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公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:97分
監 督:マーク・アトキンス
出 演:コリン・ネメック、ヴァネッサ・リー・エヴィガン、ブルック・ホーガン、エリック・スコット・ウッズ、ジーナ・ホールデン 他







アメリカ東海岸沖の小島ホワイト・サンズに、町長の息子ジミー・グリーンが帰郷する。ジミーは、人口が減少して経済的に停滞してしまったこの島で、復興事業としてダンスフェスティバルを開催しようとしていた。町長を説得して、出資者を集めて準備を進めていたが、島では人間が何かに襲われる事件が続発。保安官のジョンが海洋研究所のサンディに調査を依頼すると、遺体はサメに襲われたことが判明するのだが、遺体が発見された場所がサメがやってこれるような場所ではなく、且つ誰かが遺体を運んだ形跡もないことから、敵の正体が掴めずにいた。とりあえず、ジョンたちはビーチを封鎖し、監視を強化したのだが、ビーチに客が来なくなることを恐れる島民は反発。ジミーはサメのハンターを雇い、適当なサメを捕まえて安全をアピールしようと画策するが失敗。その夜、陸地にいた町長が襲われる。“サメ”は、砂地の中を泳いて獲物を喰らう未知の生物“ビーチ・シャーク”だった…というストーリー。

ここ数か月ちょこちょこサメ映画を観ているのだが、別に好きなわけではない。宅配レンタルのリストに思いつきでいれちゃっただけ。リリースされるサメ映画が多いんだよ(ちなみに、本作はOV作品の模様)。

“ビーチ・シャーク”って邦題なのだが、ビーチに鮫がいるのはあたりまえで、原題のサンド・シャークのほうがしっくりくると思うのだが。“ビーチ”とすることでどういう効果があると思ったのか、まったく理解できない。普通の鮫パニック映画じゃなくって、未知の生物によるパニックムービーのほうが、差別化ができたはずなんだけどなぁ。日本の販売会社、無能だわ。

砂の中を泳ぐサメというアイデア以外には、特に評価する部分はない。それも、『トレマーズ』という作品が存在するわけで、新規性は薄い。おまけに、『トレマーズ』ではサンドワームが音に反応するという設定だったが、本作のサメも音に反応するという既視感っぷり。

じゃあ、人間ドラマのほうで補完するしかないのだが、そんなイヤなやつ死んじゃえー!サメ行け行け!って思えるほどの悪役も出てこない。この要素は、パニックムービーでは非常に大事なはずなんだけど、ジミー程度じゃまさに役不足。ローテク、低予算をどう補うかを真剣に考えていないのが、妙にムカつく。

古代生物?っていう設定らしい鮫のフォルムは悪くなかったんだけど、地面が水のようになる理屈がいまいちわからず、違和感満載で興醒めしてしまうという側面も。

タダで観たなら許せなくもないけど、108円だとちょっと勿体なく感じるレベル。

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公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:クリストファー・レイ
出 演:カーメン・エレクトラ、チャーリー・オコンネル、ブルック・ホーガン、デヴィッド・ガイエゴス、ジェフ・ワード 他







大学の課外授業で、クルーザーでソロモン諸島へ向かうバビッシュ教授と生徒およびクルーたち。教授は実習をさせようとするが、生徒たちはバカンス気分で日光浴を楽しんでいる。すると、船体にメガマウスザメの死骸に衝突。珍しいサメであるため、教授が引き揚げを試みるが、死骸をスクリューに絡ませてしまい破損。おまけに船底も傷つけて、浸水させてしまう。クルーのローラはSOS発信するが、衝撃でアンテナも破損し連絡できず。自力で修理をすることとなったが、その間、教授や生徒たちは近くにあった環礁島に退避することに。生徒たちは修理の役に立つであろう鉄屑を探すことに。ローラは、修理のためにバーナーをもって潜水。すると、目の前に巨大な双頭のサメが出現し…というストーリー。

生徒にプロテインの飲ませたり色々キャラクラー付けに必死なのだが、全然功を奏していない。オタク青年と海嫌いのゴツい女くらいしか、区別つかないし…って、このゴツい女の人、ハルク・ホーガンの娘か…。この手の作品じゃとても生き残れないような見た目で不自然だって感じてたんだけど、そういう事情か。残りはお色気要員で、無駄に脱ぐだけ(笑)。

誰がどうみても低予算で、B級の極み(言うまでもない)。肝心の双頭鮫のマペットが微妙にショボい。根本的に双頭だったら俊敏性が低下して逆に弱いような…というツッコミはしちゃいけないんだろうな。でも、双頭であることの強みはいくらでも表現できたはず。終盤では出てくるのだが、片方が加えて、片方がグイっと食いちぎるようなムーブ。これで効率的に処理する様子を見せたら、ものすごく怖かったと思う。まあ、双頭サメの骨格構造を考えたらそんな動作はまずできないんだけど多用すべきだったと思う。
たぶん、海に立っている2人とトップレスのおねえちゃんが同時にパクっとやられるシーンが撮りたかっただけなんだろうね。

思いつきだけで制作しているのがバレバレで、実習内容が意味不明。六分儀(?)か何かのレクチャが始まるのだが、測量関係か?船舶関係か?どうもそういう専攻の学生たちには見えない。これで、キャラ付けだけはしようっていうんだから、ちゃんちゃらおかしい。

いちいち気にしていてはいけないと思いつつ、船の修理に鉄くずが必要になるかも…じゃあ探そう!とか、よくわからんし。あれだけガッチリした環礁が、都合よく短時間でどんどん沈んでいくし。サメの海の中でガオーとかいうし。

環礁に上陸後は、とくに大きな場面転換もなく、同じペースでサメに襲われるだけ。そこは、手を変え品を変え…てな感じで、悪趣味に殺していけばいいと思うのだが、想像力が足りないのか予算が足りないのかわからないが、凡庸な死に方の連続。

