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公開年:2013年
公開国:アメリカ
時 間:98分
監 督:ジョナサン・レヴィン
出 演:ニコラス・ホルト、テリーサ・パーマー、ロブ・コードリー、デイヴ・フランコ、アナリー・ティプトン、コリー・ハードリクト、ジョン・マルコヴィッチ 他
コピー:世界の終わりに、恋が襲ってきた。





近未来。感染するとゾンビになるウイルスが蔓延。人間はゾンビに捕食されるか、捕食を免れても噛まれればゾンビになってしまい、世界はゾンビで溢れる有様。生き残った人間は壁を築いて、その中で身を潜めて暮らしている。ゾンビは意識もなく反射的に人間を襲っていると思いきや、中には感情や思考能力が少し残っているものがいた。その一人であるRが、いつものとおり人間を食べに出かけると、物資調達に来ていた若い人間の集団に出くわす。その中の一人の女の子・ジュリーを見て恋に堕ちてしまう。しかし、ゾンビの本能に逆らうことができず、一人の男の脳を食べてしまう。すると、その男とジュリーの思い出が、まるで自分の記憶のように入り込んでくるのだった。Rはジュリーを守りながら、自分の住処に連れて行くが、ジュリーは食べられまいとして必死に抵抗をする。しかし、Rが自分に危害を加えないこと、そして少しながらもコミュニケーションをとることが可能であることを知り、徐々に警戒心を解いていくのだった。そうするうちにRの中である変化が生じ…というストーリー。

ゾンビなんだけど、冷静な意識が残っている。人間の脳を食べると、記憶を取り込むことができて、人間の感覚が思い出せてとっても快感。もう、このアイデアだけで勝利したも同然だと思う。ゾンビがゾンビの事情と気持ちを淡々と語る流れはシュール極まりない。

恋人の記憶を“喰った”もんだから、彼女に対しても彼氏のように愛でる態度が取れる。ジュリーとしては、周囲がゾンビだらけなんだから、もう従うしかない。展開としては、意外と不自然さを感じない。

ゾンビ映画だけど、完全にロマンス作品。『トワイライト』シリーズと、ターゲット層は同じだと思うけど、シュールな設定の割には、人間の本質を見つめるような視点もあったりして、高い年齢層にも十分受け入れられる内容になっていると思う。そして、確かに恋愛してるんだけど、何ゆえゾンビだから性欲はないわけだ。結果的にプラトニックラブになっているのがよい。そうか、ジュリー、受け入れちゃうかーっていう、若さ故のピュアさに、ちょっぴり心動いてしまう私がいた。

あんまり父親が納得しちゃう展開は好きじゃないけど、女の子向けだろうから、仕方ないかな。でも、ゾンビ物のオチで、ここまでほっこりさせてくれるなんて、他にはないわなぁ。

ニコラス・ホルトの演技はウマいんかどうか判断できないけど、特異なキャラクターにマッチしてるかな。きちんと状況を見極めているしっかり者のジュリーの友達テリーサがいい味を出している。
#プリティウーマンの悪ノリ…。

予想外に良かった。家族と観ても、全然害のないゾンビモノ・ロマンスモノってそうそう無い。基本的に悪人が出てこないし、過剰なスプラッタシーンでイヤな気分になることもない。だからといって毒のない無難な出来映えってわけでもないのがすごい。万人にお薦めしたい作品
#本当、アメリカ人て爆破解体好きやなぁ。

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公開年:2012年
公開国:イギリス
時 間:88分
監 督:マサイアス・ヘイニー
出 演:ハリー・トレッダウェイ、ラスムス・ハーディカー、アラン・フォード、オナー・ブラックマン、ミシェル・ライアン、ジョージア・キング、トニー・ガードナー、リチャード・ブライアーズ 他
コピー:女王陛下のゾンビ退治大作戦 イギリスで脅威の大ヒット!!




ロンドン。テリーとアンディの兄弟は、資金難のせいで祖父が入居している老人ホームが閉鎖されると聞いてショックを受ける。子供の頃、両親が不在だった二人は祖父のことが大好きで、このままホームが無くなったら祖父とその友人たちはどうなってしまうのだろうと真剣に悩んでしまう。資金難なら資金を調達すればいいと考えた二人は、仲間を誘って銀行強盗を実行。大金を強奪して逃亡しようというその時、銀行の周囲はゾンビが方位していた。その頃、老人ホームもゾンビの襲撃を受けており、じいちゃんばあちゃんたちは必死にゾンビを撃退していた…というストーリー。

冒頭でゾンビが掘り起こされて、それからしばらく出てこないでやんの。
銀行強盗のくだりでは、行員の勘違いで、とてつもない莫大な金額を強奪することになってしまうのだが、その後のストーリーに微塵も関係がない。どういう演出だ?こりゃ。

何でイギリスでゾンビ物が多いのか。それも卑近なシチュエーションの中で、労働階級の中でも薄給だったりポンコツだったりする人が主人公のコメディよりの作品が多いのだろう。
イギリスって民主主義を標榜しながら貴族と労働者がはっきり別れた階級社会。リベラル思考の奴らのせいで、さらにそこに移民が混ざって、元の住民が大迷惑している状態。ますます、階級の壁は高く高く横たわっているハメになっている。
アメリカのゾンビ作品の場合、ゾンビは”大衆意識”を象徴するけど、イギリスの場合は、さらに下の階級を登場させて、そいつらを倒して溜飲を下げてる感じか。移民を受け入れたときにはっきりとNOといえなかった自分らの過去の失敗を、作品の中で覆しているともいえる。ゾンビを倒す主人公側に、ブレイブ感とかヒロイックさが無いのは、そのせいだと思う。逆にそれがあると、自分達との共感が薄れるから。

同じイギリス映画でゾンビ物でコメディの『ショーン・オブ・ザ・デッド』と比較すると、主人公連中が“愛すべきバカ”じゃないってのも、作品自体に魅力が感じられない大きな要素かも(気のいい若者たち&老人たちではあるんだけどね。毒が足りないわ)。

じゃあ、ギャグ方面で愉しめればいいや…と割り切ろうとおもったのだが…。歩行器つかってるじいちゃんと、ゾンビの追いかける速度がおんなじくらいで、いい感じのデッドヒートになるとか、小ネタは満載なんだけど、もうゾンビ作品で似たようなことをやりつくしちゃって、小ネタで笑わせるしかないって感じかな。
#走らないゾンビってのも、他の作品でやってる気がするんだよなぁ。

