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公開年:1956年
公開国:日本
時 間:87分
監 督:島耕二
出 演:刈田とよみ、川崎敬三、八木沢敏、見明凡太郎、南部彰三、フランク・熊谷、河原侃二、岡村文子、永井エミ子、小原利之、平井岐代子、斎藤紫香、山形勲、夏木章、目黒幸子、渡辺鉄弥、泉静治、谷謙一、杉田康、津田駿二、花村泰子、原田該 他





世界中で謎の飛行物体の目撃情報が相次ぎ、科学者たちの間で盛んに議論されていた。実は、その飛行物体は、地球を観測するためにやってきたパイラ星人のものだった。パイラ星人は、地球上で原子雲が発生しているのを見つけ、自分たちが原子力を兵器として使わないようにするために、散々苦労した歴史を持っており、地球人が同じ轍を踏もうとしていると思い、忠告にやってきたのだ。そんな彼らの思いなど露知らず、地球では空飛ぶ円盤騒ぎで大盛り上がり。しかし、天文学の小村博士や助手の磯辺徹、小村の従弟で物理学者の松田博士らが、研究を重ねるものの一向に正体を掴めずじまいだった。一方のパイラ星人も地球人にメッセージを送るために使者を送るが、その奇怪な姿に恐れおののかれるだけで、目的を達成することができずにいた。相手を奇怪な姿と思っているのはパイラ星人も一緒で、人間の美的感覚に首を傾げていたが、そうも言っておられず、一人の星人を人間の姿に変身させて地球に送り込むことに。人気歌手青空ひかりをモデルに変身し、銀子という名前で日本に送り、松田博士の家に入り込むことに成功はするのだったが…というストーリー。

内容とは無関係だが、このパイラ星人のデザインは岡本太郎。ガチャポンのパイラ星人、なかなか高額で手に入らない。まあ、自作できそうなくらいシンプルなデザインではあるのだけれど…。

実は、日本特撮映画史上、初のカラー作品は本作らしい。“色彩指導”にも岡本太郎がクレジットされているほどで、“カラー”であることに物凄く気を使っていたことが伺える。その一端かもしれないが、タイトルの“宇宙人”のフォントが無意味にポップなのがおもしろい。

普通だったら、宇宙人のデザインなんて一笑に附されるようなモノになるのだが、さすが岡本太郎。このパイラ星人、シンプルながらも、恐怖とコミカルと両面が融合された絶妙なデザインである。体の中央に眼球があるのだが、この瞳が光るギミックが無駄に注力されている。そのへんの拘りに微妙に狂気を感じたりもする。

高度な文明をもった宇宙人が愚かな地球人を指導にやってくるという考えは、ギスギスと殺伐した世の中では、誰しもが想像すること。朝鮮戦争が終わり、冷戦時代に突入。唯一の被爆国としては、両陣営による全面核戦争開始もリアリティがあった時代。さらに、西側陣営に組しているとはいえ、自分が核兵器を持っているわけでもなく、単独で戦争をすることすらできない。本作は製作されている頃は、警察予備隊、保安隊が、やっと自衛隊を名乗ったばかりのころである。

ストーリー面でも、やはり、なにか狂気を感じさせる。パイラ星人の会話、まあ地球人とは価値観が違うわけだから奇妙なのは当然なのだが、何かジワジワくるものがある。さらに、高度な文明が発達してても、地球人と全然まともにコミュニケーションが取れないときている。パイラ星人はずっと賢いんだろうから、先にこれは仮の姿だって説明するとか、うまい方法はありそうなのにできない。そこまで意図したかは不明なのだが、人間同士でも知的レベルに差があると、満足に会話が成立しない場面は多々ある。なんじゃこりゃ?この映画ふざけてんのか?と一瞬思うのだが、よく考えると、なかなかリアルなのかも…と。

で、なかなかうまく関係が気付けないパイラ星人と地球人。おまけに、地球に星が衝突してくるという危急の事態に。そこで、パイラ星人。あきらめちゃったのかいなくなっちゃう。
その後は、地球人の悪あがき。原水爆の廃止をうったえながら、衝突する星を原水爆で攻撃しないといけない皮肉。でも、原水爆ぐらいで星がこわれるわけない(なんで壊れると思ったか)。

結局、星の接近により高熱になる地球。もういろんな物が溶けちゃうくらい。もうダメじゃん!ってところで都合よくパイラ星人が再登場して、地球を救済。めでたしめでたし。一応、救済のカギである“ウリウム101”を研究している松田博士の所在はどこだ!っていうハラハラ展開は挟みつつも、そこは対して盛り上がりは見せずに、結局は宇宙人さんありがとうというオチ。

まあ、大人も子供も一緒に観れる“絵本”的な作品。

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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:62分
監 督:中澤祥次郎、(アクション監督)石垣広文
出 演:白石隼也、奥仲麻琴、永瀬匡、戸塚純貴、高山侑子、中山絵梨奈、篤海、前山剛久、KABA.ちゃん、小倉久寛、忍成修吾、陣内孝則、福田彩乃 他
コピー:金色の魔法使い・仮面ライダーソーサラー降臨






ある夜、“金色の魔法使い”にコヨミが誘拐される。金色の魔法使いは、コヨミの魔力と自分のリングの力を合わせて虹色の竜巻を作り出す。その竜巻は全世界を包み込み、竜巻に巻き込まれたコヨミと操真晴人は意識を失ってしまう。夜が明けて2人が目を覚ますと、世界は“魔法使いの国”に変貌していた。一般ンの人々はすべて魔法使いで、流通貨幣として魔力が用いられる“魔力流通システム”が成立している。そんな不思議な世界で晴人とコヨミは、奈良瞬平や大門凛子、仁藤攻介と再会するが、彼らはまったく2人のことを知らない。「面影堂」に向かった彼らは、そこで、虹色の竜巻によって母を失った少年・シイナと出会う。晴人は金色の魔法使いが犯人を考え、真相を探るために、この世界の支配者マヤ大王の住むエメラルド城を訪れるのだが…というストーリー。

いまさらの鑑賞。正直、ウィザード のTV放送は流し見状態だったので、触手が動かなかった。TVシリーズに影響を与えないような異世界話で、よくある置きに行ったふわっとしたプロット。観始めてすぐに、攻めのない話だな…と感じる。

ネタバレしちゃうけど、マヤ大王ってのが、魔法の国の大王なのに魔法が使えないってのが話のポイントになってる。ハリー・ポッターでいうところのマグル。それはいいとして、なんかシナリオ上の扱いが、生まれつきのハンデに苦悩する人みたいな扱いで、さらにその弱みを悪人に付け込まれてエライことになるって話なのね。
この“生まれつき”みたいな要素が、本当に醒める。平成ライダーって“改造人間”っていうシチュエーションが批判を受けそうだからって理由で止めてるらしんだけど、こういう“生まれつき”っていうどうしようもない先天的要素をクローズアップするほうがよっぽど問題じゃないか?って思う。
いや、そういうのを扱っちゃいけないとは言っていないよ。ただ、こういうハンデを克服しましょうみたいなノリが、なんか多いように思えるのね。
#まあ、そこをどうにかしたからって、おもしろくなるようなレベルじゃないんだけど。

陣内孝則が“史上最年長のライダー”ということで、公開当時はキャンペーンをしていたが、最年長ライダーが登場することが観客動員に繋がるとなんで思ったのが、いささか疑問。お父さん、お母さん世代が陣内孝則の登場を喜ぶか?というマーケティング上の疑問も。

