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公開年:1989年
公開国:アメリカ
時 間:114分
監 督:ブライアン・デ・パルマ
出 演:マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ドン・ハーヴェイ、ジョン・C・ライリー、ジョン・レグイザモ、テュイ・テュー・リー、 エリック・キング、サム・ロバーズ、デイル・ダイ、ヴィング・レイムス、ドナル・ギブソン、ジャック・グワルトニー、マリス・ヴァライニス 他
ノミネート:【1989年/第47回ゴールデン・グローブ】音楽賞(エンニオ・モリコーネ)
コピー:ただひとり。少女を守るため---仲間すべてを“敵”にしたアメリカ兵! 名匠デ・パルマが挑む!あの戦争が生んだ「衝撃の事件」!


1966年。ベトナムの戦場で北ベトナム軍との死闘を繰り広げるミザーブ軍曹が率いる小隊。ある日、彼らはベトコンの奇襲を受け、ブラウン伍長が死亡してしまう。彼は、あと数日で除隊する予定で、その無常さとベトコンに対する怒りに、残ったものは打ち震えるのだった。ある夜、小隊は偵察パトロールを命じられるが、ミザーブ軍曹は部下にヴェトナムの少女を誘拐してレイプしようと提案する。エリクソン上等兵は耳を疑ったが、その命令は実行される。その後、少女を帯同させた挙句、エリクソン以外のザーヴ、クラーク、ハッチャー、ディアズによってレイプされてしまう。エリクソンは他の兵士が偵察任務を遂行している中、彼女を逃がそうとするが見つかってしまう。やがて北ベトナム軍の近くまで近づくが、誘拐した女性が声を上げて見つかる懸念が生じたことと、本件の証拠隠滅のために、彼女はミザーヴ軍曹の命令で射殺されてしまう。その後、戦闘で傷つき基地に搬送されたエリクソンは、上層部に事件のことを訴えるが、上官は相手にせず…というストーリー。

実話ベースらしい。最後の軍法会議がフィクションということはないだろうから、結構なところまでリアルなんだろう。まあ、胸糞悪い話である。でも、戦争は悲惨なものだ…とか、戦時は人間に狂気が生まれるとか、よくある戦争映画のコンセプトとは違う。あくまで設定が戦場だというだけで、内容は猟奇犯罪者をリーダーとする小集団と、それに抗おうとする男のストーリーである。デ・パルマらしくないという人もいるが、サイコキラーとアクション、過剰な暴力表現、まさに彼の作風ドンピシャだと思う。

マイケル・J・フォックスといえば、明るくコミカルな作品が多いので、本作とのギャップが著しい。そのイメージと胸糞悪いストーリーとのギャップが吐き気を催すような空気を生んでいると私は感じる。キャスティングが作風に大きな影響を与えている顕著な例だと思う。

ショーン・ペンにネジの外れた権力者を演じさせたらピカ一。まったく受賞はしていないけど、彼が演じるミザーブ軍曹の正気と狂気の間を行き来する様子があってこその本作だと感じる。

女性が死亡した後の、隠蔽と復讐合戦がまたもや陰湿。内部告発者はその行いが正しかろうと何だろうと、非難を受けてしまうという理不尽は、洋の東西を問わず存在する。人類が次に越えなければならない壁といってもよいかも。それも含めた後味の悪さが本作の魅力。どっちに転ぶかわからない雰囲気もうまく作れていると思う。

ただ、残念なのが、誘拐した女性が瀕死の状態で逃げようとするシーン。山腹に作られた細い足場の上で展開するんだけど、前後から銃で撃つとかありえないよね。足場はRがついていて直線じゃにから大丈夫なんだよというかもしれないが、それでも、味方にあたる確率は低くないんだし、ありえないと思うわ。すごくおもしろかったので、この一点だけで私の心の中で駄作扱いとなってしまった。残念。
#最後の音楽は優秀だなぁ。

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公開年:1987年
公開国:フランス、西ドイツ
時 間:103分
監 督:ルイ・マル
出 演:ガスパール・マネス、ラファエル・フェジト、フランシーヌ・ラセット、スタニスタス・カレ・ド・マルベール、フィリップ=モリエ・ジェヌー、フランソワ・ベルレアン、イレーヌ・ジャコブ 他
受 賞:【1987年/第44回ヴェネチア国際映画祭】金獅子賞(ルイ・マル)
【1987年/第13回LA批評家協会賞】外国映画賞
【1988年/第42回英国アカデミー賞】監督賞(ルイ・マル)
【1988年/第1回ヨーロッパ映画賞】脚本賞(ルイ・マル)
【1987年/第13回セザール賞】作品賞、監督賞(ルイ・マル)、脚本賞(ルイ・マル)、撮影賞(レナート・ベルタ)、音響賞(Bernard Leroux、Claude Villand、Jean-Claude Laureux)、編集賞(Emmanuelle Castro) 


1944年、ナチス占領下のフランス。親元のパリから離れ、カトリック寄宿学校に疎開している12歳のジュリアン・カンタン。クリスマス休暇が終わって学校に戻ると、ジャン・ボネという転入生がやってくる。ジャンはあらゆる教科の成績が良く、ピアノまで上手に弾きこなす優秀な少年だったが、なかなか周囲と打ち解けず、元気がない。ジャンの父は捕虜になっており、母も非占領地域で3ヵ月もの間、音信不通が続いているとのこと。はじめは、成績優秀なジャンをライバル視していたジュリアンだったが、森でのリクリエーションで一緒に迷子になって以来、仲良しになっていく。そんな中、ふとしたことでジュリアンは、ジャンの名前が偽名で、且つ彼がユダヤ人であることを知ってしまう…というストーリー。

ルイ・マル監督は、カンヌ、ヴェネチア、セザールとヨーロッパでの受賞打率がものすごく高いお人。本作を見れば、その力は納得せざるを得ない。

ナチに占領された暗黒の時代ではあるけれど、子供なのでどんなに世間が沈んでいても明るく楽しく生きようとする。世間知らずなだけに、前向きに未来を夢見ることもできる。そういう淡々とした日々が描かれているだけの普通の作品だな…と思う人がいるかもしれない。でも、その無邪気な日々の端々で、スパっと通り魔に切りつけられるがごとく、ユダヤ問題や戦争という現実が圧倒的な絶望感を伴って襲ってくるという、この恐ろしさよ。

このタイトルが、最後、ナチスに連行される校長が、生徒たちに向かって言う最後の台詞であるという重み。どこまでが事実なのかはわからないが、ジュリアン(=ルイ・マル)がナチから尋問されたときに、ジャンを見てしまったことで彼がこの世からさようならすることになってしまったという、強烈なトラウマ(一生、夢に見続けてもおかしくない)。
メタ視線でみれば、本作がルイ・マル監督の自伝的作品であるという事実が、この淡々と綴るような演出になっている最大の理由だろう。虚飾を配することなど、できるはずもない。