この期に及んで、じいちゃんに怒られるかどうかを気にするシーンとか、イギリス的な笑いなんだろうけど、笑えねえんだよなぁ。もう、イギリスとゾンビの組み合わせも、ネタが枯渇したな…。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』と比較しちゃったのがダメだったのかなぁ。駄作に感じてしまった。

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公開年:1985年
公開国:アメリカ
時 間:102分
監 督:ジョージ・A・ロメロ
出 演:ロリ・カーディル、テリー・アレクサンダー、ジョセフ・ピラトー、リチャード・リバティー、アントン・ディレオ、ハワード・シャーマン、ジャーラス・コンロイ、ゲイリー・ハワード・クラー、ラルフ・マレロ、ジョン・アンプラス 他





2XXX年。地球全土は、ゾンビで埋め尽くされた世界になっていた。フロリダ州郊外になる軍の地下基地では 生き残った少数の人間達が、ゾンビの研究と生存者の捜索を行っていた。基地には、女性科学者セイラ、無線技師マクダーモット、セイラの恋人ミゲル、ヘリパイロットのジョン、ローズ大尉と兵士、ゾンビ研究者のローガン博士、テッドらが暮していた。サラは死人がゾンビにならない方法を研究いており、ローガン博士はゾンビと意思疎通をはかり飼い慣らす研究していた。その研究のために、ゾンビを集めさせられていたローズ大尉らは、研究の成果がでないことにいらだち始め、軍人たちと科学者たちの対立が明確になっていき…というストーリー。

邦題には“死霊”とあるが、死霊でもなんでもなくゾンビ。本作は、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』⇒『ゾンビ』から続く3部作の3作目だが、私、前の2作の記憶が薄くなってる。

でも、ゾンビから逃げて生き延びることが主眼だったが、本作では研究用のゾンビの扱いの問題があるだけで、とりあえず基地内に入れば危急的に死ぬことはない状況で、これまでとはちょっと趣が違う。
その代わりにどういう対立軸が用意されるかというと、人間同士の争い。科学者と軍人は、“世界”の見方がまったくことなっており、それこそゾンビと人間くらい価値観が異なり、同じ人間ながらもまったく相容れることがない。だから、ゾンビ、科学者サイド、軍人という三つ巴ができちゃう。おまけに、科学者の中でも、マッドな人たちと、そうじゃない人(技師系を含む)たちでパックリとスタンスが違うもんだから、四つ巴状態。ヘリ操縦士とか技術系の人は、そんな研究しても意味なんじゃね?神のおぼしめしみたいなもので、受け入れるしかないんじゃね?という、諦めとも達観ともつかない感情になっちゃってる(まあ、ゾンビ40万人対人間1人くらいの割合っていうんだから、案外これが自然な感覚ではある)。これが、なんともいえないカオス状態と脱力感を生んでいる。

ゾンビの中にある人間時代の記憶という部分が扱われているが、これはなかなか扱いにくいというか、一歩間違えればすべてを台無しにしてしまうギミックだと思う。訓練されたゾンビが、人間の道具を使ったり、復讐(飼い主が殺されたことに対する反撃)をするシーンが、ゾンビらしさを失わせることに繋がってしまっているのではないかと。あくまで生体的な“反射行動”だと描くべきだったのではなかろうか。ちょっとうまく生かしきれていないかなと思う。
結局、その部分が良くも悪くも全体的なストーリーに対して何の影響も与えてはおらず、その証拠に、生き残った人間が、島でのんびりするというラストで終わってしまっている。

なんで、ゾンビさんたちが、引っ張ると、熔けるように体が裂けちゃうのか。ゾンビの力が強くって裂けてるって感じの表現じゃないのが、個人的にすごく気になる(というか、いまいち気に喰わない)。“肉の重さ”みたいなものが無いっつーか。

特筆して褒める部分は少ないかも。普通のホラー作品だったかな。

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公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:113分
監 督:ジョン・ゲデス
出 演:ディー・ウォーレス、ビル・モーズリイ、スティーヴン・マクハティ、ジョーダン・ヘイズ、ブライアン・コックス 他







南北戦争末期アメリカのテネシー州で、死者が蘇りゾンビと化す現象が発生。戦争は終了したもののゾンビ禍は衰えず、アメリカ中でゾンビが大量発生する。元兵士であるエドワード・ヤングは、狩りから帰宅すると妻がゾンビ化しており、やむを得ず妻を銃殺する。行方不明となった一人息子のアダムを捜して彷徨うが、数々のゾンビとの戦いの中、ゾンビと化した息子をに遭遇。エドワードは迷った挙句、苦渋の決断で息子を撃ち殺し、遺体を焼却。いつか“エリスの滝”へ連れて行くことを息子と約束していたことを思い出したエドワードは、遺灰を滝へ撒いて息子の命を解放しようと決意。多くのゾンビを倒しながら目的地を目指し旅を続けたが、愛馬がゾンビに噛まれて蝕まれていき…というストーリー。

南北戦争とゾンビの組み合わせということで、『リンカーン vs ゾンビ』と同様の舞台設定。リンカーンがいるかいないかの違いくらい。なんなら同じ世界のお話ってことでも問題ないほど。

じゃあ、『リンカーン vs ゾンビ』みたいな、クッソくだらない映画だったか?というと、これが意外といい雰囲気だったりする。まず、役者の演技が良いし、ダークで物悲しい音楽や画質が悲劇調のストーリーにマッチしている。

妻子がゾンビになってしまい、その恨みでゾンビ退治に邁進する展開を想像すると思うが、そうはならない。むしろ、出会わなければ積極的に殺す気はないんじゃないかって感じ。だから、主人公側になんらかの目的をつくって、それを阻害する役としてゾンビが登場し、その過程でバトルを展開させる。遺灰を撒きに滝へ向かうとか、途中で登場した相棒の妹を探すとか、そういうイベントを次々出さないといけない。その妹を拉致してる変な組織まで登場してくる。
その変な組織は、ゾンビに対抗するため(というかゾンビを利用するため)に免疫を求めているという設定。そこから派生して、ゾンビ発症のいきさつも明かされる流れ。

