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公開年:2007年
公開国:アメリカ
時 間:89分
監 督:ロルフ・カネフスキー
出 演:ジュリア・レーマン、ジェームズ・フェリス、エリック・ファガンデス、ブランディ・ウィリアムズ、アンジェラ・ドッドソン、ジョイ・ジョヴァンニ、ティファニー・シェピス 他
 
 
 
 
 
 
オタク少年ウォルターの隣家に、セクシー美女5人が住み始める。彼女たちは日々の生活をネット配信しているのだ。隣にいるのに近づくこともできず、悶々とするウォルター。そんなある日、ウォルターは父から携帯電話をプレゼントされるが、落雷の被害にあってしまう。すると携帯電話の中に謎のプログラムが宿る。なんとそのプログラムは、しゃべった通りに、人の行動を支配してしまう。さっそく隣家の美女たちに、いたずらすることを思いつくウォルター。しかし、携帯のプログラムがウォルターに惚れ始めてしまい…というストーリー。

まず、『超能力学園Z』(1982年)という作品が存在する模様。さらに『超能力学園WXY』(2001年)というのがあって、本作はその続編らしい。知らん。冒頭の携帯電話を荒野に捨てるシーンが、どのシーンにつながるのか(後なのか先なのか)もよくわからない。

実にくだらない内容ではあるが、シナリオの構成としては、悪くない。偶然にも謎のツールを手に入れてしまい、若者の欲望をそのツールで満たそうとするが、すったもんだでおかしなことに。

正直な気持ちをいうと、観て後悔している。途中から、ながら見状態だった。

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公開年:1988年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:アラン・メッター
出 演:ジョージ・ゲインズ、デヴィッド・グラフ、マイケル・ウィンスロー、レスリー・イースターブルック、クレア・フォーラニ、ロン・パールマン、チャーリー・シュラッター、クリストファー・リー、G・W・ベイリー 他







ロシア製の“THE GAME”というポータブルゲームが、世界規模で大ヒット。老若男女問わず、人々を夢中にしている。実は、このゲームの製作者はロシアンマフィアのボス、コンスタンティン・コナリ。何やら、このゲームソフトを用いて、とんでもない悪事を企んでいるという情報をロシア警察が掴む。ロシア警察は、かつてコナリをアメリカで追い詰めたことがあるラサード校長に支援要請。ラサールは、ジョーンズ、タックルベリー、キャラハンに加え、現アカデミーで成績優秀な生徒を一人同伴させることに。しかし、ちょっとした手違いで、高所恐怖症が原因で放校寸前だったコナーズが選出されてしまう。かくして、彼らにハリスを加えた6人がモスクワに到着するも、早々にラサールは行方不明になってしまい…というストーリー。

『ポリス・アカデミー'94 モスクワ大作戦』という邦題だったこともある模様。だが、どう小手先で策を弄しようとも、如何ともしがたい品質の悪さは覆せない。
前作から5年経過したことは仕方がない。5,6作目の質が悪過ぎたから。なら、5年ぶりの作品らしくもっと気合いを入れろ!と喝を入れたくなる。

“THE GAME”が大流行ということなのだが、使用しているのはゲームボーイ。カートリッジがささっていない。やる気ないのかよ小道具係!とは思ったが、まあそこは許そう。でも後に、パソコンで起動するとか、よくわからない描写が出てくる。パソコンゲームなの?

ハイタワー消える。役者さんがお亡くなりになった模様。残念。フックス消える。なんとニックが消えて、似たキャラのコナーズが登場。しかし、現地通訳との恋話ばかりで、あまり捜査の役に立たない。新米で旧メンバーとのエピソードがないから、かみ合わない。
コナーズは高所恐怖症というキャラ付けがされているのだが、後に通訳とのデートの時などに、思い出したようにちょこちょことその設定が出てくるのだが、ストーリー上、全然必要がない。はっきりいって邪魔な子。この子はいらない。タックとかジョーンズとかの活躍の場を増やし、ロシアのアカデミーの子をキャラハンが鍛えればよかったのだ(いろんな意味で)。
ジョーンズが公園で子供の自転車に乗っているときに狙撃されるシーンの意味が全然わからない。全然ギャグになっていなくて、かなりヒドい。

早々にラサードは行方不明になり、完全別行動。おとぼけを連発してはくれるのだが、いまいち面白くない。言葉の通じないロシア人とのすったもんだで、おもしろくなりそうなものなのだが、下品ネタばかり。ボルシチを捨てるシーンは、ロシア料理をディスってるんだと思うけど、いまいちピンとこない。
じゃあ、ハリスで面白さを補完してもらいたちところだが、何とプロクターいない。ハリス一人で失敗して空回りというパターンだけではとても持たない。

さすがに、5年のブランクはあるし、オリジナルの演者は減っているし、正直、自信がなかったのだろう。ロン・パールマンとか、クリストファー・リーとか、それなりに名の知れた役者を使って脇を固めようとしている。でも、逆にアカデミーメンバーの陳腐さを助長してしまった感じ。

続編製作の話が降っては沸くポリアカシリーズだけど、この7作を観たら、もうそっと静かに葬ってあげようよ…という気持ちにさせられる。正式なポリアカは4作目まで。これで確定。以上。

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公開年:1989年
公開国:アメリカ
時 間:85分
監 督:ピーター・ボナーズ
出 演:
ババ・スミス、デヴィッド・グラフ、レスリー・イースターブルック、マリオン・ラムジー、マット・マッコイ、ブルース・マーラー、G・W・ベイリー、ジョージ・ゲインズ、ケネス・マース、ゲリット・グレアム 他





ハリスが分署長となった管轄地域で、同一組織による宝石泥棒や強盗が繰り返される事案が発生。市長はラサード校長をに相談して事態の打開を依頼。ハイタワー、ジョーンズ、キャラハン、タックルベリー、フックス、ニック、ファックラーが招集され、さっそく警備にあたる。しかし、常に強盗団に裏をかかれてしまい失敗続き。どうやら、内部から情報が漏れている模様。どうやら、全市をパニックに陥れ、市政の転覆が目的らしいのだが…というストーリー。