お涙頂戴…いや、突き抜けていて、むしろ涙は引っ込んでしまった。ユダヤ迫害だとか単純な個々の出来事だけではなく、人間に普遍的に備わっている、闇と光の両面がしっかり描かれているのも秀逸(レストランのシーンとか、足の悪い給仕のチクりとか)。文句なしの名作。
#こどもの日に観る映画ではなかったかな…。

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公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:92分
監 督:ジョン・アーヴィン
出 演:ン・エルダード、ザック・オース、ティモシー・オリファント、フランク・ホエーリー、ディラン・ブルーノ、マーティン・ドノヴァン、ダン・ファターマン、ドワイト・ヨーカム、ボビー・カナヴェイル 他






第2次世界大戦末期。ノルマンディに上陸した連合軍はパリを解放。クリスマスまでにドイツに侵攻して大戦を終結するのでは?という楽観ムードが漂いはじめた。しかし、ドイツ・ベルギー国境にドイツ軍は、国境付近に広がるヒュルトゲンの森に“ジークフリート線”という防御ラインを築き、徹底防戦の構えを見せる。深い森林に大量の地雷が置かれ、容赦ない砲撃が繰り返され、アメリカ軍が必死に攻め込むものの大苦戦を強いられる。ホッジス将軍率いるアメリカ第1軍の第28歩兵連隊もマニング一等兵一人を残し全滅してしまう。上官は、マニング一等兵が生き残ったのは、彼が判断力や行動力に優れているからだ…と判断し、彼を軍曹に昇格させ、まったく戦争経験のない補充兵で構成される小隊を率いさせようとする。しかし、マニングは、戦争自体にすっかり覚めてしまっており…というストーリー。

軍事マニアじゃないので、“ヒュルトゲンの森の戦い”もよく知らない。アメリカ的には重要なポイントなんだろうけど、おそらくアメリカ人の教育レベルだと、一般アメリカ人も知らん人が大半なんだろうな。まあ、いずれにせよ、こんな大変な苦労をしてきとるんやで!ワシらは!っていう、アメリカ人向けの作品ですな。

HBOは『デクスター』とか、『セックス・アンド・ザ・シティ』とか『ザ・ソプラノズ』とか、ドラマの質は高いよね。古いTVムービーだけど、本作もものすごく出来が良い。エキストラをCGで足すとかできない時代。調べたらアメリカ軍、ロシア軍、ハンガリー軍が全面協力してて、大量のエキストラを投入しているらしい。先頭シーンもそりゃリアルだわ。これだけTVドラマにこれだけ金をかけるって、素直にすごいと思う。

ストーリーは、一人の兵士マニング(おそらく志願兵で元々職業軍人ではなさそう)が、瀕死の同僚兵士を背負って、敵の追撃から逃げているシーンからはじまる。しかし、もうこの怪我の状態じゃ無理…、このまま背負って逃げてたら自分も見つかっちゃう…って判断して、置いていくことに。「置いていかないでくれ…」っていううめき声。どうせ苦しんで死ぬなら、いっそのこと…ってことで、マニングは同僚を銃殺といういきなりの鬱展開。

なんとか帰還して、で、マニング本人ももうやってらんない!って除隊を申し出るんだけど、上官は認めてくれない。一人生き残るってことは、才能と運があるに違いないっていうんだけど、単に兵士が少ないでしょ?アンタ適当なこと言ってるんじゃね?って感じ。
おまけに昇進させるとか、もう現場はカオス状態。マニングはどんどん病んでいく。

さらに部下は新兵さん。少し前の自分の立場と同じやつらだな…と思うとかわいそうに感じるんだけど、情をかけてる場合じゃないし、そんな気分でもない。淡々と彼らが死なないように指示するんだけど、必要なことしかいわないから、気を使っても好かれないという…。

隊列全体も疲弊しているから、突撃する以外の戦術的バリエーションがない。することがなくなって、いよいよ明日総攻撃しまっせー!ってことになるが、俺は国に還りたいんだっての!ってことで、もっと意味のあることとするわ…と、独自行動をすることを決意する。さて、どうなるか…。

観てるこっちも鬱になるような展開で、戦争なんざうんざりだ!っていう作品なんだけど、戦争が始まったら勝たないとダメだな…とも思うし、アメリカは物量で凌ぎきっただけなんだな…とも思う。淡々と戦況を描いていて、製作側の「こういう意図を感じ取ってほしい…」という押し付け意図が薄いおかげで、素直に没頭できた作品。

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公開年:2001年
公開国:アメリカ、ドイツ、オーストリア、ハンガリー
時 間:102分
監 督:ステファン・ルツォヴィツキー
出 演:マット・ルブラン、エディ・イザード、エドワード・フォックス、ジェームズ・コスモ、ニコレッテ・クレビッツ、ウド・キア、ホルガー・スペックハーン 他






1945年。その変換方式の複雑さから解読が不可能といわれていたナチス・ドイツの暗号機エニグマ。イギリス軍は、ナチスに決定的なダメージを与えるために、エニグマを盗み出す作戦を計画する。当時のドイツは男性は前線に出ており、工場で働くのは女性ばかりになっていた。エニグマの製造工場に忍び込むには、“女装”するしかない、その名も“プリティ・プラトーン”作戦。イギリス軍は、特異な経歴の持ち主ばかりを選出する。OSS(アメリカ戦略情報局)のオルーク大尉。彼は一度はエニグマをドイツの同盟国であるイタリアから盗み出すことい成功したものの、無能なイギリス兵によって“敵性非軍事用品”として破壊されてしまうという残念な経験をしている。おまけに、そのときに強く抵抗しため、刑務所に収監されてしまっていた。イギリス軍は、エニグマを見たことがある彼を作戦に加えたかったが、一応囚人なので、監視役として事務担当の老兵ハートリー軍曹が“臨時少佐”として参加。ドイツ語など27カ国語に堪能な暗号解読の天才ジョンソン。そして、同性愛者であることが発覚し軍を去っていたドイツ語に堪能なパーカー元中尉を、女装の指南役にして、作戦がスタートする。ばっちり女性になりきった彼らは、いよいよドイツに潜入するのだったが…というストーリー。

4:3サイズなのでTVムービーかビデオ作品なのかな?と思ったが、きちんと劇場公開された作品の模様(日本では未公開らしい)。たいした内容ではなかろうと考えていたがどうしてどうして、本作はかなり面白い。ジャケット画像が、ガチガチのシリアス戦争モノなイメージなので、身構えていたが、まったく違って、コメディだった。
#あ、レンタル屋では、戦争モノの棚にあるからね(カテゴリは戦争にしておく)。