はっきりいって、本作を観て、平成仮面ライダーシリーズの大ピンチを感じざるを得なかった。平成ライダーシリーズが、電王でハジケて、ディケイド→W→オーズと中興したのは、“わけのわからなさ”だった(と私は分析している)。フォーゼ以降は、プロットにしても企画・設定にしても、考えすぎて“条理”が 臭いはじめた。製作側が、世間の悪評やクレームに先回りで対応し始めて(実在するかしないかわからない世間のリアクションで動き始めて)、結果的に縮こまっているように見える。

去年くらいまでは、仮面ライダーがいまいちの時は戦隊の方がそれなりだったのだが、今は、日曜朝の特撮が両方しっくりこないというピンチ時期(鎧武も“わけのわからなさ”を発揮したのははじめだけで、今は主役が毎週毎週ぐぬぬぬーって苦虫潰してるだけ)。
なんなら、『ウルトラマン ギンガ』のほうが、“わけのわからなさ”を発揮しているかも(ただ、企画段階ではハジケてるんだけど、ストーリー展開が旧態依然なのがね)。

また、アクション要素でもイマイチ楽しめなかったのは問題。予算の問題か?やる気の問題か?イカンねコレは。

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公開年:1979年
公開国:日本
時 間:102分
監 督:実相寺昭雄、下村善二
出 演:黒部進、二瓶正也、原保美、福田善之、吉野謙二郎、永井秀明、奥野匡、小林昭二、桜井浩子、平田昭彦、毒蝮三太夫 他







科学特別捜査隊員ハヤタと一体化したウルトラマン。子供たちの落書の怪獣が宇宙線を浴びて生まれた二次元怪獣ガヴァドン、地上の人々に対して復讐をする地底人に操られた地底怪獣テレスドン、宇宙開発の犠牲者が変身した彗星怪人ジャミラ、20万トンという凄まじい体重のメガトン怪獣スカイドン、“怪獣墓場”から月ロケットにしがみついて落下してきた地球に落ちてきた亡霊怪獣シーボーズとの戦いを綴る。

ウルトラマン自体は1966~67年の作品なので、放送当時ではなく、後に発生したウルトラマンブームの際に作られた作品。ウルトラマン80の前くらいなので、ザ☆ウルトラマンあたりか。TV放送のフィルムを使ったブローアップ版なのだが、さすが実相寺監督というところか、余白のあるカットなど、とにかく画が味わい深い。

チョイスされている怪獣も特徴的。ガヴァドンは子供の想像から生まれた怪獣で、大人から抑圧された子供たちの反発心の象徴。絶対悪として退治するにはちょっと憚られる存在。テレスドンは、かつて地上人によって虐げられて地底に追いやられた不幸な一族が、臥薪嘗胆で復讐するために連れてきた怪獣。かつて地上人がやったであろう非道を考えると、これも若干、倒しづらい。ジャミラにいたっては、その正体は人間だ。科特隊のメンバーも任務を放棄しようとするくらいかわいそうな存在。科学信奉の犠牲者だ。とにかく本作の怪獣は、どうにもひっかかる相手ばかり。

“争いは悪い”というのは簡単だが、そんな綺麗ごとだけで解決できる事柄だけではないのよ…という難題を、抜き身で子供に突きつけているようなもの。今の特撮作品にはない切り口。子供向け番組に、政治的シニカルさを加えるのはどうだろう…という見方もあるだろうが、大人といっても、所詮は大きくなった子供だからね。子ども扱いしないっていうのは大事なのかも。

後半は、さらに実相寺節全開の演出のオンパレードとなる。スカイドン戦ではバロック調のBGMに、寝起きパジャマ、カレー、お茶会。
シーボーズのコミカルさに加えて、供養という名目で、過去の総集編になっているという優秀演出。さらに、何か違和感を感じた人はなかなかするどい。本作では、ウルトラマンがスペシウム光線を使っていないのだ。
#地球にいるときと宇宙空間で、VTOLの推進エンジン(アダプターなのかな)が違うという、地味にしっかりした設定もすごい(が、その点は実相寺演出とは無関係)。

単なるブローアップなのに、監督の色を出しまくって成立させているのがすごい。さすがに監督名が冠されるだけのことはある。

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公開年:1967年
公開国:日本
時 間:80分
監 督:円谷一
出 演:小林昭二、黒部進、桜井浩子、石井伊吉、二瓶正也、津沢彰秀、布地由起江、荒垣輝雄、平田昭彦、藤田進、松本朝夫、富田浩太郎、稲吉千春、加藤勉、鈴木邦夫 他





科学特捜隊日本支部のハヤタ隊員は、パトロール中に赤い光球と青い光球を発見し、それらを追尾したが、赤い光球に接触してしまい墜落してしまう。重態となったハヤタの意識に、謎の生命体が話しかける。彼はM78星雲人と名乗り、正義の心を持つハヤタの命を奪うこととなってしまったことを悔いていた。そして、そのお詫びとして自分の生命を与え、一心同体となるといい消えていくのだった。その頃、科学特捜隊の他のメンバーはハヤタを捜索にきていたが、青い玉の正体である宇宙怪獣ベムラーが出現。ハヤタはM78星雲人から得た知識をもとに、ベムラーの探査を指示。科学特捜隊は総力を挙げてベムラーを対峙するのだった。その後、地球には数々の怪獣が出現するようになり…というストーリー。

謝罪するウルトラマンのペコリはちょっとかわいい。ハヤタ隊員からすればいい迷惑な話で、ウルトラマンはとにかく平謝りせねばならないところなのだが、色々説明している時にフフフとか笑っちゃう不謹慎っぷり。ウルトラマンはなかなかのKYっぷりを見せてくれる。

昔はTV放送をそのまま上映するブローアップ版が多かった。本作もTV放送分のフィルムをまとめたものなのだが、ちょっと工夫が施されている。
まず、驚くべきことに、初めて地球に出現した怪獣ベムラーをウルトラマンが倒すのではなく、科学特捜隊が倒すという設定に替わっており、これがなかなか新鮮。最終回のゼットンは、科学特捜隊が倒すという展開なのだが、その萌芽はここのあるのかもしれない。

また、半分くらいまでウルトラマンに変身しないという構成。それも初仕事のレッドキング戦は、科特隊のメンバーは見ていない。はじめて人間がウルトラマンを見るのが、2/3経過したゴモラ戦であり、一本の映画として成立するように、腐心している様子が伺える。
#さすがにAタイプからBタイプに替わってしまうのは仕方がないか…。

ただ、一点だけ残念なことがあって、大阪でゴモラと初対決するウルトラマンを見て、子供がウルトラマンを認識しているのだ。まあ、TV放送を前提に考えれば不自然でもなんでもないのだが、せっかくオリジナル的な構成できているのだから、むしろ本劇中では、“ウルトラマン”という単語を使わなくてもよいくらいだ。子供は偶然βカプセルを拾って、それを届けるだけで十分だったと思う。

…ということからも判る通り、終盤はちょっとダレてしまい、コンセプトを貫き通せていないが残念。完遂していたら特撮史に輝く作品になっていたと思うのだが…。

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公開年:2013年
公開国:日本
時 間:92分
監 督:金田治、(アクション監督)おぐらとしひろ
出 演:石垣佑磨、池田純矢、小宮有紗、白石隼也、奥仲麻琴、永瀬匡、戸塚純貴、高山侑子、小倉久寛、竜星涼、斉藤秀翼、金城大和、塩野瑛久、今野鮎莉、鈴木勝大。馬場良馬、西平風香、高橋直人、榊英雄、三浦力、森田涼花、大葉健二、本田博太郎、鈴木達央、中村悠一、福士蒼汰、小澤亮太、岩永洋昭、須賀健太、稲田徹、関智一、てらそままさき、水樹奈々、飯塚昭三、丸山敦史、岡田浩暉、木下あゆ美 他
コピー:立ち上がれ、全スーパーヒーローよ!!
全宇宙 対 全地球 二度とない 究極バトル開始!!