ハリスが出世している…。まあ、イヤミなやつだが無能ってわけではなかったので、マウザーがアカデミー校長になっていたときほどの違和感はない。
ただ、本作での扱いは完全に無能者で、プロクターと同レベル。そうなると、どうして出世できたのか疑問が湧いてしまうというバランスの悪さ。

過去には、新ポリス・アカデミーという邦題だったこともあったらしいが、どうせなら、マホーニがいなくなった前作からつけるべきだったろう。実は、新キャラも登場しなくて、全然“新”じゃない。

コンクリンなど、新参組は消滅。ファックラーは復活!もう、ファックラーは邪神のような扱い(やりすぎで、笑えないレベル)。
メインは一応ニックだが、1作目からいるジョーンズやハイタワーのキャラの強さに完全埋没。とにかく薄い。

現場が舞台ということで、2に近い雰囲気。特徴は、スクリーンの裏にいる影のフィクサーは誰か?というミステリー仕立てであるという点。こういう推理要素は、今まではなかった。新機軸!って褒めてあげたいところなのだが、犯人がバレバレにもほどがある。おまけに、犯人が判った場面の、つまらなさ。脱力すること必至。

前作の舞台がマイアミだっただけに、スケールが小さくなった感も強い。セットなどを見ても予算が少ないのかな?と、ショボさが際立つ。絞り出すように続編を作ってみたけど、ダメでした…って感じで、力尽きた感が漂う。

結果的に、目新しさもシリーズが培ってきた面白さも見せることができず、マンネリ感だけを際立たせてしまった残念な結果に。次回作まで5年開くのも致し方ない。やはり、鑑賞に堪えるのは4作目までか。

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公開年:1988年
公開国:アメリカ
時 間:90分
監 督:アラン・マイヤーソン
出 演:ババ・スミス、マイケル・ウィンスロー、デヴィッド・グラフ、G・W・ベイリー、ジョージ・ゲインズ、レスリー・イースターブルック、マリオン・ラムジー、ジャネット・ジョーンズ、マット・マッコイ、ルネ・オーベルジョノワ 他
 
 
 
 
 
 
いよいよ定年間近となり、憂鬱な日々を過ごすラサール校長。そんな彼の姿を見て心を痛めるハイタワーたちポリス・アカデミーの卒業の面々。そんな中、ラサールが今年のNO.1警官に選出され、マイアミで開催される警察大会で表彰されることが決定したとの報が入る。少し元気を取り戻したラサールは、表彰式に卒業生たちを同行させることに。一方、相変わらずラサールの足を引っ張ろうと躍起になっているハリスは、ラサールの人事関係の書類を無断閲覧。そこで、実は去年の段階で定年に達していたという事実を知る。表彰式の場でそれを暴露して恥をかかせてやろうと、プロクターと一緒にマイアミへ向かうのだったが…というストーリー。

まず、マホーニが消えるという大転換点。確かに、マホーニがいなくなることは重大かもしれないが、彼がいなくなったからってポリアカ臭がなくなるわけではあるまいし。何とかなるだろうと期待(実は5作目以降は完全に初見である)。

マホーニに代わって、ニックというラサード校長の甥っ子が登場する。キャラはほぼ近い感じだが、劣化コピーであることは否めない。マイアミに同行するのは、ハイタワー、タックルベリー、ジョーンズ、キャラハン、フックス。前作からの継続組はコンクリン。それにハリスとプロクター。ゼッドやノガタは消えた。

マホーニがいなくてもメインどころはそれなりに残っているので、何とかなりそうなものなのだが、キャストのスッカスカ感がハンパ無い。観終って、フックスいたっけ?って思うくらい影無いし。気のせいかもしれないが、キャラハン役の人のはりきり具合は、違和感を感じる。あまり意図的に前に出ちゃいけないキャラだと思う。

マイアミに行った先も警察のイベントなんだけど、全編バカンス気分なものだから、前作までの頑ななまでの“原点回帰”の姿勢とは打って変わって、“ポリス”要素が希薄に。

本作のギャグは、ちょっとスベっている。これまでのシリーズ中の逆もベタベタでくだらないものだらけだったが、何か違う。おもしろくない。コンクリンが移動すると飛行機が傾く。ハリスの胸に日焼け止めで“DORK”と書く。鞄の取り違えネタを延々と。うーん、前からこのレベルだったような気はするのだが、イマイチ笑えないのはなぜか。

これまでも、いろいろグラグダながらも最後は派手にぶち上げて終わってくれていた。本作でも、マイアミの大自然を舞台に派手なアクションを展開してくれる。派手…うん、無駄にアクション要素が過ぎる。ワニとの格闘とか無駄に激しい。まあ、見どころっちゃあ見どころなんだけど、過剰ぎみでちょっと醒めてしまう。

なんと、ブルーオイスターがでてこない。マイアミ支店か、別の“オイスター”を出すべきではなろうか。ガクーンとクオリティが低下する作品。

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公開年:1986年
公開国:アメリカ
時 間:83分
監 督:ジェリー・パリス
出 演:スティーヴ・グッテンバーグ、ババ・スミス、マイケル・ウィンスロー、デヴィッド・グラフ、マリオン・ラムジー、レスリー・イースターブルック、ボブ・ゴールドスウェイト、ジョージ・ゲインズ、ショーン・ウェザリー、スコット・トムソン 他
 
 
 
 
 
財政圧迫のために、州に2つあるポリス・アカデミーのうち1つが閉校になることに。一つはおなじみラサール校長が務めるアカデミー。もう一つは、16分署の警部だったマウザーが昇進して校長になったアカデミー。州政府は、両校のどちらを残すべきか判断するために、評定委員会を送り込む。ラサール校長は、マホニー、ジョーンズ、ハイタワー、タックルベリーらOBたちに協力を求める。しかし、今年の入学生は例年に増してポンコツ揃い。ギャング団のボスだったゼッド、タックルベリーの義弟バド、日本のから来た交換留学生だが言葉がいまいち通じないノガタなど、特訓は大苦戦。そんな中、マウザーがスパイをラサール・アカデミーに潜入させたことを察知したマホニーは…というストーリー。