コメディといっても、ハハハ!と、直接笑わせようという意図的な演出は一切ない。シチュエーションがおもしろいというだけであって、戦争冒険作品としてもかなり優秀。これは、シチュエーションコメディとして、もっと評価されるべき作品だと思う。
 ただ、エニグマ“奪還”というけれど、奪還というのは取り戻すことである。ドイツの暗号機を盗むということが何で奪還なのかまったく意味不明。なんとなく語感だけで付けた邦題が、実に残念だ。ジャケット画像にせよ邦題にせよ、もしかして日本の配給会社は内容をマトモに観ていないんじゃないか?と思えるほど。でも、日本未公開作品なのに、しっかり吹き替え音声は付いてるんだよねぇ。不思議な作品だわ。

ただ、冒頭で主人公のオルークがせっかく盗み出したエニグマをイギリス軍に破壊されてしまうくだり。なぜか刑務所に入れられてしまうのだが、同じ連合国側で、きちんと身分も明かしているのに、そんあことあるかいな…と思ってしまうよね。興醒めする人はここでダメかもしれない。まあ、私はそれほど期待していなかった…というか、軍事モノだとおもっていたので、もしかしてコメディなのか?!?!という衝撃のほうが大きかった。

主人公オルークと書いたが、実はオルークはあまり主人公らしくない。あくまで外様のアメリカ軍人だし、全編を通して彼のスタンスや意思にあまり変化はない。恋愛ドラマの当事者ではあるけど、女ったらしなのははじめからだし。むしろ、ほかの参加者たちが、作戦を通して一皮向けていく感じ(ずっと、「ママー」っていってハートリーにくっついてくる女の子。別にストーリーにそれほど重要だとは思わないんだけど、無駄な緊張を緩和したり、ハートリーの変化に寄与している)。
オルークは実は主人公のように見せかけた狂言回しである。けっこう巧みな構成だと思う。

また、女装までさせて仰々しくはじめた作戦なのに、実は裏が…という展開。いやぁ、この作品、本当に侮れない質の良さだ。お薦め。

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公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:ダン・ブラッドリー
出 演:クリス・ヘムズワース、ジョシュ・ペック、ジョシュ・ハッチャーソン、エイドリアンヌ・パリッキ、イザベル・ルーカス、コナー・クルーズ、エドウィン・ホッジ、ブレット・カレン、アリッサ・ディアス、ジュリアン・アルカラス、ウィル・ユン・リー、フェルナンド・チェン、ケネス・チョイ、マット・ジェラルド、ジェフリー・ディーン・モーガン 他
コピー:北朝鮮、アメリカ全土占領
 愛する人を守る覚悟はあるか


アメリカ、ワシントン州スポケーン。高校のアメフトチームで活躍するマット・エッカートが、恋人エリカと一緒にパブにいると、休暇で帰郷してきたマットの兄で海兵隊員のジェドと再会する。エリカの親友トニがジェドとの昔話に花を咲かせていると、パブが突然停電してしまう。停電がアメリカ北西部全域におよぶほど大規模であることを知り、その日はお開き。各自家路につくのだった。巡査部長であるジェドとマットの父は、夜通し街を見廻ることに。しかし翌日、ジェドとマットは大きな振動で起こされる。外に出ると、空には戦闘機が飛び交い、パラシュートで多くの兵士が降下してくる。異常事態と判断したジェドとマットは、とりあえず父を合流しようと車で市街地へ向かうが、すでに街は戦場と化しており、東アジア人と思しき兵士たちに制圧されていた。数人の友人を含む若者たちを救ったもののそれ以上抵抗すことはできず、近くの山に退避することに。その途中で、エリカが兵士に捕まるのを目撃するマットだったが、どうすることもできない。山小屋で体制を整えなおし、偵察に行くと、街が北朝鮮に占拠されていることを知る…というストーリー。

突然攻めてきたことは納得できるとしても、すぐに地上で軍用車を展開できる理屈がわからん…などと感じることだろう。多くの観客は、北朝鮮が攻めてくる、それもロシアの後ろ盾で…という“if”物語のように思うに違いない。その緻密なシミュレートが生み出す説得力に期待するだろうが、そこに着眼するとがっかりしてしまうので注意しよう。その方向で観てはいけない。
#NATOが何もしないとかありえないじゃん…とか考えたら、まともに観る気はおきないよ。

この作品は、突然街が襲われて、子供たちだけが行動できる。さあ、ガキ共は故郷のために拳を上げることができるか!?血を流すことができるか!?という、極めて、スポ根的、マンガ的な部分にポイントが置かれている。
#実は、1984年の『若き勇者たち』という作品のリメイクだとも聞く。
じゃあ、マンガですか、そうですか…と、つまらないと決め付けてはいけない。本作はなかなか観ごたえがある。『ハンガー・ゲーム』なんかに近いノリとを思えばよい。

設定的にはまったくリアリティがない。なんといっても、北朝鮮が攻めてくること自体、彼らの物量を考えても不可能なわけだ。さすがに荒唐無稽するぎると考えたのか、その黒幕はロシアだ!という。アホか?!と誰しも思うわけだが、これが昨今のウクライナ情勢や北朝鮮を取り巻く状況を考えると、笑えなくなってくる。

アメリカは“敵”がいないと成立できない。アメリカの歴史を見れば一目瞭然。みんなが仲良くなってしまっては、平和の番人としてのアイデンティティを失ってしまうので、もっともらしいことを言って火種をつくる。
いやいや、国策映画じゃないんだから偶然でしょ?!と思うだろう。そう偶然。でも、今のアメリカが作れる“敵”は、アメリカ人が考えればロシアしか思いつかない…ってことを証明しているともいえる。そして、ロシアを敵に据えると、何か滑稽に写るということ。事実、今のウクライナ問題に対するアメリカの姿勢は“滑稽”以外の何者でもない。
いやあ、映画って侮れないな…と。

まあ、そういう背景的な部分は脇に寄せたとしても、若者がゲリラに身を投じる物語は、純粋に熱かった。悪くない。

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公開年:1987年
公開国:アメリカ
時 間:151分
監 督:スティーヴン・スピルバーグ
出 演:クリスチャン・ベイル、ジョン・マルコヴィッチ、ミランダ・リチャードソン、ナイジェル・ヘイヴァース、ジョー・パントリアーノ、ベン・スティラー、伊武雅刀、ガッツ石松、山田隆夫 他
受 賞:【1988年/第42回英国アカデミー賞】作曲賞(ジョン・ウィリアムズ)、撮影賞(アレン・ダヴィオー)、音響賞




1941年の上海。イギリス租界で生まれ育ったジェイミー少年は、学校の勉強よりも飛行機に夢中。日本とイギリスは開戦しており、日本軍はイギリス租界に迫ってきていたが、それでもジェイミーは日本の零戦に憧れており、零戦のパイロットになることを妄想していた。両親とともに仮装パーティに参加したジェイミーは、退屈になって会場を抜け出す近くの野原へ。そこには日本軍の一小隊が。日本軍の侵攻の手がすぐそばまで迫っていること実感し、ジェイミーの一家も上海からの脱出を決意するのだが、時すでに遅し。市街地に侵攻してきた日本軍の銃弾が飛び交いパニック状態になる中、ジェイミーは両親とはぐれてしまうのだった。命からがら自宅に戻ったジェイミーだったが、両親は戻ってこず、一人で家に残された僅かな食料で生き延びねばならなかった。その食料もすぐに尽き果て、街をさまようジェイミー。そんな彼をベイシーとフランクの2人のアメリカ人が助けるのだが、結局は彼らもジェイミーを売ろうとしていたのだ。家に金目のものがあるといって、売られることを避けたジェイミーは、2人を家まで連れて行く。しかし、既に家は日本軍に接収されており、出てきた日本兵に3人は捕まってしまい、収容所送りになってしまうのだった…というストーリー。