本作は、主人公エドワードが残した日記を読む形式でストーリーは始まるのだが、そういう演出ってことは、ゾンビとの対決が何らかの形で決着が付くのか、または日記を読んでる未来に何らかのアドバイスを送ることになるのか、とにかくオチがあるんだろうと予想するだろう。そこに、本作が日本未公開な理由がある。
エピソードを色々連ねるのだけで、起承転結の承承承承承と繰り返して終わってしまっているのだ。最後になると、敵はゾンビじゃなくて、その組織にすり替わって、そいつらを派手にやっつけておしまい。

ゾンビが主の敵じゃないから、肝心のゾンビとの攻防にあまり面白みがなく、さらに終盤は攻防自体のシーンが少なくなってしまうという。TVドラマのパイロット版なんじゃねーのこれ?って思うくらい中途半端。もう、日記を読んでる意味がわからないのね。一つのシナリオとして終了できていない、雰囲気だけの作品。駄作。

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image2147.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:116分
監 督:ビル・コンドン
出 演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、ビリー・バーク、ピーター・ファシネリ、エリザベス・リーサー、ケラン・ラッツ、ニッキー・リード、ジャクソン・ラスボーン、アシュリー・グリーン、マイケル・シーン、ダコタ・ファニング、マッケンジー・フォイ、ジェイミー・キャンベル・バウアー、クリストファー・ハイアーダール、キャメロン・ブライト、ダニエル・クドモア、チャーリー・ビューリー、トレイシー・ヘギンズ、ジュディス・シェコーニ、クリスチャン・カマルゴ、ミア・マエストロ、マイアンナ・バーリング、マギー・グレイス、ケイシー・ラボウ、オマー・メトワリー、ラミ・マレック、アンドレア・ガブリエル、アンジェラ・サラフィアン、リサ・ハワード、パトリック・ブレナン、マーレイン・バーンズ、ジョー・アンダーソン、リー・ペイス、グーリー・ワインバーグ、ノエル・フィッシャー 他
受 賞:2013年/第84回MTVムービー・アワード】シャツなし演技賞(テイラー・ロートナー)
【2012年/第33回ラジー賞】ワースト作品賞、ワースト監督賞(ビル・コンドン)、ワースト助演男優賞(テイラー・ロートナー)、ワースト・スクリーン・カップル賞(テイラー・ロートナーとマッケンジー・フォイ、ロバート・パティンソンとクリステン・スチュワート )、ワースト・アンサンブル演技賞、ワースト・リメイク・盗作・続編賞
コピー:史上最強のヴァンパイア・ラブファンタジー 全てをかけて、新たな命を守る
 ついに訪れる、壮大な“夜明け” 『トワイライト』完結編

ヴァンパイアのエドワードと結婚し、自らもヴァンパイアになることでカレン家の一員となたに迎えられたベラ・スワン。バンパイアに転生する直前に出産した娘のレネズミは、カレン家に愛されすくすくを育っていたが、驚異的なスピードで成長しており、ベラは不安を募らせていた。一方、ベラの幼馴染で彼女に恋していたジェイコブは、レネズミこそがオオカミ族に伝わる“刻印”の相手と悟り、それにより永らく続いていたヴァンパイアとオオカミ族の抗争は終結した。平穏が訪れると思われたが、3000年以上ヴァンパイアの頂点に君臨するヴォルトゥーリ族は、レネズミがヴァンパイアを滅ぼすと恐れられる伝説の存在“不滅の子”であると疑いがかけられ、カレン家を抹殺しようと忍び寄る…というストーリー。

前作のPART 1では、色っぽいだけでストーリーとはあまり関係の無いシーンばかりでうんざりしてしまい、別に二部構成にしなくてもよかったんじゃない?と思ってしまったが、だからといって、ここまで観たのにオチを観ないというわけにもいかず…。
ヴァンパイアとオオカミ族の間で揺れる人間の少女…という設定のシリーズだったが、ヴァンパイアと結ばれるだけでなく、子供まで作るわ、挙句の果てには自分もヴァンパイアになっちゃうわで、正直、主人公には共感を感じられる部分が少なくなってしまった。
もう、一歩間違えば人間を襲う状態だし、これまで色々ヘルプしてくれたジェイコブにひどい扱いをするし、死ぬ思いをして生んだ娘なのに(愛してはいるものの)妙な距離感で接しているし。
そこで、シリーズを通して敵として存在していたヴォルトゥーリ族との決着という方向に話がシフトしてく。原作の構成がしっかししているのか、シリーズのトータルのプロットとしては文句はない。ぎゅっとストーリーが収斂されていく。

もう、娘が人間で無くなったことや、孫が生まれたとおもったら急速に大きくなっていることを、戸惑いつつも受け入れる父親。まあ、そうしないと話が進まないからしょうがない。

(以下ネタバレ)
普通、“夢オチ”っていうのは忌避されるものだけど、本作のアレはなかなかいい演出だったのではなかろうか。昨今のこの手の作品では、残酷で無碍に殺戮し合って、無常の中で疲弊しきって終わる作品が多いので、油断していて“やられた~”って感じになった。

突然、ブラジルの先住民族が登場して、両者の矛先も納まるという、なんとい後出しじゃんけん。そして、親子問題とかつての三角関係も丸く収まるという、少女マンガ的なオチ。いくら急速に成長するとはいえ、かつて恋愛感情を抱いたこともある男と自分の娘が…という展開の気持ち悪さはさて置き。

役者陣の演技は、大げさでワザとらしく、おそらくアメリカ人にとっては、クサくて観ていられないレベルなんだと思うが、日本語吹き替えで観るぶんにはそれなりのデキだ。何度も言っているが、このシリーズはティーン女子向けの作品でも、シリーズとして本当によくまとめたと思う。娘が殺されなくて良かったとは思うが、だからといってヴァンパイアと人間が共存できるわけでもなく、さほどなにも解決しているわけでもないのだが(笑)、そんなことはどうでもいい。有終の美といって良いだろう。

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image2033.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:96分
監 督:ポール・W・S・アンダーソン
出 演:ラ・ジョヴォヴィッチ、ミシェル・ロドリゲス、シエンナ・ギロリー、ケヴィン・デュランド、ショーン・ロバーツ、ボリス・コジョー、リー・ビンビン、アリアーナ・エンジニア、コリン・サーモン、ヨハン・アーブ、オデッド・フェール、中島美嘉 他
コピー:「世界」を壊せ。地球を救うために。