3作目も現場のお話だと、“ポリスアカデミー”でも何でもないので、原点回帰といったところか。でも、さすがに前作で、ある意味悪の黒幕だったマウザーが昇進しているというのはリアリティがない。ラサール校側にハリスもいないし、パラレルワールドのお話かな?と思ったほど。

やっぱりマウザー校長には無理があって、本作ではさほど悪役として活躍できていない。その代わり、引き続き登場した腰巾着プロクターがドタバタ役として開花する。前作に引き続き登場するゼッドと、ゼッドたちにカモにされていた家具屋の店主スウィートチャックがなぜかアカデミーに入学して、ドタバタコンビに。おまけに、ナチュラル・ボーン・ドジのファックラーも継続出演しているものだがら、この3作目、ドジ人間が多すぎて、グッチャグチャなのだ。

アカデミーに舞台が戻ったことで、キャラハン復活。1作目のプレイボーイとは結ばれなかった模様だが、そのおかげで本作から性に奔放というキャラクターが一層強化されている。本作では、日本人のナガタと結ばれる設定だが、おそらく次作ではこの設定は無視されるだろう。
ユニークなのにやっぱりいまいち活躍しないジョーンズだが、ノガタのおかげで格闘技路線で目立つことができた。

マンネリぎみのキャラクターの賞味期限を、アホエピソードで強引に延ばしている印象ではあるが、悪くはない。マウザーが悪役として弱い分、無理矢理に最後は事件を発生させる。1作目も同じ終わらせ方でマンネリだと思ったけど、単純に水上バイクのレースシーンが面白かったので、力技ではあるが、満足。2作目に匹敵する。

もちろんブルーオイスターも登場(だんだん、登場するのが快感になってきた)。

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公開年:1985年
公開国:アメリカ
時 間:87分
監 督:ジェリー・パリス
出 演:スティーヴ・グッテンバーグ、ババ・スミス、マイケル・ウィンスロー、デヴィッド・グラフ、ブルース・マーラー、マリオン・ラムジー、コリーン・キャンプ、ハワード・ヘッセマン、ジョージ・ゲインズ、ボブ・ゴールドスウェイト、ジャッキー・ジョセフ、ジュリー・ブラウン 他





ポリスアカデミーのラサール校長の弟は、全米最悪の犯罪発生件数の16分署で警察署長をしている。犯罪増加の原因がギャング団であることは判っているのだが、その本拠地の所在が不明で対処することができずにいた。犯罪件数の増加を止められなければクビだ!と言われた署長は、兄に助けを求める。弟のために一肌脱ごうと決めたラサール校長は、ポリスアカデミー卒業生の中から優秀な生徒を送り込む。選ばれたのは、マホーニー、ハイタワー、タックルベリー、ジョーンズ、フックス、ファックラーの6人。めちゃくちゃながらも、ギャング団撲滅に奔走するポリスアカデミー卒業生たちだったが、次期署長の座を狙うマウザー警部とその腰巾着プロクターは、マホーニー達を失敗させて、署長を失脚に追い込もうと悪だくみをする…というストーリー。

数日前に『ポリスアカデミー』を観て、その時は吹き替え音声のないDVDを借りてしまいがっかりしたわけだが、吹き替え音声あり版をレンタルしている店を発見。改めて1も観直した。やはり日本語吹き替えは最高。
ということで、本日からポリアカ祭。7作目まで全部レンタルしてきたよ。TVで放映していたのを観て以来のはず。

すったもんだでなんとか警察官になることができた卒業生たち。もちろんすぐに大活躍できるわけでもなく、交通整理などに配属されるわけだが、そこでもアホっぷりを発揮している模様。弟のために精鋭を投入だ!もちろん彼らは精鋭じゃない。もう、イヤな予感しかしないという、素敵な展開。

舞台が現場になったため、ハリスやキャラハンはもちろん登場しない。ハリスに代わって悪役となるのは、16分署副所長のマウザー。ハリスはただのイヤミな奴だったが、マウザーは自分の出世のために犯罪組織を助長させるという、はっきりとした悪人。ギャング団を撲滅するという目的のストーリーだから、悪役が2ついるということになるわけだが、単純にそうはならず、悪逆非道のはずのギャング団のボス・ゼッドが、ギャグ満載のオトボケキャラになることで、うまくバランス取ったキャラ配置になっている。

製作のポール・マスランスキーだけが前作と一緒で、監督も脚本も変更されているのだが、しっかりとノリは継承。ジョーンズに空手要素が加味されたり、タックのヘタレキャラと暴走キャラの振幅が明確になったりと、キャラの味わいがより深くなっており、こういう追加設定の成功こそが、以降のシリーズ化を決定づけたともいえる。
#前作でも言ったが、意外とジョーンズは出オチキャラなので、こういうキャラの補完は重要。

一旦、マホーニーとラサール署長はクビになってしまうが、持ち前の正義感で、個人的に潜入捜査を開始。この、下げて上げてのストーリーテリングや、意外と他のキャラの強い個性に埋もれがちなマホーニーに活躍の場を作るなど、バランスがうまい。
出た!ブルー・オイスター。こういう小ネタも忘れていない。
最後はグっと急展開で畳み掛けて、ずーっとひっぱてきたタックルベリーとカークランドの結婚式で大団円という、見事な締め具合。1作目はお世辞にも綺麗に締めたとは言えなかったが、本作は実に見事。シリーズ中、最高傑作といってよいだろう。

拍手[3回]

公開年:1984年
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:ヒュー・ウィルソン
出 演:スティーヴ・グッテンバーグ、G・W・ベイリー、ジョージ・ゲインズ、キム・キャトラル、ババ・スミス、マイケル・ウィンスロー、アンドリュー・ルービン、デヴィッド・グラフ、ブルース・マーラー、レスリー・イースターブルック、ジョージナ・スペルヴィン、スコット・トムソン 他