あの時代の租界という特殊な空間の雰囲気が、とても味わい深く表現されていると思う(もちろん実際の様子は知らないが)。それよりも、主演が、クリスチャン・ベイルだったことに気付き、驚いた。現在の彼の片鱗が、この時点でしっかりと見て取れる。冒頭から4年経ったとは思えないが、それは、スピルバーグの演出のせいであり、クリスチャン・ベイルの責任ではない。
#ベン・スティラーが、気をつけないと彼だとわからない。

本作は、イギリスの小説家バラードの体験が元になっているとのこと。原作と本作の描写が同じかどうかは不明だが、パールハーバーのころなので、この頃の中国は、国民党政府と共産党の間で内戦の真っ最中だし、上海以外の租界なんかはどんどん日本軍に押さえられている。
日本は、白人様の国々から不平等条約をやら経済ブロック化の餌食となり窮々とした状態。とどめのハルノートで開戦するしか道はなくなり開戦という流れである。
この頃の蒋介石政権は日独伊に宣戦布告。もちろんその後ろ盾はアメリカで、金も物資も供給されている。この頃から現在まで、アメリカが世界の燃焼促進剤であることは変わりがない。よく南京大虐殺といわれるが、何をもって“大”というかは脇に置くとしても、蒋介石の戦術はゲリラ戦法。軍事法規的にいえば、ゲリラ(民間人の格好をして市民に紛れた兵士)は殺されても、後で文句をいうことができない。戦争とは、統一したユニフォームをきたチーム戦で、観客が手をだしたら殺されても仕方がないというルールになっている。話は逸れるが、今、どこかの国が攻めてきて、他国軍が市街地を行進していたとする。それに対して、角材を振り回して殴りかかって、逆に殺されたとしても、あとで賠償を求めることはできない。非戦闘員の格好で攻撃を仕掛けたゲリラという扱いになるから。ちなみに、軍服とか統一した制服を着ていないと、捕虜になることもできない。
だから、本作の説明で、ジェイミーが捕虜になった…と書かれているものがあるのだが、市民が捕虜になることはありえない。彼らはあくまで収容されたのである。

何が言いたいかというと、子供の主人公の目を通した社会を描いていることが、事実考証的になにか不自然に感じられることの免罪符になっているな…ということ。だから、収容所内部の話ばかりで、パールハーバーと原爆投下以外の軍事的なイベントは語られない。
スピルバーグの意向なのかも知れないが、まったくもって日本軍が悪者として描かれていない。伊武雅刀演じる軍曹が、主要された市民に対して暴力を振るうシーンがあるのだが、癇癪もちのおっさん程度にしか描かれておらず、そういう傍若無人な振る舞いの後にも、ちょっとした人間らしい行動がワンセットで表現されていたりする。
#しかし、こういう演出がアメリカ人には不満に映った模様(まあ、奴らの感覚じゃ、理解は無理だわな)。

これは、一人の少年が生き抜くために、何をしてきたか、“人間”の何を見てきたか、どう変っていくのか…という部分に焦点を当てたいのであり、改めて戦争の裁きを行うためのものではないのだ、ということなんだと思う。逆に言えば、きちんと考証して、実は、中共がいうような大虐殺やそれに準じる残酷な行為などが、常態的に行われいたわけではない…という結果に至ったがゆえの演出方針というわけではない。

そういうノリを見切ってしまうと、うそ臭い描写も許容できるようになってくる。日本軍を真正面から悪者として描いていないからといって、日本描写が正しいわけでもない。ジェイミーの家にいた日本兵のシルク生地の浴衣みたいなのをきて、ねじり鉢巻の兵士集団とか(何のパーティやねん)。蘇州の収容所が、何やら巨大なスタジアムに見えたのだか、あんなもん当時存在したのか?とか。本当に蘇州の収容所に特攻隊がいたのか?とか。

蘇州の収容所に入ると、一般市民を強制労働させるくだりがある。そんなことをやったんならC項戦犯に該当するのだが、原作が体験小説ということを考えると、ある意味“告発”であり、かなり重い演出だと思う。しかし、そのシーンだけでその後、そんなシーンは出てこない。脚本家が事柄の重さを認識せずに、軽くさしはさんでしまったのかもしれない。

極めつけは、800㎞先の原爆の光が見えるたってところだろう。少なくとも、あんな形の光が見えることは、あり得ない。ただ、バラードが何か光るものを見たのは否定できない。原爆が上空の電離層に影響を与えて、光を見せたことはありうるから。でも、スピルバーグをはじめ、スタッフはその辺はよくわかっていなかった模様。まるでそう遠くないところに原爆が落ちたような(長崎と上海がものすごく近いよな)感じ。なにもしらない欧米人はこのシーンを見て、信じる人もいただろう、そんなわきゃないと思っている我々は、幻を見た…っていうシーンだと思うわけである。

過酷な現実の中で、子供らしさどころか人間らしさまで失ってしまうという展開なので、娯楽作品といってしまうと怒られそうなのだが、壮大なアドベンチャーであり、グローイングアップムービーだと思う。佳作。

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公開年:2003年
公開国:アメリカ
時 間:139分
監 督:ピーター・ウィアー
出 演:ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、ビリー・ボイド、ジェームズ・ダーシー、マックス・パーキス 他
受 賞:【2003年/第76回アカデミー賞】撮影賞(ラッセル・ボイド)、音響賞[編集](Richard King)
【2003年/第57回英国アカデミー賞】監督賞[デヴィッド・リーン賞](ピーター・ウィアー)、プロダクションデザイン賞(ウィリアム・サンデル)、衣装デザイン賞(Wendy Stites)、音響賞
コピー:1805年――ヨーロッパ征服を狙うナポレオンの前に多くの兵士の命が犠牲となった。窮地に立つ英国軍が、一人の艦長のもとへ送り込んだのはまだ幼い少年たちであった…。

1805年。ナポレオンに席巻さつつあったヨーロッパでは、海上でもフランスが圧倒的優勢となっていた。イギリス軍は多くの兵士の命が失われ、兵力を補うために士官学校の少年までも戦場に送らねばならない戦況。そんな中、12歳の士官候補生ブレイクニーら数人の少年たちは、伝説的な名艦長として名を馳せるジャック・オーブリー率いるサプライズ号に乗り込む。サプライズ号の任務は、フランス軍の武装船アケロン号を拿捕するというものだったが、圧倒的なスピードと戦力を持つアケロン号の前に、大苦戦を強いられる。幼い少年達はひたすらにジャック艦長を信じ、戦い続けるが…というストーリー。