秘密結社ショッカーが魔法の力を得て“スペースショッカー”として復活。その影響により、宇宙全域で魔法力の暴走が発生し、星々が消滅しはじめた。このままでは宇宙全体が滅亡してしまう。銀河連邦警察は、暴走の原因が仮面ライダーウィザードとビーストであると推察し、宇宙刑事ギャバンこと十文字撃を派遣。ギャバンはウィザードを襲撃するものの、ウィザードと触れ合ううちに彼が原因とは思えなくなってくる。撃は、もう一度原因を再調査するように、銀河連邦警察隊長・一条寺烈に進言するが却下。命令に従わない撃は、宇宙刑事を解任され、ギャバンへの変身ができなくなってしまう。生身で独自調査を進めた撃は、スペースショッカーの影に、宇宙犯罪組織マドーの存在を嗅ぎ取るのだったが…というストーリー。

作品の出来・不出来が、良い、悪い、良い、悪い、休んで、良い…みたいに、カスタネット状態の金田治監督。今回はどちらかというと、良い方だと思う。アクションシーンが得意な監督さんだったのに、そのアクションシーンにもキレがなくなってきて、こりゃもうだめかな…と思いはじめていたのだが、今回は復活。純粋にアクションシーンに割ける予算があるか否か…がすべてなのかもしれない。

様々なヒーローたちの“顔見せ興業”なのは、例年どおり。ただ、脚本の米村正二は、『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』の不出来が記憶に新しく、不安だった。昭和ライダーをダラダラと連続名乗りさせたシーンは、ある意味トラウマシーンだった。しかし、本作は、全員が馬鹿みたいに順番に出てくるんじゃなくて、それなりにメリハリをつけた感じ。
ただ、何をどう出すかは、企画段階である程度決まっているだろうから、脚本家の責任じゃないのかもな…とは思うが…。

シナリオの面では、いつも我を通すあまりに孤立する十文字撃というキャラをうまく生かせた展開になっていると思うし、ゴーカイシルバーのキャラクターも効果的に使えている。仮面ライダーウィザードがターゲットなのに、うまいこと別行動にして、話をシンプルにしたのもなかなか上手だと思う。

さらに、真の敵が誰か?という謎解きの部分がおもしろければベターだったのだが、“マドー”ですって判明したところで、特段驚きはない。「そんなことされたら、ウィザードとビーストが原因だって勘違いするわ~!」っていう説得力が薄かった上に、地球をあと1時間で消滅させねばいけないほど、切迫した状況がうまく描けていないため、隊長やシャリバンが悪者に見えてしまうのは、如何なものかと思う。
その他にも、サイコロンとヨーコのくだりなんかもあって、話の軸の数は盛りだくさんなんだけど、やっぱりそれぞれ不完全燃焼ぎみ。どこかけずるべきだったかも。

ラスボスに本田博太郎を持ってくる意味もなかったし、『北京原人』の小ネタを挟んだって、ほぼ誰も気付かない。気付いたとことで小笑いもおきない。

終盤になると、馬脚を現したというか、最近の映画に出てきたキャラクターを、連発して誤魔化しているという、いつもどおりのまとめ方に。ストーリー展開だけで持っていくことに、力尽きてしまったか。

特に、グランダインやスカイダインを出す意味・効果があったかは疑問。別に人気のあるキャラじゃないと思う。義侠心を描いてみるなどキャラ付けをしているが不発。
フォーゼ&メテオとのタッグマッチをやりたかったんだと思うが、その意味に気付くお父さん連中は少ないと思う(フォーザとメテオのモチーフは、おそらくスカイゼルとグランゼル。スカイゼルって赤色だけど、デザイン稿では白ボディなの)。
わざわざ、イナズマンを登場させて“先生”と呼ばせるくだりも、不要だったかもしれない。だいたいにして、サナギマン・イナズマンのデザインもアクションも特段格好良くない(もう一皮剥けて、昔のデザインで登場するくらいじゃないと、インパクトがない)。

元デザインから、リアル化したり要素を付加したキャラばかりなんだけど、デフォルメする能力が欠けているのか、ゴチャゴチャしてかえってインパクトを失っていることに気付くべき。
#やっぱり、昭和ライダーのコンバータラングがパコパコ浮くのは改善されていない。スーパー1は興醒めだった。アマゾンの赤線模様の顔と体の密度の差も改善されていない。

そろそろ(というかここ数年ずっとだけど)、年3本前後の映画製作には限界があるのではなかろうか。ここまで練りの甘い脚本が続いているのだがら、脚本を公募するなどして新しい風を入れでは如何かと(脚本家の登竜門的な場にしたりね)。
それほど悪い出来ではないのだが、そろそろ仮面ライダーのTVシリーズをお休みしてもいいかな…って、マンネリの秋風を感じる作品かと(別に、TVで新作『キカイダー』なんかをやったって問題があるとも思えない。キカイダーはフジだから難しいだろうけど)。
#森田涼花は、ことはの時はかわいいがシェリーのときは何か変…という不思議。

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公開年:1963年
公開国:日本
時 間:89分
監 督:石井克人
出 演:久保明、土屋嘉男、小泉博、太刀川寛、佐原健二、水野久美、八代美紀、天本英世、熊谷二良、草間璋夫、岡豊 他







豪華ヨットで海に繰り出した、大学助教授の村井と教え子の明子、笠井産業社長の笠井とその愛人の麻美、笠井産業の社員・作田、作家の吉田、そしてこの航行のために臨時雇いした漁師の息子・仙造。はじめは楽しい旅だったものの、猛烈な暴風雨に遭遇。船の装備は破壊され、ただただ潮流まかせに南へ流されるだけとなる。水も食料も底を突き、死を覚悟したその時、深い霧の中に無人島を発見し漂着する。島で食料を探していると、人間のものらしき足跡を発見。その先には一艘の難破船があったが、乗員の姿はなく、船内にはキノコが群生しているのみ。どうやら核実験の影響について調査してた模様だが、発見された公開日誌には“船員が日々消えていく”“キノコを食べるな”“MATANGO”などという謎の文言が記されていた。その船で見つけた缶詰も無くなりかけ、7人は食料と女性をめぐって対立し始める。そんな中、不気味な怪物が出没し…というストーリー。

近所のレンタル屋の特撮の棚を探していたが見つからず。実はホラーの棚にあった。いやいや特撮でしょ…っと思ったのだが、内容を見て、確かにジャンルは微妙だな…と、まあ納得。
変なモノサシかもしれないが、こういう怪獣やヒーローが出てこない作品の場合、特撮技術がショボいかどうかで、ホラーなのか特撮なのか、線引きされてしまう気がする。だって、特撮のショボさで興醒めしたり、笑えちゃったりする場合があるでしょ。
本作の技術はなかなかすごいと思う。まず、ロケのシーンとスタジオセットの雰囲気の差が小さい。さすがにセットなのかロケなのかの区別はつくのだけれど、当時のこの手の作品と比較すると、シームレスだと思う。
それから光学合成のレベルが高く、それもいい加減な合成ではなくて、キチンと機器の特性を把握した上で効果的に用いられている。
#でも、私は特撮にカテゴライズしちゃうけどね。