アメリカのとある都市。女性市長が警察官の採用条件を撤廃してしまったため、有象無象が警察学校に殺到してしまう。教官のハリス警部は、警察の秩序と伝統を守るために、どんどんしごいて不適格な者を脱落させようとする。一方、駐車場に勤務していたマホーニーは、客とトラブルを起こして逮捕されてしまう。マホーニーの父は元警察官で署長の恩人だったため、警察学校への入学を条件に起訴をしないという取引を持ちかける。警察学校は、大金持ちの家のお嬢さんカレン、大口径拳銃マニアのタックルベリー、効果音名人のジョーンズ、デブのレスリー、大男のハイタワー、臆病者で声の小さいフックスなど、とても警察官になれそうもない生徒ばかり。ハリス警部とキャラハン警部補は、彼らを落伍させようとしごきまくるが、なぜかターゲットにしている彼らは粘り続け…というストーリー。

たまに無償に観たくなってレンタルするのだが、その度にああ吹き替え音声が無いんだった…と、がっかりする作品。日本語吹き替え音声が入っている版もあるはずなんだけど、いつも使っているレンタル屋に置いてあるのが古いんだな。ちょっと他の店で探してみよう。本当に字幕を追うと味が半減する作品なんだもん。
また、その後のシリーズ作品と記憶がごちゃ混ぜになっているせいなのか、物足りなく感じるのもアルアルかな。特にタックルベリーはもっとハチャメチャだった気がする。

改めて観ると、当時はギャグだった人種差別ネタが、一線を超えていて素直に愉しめないレベルではある。しかし、ダメ人間のレッテルを貼られた人たちが、知恵と勇気でそれを乗り越えていくという、正統派の成長物語。終盤で主人公を含め2名が脱落するが、アメリカらしく暴動が発生。カオス状態になっての大逆転という、落としてから持ち上げるという、シナリオの基本もしっかりできている。キャラクターのバリエーションも豊富で、誰か一人くらいは応援したくなるってのもポイント(意外と効果音の人は、心に響かない出オチキャラだったりする)。
シリーズ化する作品には、そうなりしっかりした理由があるということ。

『ホーム・アローン』に匹敵する出来で、本当は子供に観せたいくらいなのだが、人種差別ネタだけでなくお色気ネタも一線を超えていてダメなのが残念(昔は普通にTV放映してたとは思うけどね)。コメディ史上に残る快作。7作くらいまで続いたはずなんだけど、さすがに後ろのほうは観ていない。借りたいけどなかなか置いてない。やっぱ別の店を探してみよう。

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公開年:2004年
公開国:アメリカ
時 間:97分
監 督:マーク・ウォーターズ
出 演:リンジー・ローハン、レイチェル・マクアダムス、ティナ・フェイ、ティム・メドウス、エイミー・ポーラー、アナ・ガステヤー、レイシー・シャベール、リジー・キャプラン、ダニエル・フランゼーゼ、ニール・フリン、ジョナサン・ベネット、アマンダ・セイフライド 他
受 賞 :【2005年/第14回MTVムービー・アワード】女優賞(リンジー・ローハン)、ブレイクスルー演技賞[女優](レイチェル・マクアダムス)、チーム賞(アマンダ・セイフライド、レイチェル・マクアダムス、リンジー・ローハン、レイシー・シャベール)



両親が動物学者で15歳までアフリカの大自然で暮らしていたケイディ・ハーロン。ずっと自宅学習だったが、母親がアメリカの大学で教えることになり、16歳になって初めて学校に通うことに。別に自分のことが特別だとは思っていなかったケイディだったが、いざ登校してみると勝手が一切わからず戸惑うばかり。しかし、奇抜なファッションのジャニスと、ゲイ男のダミアンが友達になってくれたおかげで、徐々に学校のルールを覚えていく。運動部、アジア系、オタクなど様々なグループがあったが、一番目立っていたのは“プラスチックス”とよばれるセレブ集団。リーダーのレジーナが女王で、グレチェンとカレンが付添い人のような関係。ジーナは毎年パーティ・クイーンに選ばれるほどの人気らしいが、ジャニスは彼女の性格は最悪だという。ある日、なぜかケイディはグレチェンに呼びとめられ、一緒にランチをすることに。そして、なぜかプラスチックスに入りたいなら、服装や相談事のルールを守れと、一方的に言われる。困惑するケイディだったが、ジャニスは彼女たちに恨みがあるらしく、弱みを握るために仲間のふりをしてスパイをしてくれと頼まれてしまい…というストーリー。

まず、両親の職業の関係で、いままで学校にいっていないという設定が、おもしろい。掴みはOK。両親(というか母親)はいかにも自宅学習させるようなタイプの役者さん。それにしても冒頭のアメリカで自宅学習させているような人の凡例は強烈。アーミッシュとか変な宗教をやってる人の子供が、なかなか強烈に描かれる。まあ、そういう人たちはこんな映画みないからクレームも出てこないのかな。厳密に言えば日本でも自宅学習にすることは可能だけど、稀有な例。日本の学校も大概だけど、アメリカよりはましだと本当に思う。

主人公とセレブチームが対立関係になるという展開がふつうだが、スパイとして入り込むという設定がまたおもしろい。その裏には、初めて友達になってくれたジャニスとの友情と“利用されている”という一歩間違えれば、人間関係が瓦解する要素が多分に含まれており、その危うさも面白さの一つとなっている。

さらに、スパイだと割り切っていたはずなのに、すっかりプラスチックスの魅力にはまってしまうという展開。もちろんその先には、綻びが待っている。なかなかハードな展開に。学園コメディと侮ってはいけないクオリティかと。ラストもなぎ倒すような強引さを発揮しつつも、意外ときれいにまとめているて好感が持てる(「うそ、うそ」じゃねえよ(笑))。

カエル顔のアマンダ・セイフライドが、おバカなキャラクターで、なかなかかわいい。『ウェディング・シンガー』のドリュー・バリモア演じるジュリアもそうだったけど、ちょっとおバカなのは魅力的で、そういう社会的な類型があるということだね。
リンジー・ローハンも日本人が好きそうな顔立ち。その後のご乱心っぷりを考えると、本作が一番いい時期なのかも。