アルカディア号にてアンブレラ社の特殊部隊の襲撃をうけ、壮絶な銃撃戦を繰り広げるものの海へ転落し意識を失ってしまうアリス。そのまま、アンブレラ社の実験施設に捕らわれ、ジルから拷問を受ける。しかし突然、セキュリティシステムが一時的に停止し独房の扉が開き、アリスは脱出。復活したセキュリティーシステムの攻撃を受けながら、なんとか施設を脱出すると、そこは日本の渋谷。“シーケンス開始”のアナウンスが響き、無数のアンデッドがアリスに襲い掛かる…というストーリー。

4作目の直接的な続き。前作のラストを観た時「こんな駄作のくせに、続編作る気マンマンとかアホか~~」と思ったが、こんな内容でもしっかり収益をあげられるんだから、そりゃできる限り続けるよなぁ。ポール・W・S・アンダーソンとミラ・ジョヴォヴィッチ。夫婦で楽に荒稼ぎできる金ヅルシリーズである。

冒頭でこれまでのシリーズを振り返ってくれるが、肝心の前作の流れは説明はしない。正直、つまらなかったという記憶しかなくて、わざわざ観直す気にもならないので、一番説明してほしいのは前作なんだけどなぁ…。とはいえ、このシリーズは3作目から大した内容じゃないので、そのまま観たけど。
シナリオもポール・W・S・アンダーソンが手がけているのだが、もう開き直っているとしか思えない。まず、まともなストーリーというものがない。実験施設から脱出するだけ。脱出施設は、東京・ニューヨーク・モスクワなどの都市を模していて、脱出のためにはそれらを抜けねばならないと。要するに、一つのステージをクリアしたら次のステージ、つまりゲームと一緒なのである。
“処刑マジニ”など、これまで出てこなかったような種類のアンデッドも登場。『サイレントヒル』の三角頭さんみたいなノリのキャラだけど、おそらくゲームには出てくるんだろうが、映画的にはあまり新鮮味も魅力もない。
同じようなテンポで、これでもかこれでもかとバトルが続くので、激しいバトルなのに眠くなるという…。

最後、もう、人類は残っていない…的なナレーションが入っていたような気がするが、人間がいないんじゃぁ、もう何の目的で戦っているのかわからんよね。レッド・クイーンに追いかけられるから戦っています…じゃぁおもしろくならない。

日本の興行的には中島美嘉が目玉なんだろうけど、可もなく不可もなくといったところ。元々、アンデッドっぽいテイストの顔なので違和感もない。ただ、「こんなことやる前に、紅白できちんと歌えるように、本業をちゃんとせいや」と、私の心はつぶやいてた。病気なら歌はお休みすればよろしい。

これは、3D上映で観て、激しい音響にびっくりするというアトラクション的な楽しみ方をするための作品。DVDをお家で観ても、何てことない作品。新作料金で借りる価値はない。

 

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image1952.png公開年:2011年
公開国:アメリカ
時 間:118分
監 督:ビル・コンドン
出 演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、ビリー・バーク、ピーター・ファシネリ、 エリザベス・リーサー、ケラン・ラッツ、ニッキー・リード、ジャクソン・ラスボーン、アシュリー・グリーン、ブーブー・スチュワート 他
受 賞:【2012年/第21回MTVムービー・アワード】作品賞 、キス・シーン賞(ロバート・パティンソン、クリステン・スチュワート)


ヴァンパイアのエドワードと結婚を選択し、“転生”してヴァンパイアになり永遠の生を送ることを決意したベラ。人間のうちに結婚式を挙げ、オオカミ族のジェイコブに別れを告げ、エドワードと2人でハネムーンに旅立つベラ。しかし、早々にベラが妊娠。その子供の成長が異様に早く、それと反比例して彼女は衰弱していき命を脅かし始める。ベラはハネムーン先で病気にかかったと親に告げ、密かにエドワード宅に戻るが一向に快復しない。一旦、友好関係を結んでいたヴァンパイア族とオオカミ族だったが、オオカミ族はその子供の存在を恐れ、再び対立に発展してしまう。しかし、ジェイコブはベラを守るためにオオカミ族からの離脱を決意し…というストーリー。

いい男二人が自分を取り合って、私のために喧嘩しないで~と、ティーンの妄想爆発な作品の続編。最終エピソードでありながら、前後編に分けるというハリー・ポッター戦法という姑息さよ。おっさんが、何を元日から観てるのか…と、我ながらあきれる。

しかし、演者は別にしっかり観なくちゃいけないような演技をしているわけでもないし、流れは台詞で全部説明してくれちゃってるし、正月の小忙しい中、別のことをしながらでも、音声だけ聞いてりゃそれなりに話は追えてしまう。前半はハネムーンまでの流れをダラダラと見せられて、おっさんからしたらどうでもいい内容。両天秤にかけてもてあそんだくせに、結婚式にジェイコブがやってきて、和解してお別れとか。これ、男と女を逆にしてみ? 女の人は怒るんじゃね? 男も女も下卑た妄想のレベルはちっとも変わらないってことだわな。くだらねえ。

結婚することは前作で規定路線になってたわけだが、たいしてヒネりもピンチもなく、結婚までの様子を観せられて何がおもしろいのかちっともわからないが、ハネムーンで妊娠したらどんどん胎児がデカくなる。アメリカのティーンは、妊娠したしないという出来事が身近なのか、こういう展開でもワクワクするのかねぇ。私はちょっと引くけど。
ここんところ飛ぶ鳥を落とす勢いのクリステン・スチュワートだが、後半は弱っている状態が続き、ほとんど演技らしい演技もないし、最終的には昏睡状態。ガリガリにやつれていく設定なのだが、やつれた彼女は微塵も美しくないときたもんだ。
で、おなかが大きくなるまで、周囲がオロオロしている様子をただただ観せられる。いざ、出産のシーンも不必要にグロい。最大の盛り上がりであろう両種族のバトルも、ジェイコブが生まれてきた子供に刻印したから争いはおしまいだよーとか、つまらない終わり方。なに、自分の子供に対して、元彼が執事か守護者みたいにまもってくれるのとか、女の人的には身震いするくらいな喜びなわけ?  自分がどんなに勝手なことをしても、いつまでもなびいてくれる男とかがいたら快感なわけ? きんもちわる~。
で、終わり方は、100人いたら90人はそうするだろうっていう、ありきたりな感じ。芸がないなぁ。まあ、固定客がいるようなので、前後編にわけても儲けられるとは思うけど、内容が薄すぎるよ。