アメリカがゾンビなら、日本はマタンゴってところか。じゃあ、ゾンビが大衆社会の象徴だとすると、マタンゴは何か?やはりマタンゴも同じく大衆社会を投影してると思う。ただし、仲間に噛まれて増殖…ではなく、空腹に耐えられなくなり手を出してしまい、それ以降が虜となって、終いには異形の生物になってしまうというプロセス。初めは自ら手をだしてしまうという構図。企業の宣伝なんかに踊らされて、いいように虜になってしまう、企業の宣伝やブームに踊らされている人々を揶揄している感じだろうか。

星新一が参加しているということで、そんな設定になっているのかな?なんて思いながらみていた。しかし、それ以上は、特に星新一らしさは感じられぬままラストへ。らしさはキャラの一人に作家がいるくらいかなぁ…なんて思っていたら、最後の最後、オチが完全に星新一で思わず笑いが漏れた。星新一が好きな私としては、このラストを観ただけでも正直満足できたかも。

基本的に、愉しめた作品ではあったのだが、もうちょっとこうしたらよかったな…という部分はいくつか。

中盤、滞在する船に侵入してきたマタンゴが、ふっと消えるシーン。菌に噴散した後に、また群体を形成するという設定なのだろうか。まあ、菌だからいいんだけど、もうちょっとその設定を生かしたシーンや展開があってもよかったと思う。
また、キノコを食べるまでマタンゴにはならないという設定なのか、マタンゴたちに襲われてもマタンゴになってしまうのか?という点。ラストを考えると両方ということになりそうだけど、食べなければ変身しないという設定一本に絞ったほうがよかったと思う。生き残った人も、自ら食べはしなかったけど、無理やり口にいれられて吐き出したけど、ちょっぴり摂取してしまいました…ということにするか、救助されるちょい前に、結局我慢しきれず少し食べちゃいました、くじけちゃいました…という『ミスト』的なオチでもよかったと思う。
あとは、女性と作家以外は、いまいちキャラが立っていないのも不満かな。

同様の“変身人間シリーズ”は他にもあるが、比較して出色な作品だと思う。

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公開年:2010年
公開国:アメリカ、日本
時 間:85分
監 督:原口智生
出 演:平田弥里、ダニエル・アギラール・グティエレス、北岡龍貴、深華、なべやかん、星光子、庵野秀明、樋口真嗣、桜井浩子 他
コピー:人類滅亡か?大都会にショックの嵐を呼んだデスカッパ!!






アイドル歌手を夢見て東京に出た加奈子は、夢破れて失意の中、故郷の尻子玉村に戻ってきた。しかし、戻ってきたその時に、若者の運転する暴走車によって祖母が轢き殺されてしまい、二重の悲しみに。加奈子の実家は、代々村の守り神である“河童様”を守っていたが、その意思を継いで、河童様をお守りすると誓う加奈子であった。実は、先の事故に巻き込まれて、河童地蔵が海に転落しており、それにより河童様が怒り長い眠りから目覚めていた。河童は加奈子たちの前に出現。なぜか、加奈子のアイドル時代の歌を気に入り、仲良しになり…というストーリー。

はじめからおふざけ作品なんだろうな…と思いつつも、息抜きのつもりで鑑賞。
主演の平田弥里は、『ウルトラマンメビウス』のアマガイ・コノミの役の人。顔も声もかわいらしい感じの人なのだが、メビウスのときに27歳で、本作のときには30歳超。それが悪いわけじゃないのだが、若作りのせいなのか、声の質のせいなのかよくわからんが、何故か見ていて不穏な気持ちにさせられる人。

日本の特撮ファンなら、巨大化展開で桜井浩子が登場していることの意味がわかるとは思うが、はじめから一般人を相手にしていないような。これ、アメリカ資本で作られているのに、それでいいのかな?いや、そういうレベルのことがわかるアメリカのマニアを対象にしているのかな?んー、でも、本作は、『片腕マシンガール』『東京残酷警察』などの“TOKYO SHOCK”シリーズの流れらしいので、エログロを期待されてるんじゃないのかな?などと、プロモーション的にこれでいいのか?と、作品と全然関係ないことで不穏な気持ちになってしまう。

まあ、中盤で唐突に出てくる。庵野秀明が出ている謎の組織のくだりなど、エログロ系に流れそうな気配があったが、大爆発でうやむやに。
#なんか、昨日の『風が吹くとき』を観たあとだからだと思うけど、この演出が、とっても情けなく思えてしかたがなかった…。
うやむやのまま二大怪獣の対決というお決まりパターンに突入するが、それをなべやかんのプロレス解説風の演出が盛り上がりを疎外。何がおもしろいと思ってこういうのを入れているのかよくわからず。その解説が名調子だっていうんならまだしも、グダグダなのが救いようがない。
なべやかんは特撮好きとのことだが、こういう作品に出てくる彼から、特撮愛が感じられないのはなぜなのか…。

肝心の河童の造形はすばらしいと思う。根本的なデザインに面白みがあるか否かは別として。この監督さんはこれが本職だからね。

残念ながら、息抜きにも気晴らしにもならず、キーポイントの加奈子の歌も頭から離れないような謎歌でもなく、どっち方向にもハジケきれなかった、駄作かと…。

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公開年:1973年
公開国:日本
時 間:82分
監 督:福田純
出 演:佐々木勝彦、川瀬裕之、林ゆたか、ロバート・ダンファム、富田浩太郎、大月ウルフ、中島元、三上左京、池田芙美夫、森幹太、ロルフ・ジェサップ、中西英介 他






科学者・伊吹吾郎の開発した電子ロボット・ジェットジャガーが何者かの手によって強奪された。犯人は、人類による再三の核実験により壊滅の危機にあったシートピア王国人。シートピアとは、300万年前に太平洋に沈んだムー大陸の生き残りで、海底に王国を気付いていたのだった。シートピア人は、地上人を駆逐すべく、王国の守り神”メガロ”を地上に送ることにしたが、メガロを地上に誘導するためには、ジェットジャガーを使用する必要があったのだ。ジェットジャガーに誘導されたメガロは、次々と日本各地を破壊。伊吹は、予備のコントロール装置でなんとかジェットジャガーを奪い返し、ゴジラに救援を求めるため、怪獣ランドに向わせた。一方、シートピア人はM宇宙ハンター星雲人からガイガンを借用。2体で地上壊滅に追い込みをかける。怪獣ランドからジェットジャガーは、この危機的状況を目にして巨大化し、2体に立ち向かっていくのだった…というストーリー。

ちょっと、ゴジラが続きすぎか。特撮好きだが、実はあまりしっかりゴジラシリーズは観たことはなかったりする。本作も初見。

なんで登場人物の名前が伊吹吾郎なのか。水戸黄門の格さん役だった伊吹吾郎は、1973年にはすっかり有名だったと思うが、偶然なのかしゃれなのか。

『ゴジラ対ヘドラ』では公害をテーマにしていたが、本作は反核。子供向けに媚びたテイストに変貌する中、骨太路線への揺り戻しか?とも思えるが、シナリオ上、その部分はまったく掘り下げる気配がない。なんでじゃ。人間の核実験で滅ぼされそうになり、窮鼠猫を噛む状態のシートピアさんたちの主張のほうが正当性がありそうなのに、単なる悪者として敗れてしまう(というか滅びてしまう)。おまけに、ああ、人間って迷惑をかけていたんだなぁ…なんていう痛恨の反省があるわけでもなく話が終わってしまう。