隠れた佳作って感じ。軽くお薦め。

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公開年:1992年
公開国:アメリカ
時 間:119分
監 督:ジョナサン・リン
出 演:ジョー・ペシ、ラルフ・マッチオ、マリサ・トメイ、ミッチェル・ホイットフィールド、フレッド・グウィン、レイン・スミス、オースティン・ペンドルトン、ブルース・マッギル、モーリー・チェイキン、ジェームズ・レブホーン、レイノール・シェイン 他
受 賞 :【1992年/第65回アカデミー賞】助演女優賞(マリサ・トメイ)
 【1993年/第2回アカデミー賞】ブレイクスルー演技賞(マリサ・トメイ)



大学生のビル・ガンビーニと、スタン・ローゼンシュタインは、車で旅行中。途中、アラバマ州ワーズ市の商店に立ち寄り食糧を調達したが、誤ってツナ缶をポケットに入れて未払いだったことに気付く。すると、パトカーに追跡されていることに気付く二人。もしかすると、ツナ缶を盗んだ罪で追われているのか?すると、そのまま警官に拘束されて殺人の容疑者にされてしまう。彼らが買い物をした商店主が、その後銃殺されたのだ。無実を主張しても、ツナ缶を盗んだ咎で捕まったのだとすっかり勘違いした彼らは、一旦罪を認めてしまっており拘留が決定してしまう。そこで、ビルは母親に電話をかけて弁護士を依頼。すると、従兄のビニーがニューヨークで弁護士をしているというではないか。さっそく依頼するビル。しばらくして、キャデラックでフィアンセ帯同でワーズ市に駆けつけたビニー。ビルたちと面会するのだったが、彼は弁護士資格を得たのはたった6週間前で、一度も法廷に立ったことがないと告白する。2人はがっかりするが、とりあえずビニーに依頼するしかなく…というストーリー。

冒頭の勘違い展開が、あまりおもしろくなかったりするので、いきなり興ざめしちゃう人が何割かいる気がする。勘違いで留置されるという設定を思いついたけど、実際シナリオにしてみたらリアリティのない展開しか思いつかず妥協した…って感じ。ここは、タイトルになっている“いとこのビニー”を登場させるためなので、強引さに目をつぶるしかないんだと思う。

毛のあるジョー・ペシが登場。上に書いたとおりキャリアのない弁護士は飄々と行動していく(飄飄というかイカサマ師みたいかも)。その飄々さの淵源がどこからやってくるのかはあまり描かれていないが、『ホーム・アローン』『リーサル・ウェポン』シリーズで怪演したジョー・ペシである。しっかりと説得力をもって演じきっている。ちなみに画質が古臭いし、彼に毛があるので初期の作品だと思うかもしれないが、本作は『ホーム・アローン2』『リーサル・ウェポン3』と同じ年に公開だ。良作とも彼のキャリア上、最高傑作の部類だと思うが、本作は決して負けていない。いや、メジャーネームに隠れているだけで、その両作よりも上だと私は思う。

判事も検事も悪役設定。判事はイエール大卒っていう設定だけど、南部人をおもいっきりバカにしてる作品だと思う。地元愛と治安維持だけが常に優先され、よそ者は基本排除で、まともな待遇すら与えないという態度。そこに、私服のニューヨークの弁護士がやってくる。規則だ仕組みだ法律だと、権限を振りかざす判事だが、結局は気に食わないからいじめているだけ。辺境な南部人と、リベラルな都会人という構図が生まれる。
でも南部人が、実際バカにされてもしかたがないレベルなので、コメディとして成立してるんだとは思うけど。ただ、巻き起こっている冤罪事件自体は、まったくもって、笑えないんだけどね。実際、こんなことは山のようにあると思うんだ。

なぜか、マリサ・トメイ演じるモナ・リサと行動してる。喧嘩はするんだけど、基本的に彼女に頭があがらない設定がおもしろい。そして、初公判な上に、ビニーはまともに勉強しているとは思えないレベル。よって、公判を重ねるごとに弁護士らしくなっていく。ある意味、男の成長物語だったりして、その様子も面白い。でも、そのヒラメキやヒントは、ほとんどがモナ・リサのおかげだ…という構成である。
このマリサ・トメイが実にいい味を出している…と思ったら、なんと本作でオスカーを受賞しているというね。実はあまり有力な対抗馬がいない年だったりするんだけど、妥当な評価ではあると思う。

婚約者の特殊能力がすべてを解決するという展開ではあるので、プロットとしては褒められたものではないのだが、強引ながらも面白く仕上げているのは事実。茶番なんだから最後までガッツリと茶番を貫いたのが功を奏しているんだと思う。

判事のニューヨークへの照会電話を切りぬけるくだりは、よくわからんけど、まあいいや。良作。快作。お薦め。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:94分
監 督:スティーヴン・ブリル、ピーター・ファレリー、ウィル・グレアム、スティーヴ・カー、グリフィン・ダン、ジェームズ・ダフィ、ジョナサン・ヴァン・タルケン、エリザベス・バンクス、パトリック・フォーシュベリ、ブレット・ラトナー、ラスティ・カンデッフ、ジェームズ・ガン
出 演:エリザベス・バンクス、クリステン・ベル、ハル・ベリー、レスリー・ビブ、ケイト・ボスワース、ジェラルド・バトラー、ジョシュ・デュアメル、アンナ・ファリス、リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ヒュー・ジャックマン、ジョニー・ノックスヴィル、ジャスティン・ロング、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クロエ・グレース・モレッツ、リーヴ・シュレイバー、ショーン・ウィリアム・スコット、エマ・ストーン、ジェイソン・サダイキス、ユマ・サーマン、ナオミ・ワッツ、ケイト・ウィンスレット、キーラン・カルキン、デニス・クエイド、セス・マクファーレン、グレッグ・キニア 他


落ち目の脚本家チャーリーは、自分の企画を大物プロデューサーのグリフィンにに売り込むものの、すべてが下品極まりなくて、グリフィンはすっかり困惑してしまう。例えば、金持ちで美男子の未婚セレブ男性とデートすることになったキャリアウーマンのベスの話。なんでこんなに素敵な男性が結婚できないのかと不思議に思っていたら、いざ食事の段になって彼がスカーフを取ると、喉に睾丸がぶら下がっていて…とか。学校にいかせると悪影響があると考えている夫婦が、息子を自宅学習にするのだったが、世間のことを知らないのもマズイと考えて、学校でおこる様々なできごとを夫婦で演じる話…とか。結婚を前提に付き合っている女性から、大便を自分にかけるように懇願されて悩む男…とか、そんな話ばかり。とても、真剣に聞いていられないので、軽くあしらおうとするグリフィンだったが、チャーリーは強硬手段に出て…というストーリー。