唯一、過去のトラウマというキャラ付けがうまくいっていたローラだったが、特に葛藤する描写もないまま、究極的な海嫌いなのにボートレースに挑んじゃうとか。親が修理工だっていうだけで、海中で溶接しちゃうとか。

ローラのほかにマジメ系に子だけが生き残るが、監督はちゃらい人たちからいじめられてたのかな。

双頭の間が実は安全というスゴい展開を見せてくれたが、結局そのおもしろ設定も生かすことができず。最後も、なんで爆発したのか、まったくもって不明。だめだなぁ、これじゃ。

せめて、2人助かったようにみせておいて、2人だけじゃなく、救助ヘリもふくめてエンドロールの後に全滅させるくらいのことをしないと、いけませんなぁ。
観るだけ時間の無駄作品。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:88分
監 督:アンソニー・C・フェランテ
出 演:アイアン・ジーリング、タラ・リード、ジョン・ハード、キャシー・スケルボ、ジェイソン・シモンズ 他







突如カリフォルニア・ビーチにサメの大群が押し寄せる自体となり、海水浴場は閉鎖される。ほどなくして、巨大なハリケーンがカリフォルニアを襲う。ハリケーンはサメを巻き上げ、街に降ったサメが人々を襲い始める。ビーチでバーを経営するフィンは、親友のバズ、バーで働くノヴァ、常連のジョージと一緒に陸側に退避。とりあえず、フィンの別れた妻と子供たちが住む家を向かうことに。しかし、さらに水位の上がった水路をサメが上りはじめ被害は拡大。彼らの乗った車も、サメの襲撃を受ける。なんとか元妻の家に辿り着くも、事態を把握していない元妻はフィンを家に入れようとしない。そこに排水溝から飛び出したサメが出現し…というストーリー。

B級というかTVムービーなんだけど、その割には映像がしっかりしていたりする。元妻の家の中までサメが襲ってくるシーンだけはマペットだろうが(おそらく他の映画でつかったのを流用)、ほとんどのサメがCG。炎の画像処理とかは、CGアプリのプリセット動画なんじゃないかと思うレベルの物もある。大学生に毛の生えた程度の経験でもこのくらいのCGが安価で作れる時代になったということ。

地味に画面を細かく揺らしつづけていたりとか、低予算の中でできることは一生懸命やってるなという印象はする。一応、演出ポリシーというか、演出上のクセは出ていて、監督の味はだそうと必死な感じが伝わってくる。

ハリケーンや大波に巻き込まれてサメがやってくるのだが、ピンポイントで人に直撃してくるなんて、都合がいいなあ…なんて思い始めると、街にある観覧車の軸が壊れて大惨事…とか、観客の頭に疑問が沸き始めたタイミングで別のムチャクチャなシーンを挟んで誤魔化すという、なかなかの巧みさを見せてくれる。
もう、無茶に無茶をかぶせるしかないからどんどんエスカレートしていくし、翻訳のせいかもしれないが、登場人物のセリフがいちいち芝居がかっていて、実にくだらない。決して格好良いセリフになっていないところがミソ。

元妻の恋人がエラそうに悪態をつくと、すぐに食われたり、途中のスクールバスを救うシーンでは、運転手が、“年に15000ドルしか儲かっていない利益のでないボランティアみたいな仕事をしてるんだから助けてくれ!”みたいな泣き言をいっていると、救出されはするもののサメじゃない理由で死んだりとか、死亡フラグが立ったあとは、モタモタひっぱらない。それどころか、死亡フラグがたちそうな予感だけ漂わせて、ひっぱらないで殺しちゃうとか、とにかくこの監督はジェノサイドがしたいだけなんじゃないかと思えてくる。

バーの常連のおっさんジョージも、メインキャラなのかと思わせておいてあっさりサメの餌食になるのだが、このキャラクターはもっと生かすべきだった。早く退場させすぎ。何なら、後でサメの腹の中から出てきてもよかったし、少なくとも、あの“常連の椅子”だけは、どこかで生かすべきだった。これをやらなかっただけで、監督失格といってもよいくらいだ。

時間の短い作品なのだが、そのくせ無駄なシーンも多かったりする。息子の居場所に向かうために、検問を突破するシーンがあるのだが、ガンガンスピードを上げ続けて、どうすんだ?と思わせておいて、それ以上には何もなかったりする。

後半は家族愛をテーマにしはじめちゃって、主人公とノヴァのエピソードが進展する目がなくなってしまったので、ノヴァとフィンの息子の恋愛にシフトさせる。そのエピソードで傷の見せ合いっこをするシーンがある。ノヴァは子供のことにサメに襲われたんだという設定。その設定ははじめから考えられていたと思うけど、冒頭のビキニで登場したシーンではそんなヒドい傷はないんだよなぁ。パレオで隠していたとか言うんだろうけど、それにしてもなぁ…。
#親友バズも、設定を生かしきれずに、無駄死にで終了したのもトホホな感じ。

で、これでもかこれでもかと派手なシーンを連発して誤魔化し続けるんだけど、やっぱり最後には、多くの観客が疑問に思っていたことが、頭に浮かぶ。なんでサメだけがハリケーンに巻き込まれたんだ?他の魚は?どういう仕組みだ?と。もちろんその問いには答えてはくれない(笑)。
その最大の謎を無視して、監督が俺逃げ切った!とすっとぼけ顔してるんじゃないかと思えてくるようなラスト。そして、私の感想は「いやー、おもしろくなかった!」。これだけ。

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公開年:1976年
公開国:アメリカ
時 間:128分
監 督:ジョルジ・パン・コスマトス
出 演:リチャード・ハリス、バート・ランカスター、ソフィア・ローレン、エヴァ・ガードナー、マーティン・シーン、イングリッド・チューリン、ジョン・フィリップ・ロー、アン・ターケル、レイモンド・ラヴロック、アリダ・ヴァリ、O・J・シンプソン、ライオネル・スタンダー、リー・ストラスバーグ、ルー・カステル、ファウスタ・アヴェリ、ステファノ・パトリッツィ、トーマス・ハンター、アンジェラ・グッドウィン 他
コピー:生と死の分岐点 カサンドラ大鉄橋へ驀進する 大陸縦断超特急-- そこで何が起こったのか!