なんで、ジェットジャガーじゃないとメガロを誘導できないのか、よくわからんし、等身大のロボットが巨大化するのが突飛すぎる。何でジェットジャガーが巨大かしたのか?は、公式設定では、組み込まれたいた良心回路が発動したから…らしいのだが、なんでその回路が動くと巨大化するのかは、まったくもって意味不明。作った人間もわからん機能。根性…なんだろうな。

一体なにがやりたいんだこの作品は!と怒りたくなるのだが、じつはやりたいことは明確。怪獣によるプロレスをしたかっただけ。それもタッグマッチで。その証拠に、ジェットジャガーの顔のモデルはアントニオ猪木だと言われている。怪獣島に鎮座しているゴジラ先輩をジェットジャガーが呼びにいく構図、猪木が全日の同上に出向いて、馬場を招聘するようなものか。そう、GI砲だね。

敵は外国人レスラー。シートピアの王様は白人だったでしょ。加えて宇宙人。前作の敵だった宇宙人だけど、姿を見せることもなく、シートピアとM宇宙ハンター星雲人が共闘に至った前フリとかも一切ない。取ってつけた感が甚だしい。掘り下げればものすごくおもしろくなったに違いない。ジェットジャガーの巨大化だって、M宇宙ハンター星雲人の巨大化光線を謝って浴びてしまったため…とか、絡められたかもしれないのに。
それ以前に、敵の怪獣を、子供に人気のカブトムシをモチーフにするというセンスの無さには閉口だけどね。

で、その、やりたかったプロレスが面白いか?というと、そうじゃないのがまたイタい。コミカルムーブの連続。ゴジラにピースサインさせるとか…。ゴジラシリーズの終焉を決定つけた作品といえる(まあ、自作の対メカゴジラで、ちょっとだけ盛り返すんだけどね)。

正直に告白すると、ジェットジャガーが動いているとこと見たかっただけなんだ。コイツのデザインだけは、けっこう秀逸だと思っている。

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公開年:2004年
公開国:日本
時 間:125分
監 督:北村龍平
出 演:松岡昌宏、菊川怜、宝田明、ケイン・コスギ、水野真紀、北村一輝、ドン・フライ、船木誠勝、水野久美、佐原健二、泉谷しげる、伊武雅刀、國村隼、四方堂亘、長澤まさみ、大塚ちひろ、須賀健太 他
コピー:さらば、ゴジラ。




20XX年。突如、世界各地に怪獣たちが現れ暴れ始める。地球防衛軍は、超能力を持った人間“超人類”を集めたミュータント兵士部隊・M機関を創設しており、彼らを対応を命ずる。しかし、突然、X星人と名乗る宇宙人が飛来し、怪獣たちを消滅させてしまう。救世主の登場に地球人たちは歓喜。X星人は地球に妖星ゴラスが迫っており、それから救うためにやって来たという。怪獣消滅は友好の証だと語るのだった。国連事務総長の醍醐も、X星人との友好を推進する姿勢をアピールする。しかし、X星人の態度に疑問をもったM機関の尾崎と分子生物学者の美雪は、美雪の姉でテレビ・キャスターの杏奈を使って、X星人の企みを生放送で暴く。うろたえるX星人司令官を参謀が射殺し実権を奪取すると、消滅させた怪獣たちを再び出現させ地球侵略を開始するのだった…というストーリー。

冒頭に回想シーンとしてゴジラが登場するが、本編に入ると、まあ、ゴジラが出てこない、出てこない。しかし、全シーリーズを通して最後の打ち上げ花火ということで、数々の前座が必要なので、致し方ない。

平成ゴジラは、『ゴジラVSスペースゴジラ』に見られるようにサイキック路線が存在する。襲われるだけの人間という姿だけ描くわけにもいかないし、武力的にも限界がある(宇宙人とか出てくると太刀打ちできないのが明白だし)ので、超能力というギミックに頼るのは致し方ない。
#あれ、致し方ないことばかりだな……
ファイナルでは、超能力と武力を融合&拡大化し、ミュータント部隊を登場させる。Tプロジェクトからの流れをきちんと踏襲しているといえるので、ある意味正しい続編の姿。ファイナルとしては悪くない設定だと思う。
さらに、ファイナルなので次のことを考える必要がないため、“20XX年”というぼんやり設定も可能に。近未来。便利だね。

ゴジラとは無関係の『海底軍艦』の轟天号や、『妖星ゴラス』を登場させるも、コアな特撮ファン以外はピンとこなかったか。
#マンダについては、『怪獣総進撃』でゴジラと競演済。

X星人の正体がバレて、怪獣総進撃状態になるまでのシナリオは悪くないと思う。子供も理解できるし、大人も許容できる丁度いい具合の展開だと思う。

ただ、後半になると、怪獣をこれでもかー、これでもかーと登場させるだけの展開になる。アメリカ版ゴジラの登場は、思い切ったことをしたもんだと当時は思ったものが、今観ると、ちょっとイヤミがすぎるかも。出すなら出すで、魅せ方はもっとあったと思う。
さらに、北村一輝演じる悪虐なX星人が、コミカルな演技や、メタ視点の台詞を吐きはじめ、これまで培ったノリを崩壊させる。彼のせいではない、監督がさせている。
怪獣たちまでもが、コミカルな動きをし始めてしまう。昭和ゴジラシリーズが、子供ウケを狙ってコミカルな動きをしていたのを、ファイナルなので踏襲してみたとか?いやいや、そんなことはしなくてよろしい。
もっと、バトル展開自体がおもしろい、怪獣同士のぶつかり合いを、最後だからこしそ観たかった。

で、どうやって、X星人との攻防にケリを付けるのかと思っていたら、松岡昌宏演じる尾崎が、スーパーサイヤ人的な覚醒をするという展開。『マトリックス』というか『リベリオン』というか、チートな動きの連発で興醒め。
なんとか、ドン・フライ演じるダグラス・ゴードンの馬鹿っぷりで、無理やり最後まで持っていった感じ。
でも、ゴードンと杏奈のラブ設定はいらないわ。ほとんど一瞬しかコンタクトしてねーじゃねーか。

馬鹿をやるのは結構なのだが、本気で馬鹿になりきれなかった作品かな。後半は、夢から醒めてるのに夢を見続けているふりをして人を見ているようだった。

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公開年:1994年
公開国:日本
時 間:108分
監 督:山下賢章
出 演:小高恵美、橋爪淳、米山善吉、柄本明、中尾彬、佐原健二、吉川十和子、斉藤洋介、大沢さやか、今村恵子、上田耕一、宮坂ひろし、木下ほうか、小堺一機、松村邦洋 他