世間的にも駄作扱いだし、レンタルビデオの冒頭にくっついているトレーラー映像では、それを逆手に取って、史上最高のクソ映画であることを全面に出している(おそらく日本版だと思う)。そこまでくだらないなら、なんでこんなに豪華なキャストが集まって、そのまんまのシナリオで仕上がっているのか?という疑問が湧くところだ。

逆にいえば、こういうビッグネームたちが演じていなければ、世に出ることはなかっただろう。彼らがこんな下品でくだらないことを…っていう方向性の興味しかないもの。バットマンのパロディとか、“iBabe”とか本当につまんない。つまらなさの極みは、猫のネッドのアニメのやつ。

では、本当につまらない脚本なのか?と考えると、実はシナリオというかアイデアは悪くない。iBabeとか喉に睾丸の話なんて筒井康隆っぽいじゃないか。なんでこんな仕事を受けたんですか?って俳優陣に聞きたくなると思うが、たぶんシナリオを読んだ限りでは、キワドイ作品ではあるが“難しい作品をこなした”というキャリアの幅としてアリだと思わせるものがあったんだろう。

でも、『ジャズ大名』のときに、筒井康隆作品の実写映画化は難しいと言ったと思うが、それを同じことが本作でおこっていると思う。脳内で創造された映像はとても面白いが、映像として押し付けられると何か冷めてしまうのだ。

あと、アイデアはよかったけど、ベースになってる脚本家チャーリーのストーリーを、最後に“実は撮影でした”みたいな、チョケるという最悪な終わり方をしたことでわかるように、笑いのセンスのない人間が、監督として混ざっていたことも敗因の一つ。各オムニバスの質感をある程度統一すべきだったのだが、ほんとうにバラバラな状態で世に出してしまった。

まあ、意外と10年、15年後も、人々の記憶に残って、微量ながらも評価が上がっていく作品だとは思うけど。

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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:109分
監 督:ローソン・マーシャル・サーバー
出 演:ジェニファー・アニストン、ジェイソン・サダイキス、エマ・ロバーツ、ウィル・ポールター、ニック・オファーマン、キャスリン・ハーン、エド・ヘルムズ、モリー・クイン、トメル・シスレー、マシュー・ウィリグ、ルイス・ガスマン、トーマス・レノン、マーク・L・ヤング、ケン・マリーノ、スコット・アツィット、ローラ=リー 他
受 賞 :【2014年/第23回MTVムービー・アワード】キス・シーン賞(エマ・ロバーツ、ジェニファー・アニストン、ウィル・ポールター)、ブレイクスルー演技賞(ウィル・ポールター)


マリファナの売人・デヴィッド・クラークは、あとで揉め事にならないような客だけを選び、細々ながらも固く稼いでいた。そんなある日、ホームレス少女が男3人に襲われそうになっている場面に遭遇。無視するつもりだったのに、同じアパートに住むケニー少年ができもしないくせに助けに入ってしまい、とばっちりで巻き込まれてしまう。結局逃げ切れずに捕まってしまったデヴィッドは、3人に部屋を荒らされた挙句、金もマリファナも奪われてしまった。そのため、元締めのブラッドへの借金も返済できなくなる。デヴィッドを呼び出したブラッドは、借金を棒引きにするある条件を提示する。それは、メキシコから麻薬を密輸すること。とてもメキシコ国境を超えることなど不可能だと、途方に暮れるデヴィッドだったが、ファミリー旅行を装ってキャンピングカーで往来すれば、なんとかなるのではないか?と思いつく。そこで、騒動の原因になったケニー少年と、男に絡まれていたホームレス少女ケイシーと、隣室に住むストリッパーのローズを巻き込んで、“家族旅行”に出発するのだったが…というストーリー。

『ハングオーバー』シリーズの、後釜を狙ってるのかな?って感じだが、そこまでいくかは微妙だが、十分に続編はありえるレベル。結構おもしろかった。

『ハングオーバー』の場合、あまりに珍奇なキャラクターが多くて、続編になればなるほどウザさが苦痛になったし、ひたすらエスカレートさせる以外にないよな…という行き詰まり感があった。本作の4人はいなくもなさそうな小悪党、ビッチ、不良娘、おまぬけボーイで、ほどよい加減な上に、キャラがしっかり立っていてバランスがよい。

ローズのキャラクターは、利己主義と母性が荒ぶって混在するようなおもしろいキャラ。一歩下がって俯瞰で物事を見ているようだけど、それほど役に立っているわけでもないが、ここぞという時の爆発力がすごい。もちろん本職の技も発揮。裏回し的な役割。
ケニーは単に家族としての数合わせ要員で本当に役立たず。途中の妙にウマい歌、なんやね~んアレ(笑)。とことん巻き込まれて痛い目に合う。これ以上のアホ顔はあるのか…っていう名キャラだと思う。無能に見えて、入院するくだり、キスのくだりと、展開の転換ポイントに絡んでいて、地味に重要な役割を担わされている。うーん、そう考えると、なかなか秀逸なシナリオだな。フルーツとか何の伏線だろう、絶対意味ねえだろ…と思ってたけど、忘れたころにしっかり使ってたし、基本は抑えられているよ。

全然かみ合わない4人なんだけど、同じ目的のために修羅場を潜り抜けていくと、次第に本当にファミリーなんじゃね?という空気になってくるというベタベタ展開。ベタベタなんだけど、思わずYOUたち本当にファミリーになっちゃいなよ!っていいたくなること請け合い。いつのまにか、観ているこっちの心の扉が開いている感覚。

残り80分で、あと何があるんだ?って感じまで展開しちゃうんだけど、惰性でドタバタするんじゃなく、しっかりギアシフトしている。前半で登場していた別ファミリーと再遭遇。実は麻薬取締官で~という流れ。後半は、本当にこと麻薬取締官の存在が効いていた。