まあ、ヴァンパイアと人間の混血児が生まれたもののおかあさんはヴァンパイアに…、そして守護者としての御犬様、その関係がどうなるかに加え、ヴァンパイア族本体がからんできてどうなるか…PART 2はそんな感じなんでしょう。DVDが出てからで十分だな。劇場に足を運ぶ気にはならん。

でも、こんな薄い内容で、なんだかんだ最後まで観せるんだから、大したもの。
#エンドロールの間にはさまってた、ヴァンパイアさんたち(ヴォルトゥーリ三人)のくだりは、いまいち意味がわかりにくい。

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image2017.png公開年:2012年
公開国:アメリカ
時 間:97分
監 督:リチャード・シェンクマン
出 演:ビル・オバースト・Jr、ジェイソン・ベイル、ベイビー・ノーマン、ドン・マックグロウ 他





南北戦争末期。リンカーン大統領は、前線の要塞が奇病に侵された者に占拠されたとの報告を受ける。自ら赴き、その症状に冒された者を見たリンカーンは、幼い頃に自分の父親が同じ症状だったことを思い出し、彼らがゾンビになったと確信する。要塞を奪還するために、リンカーンは戸惑う部下たちを引き連れ突入を試みるのだったが…というストーリー。

はい、薄々お気づきだろうが、『リンカーン/秘密の書』と間違ってレンタルしちゃいましたよ。日本未公開とかTVムービーとかでもなくオリジナルビデオ。日本でいうところのVシネマみたいなものらしい。なんでこんなのを新作料金で借りちゃったのか。最近は詰めが甘い…。

ゾンビ映画というのは、“ゾンビ”の存在を現代社会の何になぞらえるか…でその価値が決まるといってもよい。本作は、ゾンビを黒人奴隷になぞらえているようなのだが、隠喩でもなんでもなく劇中で直球で説明。奴隷制度を否定する台詞を差し込んでいるのだが、そういうことは、観客の脳内でやるので、説明する必要はない。
作品によって、ゾンビは色々な特色がある。走るゾンビとかね。でも、本作のゾンビはその特色がよくわからない。

ゾンビ映画のはしりの頃ならいざしらず、人々が何でゾンビになったかの説明や示唆も一切ない。じゃあゾンビとの闘い方にユニークさがあるのかというと、特に劇的な打開策がみつかるでもなく、そこらにある武器だけ。追い詰められては徐々に味方が減っていく…というそれだけの繰り返しである。知恵の発揮や謎解きによってピンチを脱するといった、仕掛けが一切ない。南軍と北軍の軋轢がありつつも、協力せざるを得ない…という状況がそれほど生かしきれておらず、途中で仲間に加わるフランクリンという子供も、ストーリー上必要性が見出せない。

一気に爆破してケリをつけたいのはわかるのだが、進軍ラッパで全員が寄ってくるとか、何がなにやら。都合が良すぎ。制作費は極めて少なく見え、高校生でもつくれそうな内容。CGも爆破シーン程度で市販のソフトでなんとかなりそうなレベル。
せめて、こういうトンデモ作品こそ、愉快な吹き替えをつけるべきである。

最期のゾンビと暗殺を結びつけるというアイデアも不完全燃焼で終わってしまうとう体たらく。カルト人気すらおこらないほど、稚拙な内容。もちろん観るのは時間の無駄である。年末の忙しいときにこんな作品を引いてしまう自分の愚かさを呪うほどである。

 

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image1961.png公開年:2004年
公開国:イギリス
時 間:100分
監 督:エドガー・ライト
出 演:サイモン・ペッグ、ケイト・アシュフィールド、ニック・フロスト、ディラン・モーラン、ルーシー・デイヴィス、ペネロープ・ウィルトン、ビル・ナイ、ピーター・セラフィノウィッツ、ジェシカ・スティーヴンソン、マーティン・フリーマン、ソネル・ダドラル、マット・ルーカス 他
ノミネート:【2004年/第58回英国アカデミー賞】新人賞(ニラ・パーク)、英国作品賞[アレキサンダー・コルダ賞]

ロンドンの家電量販店に勤務するショーン。それなりの年齢だが、無気力で人生の目標なども持たず、友達のエドとパブに入り浸る日々。彼女のリズも、そんなショーンと付き合い続けることに疑問を感じ始めるが、心機一転して行動を改めるというエドを信じることに。まず、レストランでのデートからやり直そうとするが、ズボラなエドはレストランの予約を忘れてしまい、とうとうリズに振られてしまう。すっかり落ち込んだショーンが、翌日目覚めてみると、街にはゾンビが溢れ、生きた人間を次々と襲っていて…というストーリー。

ゾンビ物のパロディっていってしまえば簡単なのだが、人の心を捉える何かがある作品。
中盤まで、痴話喧嘩や職場のいざこざ、義父との関係などで話が展開していく。全然ゾンビは出てこなくて軽く臭わす程度。主人公ショーンがポンコツなのは認めるが、半分は周囲に振りまわされている感じ。そのままゾンビを出さないで、そんなノリで終わる作品はたくさんあるよ。

(ネタバレ)
ホラー&コメディってよりも、愛する人を果敢に救出しにいくロマンス、親友エドとの友情、ゾンビ騒動を通してダメ男が成長していく様子、そういう要素が盛りだくさん。母、そしてエド、ショーンが泣く泣く殺すことになる人たちは、ショーンを大人にさせない原因だったりする。地味に巧みな構成。

なんとも脱力してしまうのが、ゾンビが弱くて、どうにでもなるんじゃないの?って、ところ。実際、普通になぐって倒せるし、こっちにおいで~って誘導して、普通にまいてこれるレベル。ゾンビにばれないようにゾンビのまねをしよう…って。
だから、パブに大量のゾンビが流入してきて、はらわたを引きずり出すシーンの違和感がハンパない。パブに篭城したあたりから、ノリが変わるのがちょっとね。ただ、これは、ゾンビさんが最終的にどうなっちゃうのか…っていう展開の伏線と考えれば許せなくもない。