過去に何度かチャレンジしたことがあるものの、毎回寝てしまう。今回は気合を入れて最後まで鑑賞。ガラパゴス諸島まで目が覚めていたのは今回が初めて(笑)。

アケロン号を目にして、ヤッツケタルデー!と気合入れまくり。冒頭からドンパチが繰り広げられるので、このままのペースで、さぞやすごい海戦が繰り広げられるのかと思いきや、戦力差がものすごくて劣勢&劣勢。それに相手の船の全容も相手の乗組員の人影すらも、最後の方まで全然でてこないので、緊迫感もイマイチ。幽霊船と戦っているがごとく。

そして、延々むさ苦しい船内の画が続き、たらたらと航海の様子が続く。ちびっ子将校が右手を失ってみたり、船医の希望でガラパゴス島に観察にいったりクロッケーをしたり、開頭手術をしてみたり、そして密閉空間ならではの精神的に追い詰められる船員あり。船内のエピソードは盛りだくさんではある。
まあ、実話を元にしたお話と思われるので、展開には制限があるのはいたしかたないが、海戦アクションってよりも、航海日誌ドラマみたい。技術面での受賞が多いが、たしかに大海原を臨場感満載で描けている。しかし結局、船の上なので退屈になるのは致し方ないか…。そのくせ、船内の構造とか広さとかがうまく伝わってこないのは不思議だけど。

ラッセル・クロウの締りの無いお体のせいでボヤけてしまっているが、熱い海の男達の生き様、マチュリン医師との友情、少年たちの成長という三本の筋がうまく絡み合ったシナリオで、悪くは無いのだ。海戦で男性の興味を惹いておきながら、実は女性でも愉しめそうな人間ドラマが主軸という、チグハグさが、本作の難点のすべてだろうね。

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image1931.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:146分
監 督:スティーヴン・スピルバーグ
出 演:ジェレミー・アーヴァイン、エミリー・ワトソン、デヴィッド・シューリス、ピーター・ミュラン、ニエル・アレストリュプ、トム・ヒドルストン、パトリック・ケネディ、デヴィッド・クロス、ベネディクト・カンバーバッチ、セリーヌ・バッケンズ、トビー・ケベル、ロバート・エムズ、エディ・マーサン、ニコラス・ブロ、ライナー・ボック、ジェフ・ベル 他
受 賞:【2011年/第17回放送映画批評家協会賞】撮影賞(ヤヌス・カミンスキー)


イギリスの農村で、一頭の美しい馬が農家に買われる。農夫テッドは農耕馬を買うつもりだったが、その馬のあまりの美しさと、競り合った相手が地主だったために、意地になって高額で競り落としてしまったのだ。妻には頭を下げてでも返して来いといわれるが、息子アルバートの懇願により、育てることに。馬はジョーイと名付けられ、アルバートは愛情を一心に傾ける。それに答えるように臆病で奔放だったジョーイも、賢い馬に成長していくのだった。そんな中、戦争が勃発。テッドはあまりの困窮に耐え切れなくなり、アルバートを知らぬ間に、ジョーイを軍馬として売ってしまう。ジョーイはニコルズ大尉の馬としてフランスの前線へと送られ、ついにドイツ軍を決戦の時を迎えるのだが…というストーリー。

やたらと長尺なんだけど、お馬さんの流転を語るにはこのくらいないと表現できない…というのは理解する。とはいえ、やっぱりちょいと長いね。ディズニー映画では、あまり無い長さかも。子供はまずダレるだろうね。
お馬さんはやっぱりキレイで、絵になるのだが、犬よりも表情も動きのバリエーションも乏しくて、ちょっと感情移入できる要素が足りなかったかも。

地主と小作人。それも舞台はまともに耕作もできないような土地。そこで、地主がものすごくイヤなヤツで、散々テッド親子のことを馬鹿にする。さぞやギャフンと言わせるような展開があるのかと思いきや、一矢報いた程度。ケン・ローチの映画みたいな舞台なんだけど、階級闘争とかそういうことはおこらない。
地主の息子も一緒に出兵していて、親と同じようにイヤなやつだから、そっちで溜飲を下げてくれるのかと思ったら、最後はけっこういいやつになったりして。
途中で出てくる、感じのクソ悪いドイツ軍曹も、きっと痛い目にあうに違いない…と思ってみていたのだが、特段ひどい目にあうわけでもなかった。
まあ、そんな小手先の勧善懲悪的な展開が良いというつもりはない。だけど、なんかスカっとしない。

ああ、馬ちゃん、アルバートと出会えてよかったねえ…と、心から思ったのは事実。だけど、心が動かない。
せっかく馬との再開を果たしたのに、見知らぬジジイに競り負けてしまう。自分の娘の思い出の馬だから、まあ理由は正当だし、実際その権利はあるような気がする。で、ジジイはその経緯をアルバートに説明しているのだが、ジジイが親父のペナントをアルバートに見せると、アルバートは「なんでそれを持っているの?」という。自分がジョーイにつけたんだろうが。さっきジジイが自分が飼っていたと説明していたんだから、持っていても不思議はないじゃないか。アルバートはジジイの話を聞いていなかったのか?それとも底抜けの馬鹿なのか?(笑)

どうも引っかかるのは、ジョーイという馬が、色んな人から愛されたのは、“美しい”から…という点。所々、仲間の馬を庇ったりするのだが、そういう性格的な魅力を表現したシーンはそれほど多くない。結局みんな、この馬は美しい美しいって、持って生まれた容姿を褒めてるんだよね。人間に置き換えたら、美人だから特別扱いされてますってことだよね。何それ…って思わない?

ドイツ兵が普通に英語を喋ってて、ふつうにイギリス兵と会話しちゃうのを、どう捉えればいいのやら。原作は児童文学なのかもしれないが、子供は置いてきぼりだし、もうちょっとリアルを追求したほうが良かったような気もする。

悪くない映画ではあるんだけど、心にはさざ波程度しかおこらない。泣くツボ、応援したくなるツボ、ドキドキするツボ、すべて微妙にはずしていて、まったく心を奪ってくれない。ちょっと残念。

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image1756.png公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:105分
監 督:ジム・シェリダン
出 演:トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン、サム・シェパード、クリフトン・コリンズ・Jr、メア・ウィニンガム、テイラー・ギア、ベイリー・マディソン、キャリー・マリガン、パトリック・フリューガー、ジェニー・ウェイド、オミッド・アブタヒ、ナヴィド・ネガーバン、イーサン・サプリー、アーロン・シヴァー、レイ・プルーイット 他
ノミネート:【2009年/第67回ゴールデン・グローブ】男優賞[ドラマ](トビー・マグワイア)、歌曲賞(ボノ/U2“Winter”)
【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】若手俳優賞(ベイリー・マディソン)
コピー:世界の果てをみた兄に、まだ声は届くだろうか。