最後は、「本当にファミリーになっちゃいなよ~」っていう思いに、どういう演出で答えてくれるのか?っていうところが観どころかな。絶対にショボい内容だと思ったのに、うまかった。是非観てほしい。お薦め。

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公開年:2000年
公開国:フランス
時 間:84分
監 督:フランシス・ヴェベール
出 演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、ティエリー・レルミット、ミシェル・ラロック、ミシェル・オーモン、ジャン・ロシュフォール、アレクサンドラ・ヴァンダヌート、スタニスラス・クルヴィレン 他
コピー:プチハッピーお持ち帰り
地味で冴えない孤独なリストラ男を救うのは!?“嘘×噂×勘違い”が産んだ“世にも可笑しな物語”


コンドーム会社の経理課にいる中年男性ピニョンは、ただただ真面目さだけが取り柄で、同僚からも「いい人だが、退屈」と言われている。あまりのつまらなさ故に、妻から愛想を尽かされ離婚しており、17歳の息子にも疎まれる始末。そんな中、20年間真面目に務めてきた会社から、解雇されてしまうという噂を聞いてしまう。意気消沈した彼は、帰宅するとベランダから飛び降り自殺を図ろうとする。その時、隣室に引っ越してきた老人に止められる。事情を聴いたその老人は、ピニョンがリストラされないようにする方法があるとアドバイスをする。しかし、その方法とは、ピニョンがゲイであると会社に認識させるというもの。ピニョンには、何でそれが秘策なのかさっぱりわからなかったが、老人がゲイの写真にピニョンの首を貼ったコラージュを作り、それを匿名で会社に送付すると…というストーリー。

DVDのパッケージには、ピニョンがコンドームの帽子をかぶってパレードしている写真がのっかているので、ちょっとクレイジーぎみなコメディなのかな?と思っていたが、ちょっと違って、意外にしっかりとした大人のグローイングアップムービーだった。

ピニョンがつまらん人間なのはわかるのだが、仕事は仕事だし、結果が出てれば問題ないと思うのだが、とにかく本作の舞台となる会社は、管理職とそれ以外で階級が別れており、気に食わなければ気分で排除できるような環境。若目の役員と人事部長がまた性格が悪くて、ピニョンをターゲットにいじめまがいのことをやる。
気分の悪い会社だと思うのだが、ピニョンはつまらないだけじゃなく、ちょっと鈍感なところもあるし、多少馬鹿にされようが日々平穏で給料がもらえれば小事など気にならないタイプ。おまけに20年も働いてきたのだから、まさかクビになるとは思いもよらない。

一方プライベートでは、相当昔に妻に捨てられているものの、今でもピニョンは元妻を愛し続けており、今でも復縁できたらいいなと思っている。子供のことで連絡することがあっても、その度にイヤミや傷つくことをいわれる。この元妻も結構なクソ人間だ。大体にして、恋人に捨てられて捨て鉢になっていたときに、なんとなくピニョンと結婚して、やっぱり気に食わないっつって捨てるような人間なんだもの。

鈍感だっていってもそりゃ自殺もしたくなる…というところで、救世主登場。ゲイなのでは?と思わせれば、ゲイだからクビにしたんだ!とかいわれると後々マズイんじゃね?と会社が先回りして考えて、クビにするのを躊躇うだろうという作戦。これば見事ハマるのだが、そのおかげで、会社のなかの歯車がおかしな方向へ。
ちょっと考えれば、クビを回避できたって、ゲイだって思われるのは色々不都合があるんじゃないの?と思うわけだが、発案者本人もゲイだったりする。おそらくお隣の老人もいろいろ迫害されてきたんだろう。

ここまでの内容は、ほんの導入部。そこからゲイにまつわるすったもんだが展開される。一人だけゲイであることを信じない直属の女性上司との微妙な距離感。いままでピニョンをいじめていた人事部長が、ゲイを差別したらお前の立場も危ういぞ!って同僚から脅されて(遊びでだまされて)、過度に気を使ううちに精神を病んでしまったり、家庭をおかしくしたり。おまけにゲイであると告白したことが元妻や息子に知れてしまい、そこで元妻との関係においてピニョンに変化が生じるのだが、そのくだりが実に快い。本作を大人のグローイングアップムービーを称する一番の理由ここにある。

予想していた内容と異なったけれど、ちょっと上を向くだけで生き方はかわるのかも…なんて殊勝なことを感じて、気持ちよく観終えることができた作品。軽くお薦め。

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公開年:2010年
公開国:スウェーデン、フランス
時 間:102分
監 督:ハビエル・ルイス・カルデラ
出 演:オーラ・シモンソン、ヨハンネス・ファーネ・ニルソン
出 演 ベンクト・ニルソン、サンナ・パーション、マグヌス・ボルイェソン、フレドリク・ミア、アンダース・ベステガルド、ヨハンネス・ビョーク、マルクス・ハラルドソ 他
コピー:―街を楽器に! 音楽で世界を変革する―



音楽の才能にあふれる家族の中、一人だけ音痴として生まれた男アマデウス。家族からは異端・無能扱いされ、その疎外感からすっかり音楽が嫌いになってしまう。兄弟は著名な指揮者になったが、アマデウスは警察官になり、たまにある家族との付き合いが苦痛でならない。今では職場で同僚が仕事場で流す音楽すら拒絶するありさま。そんな中、街中で不審物が発見される事案が発生。不審物の中からは時計のような音がしたため、時限爆弾ではないかと騒ぎになる。しかし、アマデウスは何一つ慌てることなく不審物の包みを開け、中からメトロノームを取り出すのだった。彼にとっては、聞きなれた音でありながら、苦痛の対象であるがゆえに、簡単に判別できたのだ。これらの犯行は、あらゆるものを楽器にみたてて、即興で音楽を奏でることを目的として男女2人組の仕業で、目的のためならばどんな迷惑も器物損壊も厭わないという、“音楽テロ”ともいえる行いだった。2人は“四楽章の音楽テロ”と称した計画を実行するために、腕利きのドラマーを何人も集め、町中に犯行予告まがいの貼り紙をしていく。その第一楽章の舞台は病院で…というストーリー。