ジュネーブにある国際保健機構に、3人の過激派ゲリラが乗り込み、アメリカの秘密生物研究室を爆破しようとする。しかし、警備員との銃撃戦となり、一人は射殺。残りの二人は細菌の研究室に逃げ込むが、そこで伝染性の細菌の入った瓶を割ってしまい感染。さらに一人は射殺したものの、もう一人の逃走を許してしまう。緊急事態の発生で、アメリカ陸軍情報部マッケンジー大佐が事態収拾に乗り出す。逃走したゲリラは、ストックホルム=ジュネーブ間の大陸縦断列車に乗り込んだことが判明。その乗客リストの中に、有名なチェンバレン医師の名を発見。さっそく無線電話で連絡をとり、おそらく感染して満足に行動できなくなっているであろうゲリラの捜査を依頼する。ゲリラは発見したものの、すでに感染者が出ていることを知ったマッケンジー大佐は、列車の行き先をポーランドのヤノフに変更し、そこで隔離することを決定。しかし、その途中には30年も使用されていない“カサンドラ・クロス”をいう鉄橋があり…というストーリー。

閉ざされた列車内、見えない感染という恐怖、政府の手によって抹殺されてしまうかもしれないという緊張感、さらに落下する可能性の高い鉄橋と、パニック作品としての要素は盛りだくさんである。

感染や隔離される恐怖でトラブルをおこす乗客、さらにワケありの客がやらかす展開で、感染を防ぐことができるのか?という軸でストーリーは展開していく。しかし、アメリカ陸軍情報部が、乗客たちを救う気があるのか?という疑問が生じ、やがて、人間同士の不信感ゆえの対立という構図になっていく。この構図が変わっていく過程での、ジリジリとした緊迫感は特筆すべき点かと思う。

(ちょっとネタバレだが)
本作が特徴的な点は、近年の作品にはあり得ないと感じるほどの、救いの無さだと思う。単純な「あー助かったー」ではないし、破滅的なオチでもない、リアル加減(というか微妙さ)がある。加えて、黒幕ともいえる政府機関の無慈悲な行動に対しては、一切溜飲の下がらないオチ(女性研究者の人は、ぐぬぬ…となるだけで、釈然としないで退場して終わりだものね)。それゆえに、他とは一線を画す作品となっている。
同時にその予定調和の無さが、作品全体の疾走間にも繋がっているといえ、後半は一気に観てしまった感じ。悪くなかった。最後、もう少しシニカルさを漂わせてくれればよかったかも。

ただ、冷静になって考えると(というか、観終わって邂逅すると)、あれ、なんかちょっと変じゃね?と思うのも、この作品の特徴かも。
いくら命令に従う任務を帯びているからといって、車体を溶接してまで隔離状態にしている列車なのだから、無線機が壊されて連絡不能になったという状況を鑑みて、一旦停止したところで何の問題もないはず。さらに、銃撃戦をするような状況にせねばならない理由は一つもない。万が一、白服側が全員やられてしまいでもしたら、感染者が車外に出てしまう可能性もあるのだから、銃撃戦による全面抗争は絶対に避けるべきなのに。

また、国際保健機関に設けられたこの問題の対策にあたっているのが3人という不自然さ。いくら隠密に遂行したいとはいえ、数百人単位で人を動かしているんだから、いくらなんで3人(実質は大佐一人)というのは、無理があるかと。

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image1103.png公開年:1997年
公開国:アメリカ
時 間:104分
監 督:ミック・ジャクソン
出 演:トミー・リー・ジョーンズ、アン・ヘッシュ、ギャビー・ホフマン、ドン・チードル、ジャクリーン・キム 他
コピー:世界は地獄より熱く燃えさかる





民間企業による地下鉄延伸工事が進むL.A.の中心部。そんな中、中規模の地震が発生。大したことはないと考えられていたが、マッカーサー公園近くのマンホールの下から大火傷をおった作業員が這い出してくる。生存者はその作業員のみで、他の7名の作業者は死亡。工事責任者は蒸気漏出による事故だと報告するが、回収された遺体のブーツが熱で溶けているのを見たロサンゼルス郡危機管理局・局長のマイク・ロークは、別の原因を疑う。原因が判明するまで地下鉄の運行を休止するように要請するが、地下鉄事務局は拒否。業を煮やしたロークは自ら耐熱服を着て地下道に入ると、無線機が溶けだすほどの異常な高熱になっている。ロークは、カリフォルニア地質学研究所のエミー・バーンズ博士に協力を要請。バーンズ博士が自ら調査することをロークは制止したが、博士は同僚のレイチェルと共に無許可で地下道に侵入する。丁度その時、大地震が発生し…というストーリー。

突然都市部を襲う溶岩と対峙するというパニックムービー。ありそうであまり無いシチュエーションだし、噴火っていうのは色々なパターンがあるので(溶岩の粘度だけでも色々)、多少科学的に荒唐無稽だったとしても許される。時間制限という意味でも、ゆるりと迫ってくる溶岩流は、扱い易い素材に思える。何とか人力で対抗できそうな気がしてくるから、消防士や警察官たちによるブレイブストーリーに仕立て上げることも可能。無理ゲーだと思わせる状況を、知恵と勇気で切り抜けていく…という点が見せ場になってくる。

当初はクソ人間なキャラクターなのに、なぜか職業人として責任を発揮しちゃって命を落としたり、憎しみあっている人同士が協力したりとか(素行の悪い黒人と警官)、他の映画なら痛い目にあっていい気味だ…という展開になるのだが、災害を前になぜか人間の尊厳的なものに目覚めてしまうという展開が、ユニークかも。
でも、民衆の略奪シーンは、しっかり差し込まれるけどね。東日本大震災を経てこれを観ると、やっぱり外国人は別の生き物だわ…とつくづく思うわ。