海兵隊に所属するサムは、妻と2人の娘と幸せな暮らしをおくっていた。しかし、サムの弟のトミーは、銀行強盗をやって捕まり服役しており、家族はそんな彼を嫌っていた。トミーが仮出所となった直後、サムは入れ替わるようにアフガニスタンへの出動を命じられる。しかし、無事帰還を祈る家族の思いも空しく、サムの訃報が届く。葬儀を終えても悲しみに暮れるグレースと娘たちを見て、これまで問題ばかりおこしていたトミーも、彼女たちの支えになりたいと思い始め、徐々にグレースたちのも打ち解けていくのだった。そんな時、死んだと思われていたサムが生きていると連絡が入り…というストーリ。

冒頭の日常生活の場面から、ずっと重~~い雰囲気。そのままず~っと思い雰囲気で、1秒たりとも息を抜けることがない。普通はもうすこし緩急があってもいいはずなんだけど、ただただ、重苦しい。でも、かといって、ラース・フォン・トリアーみたいに、意図的にこれでもかこれでもか…ってやってる感じではない。
ちょっと心が病んでる人が、シナリオを書いたんじゃないかと思うほど。

観ているほうは、サムが死んでないのも判ってるから、立ち直ろうとしている残された人たちの様子が痛々しく感じるけど、どうせ戻ってきてモメるんだろうな…と思うと空々しくも感じてしまう。おまけに、アフガンで捕まってる間が長すぎるから、その空々しい時間の長いこと長いこと。

トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマン、各々の演技には何の不満もなかった。メインの3人以外もみんなお上手だった。でも、これだけメジャーな役者揃いなのに、重苦しい空気にかき消されてしまうほど。

デンマーク映画がオリジナルらしいんだけど、舞台がアメリカになったのが、敗因かな…とも思う。薄っぺらなリベラル思想による反戦メッセージが鼻に付くって感じ。
苦痛で壊れてく兄、つらい思いをしている人たちの痛みを身近に感じて人間らしくなっていく弟、なんとか立ち直ろうとする妻と家族。本当は撒き戻されるはずのないネジが撒き戻され、そんな3者が改めて交わるけれど、同じようになれるはずもなく…。弟がいい人になっていく過程がちょっと薄い気もするんだよなぁ。だから、トミーとグレースの間がそれほど縮まったように見えないし。

元の『ある愛の風景』って反戦映画なのかな?本当は、もう少し、このすったもんだの先に生きる希望が見える内容なんじゃないのかな(捜して観てみようかな)。とりあえず、微塵のカタルシスも希望の光もないので、お薦めしたくない。



負けるな日本

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image1222.png公開年:1998年
公開国:アメリカ
時 間:171分
監 督:テレンス・マリック
出 演:ショーン・ペン、ジム・カヴィーゼル、エイドリアン・ブロディ、ベン・チャップリン、ジョン・キューザック、イライアス・コティーズ、ニック・ノルティ、ジョン・サヴェージ、ジョン・C・ライリー、ジャレッド・レトー、ウディ・ハレルソン、ジョージ・クルーニー、ダッシュ・ミホク、ティム・ブレイク・ネルソン、ジョン・トラヴォルタ、ミランダ・オットー、ポール・グリーソン、ウィル・ウォレス、ペネロープ・アレン、ニック・スタール、トム・ジェーン、光石研、前原一輝、酒井一圭、ラリー・ロマーノ、サイモン・ビリグ 他
受 賞:【1999年/第49回ベルリン国際映画祭】金熊賞(テレンス・マリック)
【1998年/第65回NY批評家協会賞】監督賞(テレンス・マリック)、撮影賞(ジョン・トール)
コピー: パラダイスは、若者たちの魂の中にある。

1942年。ガダルカナル島に日本軍が航空基地を建設しているとの情報がアメリカ軍に入る。基地が完成すればアメリカ軍の制空権を脅かすことになるため、ガダルカナルへの上陸作戦が決行されることに。その頃、アメリカ陸軍C中隊所属のウィット二等兵は、現地の自然と原住民の生活に魅せられ、無許可離隊を繰り返していた。そんな彼をウェルシュ曹長は看護兵に配属し、上陸作戦に参加させる。日本軍が死守する丘の攻略にかかる中隊だったが、激しい機銃掃射に遭い、兵士たちは次々に命を落とし後退を余儀なくされる。しかし、指揮官トール中佐は引き続き突撃を命じる…というストーリー。

繰り広げられる会話一つ一つがすべて哲学的な示唆・内省を含んでいる。演者の一挙手一投足に、脳が回転し続ける感じ。でも、イヤじゃない脳への刺激。素敵な詩を読んでいるような感覚。ここまで、セリフ一つ一つが練りに練られた作品を見たことがない。

冒頭から、なぜ人は戦うのか…ということを問う。人間の中にある“反神性”。遺伝子の中に刻まれた“争う”という業。ちょっとした仏教経典一つくらいの内容があると思う。この映画が何か答えを提示することはない。自分で感じ、自分で見つける作品。

戦争を醒めた目で眺める自分がいる。不思議と先頭を観ているのに、心が落ち着いてくるという不思議。ずっと戦争をしているだけなので、ストーリー性という意味では薄いのかもしれない。170分は確かに長いけれど、決して苦痛ではない。そんな思考の時間を与えてくれる。大傑作。お薦め。



負けるな日本

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image1749.png公開年:1970年
公開国:アメリカ、日本
時 間:115分
監 督:リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二
出 演:マーティン・バルサム、山村聡、ジェイソン・ロバーズ、ジョセフ・コットン、三橋達也、ジェームズ・ホイットモア、東野英治朗、E・G・マーシャル、田村高廣、千田是也、内田朝雄、安部徹、エドモン・ライアン、島田正吾、ジョージ・マクレディ、エドワード・アンドリュース、キース・アンデス、野々村潔、リチャード・アンダーソン、ネヴィル・ブランド、宇佐美淳也、十朱久雄、リック・クーパー 他
受 賞:【1970年/第43回アカデミー賞】特殊視覚効果賞(L・B・アボット、A.D. Flowers)
コピー:今世紀最高最大のスケールで描く戦争スペクタクル巨篇!太陽は昇った-昭和十六年十二月八日--その真紅の朝焼けは、血と炎のドラマにふさわしく大空をそめた--

各国によるABCD包囲網による経済封鎖で疲弊していく日本。経済制裁を主導するアメリカとの共存を模索する一方で、陸相兼首相の東条英機は、アメリカへの攻撃を進言。アメリカの圧倒的な物量に日本が対抗しきれないことを知る連合艦隊司令長官・山本五十六中将は、短期決戦の末に有利な講和に持ちこむという青写真を描き、太平洋艦隊を編成し、ハワイ攻撃の準備を着々と整える。アメリカ側も日本が攻撃するならばハワイの可能性が高いことを予測していたが、その情報は現地に伝わらない。
その後、野村駐米大使とハル国務長官の交渉は決裂し、日米間の通商条約は破棄され、決戦の日は刻々と近づくのだった…というストーリー。