でも、クイーンの歌に乗せてゾンビを輪になって殴るシーンは好き。このノリがもうちょっと多いとうれしかったかも。『ロッキー・ホラー・ショー』みたいな楽しみ方ができただろう。

ゾンビとのバトルが、部隊の救出によって突然終了しちゃうのが、尻切れトンボみたいに感じたが、『ミスト』みたいで個人的には好きだ。エドは、庭の小屋で飼われることになるけど、ゴロゴロしてゲーム三昧。別に以前の生活と変化無い(笑)。

『ゾンビランド』と同様、ゾンビ映画に対する愛と情熱は、コメディをコメディの枠から飛び出させる。安定の良作。

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image1835.png公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:116分
監 督:マット・リーヴス
出 演:コディ・スミット=マクフィー、クロエ・グレース・モレッツ、イライアス・コティーズ、リチャード・ジェンキンス、カーラ・ブオノ、サーシャ・バレス、ディラン・ケニン、クリス・ブラウニング、リッチー・コスター、ディラン・ミネット 他
ノミネート:【2010年/第16回放送映画批評家協会賞】若手俳優賞(コディ・スミット=マクフィー、クロエ・グレース・モレッツ)
コピー:最も切なくて、最も怖ろしい、イノセントスリラー

母親と二人暮しの少年オーウェン。学校でいじめにあっている彼は、それを母親に相談することもできず、夜になると一人でアパートの中庭で悔しさを噛み締めていた。ある日、隣の部屋に、父親と娘と思しき二人が引っ越してくる。しかし、その少女は雪が積もる屋外で、何故か裸足。やがて、二人は中庭で会話するようになるが、彼女は学校にも通っておらず、世間のこともイマイチ判っていない様子。そんな調子でも、徐々に打ちとけていき、お互いの部屋の壁越しにモールス信号で連絡を取り合うくらい親密になる。その頃、町では連続猟奇殺人事件が発生し、住民を恐れさせていた…というストーリー。

近年のヴァンパイア映画としては最高峰と私が評価した『ぼくのエリ』をハリウッドがリメイク。ほぼ完璧な作品なのに無謀なことを…と思ったが、主演にクロエたんを持ってくるとなると、ちょっと話は変わってくる。一応、製作側としては最善は尽くしていると言えるかな。あとは監督の力量次第。監督は『クローバーフィールド/HAKAISHA』の人ね。はたして、あの耽美具合とか純愛とも偏愛ともつかない不思議な感情とか、あの雰囲気がハリウッド映画で出せるのか。
#ニューメキシコって雪降るんか?って思うでしょ。降るらしいねー、アルバカーキの山とか。普通にスキー場とかあるんだって。勉強になったわ。

いきなり結論だけど、多少ブラッシュアップはされているが、愚直といっていいくらいストーリー展開はそのまま。凍った湖上でのできごと(殴った直後に“キャー”)とか、タイミングまでまったく一緒。これリメイクの意味あるんか?と思うくらい一緒。最後のプールの名シーン(っていっていいのかな)までも一緒。これって、オリジナルが優れている証拠だよね。オリジナルを猛烈に押している私としては、してやったりなんだけど。
#逆にレイティングの関係なのか、エグいところは薄くなってるな。

ちょっとクロエたんは、女の子っぽすぎるし、人間っぽすぎるな。オリジナルには、中性的なところにも若干意味があったしな。アメリカと北欧でヴァンパイアのイメージが違うのかな。

アビーが、今の同居人が歳取って使い物にならなくなってきたから、次の使用人を捜すために人たらししてるように見える(いや、そういう解釈がいけないわけじゃないんだけど、そうするなら、思いっきりそっちに倒せばいいんだよね)。なんで、アビーがオーウェンに親しみを感じるのか。オーウェンに強くなって欲しいと思うのか。そこが描ききれていない。自然に惹かれていく。そんな“存在”と出会っちゃたらやむを得ないかな…って感じがないんだな。
#タイトルの“モールス”…焦点を当てるような部分でもないんだよなぁ(ダメ邦題かな、こりゃ)。

まあ、ブラッシュアップはされてるけど、その分、展開が読めやすくなった気がする(オリジナルを観たからじゃないと思うよ)。あんまりスッキリさせちゃうと、もっとウマい方法で血を調達する方法考えりゃいいんじゃねーの?とか、そっちに気がいっちゃうんだよね。

悪くは無いんだけど、やっぱり、オリジナルの『ぼくのエリ』をお薦めしちゃうな。同居人の正体がわかった時のゾクゾク。もっと幼い少年が、自分もその道を選択するゾクゾク。ちょっと薄まっちゃったね。
クロエたんが見たくて見たくてしょうがない人だけ見ればよろし。

オリジナルをご覧になっていない方には、私が何を言ってるのかよくわからないと思うけど、とにかく『ぼくのエリ』は観るべき名作ってこと。以上。
#顔の傷の血の匂いには、もっと反応してほしいかったなぁ。




負けるな日本

 

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image1772.png公開年:2009年
公開国:オーストラリア、アメリカ
時 間:98分
監 督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
出 演:イーサン・ホーク、ウィレム・デフォー、クローディア・カーヴァン、マイケル・ドーマン、サム・ニール、イザベル・ルーカス、ヴィンス・コロシモ 他
コピー: 絶望寸前の人類に希望はあるのか──




人間がヴァンパイアと化してしまうウイルスが蔓延。ヴァンパイアたちは人間の血液を飲む必要があるため、供給源として人間を管理・飼育する社会システムが構築されていた。しかし、今や世界の95%の人間がヴァンパイアとなっており、食糧問題が深刻化。残された人間を血眼になって狩る一方、代用血液の開発が急がれていたが、芳しい結果を出すことができずにいた。さらに、血液に欠乏が極限に達したヴァンパイアが化け物に変態する現象が頻発。そんな中、大手製薬会社に勤務するエドワードは、人間もヴァンパイアも救う術を知っているという人間の女性・オードリーと出会い…というストーリー。

食傷ぎみの感染もので、おまけにヴァンパイアモノ。あえてやるからには、面白くなり自信があるからなんだろうな?おまけに、主役にイーサン・ホークを据えるくらいだから、面白くする策は用意されてるんだよな?と、観始めて、思わずけんか腰になっちゃうほど(それくらい、最近、多すぎのテーマなのよ)。