G対策センターでは、二つのプロジェクトが遂行中。一つはテレパシーによってゴジラを操作しようとするTプロジェクト。南洋のバース島にリトルゴジラが生息していることから、ゴジラ出現の可能性高しということで、Gフォースの結城が常駐していた。そこに、Gフォースの新城と佐藤、Tプロジェクト側からは未希と千夏、大久保が派遣される。ほどなく、結城が仕掛けた罠にリトルゴジラがかかり、その悲鳴に呼び寄せられてゴジラが出現。Tプロジェクトメンバーは、ゴジラの高等部にテレパシー受信装置を打ち込むことに成功。さらに未希のテレパシーでゴジラをコントロールすることにも成功する。しかし、大久保の操作ミスにより未希が意識を失ってしまい、制御を失ったゴジラは海中へ退避してしまう。もう一つのプロジェクトは、戦闘ロボット・モゲラによるゴジラ制圧作戦で、すでに建造に成功。時を同じくして、地球に向って飛来してくる謎の物体があり、訓練飛行を兼ねてモゲラはその物体の調査に向う。しかし謎の物体はモゲラを退け、地球に急接近。とうとう地上に降り立り、怪獣の姿となって周辺を破壊しはじめる。接触時にモゲラに付着した物質の調査により、謎の物体がなんらかの理由により宇宙に飛び出したゴジラの細胞(G細胞)であることが判明。Gフォースは、スペース・ゴジラと命名された怪獣をを倒すべく、福岡に向うのだったが…というストーリー。

博多に出張に行ったので、博多が舞台の作品をなんとなくチョイス。なんでゴジラやねんというツッコミはあるだろうが、咄嗟に思い出したので。でも、20年前の博多の様子は全然違う。博多駅から天神方向の様子の街並みも雰囲気が違うし(ちょうど今回出張にいった場所だった)、バトル地の福岡タワーがあるシーサイドあたりもなにか、スカスカな印象。福岡ドームは1993年だから、この作品の製作年には存在するはずなんだけど、完全に無かったなぁ。Wikipediaをみたら“福岡ドームは同時期に製作中であった『ガメラ 大怪獣空中決戦』に登場するため造られなかった”の意味がわからん。名所なんてゴジラに壊されてナンボじゃろ。別の映画に出てたらなにが悪いんじゃ。よっぽど、スペゴジが神戸の街を壊すほうが問題だったろうに。
#鹿児島→熊本と北上していったが、ゴジラの歩く速度、どんだけ早いねん!というツッコミは無用(笑)

内容だが、大筋のプロットにヒネリもユニークさもない。新たな敵が来たので、ゴジラが迎え撃つだけ。それに、モゲラという懐かしロボットを登場させるというオッサンホイホイが加えられているだけ。ただ、製作側は、ゴジラと人間の心は通じ合えるか?というテーマを含めようとしていたと思われる。しかし、テレパシーでコントロールするという一連のくだりが、あまり効果を生んでいないため、そのテーマは死んでいる…といっても良いと思う。シナリオの練りが非常に甘い。

バース島で受信装置を打ち込み、結局は失敗したもののテレパシーを送り込んだことで、ゴジラと人間が通じ合えるようになった…という流れを作りたかったように思うが、ラストバトルでも、そのような描写をうまく作れていない。モゲラとのタッグマッチなわけだから、あれ?もしかして人間の気持ちが通じてるのか?という微妙な所作や、通じ合ってないとそんな連携できないっしょ!的なシーンを差し込むことはできたはずだが、普通のバトルに終始したと思う。挙句の果てには、バーサーカー状態のゴジラをリトル・ゴジラが沈めるというオチ。せめて、そこで、リトル・ゴジラと人間の思いが、テレパシーを通じてゴジラに伝わり…という感じにしないとね。
いや、たぶん、私が指摘したように作っているつもりなんだと思う。表現が稚拙で判りにくいだけ。その伝わらなさのおかげで、最後の受信機ポロリもただ取れただけで無意味になり、ゴジラがただの大魔神と化してしまっている。

しかし、最大のウリであるバトルシーン自体は、なかなか評価できると思う。ガツガツぶつかり合って、なんだかわからないが結局ゴジラが勝ちましたとか、後出しじゃんけんのように秘密兵器がでてくるとか、偶然の勝利とか、そんなのではなく、戦術的にスペゴジをコツコツを攻略。説得力のある倒し方という意味では、ゴジラのバトル史上、上位にくると思う。
とはいえ、取り立てて、ゴジラ好きじゃない人にお薦めするようなレベルではないが。ご当地ムービーとして、もっといろんな街並みや観光地を観せて欲しかったわ。

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image2173.png公開年:1965年
公開国:日本
時 間:90分
監 督:本多猪四郎
出 演:ニック・アダムス、高島忠夫、水野久美、ピーター・マン、土屋嘉男、志村喬、田島義文、沢井桂子、沢村いき雄、向井淳一郎、古田俊彦、佐田豊、渋谷英男、山本廉、加藤春哉、中山豊、大村千吉、西条康彦、石田茂樹、津田光男、広瀬正一、野村浩三、岡部正、橘正晃、桐野洋雄、田崎潤、大友伸、佐原健二、藤田進、伊藤久哉、中村伸郎、小杉義男、緒方燐作、納谷悟朗 他



第二次大戦末期。河井大尉は、沈没したドイツの潜水艦から入手した人造人間フランケンシュタインの心臓を、極秘裏に運び込んだ。日本軍はその細胞を研究し、不死の人間兵士の開発を目論んでいたのだ。しかし、直後に原爆が投下され、その心臓は消失。その十年後、広島に家畜などを襲う怪童のニュースが流れ、ほどなくして捕獲される。広島衛戍病院にて細胞組織の研究をしているボーエン博士と同僚の川地と戸山李子の三人は、怪童を預かり調査を行うと、白人であり異様に放射線に強いことが判明。人語を解さず凶暴な振る舞いをすることから、拘束して飼育することにしたが、怪童は日増しに巨大化。その姿に報道関係者の注目し、取材が押し寄せると、その騒ぎに激昂した怪童は檻を破壊し逃亡するのだった。檻には拘束具から逃れる際に千切れた手首が残されていたが、その手首は床を這い回っていた。手首は蛋白質の供給さえ途切れなければ単独で生存が可能で、それはまさに怪童がフランケンシュタインであることを意味していた。その後、フランケンシュタインは岡山、姫路などで家畜を食い荒らしながら東進。市民を恐怖に落としいれていた…というストーリー。

くだらない特撮だろうと思っていたら、なかなかの力の入れようで圧倒される。映画史的には、初に日米合作怪獣映画ということで、気合充分ということか。ゴジラの東映スタッフによるバリバリの操演と特撮技術は、いまさら言及するまでもなし。バラゴンの造形も優れており(背中の排骨みたいなデザインも良い)、今でもフィギュアが販売されるくらい。

1965年当時の原爆ドーム近辺の様子が収められているが、これがなかなか味わい深い。もうすでに原爆記念館はできているが、川の護岸の状態も違うし、公園の整備の具合も違うし、もちろん周囲の街並みは異なる。しかし、今行くと本当にここに原爆が落とされたのか?と思うくらい普通の都市だが、本作の映像ではなんとなく“爪あと”みたいな空気が漂っているように感じられる。
宮島のシーンもあるが、こちらも整備の具合は異なるが、よく保存されているな…と改めて関心。
その後、岡山、姫路のシーンがあるが、こちらは知ってるところが、出てこないのでさほどピンとこなかったが、大阪城近隣が全然変わっていて驚き。タイムマシン気分が味わえる作品だ。

平成ガメラシリーズもご当地ムービー的な要素はあったけど、映像作品に、実際の街並みをしっかり収録するってのは、資料としてすばらしいことである。セットやCGでは味わえない価値がある。私なんか『仮面ライダーフォーゼ』のロケ地になった伏見稲荷に行って、映像と一緒でちょっと感動したもんなぁ。こういうタイアップはどんどんやるべき。