日本の奇襲が宣戦布告前であるように見える点について、手続き上の不備だったりアメリカ側の組織の怠慢であるとい描き方をしているのが、非常に興味深い。未だに、原爆投下を戦争を終結させるためには必須だったと言って憚らないアメリカ人さんは、奇襲とはいえ軍事施設しか攻撃しない日本人のお行儀の良さをどう見るのか(原爆もB29による焼夷弾攻撃も、すべて民間人への直接攻撃で、ルール違反だからね)。公開時にこれを観たアメリカ人がどう捉えたのだろう。
ベトナム戦争当時だったこともあり、アメリカ国内でもアメリカ(特に軍)に対して納得いかない感情があったのかな…と思うが。それにしても、アメリカの情報機関やハワイ軍の体たらくの描き方が顕著で、私がアメリカ人だったら、情けなくて涙が出てくるレベル。

それにしても、マイケル・ベイ監督の『パール・ハーバー』とは、いったい何なのか…という想いが湧く。あのクソCGと、本作における戦闘機の迫力の違い。細かいことを言えば、日本の戦闘機や戦艦のディテールに事実と違うところが多々あるとは思う。しかし、とにかく“実際に戦闘機を作って飛ばしている”という、今では考えられない驚愕の事実。
映画におけるビジュアル面での技術は確かに発展したのだろうが、本作をみると、なんでもかんでもCGで片付けてしまう現在のほうが、当時よりも“貧しい”と強く感じる(予算的な意味ではなくて)。
『パール・ハーバー』における三文メロドラマって、日本側どころかアメリカ国民すらバカにしてるような気がしてくる。

三橋達也、東野英治朗、田村高廣、井川比佐志。これら日本サイドの役者陣の“顔力”がものすごい。アメリカ側の役者がキャラでも演技でも特徴を打ち出せないでいるのも相まって、彼らの個性の光り方はハンパない。欧米人がアジア人の見分けが付けにくとしても、彼らの顔はイヤでも認識できただろう。

これらの演出が舛田利雄によるものなのか深作欣二によるものなのかは不明。大局的に納得のいかない場面でも、個々が最大限にできることを発揮しようとする、日本人らしさをよく描けていると思う。もし、黒澤明がそのまま演出をしていたら、こういう日本人像になったかどうかは疑問(もっと非道な日本人像になっていた気もする)。

本作における黒澤明の降板騒動は有名な話だが、確かに黒澤明が作ったらどうなったかな…という興味が沸かないといえばウソになる。しかし、彼がそのまま手掛けたとしたら、変なところにこだわりすぎてスジュール延び延びになり費用もかさみ、最悪の場合、日の目を見なかったんじゃないかとすら思えるので、結果オーライかと。

まあ、とにかく、教科書を読むより流れがわかりやすい。というか、意図的にこのあたりを端折ったり、一方的に日本が悪魔の所業で世界に迷惑をかけたと教え込む社会科教師が多いから、若者は見たほうがいいと思うよ。観た後は、自分で判断してくれればよい。
愉しいとか、そういう次元ではなく、観ておくべき一作かな…と。




負けるな日本

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imageX0030.Png公開年:1987年
公開国:アメリカ
時 間:120分
監 督:バリー・レヴィンソン
出 演:ロビン・ウィリアムズ、フォレスト・ウィッテカー、チンタラー・スカパット、ブルーノ・カービイ、ロバート・ウール、J・T・ウォルシュ、リチャード・エドソン 他
受 賞:【1987年/第45回ゴールデン・グローブ】男優賞[コメディ/ミュージカル](ロビン・ウィリアムズ)


1965年。アメリカは南ベトナムを反共の砦とするために兵を送り込み続ける。その結果、サイゴン市内でもベトコンによるテロが頻発ほど戦争は拡大を続けていた。そんな中、軍サイゴン放送局は、兵士の戦意高揚のために、クレタ島から一人の人気DJエイドリアン・クロンナウアを呼び寄せる。到着した彼は、局に向かう途中で、さっそく現地のアオザイの女性に目を奪われるほど、陽気な性格。局へ着くと、「グッドモーニング,ベトナム」と絶叫して番組をスタート。マシンガントークに加え、軍指定の推薦曲を無視してロックンロールを流すなど、戦場の兵達から熱烈な支持を受ける。しかし、軍内の規律を重視するディッカーソン上級曹長とホーク少尉は、彼の放送を不快に感じ…というストーリー。

ロビン・ウィリアムスは演技が過多ぎみな人ので、いわゆる“普通の役”を演じると興ざめする場合が多いのだが、本作のDJはエキセントリックの極みでマシンガントーク炸裂という役柄なので、スタンダップ・コメデイアン出身の彼にとては適役。

前線の様子はラジオを聴いてくつろぐ兵士の姿がほとんどで、戦闘シーンがほとんどないのも特徴的。ベトナム戦争映画は多々あるが、このようなノリの作品は本作くらいだと思うが、立派に反戦映画としての役割は果たしているのが興味深い。

結局、クロンナウアとトリンの間の距離が縮まることのないまま、クロンナウアが帰還するところが、まだ遠い平和をうまく表現できていてよい。
日本をWW2で倒し占領下に置き、日本の民主化を推進したアメリカが、報道を検閲し自国の兵士に事実を知らされないまま戦闘に向かわせるという、旧日本軍と同じことをやっている皮肉。グッド・モーニング・ベトナムの“グッド・モーニング”が“目を醒ませ”って意味なら、いいところを衝いているなと思う。
ひとつの戦争による勝利は、一過性の勝利でしかなくて、本当の勝利は別の次元にあるということ。
そして、アメリカは今でも目を醒ましていないという状況を鑑みると、WW2で敗戦してよかったのではないかと思えてくるほど(負け惜しみじゃなくてね)。

これは傑作だと思うなぁ。

実は公開当時に劇場で観ているのだが(年齢がわかるな)、その時は国際情勢なんかトンチンカンチンだったので、裏に潜んでいる意味とか全然読み取れなかったんだよね。24年ぶりに観て、クロンナウアは上官のいやがらせに抵抗しているように見えて、実はアメリカの姿勢に対して抵抗しているという構図が見えて、ああ自分も成長したな…となかなか感慨深い作品だ。
これを観てピンとこない人やアメリカ目線の都合のいい作品だと批判している人をを攻める気はない。また10年後にでも観なおしてくれればそれでよい。そんな人達も、いつか“グッド・モーニング”を迎えることを祈って、超おすすめの一作。




負けるな日本

 

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image1708.png公開年:2010年
公開国:フランス、アメリカ、スペイン、イギリス
時 間:114分
監 督:ポール・グリーングラス
出 演:マット・デイモン、グレッグ・キニア、ブレンダン・グリーソン、エイミー・ライアン、ハリド・アブダラ、ジェイソン・アイザックス、イガル・ノール 他
コピー:グリーン・ゾーン──。そこは、偽りに支配された安全地帯。