でも、冒頭からその疑いを忘れるくらい新鮮な展開。いきなりヴァンパイアの世界、それもかなりシュールでSFチック。森林火災の原因が、野生動物を求めているうちに朝になっちゃって、森の中で燃えちゃうから…とか、人間が金とか通貨みたいに投資対象になってる…とか、こういう練られたギミックが盛りだくさんっていうのは、おもしろい世界観ができあがっている証拠。#あんまり効果的な血の採り方とは思えないけどね(もっとしっかり喰わせて、計画的に血を採ったほうがいいと思う)。

で、人間に戻る方法は発見したとして、その後さてどうする?どういうオチをつける?というところがミソ。まあ、そこはここでは書かないけど、もう一展開あって、満足できた。
ヴァンパイアから戻った人間を喰いながら、だんだん正気になってきて、「あれ?オレ何やってんだろ?」っていう逆ゾンビ状態。これもシュールで面白い。

昨今のゾンビ・ヴァンパイアモノの中では『ぼくのエリ』並みに楽しめた作品(趣は全然違うけど)。心地よい馬鹿馬鹿しさも共存する快作。お薦めしたい。
#最期、どうやって来たんだよオッサン(笑)。




負けるな日本

 

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image1699.png公開年:2010年
公開国:アメリカ
時 間:125分
監 督:デヴィッド・スレイド
出 演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、アシュリー・グリーン、ジャクソン・ラスボーン、ニッキー・リード、ケラン・ラッツ、ピーター・ファシネリ、エリザベス・リーサー、ダコタ・ファニング、キャメロン・ブライト、ダニエル・クドモア、チャーリー・ビューリー、ブライス・ダラス・ハワード、グザヴィエル・サミュエル、ジョデル・フェルランド、チャスク・スペンサー、アレックス・メラズ、ブロンソン・ペルティエ、キオワ・ゴードン、タイソン・ハウスマン、ジュリア・ジョーンズ、ブーブー・スチュワート、ティンセル・コーリー、ジャスティン・チョン 他
ノミネート:【2011年/第20回MTVムービー・アワード】作品賞、男優賞(ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー)、女優賞(クリステン・スチュワート)、キス・シーン賞(ロバート・パティンソン&クリステン・スチュワート、クリステン・スチュワート&テイラー・ロートナー)、格闘シーン賞(ロバート・パティンソン vs. ブライス・ダラス・ハワード&グザヴィエル・サミュエル)
コピー:戦う、愛のために──

高校卒業が間近となったベラは、エドワードからプロポーズを受け、一刻も早くヴァンパイアに生まれ変わりたいと願いはじめる。しかしエドワードは、ベラにできるだけ人間として生きてほしいと考え、結婚を延期すべきだと主張する。そんな中、シアトル市街では、死者や行方不明者が続出する事件が発生。それらは、ヴァンパイアにされたばかりの“ニューボーン”と呼ばれる集団の仕業だった。そして、そのニューボーンがベラの命を狙いにやって来るという未来を予知したカレンファミリーは、オオカミ族と手を組んで、ニューボーン迎撃体制を整える。さらに、かつてエドワードに恋人を殺されたヴァンパイア・ヴィクトリアも復讐に現われ…というストーリー。

1作目で少女マンガ的な恋愛バンパイア映画を展開し、出色のデキだったのだが、2作目で早々に劣化してがっかり。普通ならアウトなのだが、オチを知らないまま観るのを止めてしまうのもどうかと思い、とりあえずレンタルしてみた。エドワード役の男の子は成長しきってしまって、透き通るような美少年っぷりは消えうせ、ただのエラの張った白いお兄さんに。ヒロインのベラ役の子もいまいち美しくなく、複数の男の子が熱を上げるほどとは思えず。当然、観ているおっさんもピンとこない。
どう考えてもジェイコブの方が、相手としてはふさわしいわけで、アメリカのギャルたちもそんな感覚で、ああだこうだ言いながら観ているのかねえ。
#ヒロイン親子の会話がなかなか気持ち悪くて、アメリカ家庭の変な感じがよく伝わってくる。

ヒロインの優柔不断っぷりは、少女マンガやレディコミのレベルを超越して、もう訳がわからないところまで到達。ただただドロドロ状態を存続させることに終始しているのが明らかで、こりゃあ、きちんとオチを付ける気なんてねえな…と予測していたら、案の定そのとおりになった。
で、本当に終わる気配がなく、続編つくるきマンマン。続いたとしても、大戦争でもおこって完全終結!っていう展開にでもならない限り、私はもう観ないわよ(笑)

オオカミさん達との合同トレーニングがはじまり、1作目のヴァンパイア一家の野球レクのようなオモシロシーンが展開されるのかと期待したのだが、オオカミさんたちは様子を観ているだけだった。残念。ただ、人間の敵としか映っていなくていまいちシンパシーを感じにくかったカレンファミリーが、その過去(どうしてヴァンパイアになっちゃのか?とか)が明かされたことによって、すこしおもしろみが増してきたのは、よかったかもしれない(恋のゆくえだけじゃなく、一家の将来がどうなっちゃうのかという観点で)。でも、これは2作目からやっておくべきだったろうね。
この3作目では、何でいがみ合っているのかわからなくなってくるほど、両族が理性的に仲良くしている。今後は、オオカミVSヴァンパイアではなく、カレンファミリー側と非カレンファミリーみたいな対立軸で展開してく布石かなと(おそらく、オオカミ側から寝返るのも出てくるんだろう)。
#ただ、オオカミとバンパイア以外の種族を出すのはやめてほしい。フランケンみたいのがでてきたら怪物くんになっちゃうからね。

なんでこんなのが興業収入3億ドル超えしちゃうのか甚だ疑問なんだけど、若者の間のブームなんてそんなものだろうね。アメリカはヴァンパイアブームで、耳を尖らせる整形するアホもいるらしいし。
まあ、次を観るかどうかは、あらすじとか評判を聞いてからかな。とりあえず、現段階ではお薦めしない(いい大人のみなさんには特にね)。




負けるな日本

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image1697.png公開年:2009年
公開国:アメリカ
時 間:87分
監 督:ルーベン・フライシャー
出 演:ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、アビゲイル・ブレスリン、エマ・ストーン、アンバー・ハード、ビル・マーレイ 他
ノミネート:【2009年/第15回放送映画批評家協会賞】コメディ映画賞
【2010年/第19回MTVムービー・アワード】恐怖演技賞(ジェシー・アイゼンバーグ)、トンデモ・シーン賞(ビル・マーレイ)
コピー:目指せ、奴らのいない夢の遊園地へ 32のルールを駆使して生き残れ!!