本作は、残念なことに、ラスト近くのビル倒壊の演出、その一つだけで、駄作になってしまっている。爆破作業員が脱出できなくなったにも関わらず、人々を救うためにこのまま爆破されることを受け入れる…というシーンと並行して展開するのだが、それすら台無しにしてしまう。別に主人公に死ねというつもりはないのだが、生き残る説得力のある理由を作ればよかったと思うのだ。瓦礫の中から無傷の3人がスクっと登場…じゃ、いくらなんでもマズいだろう。

めでたしめでたしとなった後、バーンズ博士がつい数時間前に、親友でもある同僚の博士を目の前で死なせてしまったことをすっかり忘れて、ニコニコ帰宅するのも、十分アホらしい。

この、最後のマトモな演出の放棄を除けば、最高のパニックムービーだと思う。本当に、残念な作品。もう一度言うが、溶岩がゆっくり迫ってくるが、確実に侵食してくるという素材が非常におもしろい。案外、今、リメイクするとウケる作品なのでは?
#ビル爆破シーンだけだけ差し替えてくれれば、それで充分ではあるが…

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 image0764.png 公開年:1996年
公開国:アメリカ
時 間:114分
監 督:ロブ・コーエン
出 演: シルヴェスター・スタローン、エイミー・ブレネマン、スタン・ショウ、ヴィゴー・モーテンセン、クレア・ブルーム 他
ノミネート:【1996年/第69回アカデミー賞】音響効果編集賞(リチャード・L・アンダーソン、デヴィッド・A・ウィッテカー)
【1996年/第17回ラジー賞】ワースト主演男優賞(シルヴェスター・スタローン)、ワースト音楽賞(「Whenever There is Love(Love Theme from Daylight)」)
コピー:偶然がニューヨークに仕掛けた恐るべき大事故!

ニューヨークのマンハッタン島とニュージャージを結ぶ改定トンネル。夕方のラッシュアワー時に、逃走中の暴走車が有毒廃棄物を運搬中のトラックに衝突し大爆発をおこす。爆発により出入り口は崩落し、炎と有毒ガスが閉じ込められた人々を襲う。EMS(緊急医療班)は、生存者の救出に向かうが、内部に進入することができず、内部の酸素が残り3時間ほどしかもたないという状況の中、救出を諦めようとしていた。偶然、現場に居合わせた元EMSチーフのラトゥーラは、交通局司令室のバセットとかつての同僚で現在EMS副隊長のフランクに対して、自分がトンネル内に侵入し救出作戦を展開することを進言する。ラトゥーラは、以前、任務中に自分の判断ミスで部下を含む3人の人間を死なせてしまったこを、未だに悔やんでおり…というストーリー。

『タワーリング・インフェルノ』や『ポセイドン・アドベンチャー』の同種だが、この手の作品はどうしても似てしまう。スタローンの凋落ぶりの象徴的作品と言えなくもないが、こういう大味で短絡的な内容には、スタローンによるわかりやすいキャラクターはマッチしていると思う。

この作品で面白いのは、閉じ込められた一般人が、誰一人、まともに救いたいと思うような人間ではないこと。そして、あからさまな死亡フラグ立てて、フラグが立ったら最後、だらだらと引っ張ったりはせずに履行することが、なかなか面白い。
言うことを聞かない有名人とか、もっともらしいことをいって邪魔ばかりする奴とか。恋人のアクセサリーを持ったまま事故に巻き込まれちゃう職員なんて、戦争映画で「この戦争が終わったら結婚するんだ…」ばりのフラグ。気持ちのいいくらい(というのは語弊があるが)綺麗にお亡くなりになるのが、不謹慎ながらもイライラすることなく快適だったりする。

逆に言えば、各者ともぜんぜんキャラクターに深みが無くて、まともな人間ドラマを展開することができないので、イヤな人間を演じてもらって自業自得でお亡くなりになってもらい、観客はすっきりするという、なかなかユニークな手法だともいえる。
ただ、あまりにラトゥーラが無双すぎて、もしや死ぬのでは?という感じは一切なく(笑)、パニックムービーなのにハラハラ感があまりないという、本末転倒な内容ではある。

一応ヒロイン扱いの作家志望の女性だが、微塵も魅力がなく、ラトゥーラとくっつくところがまったく面白くもなけりゃ、いい感じでもない。ラトゥーラ自身のバックボーンも、かつてEMSにいたという以外に語られていないので(独身なのかどうかも不明)、くっつくこと自体がいいことなのかどうかもわからない。
さらに、黒人の商品は非業の死を遂げ、その恋人が泣き崩れているのに、何を言っているのかと。アドレナリンが出すぎちゃって、他人のことなんぞかまっていられるかよ!ということなら、なかなかシュール。

何気に、深夜に放送していたら、だらだらと観ちゃうレベル。

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image2065.png公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:106分
監 督:ジョン・デピュー
出 演:グレイス・シン・イム、ジャレッド・スター、ケイト・ベイリー、アーロン・フィリカーノ 他






工場が排出する二酸化炭素を地中貯留するにあたって、政府の規則に従って用地検査にあたっている地盤調査員のローレンとイーサン。彼らが地震計を設置していると、この土地ではめったにない大きな地震が発生。震源はキャバナス湖周辺。ローレンは原因究明のために湖に向かう。一方、ジェニファーとネイサンのカップルは、休日を湖で過ごそうと訪れたところで地震に遭遇。水面からガスが吹き出ていることに興味を示し、水の中に入ろうとするが気分が悪くなり、その場を退散。しばらくして湖に到着したローレンと助手のノアは、カップルが窒息状態で死んでいるの発見する。通報するために車で街へ向かうが、車内でノアは昏倒。ローレンはとっさに酸素ボンベから空気を吸い二人は正気を取り戻す。何らかのガスが充満していると判断し、街へ急ごうとするが、今度はエンジンがかからなくなり、やむを得ず酸素ボンベを抱えて徒歩で向かうことにするのだが…というストーリー。