フセイン政権が陥落した直後のバグダッド。陸軍のロイ・ミラー准尉率いる部隊は、大量破壊兵器の発見という任務を遂行していたが、指示された施設を捜索しても、何も無い状態が繰り返されていた。3度目の空振りの後、情報源に誤りがあるのではないかとミラーは主張するが、上官はそれを無視する。納得できないまま引き続き指示に従うが、イラク人フレディの情報提供をきっかけに、国防総省に不審な動きがあることを察知する。ミラーは、同様に疑念を抱くCIA捜査官や記者と共に、独自の調査を敢行するが…というストーリー。

イラクの大量破壊兵器が無かったなんてことに、いまさらフォーカスを当てられても、そのこと自体は世界中の誰しも知っていることで、それ自体はサスペンスにもミステリーにもなりえない。むしろ、多くの国を騙くらかしたペテン行為(もちろん日本も騙された)で、思い出せば苦々しい感情が沸くだけで、それをトレースされても、何一つおもしろみを感じない。せめて映画にするのだから、それに輪をかけた切り口にしなければいけない…と、普通は考えるのだが、この映画は事実以上のオチは何一つないのだ。
#ただ、実際はCIAのチョンボだったのが、国防総省の陰謀ということになっている。この変更に何の意味や効果を期待しているのかさっぱりわからないけれど。

じゃあ、それはそれとしてアクションやドンパチを盛大に見せる方向にもっていくのか?と思っていたが、同じ実話である『ブラックホーク・ダウン』と比較しても、そのレベルは半分にも満たない。

ちょっと哲学的な話になるが、“無い”ことを証明するのは、“ある”ことを証明することよりも格段に困難である。簡単な例を出すと、宇宙人の存在を証明するためには宇宙人を一人発見すればよいが、いないことを証明するためには宇宙の隅から隅まであらゆるところを探さなければいけないわけだ。
なぜこの映画がピリっとしないのか。ある隠された証拠を探す話なら、それを追ってチェイスを展開すればいいので話がどんどん集約されていく。しかし、大量殺戮兵器は“なかった”という一点に向かって集中させることは不可能なのだから、話は進めば進むほどボケていくのである。
結局、最後のほうは、自分で乗り込んで捕まってそれから逃げて…というマッチポンプを展開させる意外に、オチを付ける方法が無かったいう、極めて愚作なシナリオとなっている。これほどピリっとしない戦争ムービーも珍しい。お薦めしない。




負けるな日本

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image0097.png公開年:2001年
公開国:アメリカ
時 間:135分
監 督:ジョン・ウー
出 演:ニコラス・ケイジ、アダム・ピーチ、ピーター・ストーメア、フランシス・オコナー、クリスチャン・スレーター、クリスチャン・スレイター、ノア・エメリッヒ、マーク・ラファロ、ブライアン・ヴァン・ホルト、マーティン・ヘンダーソン、ロジャー・ウィリー、フランシス・オコナー、ジェイソン・アイザックス 他
コピー:この友情は、戦場で誇れるただひとつの名誉。


1943年。エンダースは、ガダルカナルの作戦で失敗し多くの部下を死傷させてしまい、自分も心と体に深い傷を負い帰還する。強く責任を感じたエンダースは戦線への復帰を強く要望。ようやく認められるが、彼に課せられた任務は、ナバホ族の通信兵とペアを組み護衛し、彼の戦場での安全を確保することだった。これまで日本軍はアメリカ軍の暗号をことごとく解読していたため、ナバホ族の言語を暗号に使うことを切り札と考えていたのだ。しかし、本当に守らなくてはいけないのは通信兵ではなく暗号の秘密で…というストーリー。

『プライベート・ライアン』は、ただ単に一兵卒を保護することが目的だったが、本作では保護に加えて別の密命が…。保護したいのは人でなくて特殊能力で、それを日本に奪われることだけはイカン!と。そういう非常な密命が下っているのでエンダーズは必要以上にヤージーと親密になろうとしない。元々差別主義者ではないけど、偏見によるイジメすら見てみぬふりをするほど。正直なところ、軍人としての忠誠心と人間としての良心の間で揺れ動く様子をみせるなんて、ドンパチ戦争モノのくせに地味なこと極まりない。でも、そこが普通に面白かった。
#受賞歴どころかノミネートすらまったくなしなんて、そんなにヒドいとは思わないんだけど。

本作での日本軍関連の扱いの悪さについては、別に気にならなかった(たとえ監督が中国人であろうとも)。日本人の弾は当たらないのが不自然とか、日本側の描写が変とか(サイパンの村とか軍の装備とか)、その手の指摘にはまったく賛同できず。兵力差を考えたら、本作の日本軍はむしろ鬼のように強いから。当時、サイパンに日本人の村あるから。原音の日本語はヘンテコで興醒めなのかもしれないけど、吹替えでは気にならない。吹替えでは「ホリョダ」は「ほりょだ」と聞こえるよ(あたりまえだ)。

「アメリカ人と日本人が一緒に仲良く酒を飲んでいる日がくるかもしれない」的な会話がされるのだが、仲良く酒を飲む日がなかなかこない中国人が監督なのがおもしろいじゃないか(本来、人間は長々と憎み続けることは難しいはずなのに、中国・韓国がそれを平気でできちゃうのは、憎しみ続けることに利益があるからだよね)。

将来分かり合えるかもしれないと想像できるくらいなら、やっぱり、なんでこんな戦争になっちゃったのか…って考える。劇中の軍人さん達は考えても仕方ないから考えないだろうけど、鑑賞している私たちは考えられる。日本が海外進出の野望を持っていたから?中国・韓国はそういうけど違うと思うよ。経済封鎖で生殺与奪を外国に握られたからでしょう。昔の日本はそうだったろうけど、今の日本が海外と戦争するなんてありえない…なんていうだろうけど、同じように経済的に孤立したらどうする?なんて、今の人は考えているのかしら。本当ならEUみたいなブロック経済には敏感に反応しなきゃいけないし、グローバルスタンダードを振りかざすFTAなんかは真剣に熟慮しないといけない(少なくとも韓国のように簡単にFTAに参加するなんて、危険極まりない)。その辺がわかっているのなら、簡単に技術供与なんかできないよね。団塊世代に人たちは、特に判っていない気がして仕方が無い。団塊世代の害悪は、この先30年くらい、日本にとてつもない不利益を及ぼすのではないか。

まあ、戦争ってイヤだわ。こうならないように真剣に勉強しなきゃね…と思うには充分な作品。世の中の評価もかなり悪いのだが、あえて言おう。私は良作だと思う。本作を観て不快に感じた人は、何で自分がこれを不快に思うのか自己分析されると良いのではなかろうか。作品云々ではない別の理由があるのではないかね。



負けるな日本

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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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