ある日、世界は新型ウイルスに冒される。感染した人間は次々とゾンビになり、世界はゾンビで溢れかえってします。そんな中、テキサス州に暮らす大学生コロンバスは、独自に編み出した“32のルール”を実践してなんとか生き延びていた。逃げ回る中、ゾンビ退治に執念を燃やすタフガイ・タラハシーと出会い、彼と行動を共にすることに。さらに、詐欺で生計を立てていたウィチタとリトルロックの姉妹が合流。“ゾンビがいない夢の土地”という噂される、ロス郊外にある遊園地“パシフィックランド”を目指すのだが…というストーリー。

一見、くだらねないトンデモ作品かと思うのだが、実は侮れない作品。ゾンビもので、この飄々としたテイストって過去になかったと思う。

ゾンビ映画にカテゴライズされるだろうが、実ははそれは単なる味付けであって、青春ラブ&ロードムービーという切り口。かつてのゾンビ映画におけるゾンビは、“大衆消費社会”の投影だったりしたわけだが、本作でのゾンビは“社会の目”って感じかな。時代はかわったと言うか、価値観の変化みたいなものを感じさせてくれる。

①ひ弱でナヨナヨしたオタク引きこもりの大学生。現実社会に対して一歩踏み出すことに躊躇している。まさに“非リア充”。
②ゾンビを殺すことだけに生きがいを感じている粗暴なゾンビハンター。でもそれは、家庭での悲しいできごとが原因。他人から見ればなんてことのない物に執着しているのにも、やっぱり理由が…。
③人を信じることができなくなった、ちょっとビッチな娘。でも心を開きたいと思ってはいる。でもやはり環境がそれを許さないし、染み付いた行動パターンはなかなか変えられない。
④不遇な家庭環境ながら今に家庭を“正”として受け止めるしかない少女。だがその心は恵まれた子供よりも案外純真。

一見マイノリティと思われるかもしれないが、今の実社会において多数になりつつある人たち…ってこと。そしてゾンビは“リア充”。いや、「リア充のほうがノーマル」ていう社会通念上の価値観みたいなものの投影かな。
そして、本作を観てどう感じたか。おもしろいとか、なんか彼らにシンパシーを感じた人は、四人のキャラクターと同様の立場にいるってこと。私は完全に後者。
だから本作は、単なるホラーテイストのコメディなどではない。日本でいうところの『電車男』とかそっちの部類のお話…、と私は感じたわけ。
それでも、過去のゾンビ映画のパロディというかオマージュみたいな部分はふんだんにあり、かつ“32のルール”なんていう、完全に恋愛コメディテイストが自然に絡み合うという、このセンスの良さ。

なんで、こんな映画が一時的とはいえ全米興収№1になれるんだよって思った人は多いだろうが、私は納得。日本の配給会社が、この点を紹介しきれず、単なるゾンビコメディとしか認識できなかったのが、日本ではイマイチだった原因。

ただ、その答えが、“新しい家族の形”“新しい幸せの形”っていうこの提示が正しいか否かって点には、ひっかりを覚える。ひっかかりを覚えるだけに、これで終わるんじゃなくて、続編でもういっかい答えを探してみてもいいんじゃない?って気になるのだ。
とにかくお薦めの作品。印象にまどわされず是非。





負けるな日本

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image1647.png公開年:2008年 
公開国:スウェーデン
時 間:115分
監 督:トーマス・アルフレッドソン
出 演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナー 他
受 賞:【2009年/第63回英国アカデミー賞】外国語映画賞
【2009年/第22回ヨーロッパ映画賞】作品賞、音楽賞(ヨハン・セーデルクヴィスト)
【2008年/第14回放送映画批評家協会賞】外国語映画賞
コピー:怖ろしくも、哀しく、美しい12歳の初恋


ストックホルム郊外のアパートで母親と2人で暮らす12歳の少年オスカー。同級生からのいじめに耐えながら、いつか復讐しようと悶々とする日々。そんなある夜、オスカーはひとりの謎めいた少女と出会う。彼女は、隣の部屋に引越してきたエリという名の少女。次第に言葉を交わすようになり、心惹かれていくオスカー。その頃、町では猟奇的な殺人事件が次々と発生し、住民たちは不安に包まれるのだったが…というストーリー。

いままでにみたヴァンパイア映画の中で、ぶっちぎりの一位。アイドル映画まがいの『トワイライト』なんか、まるで鼻クソのレベルである。もう本作をみちゃったら『トワイライト』の次回作なんかどうでもよくなってしまう。

冬の北欧(かつ1980年代の設定)という、変に都会だったり田舎だったりしない具合が、内容にベストマッチ。凍てつく夜の空気が、幼い二人の恋のコントラストを際立たせる。
この監督は相当ウマい。最後のプールのシーンなんかは、映画史に残る演出かもしれない。
最後のカットで、父親と思われていた男が何者だったか、そしてオスカーがどういう道を選択したのかを示唆しているのだが、とても簡潔に表現できていて感服する。救いのない結末なのに、妙に魅力的に映るのは、それが初恋の純粋さ故なのか。ああ、コレが耽美というものか…と、久々にいい空気を感じながらエンドロールを眺めた。

これは、是非是非是非、観るべき。強くお薦めしたい作品。技術的な穴も見当たらないし、傑作だと思う。ハリウッドが食指を伸ばしそうな感じだけど、すっかり完成しているので、リメイクなんかして汚さないことを祈る。

#その後、オスカーが同じ道を歩まずに、病院に忍び込んで輸血用の血液を調達するなり、知恵を発揮してくれればいいのに…なーんて思うけど





負けるな日本

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クボタカユキ
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映画(DVD)鑑賞・特撮フィギュア(食玩/ガシャポン)集め
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一日一シネマ。読んだら拍手ボタンを押してくだされ。
出張とか入ると、投稿は遅れてしまいますわ。
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