本来、B級映画というのはトホホ映画を称した言葉ではなく、低予算映画のことを指す。そういう意味では本作は新のB級映画である。これは、悪口ではない。予算がなければできる範囲でできることをやればいいのだから。役者たちは、他のどの映画でもドラマでも、まあ観たことがない人ばかり(いや、出ているのかもしれないが、思い出さないくらい印象が薄い人たち)。お色気要員の中国系なのか韓国系なのかしらん女優の安っぽさ。眉をひそめる表情とか素人演技である。でも、しょうがないのだ。お色気要員だと割り切る英断が大事である。

おそらく使用されているのは、民生デジタルカメラレベルだと思う。CGも壊れた橋の下の川とか、硫化水素が噴出すゆらぎとか、Macでできる程度の素人に毛が生えたようなもののみ。これでも、それなりのレベルの映画を作ることができるのだと、勇気が湧いてくる作品だ。

でも、予算がないなら、ストーリーや構成はしっかりすべきだろう。そこができていない。
CO2というタイトルで、冒頭でエンジンが掛からなく混乱した男が、車外で昏倒するオープニングで始まる。というか、もうそれで、何がおこるのか丸わかり。本編でも、エンジンが掛からなくなって混乱するという描写があるが、冒頭で観せられているから、驚きも半減。

こういう作品は、憎たらしい奴を殺すのが常道だし、うまく死亡フラグを立てるのもコツだと思うが、それもうまくできていない。妻を虐待していた夫。その悪行や自己中心的な行動に対するイライラをうまく募らせることができておらず、死ぬシーンでもスッキリしない。学者馬鹿の教授も、その呑気さと危機意識の低さが結果として他者への思いやりに繋がっていない。“馬鹿は罪”という部分の積み上げができていないので、死んだときにピンとこない。
みんな無駄死にに思えるほどだが、逆に無常感を出したいなら、もっと無慈悲な演出をすればよい。女性からボンベを奪った人間の顛末を描かなかったのもスッキリしない。

エピローグで、生き残った子供が何十年も経ってじいさんになっている語りのシーンがはさまれる。いきなり近未来の描写でガクっとくる。CO2の排出権取引とか炭素税とか、そんなもん科学的根拠も薄いし、まるで詐欺まがいだ…なんてところにスポットを当てたいのかな?と思っていたけど、結局最後は、風力なんかの自然エネルギー(笑)を中途半端に賛美するという、浅い思想の作品だった。

まあ、とにかくパニックムービーとしての、ツボを微妙にはずしているので、内容に没頭できない。橋から落ちて一人死んでから、梯子もってこいとか、もう、あのシーンがこの作品のクオリティを代弁しているといってよいだろう。
#日本語吹き替えもヒドくて、元音と元音声の際目がブツブツ切れるんだぜ。

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image1873.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:106分
監 督:スティーヴン・ソダーバーグ
出 演:マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレット、ブライアン・クランストン、ジェニファー・イーリー、サナ・レイサン、ジョシー・ホー、チョイ・ティンヤウ、モニーク・ガブリエラ・カーネン、ダリア・ストロコウス、ジョン・ホークス、アルミン・ローデ、ラリー・クラーク、アナ・ジャコービー=ヘロン、ディミトリ・マーティン、エリオット・グールド、エンリコ・コラントーニ、ジム・オルトリーブ、カーラ・ゼディカー 他
コピー:【恐怖】は、ウイルスより早く感染する。

香港出張から帰国したベスは、咳と熱を発症し、二日後にはげしい痙攣を起こして意識不明となり、そのまま死亡してしまう。続けてベスの子どものクラークも同様の症状で命を落とす。同じような症状の事例が香港、ロンドン、東京など各地で相次ぎ、報告を受けたWHOのオランテス医師たちや各地の衛生当局は、感染経路の解明と、ウイルスの正体の特定、そしてワクチン開発に躍起になる。そんな中、フリージャーナリストのアランは、政府が伝染病を隠蔽しているとブログで指摘。彼のブログには、情報不足で不安に陥った人々が殺到し…というストーリー。

豪華なキャスト…というか、グウィネス・パルトローとケイト・ウィンスレットの無駄遣いって気がする。

アメリカ版『感染列島』ってところ。日本の『感染列島』はどうしようもなかったけど、こっちのもけっこうトホホかも。どちらの作品も、シミュレーションという色合いを強くしているところが、命取りになってる。観客の立場からすると、感染におびえる当事者という目線で観たいのに、愚かな人間の様子を俯瞰で観ることを強いられる。
さらには、専門用語を出さざるを得ないので仕方が無いことかもしれないけど、説明的なセリフが多すぎて、冷める。

他のパンデミック作品より強く打ち出されたのは、ジュード・ロウが演じたフリージャーナリストのアランの行い。災害よりも人間の行いのほうが怖いいんだぜ…といいたいんだろう。実際そういう人間はそういう行動を取るだろうし、本作のオチも明確にそういう方向性になっている。でも、勧善懲悪とはほど遠いその顛末にモヤモヤを感じた人は多いだろう。
これをやりたいなら、もっとドキュメンタリータッチでつくればよかったのだ。リアルさも追求したい、でも人間ドラマも展開したい、かといってウマい妥協点も見い出せていない。

感染経路を特定する流れで、舞台がカジノで映像がすべて残っているという、都合の良すぎる展開に苦笑いしてしまうのだが、でも、一番おもしろかったのは映像を分析しているシーンという悲しさ。リアルをいくら追求しても、結局は捜索ドラマの部分が一番おもしろかったという事実。本作が失敗してる証だと思う。ソダーバーグをしてこのありさまとは。