秋田にバラゴンが出現するという展開が、ご都合主義に思えるかもしれないが、元々、フランケンシュタインとキングコングが戦うという企画がアメリカから持ち込まれ、それが派生したものなんだから、そこは避けられない。ゴジラのように“怪獣”の存在意義が社会問題とがっちりリンクはしていないのはいささか残念だが、そこは原爆の子としてのフランケンシュタインが背負っているので大目にみよう。

高島忠夫演じる川地が、研究のためなら別にフランケンシュタインが生きてなくても、細胞の一部があればいいや…みたいな割り切っているキャラクター。かといってそれほど無慈悲なわけでもないという加減が面白い。あくまで、フランケンシュタインを人間として扱おうとする戸山李子とのコントラストがはっきりしており、その二人が同じチームで行動しているという設定が良い。
その後、バラゴンのやらかしかことが、フランケンシュタインのせいにされてしまうという展開になり、さらにバラゴンに襲われた川地はフランケンシュタインに助けられ、あら人間の心があるのね…という流れに。
広島を脱出するときも、やさしくしてくれた李子のマンションをそっと尋ねて、そっと去っていくというフランケンシュタインのシーンがあり、異形の怪物の悲哀を随所に散りばめている、なかなかのシナリオである。

DVDには、日本公開版と海外公開版の二種類が収められている。なにが違うのかと差を探したが、違いはラストシーンのみだと思う。海外版では、フランケンシュタインがバラゴンを倒した後に、唐突に大ダコが登場(?!)。フランケンシュタインともみ合いになり、海に落ちて、両方とも消息を絶ってしまうという内容。このタコの造形が無駄に(?)リアル。もう、そこまでやるんなら本物のタコでいいんじゃねえの?ってくらいだ。
日本版では、バラゴンを倒した後、地割れがおきて、引きずり込まれてしまうという内容。

どっちがいいってほど差はないのだが、さすがにタコの登場は唐突すぎるか。しかし、地割れのシーンもいまいち迫力がないし、せめて火山活動が活発になっていた…とかいう前フリでもあればよかったと思が、それはないので、こちらも唐突感は否めない。
まあ、“締め”がイマイチなのが、この作品の難点ってことなんだろう。その他は概ね良い出来映え。日本怪獣映画の中でトップクラスだと思う。
 

 

 

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image2146.png公開年:2012年
公開国:日本
時 間:94分
監 督:坂本浩一
出 演: 白石隼也、福士蒼汰、吉沢亮、奥仲麻琴、戸塚純貴、高山侑子、入来茉里、中山絵梨奈、篤海、KABA.ちゃん、小倉久寛、高橋龍輝、清水富美加、坂田梨香子、冨森ジャスティン、志保、土屋シオン、田中卓志、須賀健太、足立梨花、遠山俊也、真野恵里菜、原幹恵、渡部秀、三ツ矢雄二、関智一、デーモン閣下 他
コピー:究極のショータイム、開幕!

太古の昔に、人類に地底に追いやられた魔界の者、3人のアクマイザー”が地底から復活。地上侵略を再開する。人間の精神世界“アンダーワールド”の魔力を用いてモンスターを無限に生産するマシンを製造。怪人達を続々と生み出していく。一方、如月弦太朗はゾディアーツらとの戦いから5年後、新・天ノ川学園高校の教師となり、“宇宙仮面ライダー部”の顧問をしていた。しかし、生徒の一人・風田三郎らが“怪人同盟”と称して超能力を発揮して反抗。宇宙飛行士となった城島ユウキが乗る宇宙船を爆破すると宣言する。弦太朗はユウキを救うため、かつての仮面ライダー部を緊急招集する。一方、操真晴人たちは、マシンから生み出された怪人による騒動に巻き込まれる。解決するために、マシンに囚われている人物のアンダーワールドへ侵入した晴人達は、美少女仮面ポワトリンと出会うにだった…というストーリー。

ここ数年の仮面ライダー映画は、二つのストーリを交互にというパターンが続いているが、難点はその二つがぶった切れていて、さほど相乗効果がないこと。いっその事、同時上映で別の話にしたほうが、子供の集中力が続くだろうと思える点。
また、往年のヒーローを悪役にするパターンも継続。今回は、イナズマン、アクマイザー3、美少女仮面ポワトリンと盛りだくさんで、ちょっとインフレぎみ。前回のキョーダイン同様、ヒーローを悪役にするのは違和感があるというか、もったいないというか…。
イナズマンが妙に人間っぽくて気持ち悪いが、原作のイナズマンはこんな感じでむしろ忠実かも。ただ、ガーラの気色悪さはいただけない。悪役としての方向性を考えても、何かデザイン的に(というかバランス的に)何か間違っている気がする。
まあ、いつものお父さんサービスに加えて、美少女ヒロインというお母さんサービスの試みは、商業的実験としては面白いと思う。

今回は、ストーリー的にはかなりがんばっており、かなり好感が持てた。二つのストーリーは、タイムスリップネタながら繋がりに不自然さは無く、よく練られていると思う。はじめてまともに一本に繋がっている作品に思える。

上村優ことポワトリンを演じる入来茉里には申し訳ないが、仮面を被った顔は、はっきりいってブサイク(オリジナルの花島優子は、際立って美人というわけではなかったが、鼻筋が通っていて仮面栄えした顔だった)。でも、ブサイク設定でも別に問題無いのか!という、素敵(?)なオチが待っている。これは、脚本家はよくがんばった。仮面ライダー映画にしては、めずらしくまともにオチをつけた。でも、入来茉里というかホリプロ的には、それでいいのか?とは思うけど(笑)。

惜しいのは、オーズやダブルを登場させるくだり。8人ライダーを揃えるという展開は、往年の仮面ライダー作品を知っているお父さんにはうれしい流れだが、オーズ、W、アクセルの指輪は、一体どこから来たのやら。フォーゼの指輪はそれなりに理屈をつけていただけに、もうちょっとがんばって理屈を考えて欲しかった。怪人同盟の流れでも繋がっていていて良く練られているのに、もう少しがんばれなかったものか…。

まあ、とにかく、こういうシナリオを続けることができれば、仮面ライダー映画はワンステージ上がっていくのかもしれない。そんな感じで期待できる作品だった。
ただアクションが売りといってよい坂本監督だが、ワイヤーアクションにマッチしていないムーブが多くて違和感バリバリなのが気になる。シナリオがよくなったら、アクションがダメになるとか、がっかりさせないでほしい。

インガ役の原幹恵はよっぽどスタッフに気に入られたのか、いてもいなくてもいい役回りなのに、今回も登場。まあ、とにかくガンガン動けるし、使い勝手がいいのはわかる(ただ、流星と友子の関係がボヤけるけど)。

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image1502.png公開年:2009年
公開国:日本
時 間:89分
監 督:田崎竜太
出 演: 井上正大、戸谷公人、桐山漣、菅田将暉、石橋蓮司、寺田農、吉川晃司、村井良大、森カンナ、広瀬アリス、瀬戸康史、山本ひかる、なだぎ武、渋谷飛鳥、手塚とおる、生井亜実、飛鳥凜、君沢ユウキ、なすび、腹筋善之介、中川真吾、板野友美、河西智美、沢井美優、及川奈央、奥田達士、川岡大次郎、山中聡、深澤嵐、小清水一揮、鈴木拡樹、水谷百輔 他
コピー:本当の始まり。-仮面ライダーW ビギンズナイト- / 本当の終わり。-仮面ライダーディケイド 完結編-
仮面ライダーW、誕生の秘密。 / 仮面ライダーディケイド、最後の勇姿。

