ピーター・ヤング)


汚職がはびこり悪人が跋扈する無法都市ゴッサム・シティに黒いボディスーツを着た怪人が現れる。彼は悪人たちに次々と制裁を加えては、自分のことを言いふらせと言い残して闇に消えていく。やがて“バットマン”と呼ばれはじめた怪人を、新聞記者ノックスと女性カメラマンのヴィッキー・ベールが、周囲から馬鹿にされながらも追求していく。二人はバットマンの正体をつきとめるために警察長官ゴートンを取材しようと、大富豪ブルース・ウェインでの邸宅パーティを訪れる。そこで、ヴィッキーはブルース・ウェインと知り合い、お互いに魅かれるものを感じるのだった。一方、マフィア組織の一員ジャック・ネーピアは、幹部グリソムの愛人に手を出したことで怒りを買い、罠にはめられ科学工場で警官隊に追い詰められることに。そこに突然現れたバットマンと格闘になり、化学薬品の液槽に転落してしまい…というストーリー。

『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』のリアルさに比べ、ティム・バートン版はコミカルだったという印象があった。ちょっと比較してみようと思い鑑賞。

ゴッサムシティのゴシックの暗い画調の中に、様式美ともいえるティム・バートンぽさが出ており、いい雰囲気。ティム・バートンが描く月夜は最高である。リアルとマンガの境界をあいまいにしてまとめさせたら、ティム・バートンの右に出るものはいない。
アクション作品にしてはテンポがよくないと感じる人はいるかと思うが、これはテンポが悪いんじゃなく、ティム・バートン独特のほどよいルード感。

しかし、改めて観ると、それほどマンガチックではないことがわかる。1989年から始まったバットマンシリーズ4本が、マンガチックという印象は、実は本作のせいではない。ティム・バートンが監督した本作と2作目はけっこうシリアス。役者陣がコミカルな演技を見せてはいるが、それはそういう役。実は、ティム・バートンが製作にまわった3作目からその傾向がみられ、まったく関与していない4作目(シュワちゃんが出てるやつ)で顕著になる。4作目はコミカルな効果音がつけられるなど、とにかく気に喰わない。そんなことをやっているから、シリーズもおしまいになるのだ。

『バットマン ビギンズ』の制作費が1.5億ドル、『ダークナイト』が1.85億ドルなのと比較すると、本作の制作費はたったの4,800万ドル。時代の違いを考えると単純な比較はできないが、その後の3本と比較しても極端に少ない。そこからジャック・ニコルソンやプリンスのギャラを抜いたら、実際の制作費なんかメジャー作品と考えたら極端に低い部類だろう。そう考えると、ちょっとありえないレベルのデキではなかろうか。
本作での、武器や装備を作る様子も、『バットマン ビギンズ』のそれと大きな違いはない。

本作は、バットマンというよりも、“ジョーカー・ビギニング”って感じ。主役はジョーカー。ジャック・ニコルソンの映画なんだろうな。娯楽作としては『ダークナイト』に負けず劣らずの作品だと思う。たまに観かえすとおもしろいかも愉しい作品かもしない。軽くお勧め。

しかし、DVDのジョーカーの吹き替えがデーモン小暮なのだが、申し訳ないがコレは非常にデキがよろしくない。興行の時はプロモーション的に許容するけれど、DVD化するときはきちんと声優さんに当ててもらいたいね。



負けるな日本

 

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男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
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