人質解放の条件としてワクチンを要求。誘拐された村の子供たちと触れ合ってしまいミュンヒハウゼン症候群になってしまったWHO職員。渡したワクチンが偽者だって知って村に戻るとか、お前を救うためにどれだけ同僚が苦労してるか。村人だって発祥してねえじゃねえか。バカじゃねえのか。フリージャーナリストのアランの行動もそうだけど、エゴがひどすぎるんだよ、欧米人は。

2011年公開で震災後の作品なわけだが、それでもやっぱりアメリカでは放火略奪が発生するわけだ(笑)。アメリカ人は観ていて自分たちのことがイヤにならないのかね。そして、中国のバカにされかたといったらない。もう、不潔の代名詞じゃないか。
#中国が発生源っていう発表を阻止しようとしているのかと思ったら、自分の村を救うためだったし。

玄人筋の評価は高かった模様だが、あまり愉しめなかった。お薦めしない。

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image0438.png公開年:2006年
公開国:韓国
時 間:94分
監 督:ポン・ジュノ
出 演:ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ、コ・アソン、イ・ジェウン、イ・ドンホ、ユン・ジェムン、キム・レハ、パク・ノシク、イム・ピルソン 他
コピー:お父さん、助けて!



ソウルを流れる河・漢江の河川敷で売店を営むパク一家は、父親ヒボンと3人兄妹、そして長男カンドゥの娘ヒョンソの5人家族。ある日、いつものように人々が河川敷で商売をしていると、突然、謎の巨大生物が出現。逃げ惑う人々を襲撃し、ヒョンソも喰われてしまう。政府は怪物が、人を死に至らしめるウイルスを宿主であると発表し、怪物と接触のあったパク一家も強制的に隔離されてしまう。ヒョンソを亡くした悲しみに暮れるパク一家だったが、カンドゥの携帯に死んだはずのヒョンソから助けを求める電話が入る。いくら警察や医者に説明してもヒョンソの生存を信じてもらえないため、一家4人はヒョンソ救出のため病院を脱走するのだったが…というストーリー。

昨日の『モンスターズ/地球外生命体』を踏まえて、モンスター繋がりで。過去に鑑賞したことアリ。

公開当時、お台場で主要キャストが集まって生放送でプロモーションをしていたのを思い出す。めざましテレビだったか。今考えると、当時からフジテレビの韓国押しの傾向はあったのかな。その時のキャスト陣の挑発的なドヤ顔が不快に映ったのを覚えている(緊張していただけかもしれんけど)。

劇場には行かなかったのだが、レンタル開始時にはすぐ借りて観た。その時はなかなかよくできているなと思ったが、あの時は「韓国もやるもんだな」という物珍しさ7割だったなと思う。今改めてみると、なんかピンとこないんだ。

冒頭の薬品瓶についたほこりがどうのこうのって、演出上必要か?おもしろいか?から始まり、その後もシュールの笑いのつもりなのかもしれないが、おとぼけらしいものを差し込んでくるのがうざったくてしょうがない。一ミリも面白くないことを「ほらおもしろいだろ」とドヤ顔でやられることくらい、イライラすることはない。笑いのセンスが合わないことくらい不快なことはないからね。
#まあ、私、三谷幸喜の笑いもダメなんで、世の中には本作の小ネタを面白く感じる人はいるんでしょ。
でも、韓国映画に見られる笑いって、微笑ましさのかけらも無くて、全部こういうノリなんだよなあ。多分、あの国の人たちの私、決定的に価値観が合わないんだと思う。

本作は、怪物がどうのこうのよりも、ダメ兄弟が娘(姪)を救うことで成長するお話。そのプロット自体は高く評価したい。ただ、最後の最後で、なぜかぽっと出の登場人物に、ガソリンをかけるという重要な作業を手伝わせてしまうというのはダメ。そこは3人で処理しなきゃ。
#本当に、ペ・ドゥナ一人、光ってるわ。

(以下、ネタバレ)
そして一番の疑問。結局、娘(姪)を救わないということに、どういう演出上の意味があるのか?という点。娘の代わりに救うことができた男の子を育てるというオチになるわけだが、それがカンドゥの成長を表現しているということか?いや、娘も男の子も救って両方育てたって、それは同じこと。なぜ、わざわざ悲劇にしなくてはいけないのか。
いや、別にハッピーエンドにしなければいけない道理はなのだけど、あまりにも韓国映画にカタルシスがなさすぎるのにちょっとうんざりしているのだ。小さな破滅と崩壊、その先に希望があるのか無いのか…というオチの作品が多すぎる。満足したり幸せを感じることができない国民性なのか。あまりにも奇妙(そう思わない?)。悲劇とか耽美とかがかっこいいとかインテリジェンスが溢れるとでも思っているのかな。

まあ、色々書いたけど、決して駄作ではない。凡作以上良作未満。お薦めはしない。だってスッキリするわけじゃないし、感動するわけでもないし、考えさせられるわけでもないし、それって余暇を過ごす道具として観る意味あるの?ってことになるじゃん。

#スプーンで米を喰って、おかずを箸でつまむ…、別に他国の様式をどうのこうのいうつもりはないけど、やっぱりわけわかんねーな。



負けるな日本

 

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imageX0012.png公開年:1974年 
公開国:アメリカ
時 間:165分
監 督:ジョン・ギラーミン、アーウィン・アレン
出 演:スティーヴ・マックィーン、ポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、フレッド・アステア、O・J・シンプソン、リチャード・チェンバレン、スーザン・ブレイクリー、ロバート・ヴォーン、ロバート・ワグナー、ジェニファー・ジョーンズ、スーザン・フラナリー、シーラ・マシューズ、ノーマン・バートン、ジャック・コリンズ、ドン・ゴードン、フェルトン・ペリー、グレゴリー・シエラ、ダブニー・コールマン、マイク・ルッキンランド、キャロル・マケヴォイ、カリーナ・ガワー、ジョン・クロフォード、アーニー・オルサッティ 他
受 賞:【1974年/第47回アカデミー賞】撮影賞(フレッド・コーネカンプ、ジョセフ・バイロック)、歌曲賞(作詞・作曲:アル・カシャ『タワーリング・インフェルノ/愛のテーマ』 We May Never Love Like This Again)、編集賞(Harold F.Kress、Carl Kress)
【1974年/第32回ゴールデン・グローブ】助演男優賞(フレッド・アステア)、有望若手女優賞(スーザン・フラナリー)
【1974年/第29回英国アカデミー賞】助演男優賞(フレッド・アステア)、作曲賞[アンソニー・アスクィス映画音楽賞](ジョン・ウィリアムズ)
コピー:脱出できるか 救出なるか 今世紀最大のスペクタクルアドベンチャー