紅渡に“世界の破壊者”であることを告げられた門矢士は、“ライダー大戦”を勃発させた後、夏海たちの前から姿を消す。夏海の思いをよそに、ディケイドは他世界の仮面ライダー達を次々を消滅させていくが、そんな士の元には、謎の少女ユリコがつきまとう。ディケイドは、最後のライダーとなった、小野寺ユウスケが変身した仮面ライダークウガ アルティメットフォームと対峙。激戦の末にクウガを倒し、“世界の破壊者”をしての指名を完遂する。夏海は士の暴走を止めるべく意を決し、自ら仮面ライダーキバーラに変身し、ライダー大戦に身を投じるのだったが…というストーリー。

で、ディケイドのオチを知りたかったので、釈然としないながらも本作を続けて鑑賞。
ただし、『仮面ライダーディケイド 完結編』の他に『仮面ライダーW ビギンズナイト』が差し込まれ、さらに『MOVIE大戦2010』に話は融合されていくという構成。この構成がなかなかクセもの。最後、混ぜこぜにする意味があったのか甚だ疑問だし、結局“仮面ライダーディケイド”というものをきちんとクローズすることができず、ポッと思いついたなんちゃって企画レベルに貶めてしまったように思える。

本作は、一応TV版の最後でライダー大戦が勃発した後に続くストーリーらしいのだが、じゃあ前作の『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』は、どこに差し込まれるんだ?となる。TV版のCM移行時のスポット映像なんかを観ると、“アマゾンの世界”と“ライダー大戦の世界”の間かもしれない。でも、そうなると、“ライダー大戦の世界”のときには、士が大ショッカーの大首領だってことが判明しているということになるので、話が繋がらない。結局はどう考えても収まりが悪い。仮に、“アマゾンの世界”と“ライダー大戦の世界”の間が正しいとするならば、TV版の30話31話は作り直すべきだよなぁ…。

キバーラはいいとしても、タックルのくだりは、前作の結城丈二と同様で、もっときちんと描くべき。士と同じく孤独な存在というシンパシー設定はいいとしても、もう既に死んでいる…という設定が中途半端になっている。

大ショッカーがライダーさんたちを倒すことができなかったので、鳴滝はスーパーショッカーを組織して、ライダー討伐を実施する。で、昨日も書いたが、仮面ライダーが行き続けていると、世界は崩壊するんじゃないのかい。今回もライダーが勝っちゃったけど崩壊しない理由はなんなんだよ。

ドラスを出すなら、ディケイドを取り込んで桃色ドラスにして、先輩ライダーに助け出されるとか、おもしろい演出はいくらでも考え付くだろうに。つまらないというか、だらしない作品。
#とりあえず、スカルはカッコいい。

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image1474.png公開年:2009年
公開国:日本
時 間:112分
監 督:金田治
出 演: 井上正大、森カンナ、村井良大、戸谷公人、荒井萌、大浦龍宇一、倉田てつを、奥田達士、賀集利樹、GACKT、石橋蓮司、大杉漣、桐山漣、菅田将暉、荻野崇、徳山秀典、マーク・大喜多、沢城みゆき、関俊彦、関智一、鈴村健一、稲田徹、加藤精三 他
コピー:時空を超えて、集結せよ。究極のヒーロームービー誕生!!
オールライダー大決戦!



ディケイドこと門矢士、光夏海、小野寺ユウスケ(クウガ)の3人は、とある世界を訪れる。いつもは歪んだ写真しか写すことができない士のカメラだったが、この世界で撮った写真は歪むことがなかったことから、この世界こそ士の元いた場所だと思われた。そんな士の脳裏に、とある洋館が思い浮かび、わずかな記憶を頼りにその場所にたどり着くと、そこには士を兄とよぶ少女・門矢小夜がいた。しかし、ここでも世界の融合は進んでおり、小夜の執事である月影によれば、世界の崩壊は各世界に存在するライダーたちが原因で、これを防ぐためには、唯一無二の“最強のライダー”を決める必要があるという。それを聞いた士は瞬時に失っていた記憶を取り戻り、月影に“ライダートーナメント”の開催を指示するのだった…というストーリー。

何をいまさらこんな作品を観ているのか…といわれそうだが、いまさらながら『仮面ライダーディケイド』のTV版のDVDを一気に観たから。
そして映画とは全然関係ないのだが、先日、大阪・日本橋で、仮面ライダーJの京本コレクション(でっかいフィギュア)のジャンクを発見し、値切り交渉の末、購入するという事件(?)があったので、でかい仮面ライダーJが登場する作品を観たくなった。それだけ!

TV版を一気に観たからって、なんで観ないといけないのか?と思うかもしれないが、新聞ざたになった例の事件のせいである。事件とは、最終回を観た人からのクレーム多数でBPOで問題にされちゃったってやつ。最終回のラストが、これからライダーバトルが始まるよ~!っていうところでぶった切れて、さらに「続きは映画で!」みたいな感じになってしまった。

当時、スポーツ新聞などでも、“歴代ライダー 全登場”と記事になったくらいで、ものすごく期待値は高まったのだが、内容は全然。全登場したライダーは各々の魅力をさほど発揮することもなく、パラパラと画面を右へ左へしただけである。冒頭の、ライダー・トーナメントですら、あっさりしすぎていてまったくワクワクしない。要するに“出オチ”なのである。

TV⇒映画の手法が良いか否かは別にして、ディケイドというストーリーを完結させる、謎を明かす…という指名が本作にはあった。しかし、その謎も、正直意味がよくわからない。世界の崩壊を防ぐためにライダーを倒す!という目的ならば、大ショッカーさんたちは、世界の崩壊を防ぐいいやつじゃないの?うやむやになっちゃってるけど、結局、仮面ライダーが生き残ることで、世界は崩壊するの?しないの?勢いでライダーさんたち勝利しちゃってるけど、そうすることで世界が崩壊するんじゃないの?何で崩壊しないの?ちゃんと最後まで考えて、話を作っているとは思えない。

また、結城丈二の追放話とか、もっと丁寧に描かないと、意味がわからない。というか、むしろそっりの話を膨らませるべきではなかったろうか。

昭和ライダーではおなじみの、歴代ライダー登場!というパターンが使えなかった平成ライダーにおいて、無理やりな設定ながらも、過去ライダーの競演を可能とした“ディケイド”。これによるカードゲーム・玩具・グッズ収入の爆上げと、『ゴーカイジャー』による戦隊モノへの同じコンセプトの波及。さらに、石ノ森キャラ全体にまで侵食するという、事業展開的な意味での功績は大きい作品。
でも、子供向けの特撮番組だからといってしっかりしたストーリーを作っちゃいけないわけでもないし、そうしたからって子供が飽きるということもないと思う。要するに、日本特撮界に能力の高い人がおらず、永遠に子供騙しを続けている…という業界のレベルの低さの証明だと思う。ちょっと厳しい言い方だけど、いい加減怒りを覚えている。

さらにBPOのお叱りを受けたにも関わらず、この作品ですら“最終回”ではなく、“続く”状態なのが、実に馬鹿馬鹿しい。完結編は『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』のほうだったorz。

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プロフィール
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クボタカユキ
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男性
趣味:
映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
自己紹介:
一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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