冒頭のシーンが凄い。タイヤの走行音をベースにして、車に積んだドラムとセッションするのだが、とてつもなく恰好が良くて、鳥肌が立った。2人の他にもポンコツドラマーをスカウトしてくる(一人はティンパニー奏者だけど)。なんでリズム体だけやねん…とは思うが、地下室のファーストセッションとか、これも無茶苦茶恰好よい。昔、日本のロックバンドのドラマーが4人ぐらいでセッションしてるのをテレビで見た記憶があるけど(プリプリの富田京子とかがいたような)、それとは比較にならん。

その勢いをそのままに手術室に不法侵入してセッション。医療器具はもちろん病人の体をも駆使してリズムを刻んでいく。途中で心肺停止しちゃうけど、蘇生させてセッション継続。もうバカバカしいけど。彼らの狂気がよく表現できていると思う。

彼らテロ集団と警察のドタバタ喜劇…、単純にそういう内容だったら、よかったのかもしれない。問題は音痴のアマデウスという人物の行動である。異様に音楽を嫌うという設定は何の問題もない。ところが途中で、音楽テロ集団が楽器として使った物体が生ずる音だけ聞こえなくなるという、奇妙な現象が彼の耳に発生する。このギミックがイカン。アマデウスの精神的な疾患なのか、ファンタジー的な演出なのか、よくわからない。

(以下、かなりネタバ)
アマデウスは音楽は大嫌いで、この世から音がなくなればいいとすら思っている。音楽テロ集団が使ったものは音を発しなくなるなら、この世界を彼らの楽器にしちゃえば、俺、もう一生音を聞かなくて良くなるんじゃね?という発想が生まれ、音楽テロ集団に街全体を使って音楽を奏でさせようとする。
これがおかしい。音楽=音じゃないでしょ。生活音まで何も聞こえなかったら、まともに生活できない。刑事なんか続けられない。それが目的なら、鼓膜でも破ればいい。
都合よく音楽だけ聞こえなくなるという矛盾もある。その設定なら、会話だって不可能でしょう。

ということで、音楽テロ集団の狂気の行動がとても楽しく格好良い一方で、変なギミックでわけがわからなくなってしまった作品。練りが甘い。奇抜な発想だったのに、もったいない。

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公開年:2012年
公開国:スペイン
時 間:101分
監 督:ハビエル・ルイス・カルデラ
出 演:ラウール・アレバロ、アレクサンドラ・ヒメネス、アンドレア・ドゥーロ、ハイメ・オリアス、ハビエル・ボダロ、アンナ・カスティーリョ、アウラ・ガリード 他






教師のモデストは、幽霊が見えてしまうという特殊能力の持ち主。幽霊が見えるだけでなく会話することも可能なため、日々の生活にも支障が生じている。もちろんそれは学校も同じで、異常な行動をとる教師と判断されててしまう。モデスト自身のおどおどした性格も手伝って、これまで学校を何度もクビになっていた。かといって働かないわけにはいかないので、別の高校に教師に口を求め申し込む。次の学校でも、初日から生徒に嫌がらせをされるモデスト。すると、迷い込んだ旧校舎には、5人の生徒の亡霊が居座っており、次々といたずらを行い、学校を荒れさせていた。実は、その学校の女性校長は、学校で続けざまにおこる怪奇現象に頭を悩ませており、今回、モデストが採用されたのも、前の教師が怪奇現象により怪我をさせられたためだったのだ。モデストに幽霊が見えていることをしった校長は彼を支援。そして、あの5人が昔この学校で発生した火事の被害者であることを知ったモデストは、彼らがこの学校を卒業できなかったことを苦に居座っているのだと考え、彼らに授業を施し卒業させてやろうとするのだが…というストーリー。

昨日の『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』と似たような能力者の話。同様にTVムービーか?と思うような画質。低予算なのは間違いない。

上のあらすじのとおり、5人の幽霊を卒業させようと奮闘する。本人たちもなんで成仏できないのかわからんという設定になっていて、先生の言うことをきけば成仏できるかも…と一生懸命になる…という流れ。卒業させれば成仏するかも…というアイデアも、モデストがひらめいたわけではなく、通っているカウンセラーの父親の幽霊からヒントを得ている。その父親幽霊が、なんで成仏しないのかは、アホな息子が心配なのか、自殺したからなのかはわからない。

すったもんだあったけど、なんとか卒業試験は合格だ!となったものの、天国の扉は開かない。なんでや!と怒る幽霊たちは大暴れ。という展開だが、構成の配分がおかしくて、この段階で時間がかなり余るので、成仏できないのが見え見えなのが、ちょっとイタい。そのせいもあってか、以降はかなりバタついた展開に。

幽霊が暴れたせいもあって、モデストはまたもやクビに。女性校長とモデストがウマくいきかけてたのもご破算に。幽霊たちは罪悪感を感じて、なんとかモデストをもとに戻そうと四苦八苦。その後、成仏できない真の理由を探そうとモデストと幽霊たちは協力する。

PTA会長が何でそこまで介入してくるのか?という目的をもっとはっきりさせるべき。明確に学校を乗っ取る気なんだということを明確にするために、もっと露骨な工作を行うシーンを入れるべきだった(ただのお節介オヤジの見えなくもない)。
また、実はお腹の子の父親が彼だった…ということがわかったのはいいが、父親に相応の罰が当たってもよさそうに感じたし、簡単に許しすぎの感もあり、ちょっと未消化。同様に、火事の原因をつくったやつの正体が判った後も、ちょっと簡単にゆるしすぎ。この2つのエピソードは、もうちょっとすったもんだした後に解決すべきだと思う。
モデストもびくびくした性格が、幽霊たちと出会うことで、一人前の男になっていく…みたいな成長物語を描こうとした形跡があるが、昇華しきれず。

ということで、終盤はむりやり終わらせた感が満載。且つ毒が一切ない作品であるため、いまいち刺激が少なく、笑いの要素もいまいち不足(もしかするとスペイン人には面白いのかもしれないけど)。
深夜放送でもちょっと厳しいレベルで、駄作の谷に片足が落ちている作品。

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クボタカユキ
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映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
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出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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