サンフランシスコに138階建の全面ガラス貼りのビルが建てられ落成式が催された。しかし、ビルオーナーの娘婿が予算を着服するために電気系統の手抜き工事を指示しており、故障が発生。81階からボヤが発生した。設計者のロバーツはオーナーのダンカンに落成式を中止して、300名の来賓を避難させるように進言するが無視される。火災は広がり、落成式の会場に迫っていった。事態を重く見た消防隊長オハラハン隊長は救出作戦を敢行する…というストーリー。

映画史に残る名作だが、恥ずかしながら初見。昨今のパニックムービーと比較すると、決して派手ではないのだが、この無骨ともいえる演出でまさに手に汗握る状態に。165分は決して長く感じない。CGの無い時代にここまでの災害シーンを作り出すのは、さぞや潤沢に予算を投入したのことだろう。

当時のスター総出演的な映画だったそうだが、いろいろな立場のキャラが登場するも、それほど各々の掘り下げは深くない。なんといっても、スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンのタフガイな演技が、この映画の色を作りあげているといってよい。設計士ながらも砂漠に出かけている間に、手抜き工事を許してしまい、責任を感じるロバーツと、プロを貫くオハラハンが、率先して人命救助の尽力する。

単なるパニックムービーという側面以上に、発展する社会に対する警鐘が多分に含まれている。現在なら、遺伝子操作に対する警告だとか、そういう内容になっちゃうんだろうけど、変にチャカしたり、格好をつけてシニカルさを漂わせたりせず、ある意味お上品な警鐘でステキ。最後のオハラハンの予言というか申し出を聞いて、9.11がよぎらない人はいないだろう。超高層ビル火災の恐怖が20年以上も後に現実になるなんて、ちょっとドッキリするラストである。

文句なしのお薦め作品!(といっても、観てない人は少ないよね。)

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image1312.png公開年:2008年 
公開国:アメリカ
時 間:85分
監 督:マット・リーヴス
出 演:マイケル・スタール=デヴィッド、マイク・ヴォーゲル、オデット・ユーストマン、ジェシカ・ルーカス、リジー・キャプラン、T・J・ミラー、ベン・フェルドマン、ライザ・ラピラ、クリス・マルケイ、テオ・ロッシ 他
コピー:その時、何が起きたのか?



ニューヨーク。日本へ転勤が決まったロブを祝うため、サプライズパーティが行われていたが、そのさなか、屋外で轟音が響き停電となる。屋上へ出てみると、マンハッタンの一部が上しており、悲惨な光景が広がっていた。さらに、その惨禍は彼らをも襲い、街一帯がパニックとなる。やがて、この事態を引き起こしたのが、地球上のものとは思えない巨大生物であることがわかり…というストーリー。

よく『ブレアウィッチプロジェクト』と『ゴジラ』のミックスと評されるけど、まあ、その通り。しかし、見せ方には尋常ならざる工夫が施されていて、まさに“見せ方の勝利”という感じ。『ブレアウィッチプロジェクト』は実は観たことがないが、手ブレ映像で気分が悪くなるとかいわれていた。本作も同様の演出なんだけど、気分が悪くならない程度に、且つ、素人撮影に見えるように工夫されていて、非常に高い撮影テクニックだと思う。潰した元映像の残りが、フラッシュバック映像になっている…なんていう演出も、実に白眉な演出だと思う。

日本への転勤とか、あきらかにゴジラを意識しているのも明白(でも、ちっこいクリーチャーも登場して人を襲うので、どっちかといえばレギオンに近いかしら)。日本のゴジラでこの演出ができなかったのは、ちょっとくやしいかも。
怪物の正体もそうだけど、内容的にもプロモーション的にも詳細な状況説明をしないセンスがよい。ヘタに説明してトホホ…と思われるくらいなら、鑑賞者にご自由に想像してもらったほうがいい。ある意味、チラリズムの勝利。

ただ、ストーリー的には、実際に素人がカメラで事件を撮った自然な感じとは程遠くて、恋人を助けるために、絶対ありえないような崩壊寸前のビルを上ってみたりと、エンターテイメント色満載。ゲームっぽい感じも。なんでそんな状況で撮り続けるかという根拠付けもいまいち。もう、アメリカ人はバカだから…ということで納得するしかない。実は、見習いジャーナリストで、この映像で名をあげようとしていたから…とか、理由はどうとでもつけられるのにね。さすがに、これ以上撮り続けるのはあまりにも不自然で、設定が崩壊しそう…ってところでおしまい。もちろんこの事件の顛末がどうなったかは、まったく不明で、この映画のギミックの賞味期限が終了したところでおしまいという、ある意味潔い作品。

これは、別視点での続編をどんどんつくるべきである。あまり縛りは設けないで、メージャー、マイナーを含めて、自由にいろんな人いろんな国でどんどんつくって貰えばいいと思う。続編が作られるたびに、事件の詳細がわかっていく感じで。壮大な“クローバーフィールド サーガ”でできるかも。

これは、まったく予想外の良作だった。お薦めする。

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image1485.png公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:158分
監 督:ローランド・エメリッヒ
出 演:ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート、オリヴァー・プラット、タンディ・ニュートン、ダニー・グローヴァー、ウディ・ハレルソン、モーガン・リリー、ジョン・ビリングスレイ、ジョージ・シーガル、ジミ・ミストリー、パトリック・ボーショー、アガム・ダーシ、ヨハン・アーブ、トーマス・マッカーシー 他
受 賞:【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】視覚効果賞
コピー:2012年12月21日 マヤの予言通り、世界は終わる──。

ロスの売れない作家ジャクソンは、別れた妻と暮らす子供たちとイエローストーン公園にキャンプにいく。彼はそこで怪しげな男チャーリーから、“地球の滅亡”の事実を各国政府が隠し、密かに巨大船を製造して一部の人間だけを乗せて脱出する計画であると聞かされる。しかし、その後ロサンゼルスを巨大地震が襲ったのを皮切りに、大津波や大噴火など、あらゆる天変地異が世界中で発生、次々と地球を呑み込んでいき、彼の言ったことが事実であると悟る。ジャクソンはケイトと子供たちを守るため、必死の避難をしながら巨大船のありかを目指すが…というストーリー。

あのトンネル内で車の事故をおこしたりとか、そういう悪ノリが散見されるんだけど、そこに目くじらをたてても仕方が無い。文化の継承が必要だからって目ぼしい美術品を集約するとは思えないんだけど…とか、あちこちでヘンテコ部分がいっぱいで、シナリオも薄っぺらなんだけど、それも気にする必要はないこういう終末論的な作品には、説教臭いメッセージが付き物だけど、本作にはそれが有るようで無い。全部オトボケ。中国でなら巨大船を作ってもバレないよ…なんて、未だに竹のカーテンは健在っていうメッセージなのかもしれないけど、テーブルジョーク感覚。アメリカ大統領まわりのエピソードだってシリアスなようで、どこかに小馬鹿にしてる臭いがするし。要するに、シリアスなメッセージは皆無で、そういうのは全部オマケでなのだ。

ホラ話なんだから徹底的にホラを突き通すという姿勢。とことんホラを突き通すためのCGがとにかくお見事で、現在でき得る限りのCG映像技術を放り込んでる感じ。ディズニーランドのキャプテンEO的とか、ジョイポリにあるアトラクションとか、その一種だと思ってみるべし。油断して観てると足に力入るよ。ははは。
私は、早々に、頭を空っぽにしようと決めた。空っぽにしないと付き合いきれない。同じアホなら踊らにゃソンソン。だって、本作の中でも、ラマ師が頭を空っぽにしろって言ってるでしょ(笑)。そういうノリの映画。

でも、ニュートリノ検出装置は、スーパーカミオカンデを使ってほしかったし、劇中に出てくる日本人どう見ても日本人に見えないし、エメリッヒはあいかわらず日本に気を使っていないことはわかった。というか、使ってるつもりで使えていないっていうほうが正しいかな。『GODZILLA』のエメリッヒだものね。彼の頭の中の日本は、いまだに『ベスト・キッド』のミヤギさんの家のイメージだものな。それにしても、ここまでパニック・ムービーばかり作り続ける彼って、ちょっと異常に思えるけどね。

とにかくこのアトラクションには乗ってみるべし。お薦めする。休日の前日にどうぞ。子供がみてもたぶんOK(ワタシ的にはPG-12な気がするけど、実際はGなので)。
#子供は殺しちゃだめだけど、ばーさんは遠慮なく殺していいのね(笑)。あと、韓国とか、船にのせてもらっていない国の人たちって、どういう心境で、この映画観てるのかしら…。

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image0761.png公開年:2003年 
公開国:アメリカ
時 間:92分  
監 督:ロジャー・コーマン、ケヴィン・オニール
出 演:コスタス・マンディロア、ブルース・ウェイツ、チャールズ・ネイピア、ジョアンナ・パクラ、ジェーン・ロンジェネッカー、ジェイク・トーマス、マット・ボーレンギ、プライス・カーソン、マックス・パーリック 他




巨大なワニの化石が発掘され、バイオ企業ジェリコ社は抽出したDNAを利用して生物の巨大化を研究。だが成長したクロコダイルが研究施設から逃走、山林や湖に潜み次々と人間を襲い始める。保安官と娘のダイアン、その恋人トムら3人は人々を避難させ、ついに軍隊までも出動するが、ディノクロコと化した巨大ワニの前に犠牲者は増えるばかりで…というストーリー。

TVムービーである。厳密にいうとシネマではないが、まあいいだろう。なにかものすごく既視感を覚えるのだが、過去にTV放映でもしていただろうか。

あらすじとパッケージ画像を見ただけで、120%B級である。導入部の3分半の段階で、すべての内容が判ってしまうという凄まじさ。ここまで、ありきたりな内容だと思わせるというのは、あえてミスリードして、それとは違う展開にするのか?ハードルを下げる高等技術かも…という一縷の望みは、ついぞ叶うことは無かった(笑)。

とはいえ、2点だけ褒めておこう。まず、メジャームービーのように予算はなかっただろうに、意外とCGは観られるレベルだった(まあ、CGの怪物が主題で、その映像がチャチだったら目も当てられないんだけどさ)。日本では同じようなTVムービーをつくろうとしても、今でもこのレベルは無理だと思う。予算の差もあるだろうが、今に特撮番組のCGなどは、あからさまなCGである。2003年の作品であることを考えると、この分野では、まだまだ日米の差が大きい。
もう1点はストーリー。ネタバレだが、あえて子供をあっさり殺してみたり、しっかり終わる手順を踏んでおいて、終わらないとか、予定調和を裏切ってみようと試みているのが見える。ただ、もっともっと裏切り続ければ、カルトムービーとして、知る人ぞ知る作品になったかも知れないが、いかんせん裏切ってくれる箇所が足りないで、残念な結果に。

さて。予想はついていると思うが、特に観なくてもよい。夜中の2時半くらいに地方局で放送してそうな感じ。

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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